職業安定法 第63条
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- 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑又は二十万円以上三百万円以下の罰金に処する。
- 一暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行い、又はこれらに従事したとき。
- 二公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集、募集情報等提供若しくは労働者の供給を行い、又はこれらに従事したとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 職業安定法第63条は、日本の職業安定法に含まれる条文です。
- 職業安定法第63条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑又は二十万円以上三百万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 職業安定法第63条は第五章に置かれています。
- 職業安定法の公布日は昭和22年11月30日です。
- 職業安定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 職業安定法第63条の前の条は職業安定法第62条です。
- 職業安定法第63条の次の条は職業安定法第64条です。
- 職業安定法第63条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第63条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141 - 本サイト収録
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第63条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000141/63
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点職業安定法63条は、暴行・脅迫等で自由を拘束して行う職業紹介や、有害業務に就かせる目的での紹介・募集を、一年以上十年以下の拘禁刑等で処罰する規定である。
Q · 風俗店に女性を紹介しただけで、本当に逮捕されるの?
売春等をさせる店と知って紹介すれば、同意があっても処罰対象
職業安定法63条2号は、公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的での職業紹介・募集・募集情報等提供・労働者供給を処罰します。暴行や脅迫は要件ではなく、紹介された本人の同意があっても犯罪は成立します。法定刑は一年以上十年以下の拘禁刑又は二十万円以上三百万円以下の罰金です。経営者だけでなく、紹介や募集に「従事した」スカウトや従業員も対象となります。一方、接客のみの適法な店への紹介は本条の対象外です。
解説
職業安定法にはいくつも罰則があるが、刑の重さでは本条が飛び抜けている。下限が「一年以上」の拘禁刑で、上限は十年。無許可の職業紹介(64条)や嘘の求人広告(65条)とは比べものにならない。強制労働の禁止(労働基準法5条)を破ったときの罰則(同法117条)と同じ水準である。処罰される類型は二つある。一つ目は、暴行・脅迫・監禁などで人の自由を縛って紹介・募集・供給をすること。二つ目のほうがあなたに身近で、しかも見落とされやすい。「公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務」(売春や違法な性風俗など、社会の健全さを損なう仕事)に就かせる目的で紹介や募集をすれば、それだけで成立する。相手を脅したかどうか、相手が同意していたかどうかは関係ない。さらに条文は「行い、又はこれらに従事したとき」と書いている。経営者だけでなく、声をかけたスカウト、求人原稿を書いた従業員、令和4年改正以降は求人情報を載せた媒体側まで、処罰の網の中にいる。
法的な位置づけ
職業安定法63条は、職業紹介・労働者の募集・労働者供給に関する重罰規定である。暴行・脅迫・監禁等の自由を不当に拘束する手段を用いた場合(1号)と、公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的がある場合(2号)を処罰対象とし、行為者本人に加えて当該行為に従事した者も含めて、一年以上十年以下の拘禁刑又は二十万円以上三百万円以下の罰金を科す。
よくある質問 AI による整理
Q1職業安定法63条とは?
職業紹介・募集・労働者供給を、暴力などで自由を縛って行う場合や、有害業務に就かせる目的で行う場合に処罰する、職業安定法で最も重い罰則規定です。
Q2職業安定法の「有害業務」とは具体的に何?
条文上は「公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務」です。売春や違法な性的サービスが典型例で、文言が曖昧なため裁判例は典型例を中心に慎重に解釈しています。
Q3職業安定法63条違反の罰金はいくら?
二十万円以上三百万円以下の罰金です。ただし罰金と並ぶ選択肢は一年以上十年以下の拘禁刑で、罰金で済む前提に立つことはできません。
Q4職業安定法63条違反で執行猶予はつく?
法定刑の下限が一年のため、三年以下の拘禁刑が言い渡されれば執行猶予の余地があります(刑法25条)。ただし有罪判決と前科は残ります。
Q5職業安定法63条の公訴時効はいつまで?
法定刑の長期が十年なので公訴時効は七年です(刑事訴訟法250条2項4号)。起算点は犯罪行為が終わった時です。
Q6闇バイトの募集投稿を拡散したら違法?
