職業安定法 第67条
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法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第六十三条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 職業安定法第67条は、日本の職業安定法に含まれる条文です。
- 職業安定法第67条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第六十三条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、…」で始まります。
- 職業安定法第67条は第五章に置かれています。
- 職業安定法の公布日は昭和22年11月30日です。
- 職業安定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 職業安定法第67条の前の条は職業安定法第66条です。
- 職業安定法第67条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第67条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141 - 本サイト収録
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第67条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000141/67
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点職業安定法67条は、従業者が業務に関して63条から66条に違反したとき、本人に加え法人や個人事業主にも各本条の罰金刑を科す両罰規定です。
Q · 社員が違法な職業紹介や虚偽の求人広告を出したら、会社も罰せられるの?
はい。業務に関する違反なら会社にも罰金が科されます
職業安定法67条により、社員や代理人が会社の業務に関して63条から66条の違反(有害業務への紹介、無許可の有料職業紹介、虚偽の求人広告など)をした場合、本人が処罰されるうえ、会社や個人事業主にも各本条の罰金刑が科されます。63条違反なら法人の罰金は最高300万円です。両罰規定一般について判例は、事業主が選任・監督上の注意を尽くしたことを証明すれば免責されうると解しています。
解説
罰金の請求書は、手を動かした社員一人だけに届くわけではない。職業安定法67条は「両罰規定」(違反した本人と、その人を使っていた会社や事業主の両方を罰する仕組み)である。社員、代理人、アルバイトが会社の仕事として63条から66条の違反をすれば、本人が処罰されるうえに、会社や個人事業主にも同じ条文の罰金刑が科される。対象になる違反は幅広い。暴行や脅迫を使った紹介、有害な業務への紹介(63条)、許可のない有料職業紹介や労働者供給(64条)、虚偽の求人広告(65条)などが入る。見落とされやすいのは、「人」には個人事業主も含まれる点である。業務委託で採用代行を回しているフリーランスも、外注先が違反すれば罰金を科される側になりうる。判例は、事業主が選任・監督上の注意(違反を防ぐために払うべき注意)を尽くしたと証明できれば免責されうると解している。逆にいえば、研修記録や広告チェックの仕組みを証拠として残していない会社は、「知らなかった」と言っても通らない。
法的な位置づけ
職業安定法第67条は、法人の代表者、法人または人の代理人・使用人その他の従業者が、その業務に関して同法63条から66条の違反行為をした場合に、行為者に加えて業務主である法人または自然人にも各本条の罰金刑を科す両罰規定である。判例上、業務主の選任・監督上の過失を推定する趣旨と解されている。
よくある質問 AI による整理
Q1職業安定法の両罰規定とは?
従業者が業務に関して職業安定法63条から66条に違反したとき、行為者本人に加えて会社や個人事業主にも罰金刑を科す仕組みです(67条)。
Q2職業安定法違反 法人の罰金 いくら?
各本条の罰金刑が科されます。63条違反なら20万円以上300万円以下、64条違反なら100万円以下、65条・66条違反なら30万円以下です。
Q3個人事業主も両罰規定の対象になる?
なります。条文の「人」には自然人の事業主が含まれます。採用代行を外注しているフリーランスも、従業者の違反で罰金を科されえます。
Q4両罰規定で会社が免責される条件は?
両罰規定一般について判例は、事業主が従業者の選任・監督に必要な注意を尽くしたことを証明すれば免責されうると解しています。
Q5虚偽の求人広告は職業安定法違反?
虚偽の広告や虚偽の条件呈示による募集は65条の罰則対象です。業務として行われれば67条により会社にも罰金が科されます。
Q6無許可で人材紹介したら会社はどうなる?
無許可の有料職業紹介は64条違反で、行為者は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、会社にも100万円以下の罰金が科されえます。
Q7職業安定法67条 公訴時効 何年?
法人に科される罰金刑を基準にすると、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。違反行為の終了時から進行します。
Q8派遣会社が罰金刑を受けたら許可取消し?
一定の罰金刑は職業紹介事業や労働者派遣事業の許可の欠格事由・取消事由に該当しえます。最新の条文で該当性を必ず確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社員が副業で勝手にやった紹介でも、会社が罰せられるんですか?
67条の要件は「その法人又は人の業務に関して」違反したことです。完全に私的な副業であれば会社は対象になりにくいですが、会社のアカウント、名刺、顧客リストを使っていれば業務関連性が認められやすくなります。実務のポイント:捜査ではまず社用 PC とチャットの履歴が押さえられる。副業規程で「人材紹介に類する行為の禁止」を明文化しておけば、業務との切り分けを主張する材料になる
Q2会社が罰金を払えば、違反した社員本人は無罪放免ですか?
なりません。67条は「行為者を罰するほか」と定めているので、本人は63条から66条の本来の刑で処罰されます。63条違反なら拘禁刑もありえます。実務のポイント:法人と個人の利害は途中から対立しやすく、本人は「会社の指示だった」と供述しがちである。同じ弁護士が両方を担当すると利益相反になるため、早い段階で弁護人を分けるのが実務の定石である
Q3罰金って数十万円でしょ?払えば終わりじゃないですか?