有害業務に就かせる目的の募集だと認識して拡散した場合、「募集に従事した」と評価される余地があります。適用は個別事案の判断によります。
Q7職業安定法63条で会社も処罰される?
従業員が業務として違反した場合、両罰規定(67条)により法人にも罰金が科されます。行為者個人の処罰とは別に会社の責任が問われます。
Q863条で有罪になると人材紹介事業はどうなる?
職業紹介事業の許可要件(32条)の欠格事由として扱われ、許可取得や事業継続に影響しうります。最新の要件は改正状況を確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ガールズバーのスカウトって、それだけで捕まるんですか?
接客だけの適法な店に紹介するのであれば、本条には当たらない。問題になるのは、紹介先で売春や違法な性的サービスをさせると知りながら紹介した場合である(63条2号)。実務のポイント:摘発されたスカウト事件では、店から受け取ったバック(紹介料)の額と、「本番あり」など業務内容を伝えた LINE が「目的」の立証に使われることが多い。「表向きはガールズバー」という看板は、スカウト側を守る盾にならない
Q2求人サイトに載っていた広告がヤバい仕事だったら、サイトも責任を問われますか?
令和4年改正で、2号の対象に「募集情報等提供」が加わった。有害業務と知りながら求人を掲載した媒体は、処罰されうる立場にある。実務のポイント:媒体側の運命を分けるのは「知っていたか」で、その判断材料は審査記録である。通報を受けても掲載を続けたという記録が一番危ない。通報を受けたら即日非掲載にし、その対応を記録しておく媒体と、そうでない媒体とでは、捜査を受けたときの立場がまったく違う
間違えやすい点 AI による整理
- 「本人が納得して働いているなら問題ない」と考えがちだが、2号は女性の同意を成立要件にしていない。罰しているのは「有害業務に就かせる目的」での紹介・募集そのものである。本人の同意は量刑に影響する余地があるにとどまり、犯罪の成否は変えない
- スカウトや求人媒体の担当者は「自分は紹介しただけで、雇ってはいない」と考える。しかし法律は雇用関係を見ていない。人を仕事に送り込む流れのどこかに関わったか(「従事したとき」)を見ている。あなたにとっては一回の声かけでも、法律から見れば、人を有害業務へ送る流れの一部を担ったことになる
- 罰則が重いのは知っていても、その重さを実感していない人が多い。下限が拘禁刑一年なので、罰金で済む軽い事件という前提は成り立たない。初犯なら執行猶予が付くことも多いが、前科は確定するし、法人には両罰規定(67条)で罰金が科される。職業紹介事業の許可要件(32条)で欠格事由として扱われ、事業そのものが止まりうる(最新の改正状況をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰対象の行為 | 職安法63条:自由を拘束する手段による紹介等(1号)、有害業務目的の紹介・募集・募集情報等提供・供給(2号) | 職安法64条:無許可の職業紹介など手続違反を中心とする行為 職安法65条:虚偽の広告・虚偽の条件提示など |
| 法定刑 | 一年以上十年以下の拘禁刑又は二十万円以上三百万円以下の罰金 | 一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金 六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金 |
| 規制の狙い | 人身の自由の侵害と性的搾取への送り込みを市場から遮断 | 許可制度など職業紹介市場の秩序維持 求職者が誤った情報で仕事を選ぶことの防止 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は職業紹介法制ではなく、人身取引防止法と刑法の媒介罪で同種の行為を処罰する。日本のように職業紹介法の中に重罰規定を置く構造ではない
韓国は日本の職業安定法と同じ型の規定を持ち、暴力的手段による紹介と、性売買などの業務に就かせる目的での紹介・募集を処罰する
ドイツは強制売春・強制労働として刑法典で処罰する。職業紹介という行為類型ではなく、搾取の構造に着目する
米国は連邦法で強制労働と性的人身取引を処罰し、勧誘・移送・提供など送り込みに関与する行為を広く対象とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 友人に「女の子を店に紹介するだけで一人10万円もらえる」と誘われたら、どうなる? 紹介先が売春をさせている店なら、紹介した時点であなたは本条2号の「職業紹介に従事した者」になる。報酬をもらったかどうか、女性本人が乗り気だったかどうかは成立に関係ない
- 求人サイトの運営会社で、掲載審査を担当している。「高収入・日払い・詳細は面接で」という原稿が毎週届く。令和4年改正で2号に「募集情報等提供」が加わり、有害業務と知りながら掲載を続ければ、媒体側も処罰対象になりうる。審査基準を見直すなら、次の掲載更新日より前に終わらせたい
- 外国人の知人が、来日時に仲介業者からパスポートを取り上げられ、「借金を返すまで辞めさせない」と言われて工場で働かされている。身体の自由を不当に拘束して労働者を供給したことになり、1号の典型例である。弁護士より先に、外国人技能実習機構か警察に連絡する選択肢もある
- 居酒屋のキャッチだと思って始めたバイトが、実はホストクラブ経由で女性を風俗店へ送る仕事だった。手を引くなら今日だ。「知らなかった」が認められるかは、指示内容と報酬体系から事後に判断される
取るべき行動
被害を受けた側:1. 身の危険がある場合は110番を最優先する。パスポートや身分証を取り上げられているなら、そのことも伝える2. 勧誘のメッセージ、契約書、給与明細、借用書の写真を、相手に見つからない場所に保存する3. 労働基準監督署、ハローワーク、外国人なら外国人技能実習機構や出入国在留管理庁の相談窓口、性的搾取が絡むなら警察の相談窓口に連絡する4. 不当に引かれた賃金や慰謝料は、刑事手続とは別に民事で請求できる(民法709条)
訴えられた側:1. 取調べの前に弁護士を呼ぶ。2号は「目的」の認識が争点なので、最初の供述が後の判断を左右する2. 紹介先の業務内容をどう認識していたかを示す資料(受けていた指示、報酬の仕組み、やり取り)を時系列で整理する3. 会社員として関与した場合、会社の指示系統を明らかにする4. 事業者は許可への影響と両罰規定(67条)の対応を、刑事弁護と並行して検討する
時効(請求できる期限):公訴時効は7年(法定刑の長期が10年のため、刑事訴訟法250条2項4号)。起算点は犯罪行為が終わった時。継続的な募集や供給の場合、最後の行為の時点から数える方向になりやすい。被害者の民事請求は、損害と加害者を知った時から3年(民法724条)
学説
通説:2号は目的犯であり、紹介先が有害業務を行わせる場であるとの認識と、そこに就かせる目的が必要。紹介された者の同意は犯罪の成否に影響せず、量刑で考慮されるにとどまる。
従事者処罰の射程:「これらに従事したとき」により、事業主体だけでなく、紹介・募集の過程に関与したスカウトや従業員も処罰対象となる。雇用関係の有無ではなく、送り込みの流れへの関与が基準となる。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)改正 2号の対象行為に「募集情報等提供」が加わり、求人メディアなど募集情報の提供者も処罰対象に含まれた(施行日・改正の詳細は要確認)
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)6月1日施行 刑法等の改正に伴い「懲役」が「拘禁刑」に改められた
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:職業安定法の制定時に、暴力的手段による紹介等と有害業務目的の紹介等を重く処罰する規定として設けられた
- 2.令和4年(2022年) 改正:2号の対象行為に「募集情報等提供」が加わり、求人メディアなど募集情報の提供者も処罰範囲に含まれた(施行日・詳細は要確認)
- 3.令和7年(2025年) 改正:刑法等の改正(令和4年公布)に伴い、2025年6月1日施行で「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 職業安定法 第64条無許可紹介等のより軽い罰則
- 職業安定法 第65条虚偽広告等の罰則
- 職業安定法 第67条両罰規定、法人への罰金
- 職業安定法 第4条職業紹介・募集等の定義
- 労働基準法 第5条強制労働の禁止、同水準の重罰
- 労働者の派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第58条有害業務目的の派遣を同様に処罰(通称 労働者派遣法)
- 売春防止法 第12条管理売春業の処罰と競合
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