金額だけを見ると、65条違反なら30万円以下です。しかし罰金刑を受けると、職業紹介事業や労働者派遣事業の許可の欠格事由や取消事由に該当しうる点が本当のリスクです(職業安定法32条ほか、最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:人材会社のM&Aのデューデリジェンスでは、過去の両罰規定による処罰歴が必ず確認される。罰金一回で、会社の売却価格が大きく下がることもある
間違えやすい点 AI による整理
- 「違反した社員を懲戒解雇すれば会社は守れる」と考えがちだが、話は逆である。違反後の処分は、選任・監督上の注意を尽くしていた証拠にはならない。問われるのは違反が起きる前の体制であり、事後の切り捨ては免責事由にならない
- 両罰規定は知っていても、法人への罰金で終わると思っていないだろうか。会社の前科は許可制度に跳ね返る。一定の罰金刑を受けると、有料職業紹介事業の許可の欠格事由や取消事由に該当しうる。数十万円の罰金より、事業そのものを失う影響のほうがはるかに大きい(最新の改正状況をご確認ください)
- 経営者から見れば、違反は「一人の社員が勝手にやったこと」である。法律から見れば、会社の業務の中で、会社の監督のもとで起きたことになる。この見方のズレに気づかないまま採用活動を現場任せにしている会社ほど、労働局の調査が入ったときに反論する材料を持っていない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる行為 | 67条:63条〜66条の違反行為を業務に関して行った場合(両罰) | 63条:暴行・脅迫等による紹介、有害業務への紹介等 64条:無許可の有料職業紹介・労働者供給事業等 |
| 行為者本人の法定刑 | 各本条の刑がそのまま行為者に科される(67条は「行為者を罰するほか」) | 1年以上10年以下の拘禁刑または20万円以上300万円以下の罰金 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
| 法人・事業主に科される刑 | 各本条の罰金刑のみ(拘禁刑は科されない) | 20万円以上300万円以下の罰金 100万円以下の罰金 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の就業服務法も、法人の代表者や従業員が業務執行に関して違反したとき法人等に罰金を科す両罰構造を持つ。日本の両罰規定と同型の立法技術である
韓国の職業安定法も両罰規定を置く。韓国憲法裁判所は免責規定のない両罰規定を責任主義違反とし、相当な注意・監督を怠らなかった場合の免責ただし書が整備された
ドイツには法人の刑事責任がなく、秩序違反法上の過料(Verbandsgeldbuße)と監督義務違反で対応する。刑罰ではなく行政制裁として構成される点が日本と異なる
米国は respondeat superior により従業員の職務上の犯罪を法人に帰責する。コンプライアンス体制は免責よりも量刑・訴追判断で考慮される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 営業成績に追われた採用担当が、求人票の月給に実態のない固定残業代を上乗せしてSNS広告を出した。虚偽広告で65条違反となれば、担当者だけでなく会社も罰金の対象になる。社内で決裁していなかったことは、会社の盾にならない
- もしあなたの会社のスカウト担当が、副業感覚で若い女性を性風俗店に紹介し、紹介料を受け取っていたら、会社はどうなる? 公衆道徳上有害な業務への紹介は63条で最も重い罪にあたる。会社の名刺と社用スマホを使っていたなら、「業務に関して」と認定される可能性が高い
- 人材紹介業の許可を取る前に、スタートアップの社員が知人企業へ候補者を紹介して成功報酬をもらった。無許可の有料職業紹介は64条違反にあたり、法人も罰金を科される
- 労働局から呼び出しの通知が届き、一週間後に事情聴取が入った。手元にあるのは、口頭で済ませた社員研修と、チェックした記録のない求人広告だけ。注意を尽くしたことを示す証拠を、今から作ることはできない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 虚偽の求人や違法な紹介の被害にあったら、求人広告のスクリーンショット、メッセージ履歴、紹介料の振込記録をすぐ保存する2. 管轄の都道府県労働局(需給調整事業部門)に申告する。担当者個人ではなく、会社名で申告する3. 金銭的な損害があれば、民法709条・715条にもとづいて会社に損害賠償を請求する。刑事の両罰規定とは別の手続として進められる
訴えられた側:1. 会社が調査の対象になったら、違反した社員の処分より先に、違反前からあった研修記録、広告審査フロー、社内規程を確保する2. 違反行為が「業務に関して」行われたものかどうか(私的な副業だったのではないか)を事実で切り分ける3. 許可事業者の場合、欠格事由への影響を弁護士と早めに検討する4. 再発防止策を文書にして労働局へ自主的に報告すれば、行政処分の判断で考慮される可能性がある
時効(請求できる期限):法人に科される罰金刑の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号、違反行為の終了時から起算)。判例上、法人の時効期間は法人に科される罰金刑を基準に考えるとされる(最新の解釈状況をご確認ください)
学説
過失推定説(判例・通説):業務主の処罰根拠を従業者の選任・監督上の過失の推定に求める。業務主は注意を尽くしたことを証明すれば免責される。責任主義との調和を図る立場として判例が採用している。
純過失説:業務主の過失は推定ではなく、検察官が積極的に立証すべきとする立場。責任主義をより徹底するが、行政取締りの実効性が弱まるとの批判がある。
無過失責任説(旧来の見解):業務主は従業者の違反について過失の有無を問わず処罰されるとする立場。責任主義に反するとして、現在は支持を失っている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:職業安定法(昭和22年法律第141号)の制定時から罰則章に両罰規定が置かれ、職業紹介・労働者供給に関する違反について業務主の処罰を定めた。
- 職業安定法 第63条暴行脅迫・有害業務紹介の最重罰則
- 職業安定法 第64条無許可紹介・労働者供給等の罰則
- 職業安定法 第65条虚偽広告・虚偽条件呈示等の罰則
- 職業安定法 第66条報告拒否等の軽微違反の罰則
- 職業安定法 第44条労働者供給事業禁止、両罰の典型対象
- 労働基準法 第121条労基法違反の両罰規定、並行適用
- 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第62条派遣法違反の両罰規定(通称 労働者派遣法)
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