食品衛生法 第61条
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都道府県知事は、営業者がその営業の施設につき第五十四条の規定による基準に違反した場合においては、その施設の整備改善を命じ、又は第五十五条第一項の許可を取り消し、若しくはその営業の全部若しくは一部を禁止し、若しくは期間を定めて停止することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 食品衛生法第61条は、日本の食品衛生法に含まれる条文です。
- 食品衛生法第61条の条文原文は「都道府県知事は、営業者がその営業の施設につき第五十四条の規定による基準に違反した場合においては、その施設の整備改善を命じ、又は第五十五条第一項の許可を取り消し、…」で始まります。
- 食品衛生法第61条は第九章 営業に置かれています。
- 食品衛生法の公布日は昭和22年12月24日です。
- 食品衛生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 食品衛生法第61条の前の条は食品衛生法第60条です。
- 食品衛生法第61条の次の条は食品衛生法第62条です。
- 食品衛生法第61条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第61条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233 - 本サイト収録
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第61条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000233/61
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点食品衛生法61条は、施設が条例の施設基準(54条)に違反した場合、知事が改善命令・許可取消し・営業禁止・営業停止を命じられると定める。食中毒の発生は要件ではない。
Q · 食中毒を一度も出していないのに、営業停止になることはあるの?
ある。施設基準違反だけで61条の処分対象になる
食品衛生法61条により、営業施設が都道府県条例の施設基準(54条)を満たしていない場合、知事は整備改善命令、営業許可の取消し、営業の全部または一部の禁止、期間を定めた停止を命じることができます。食中毒の有無は要件ではありません。ただし処分は裁量であり、通常は行政指導から段階を踏み、停止には弁明、取消しには聴聞の機会が原則として与えられます(行政手続法13条)。
解説
食中毒を一件も出していなくても、店は閉めさせられることがある。食品衛生法61条が問題にするのは「何が起きたか」ではなく「施設がどうなっているか」だからだ。手洗い設備が一つ足りない、冷蔵庫に温度計がない、床や壁が清掃しにくい構造のまま放置されている。都道府県が条例で定めた施設基準(54条)を満たしていなければ、都道府県知事(保健所を設置する市では市長、東京23区では区長)は、改善命令、営業許可の取消し、営業の全部または一部の禁止、期間を決めた営業停止のいずれかを選べる。ここで押さえておきたいのは、保健所の担当者が最初に渡す「指導票」は行政指導(お願いにとどまり、法的な強制力はない)であり、61条の命令とは別物だということだ。指導の段階で直せば、処分の記録は残らない。無視して命令に進むと、処分は公表の対象になり(69条)、命令に違反して営業を続ければ刑事罰まで見えてくる。そして取消しまで行くと、原則として2年間は新しい許可を取れなくなる可能性がある(55条2項)。指導票をどう扱うかで、店の数年先が決まる。
法的な位置づけ
食品衛生法第61条は、営業施設が同法第54条の施設基準に適合しない場合に、都道府県知事(保健所設置市の市長・特別区の区長を含む)が講じうる行政処分を定める規定である。処分の種類は施設の整備改善命令、営業許可の取消し、営業の全部または一部の禁止、期間を定めた営業停止であり、いずれを選択するかは知事の裁量に委ねられる。
よくある質問 AI による整理
Q1飲食店の施設基準とは何ですか?
食品衛生法54条に基づき、厚生労働省令の基準を参酌して都道府県等が条例で定める設備の基準です。手洗い設備、冷蔵設備、清掃しやすい床・壁などが対象です。
Q2保健所の改善命令に従わないとどうなる?
命令違反のまま営業を続けると刑事罰の対象となり、両罰規定により法人にも罰金が科されえます。さらに許可取消しなど重い処分に進むおそれがあります。
Q3営業停止処分は公表されますか?
食品衛生法69条により、知事は処分を受けた営業者の名称や処分内容の公表に努めるとされ、自治体のウェブサイトに掲載されることがあります。
Q4営業許可取消し後、いつから再申請できる?
取消しから2年を経過しない者には許可を与えないことができるとされています(55条2項)。法人の場合は役員の状況も審査に影響しえます。
Q5営業停止処分に不服がある場合どうする?
処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求、または6か月以内に取消訴訟を提起できます。営業継続が必要なら執行停止の申立ても検討します。
Q6施設基準違反で営業停止は違法?
61条に根拠があるため直ちに違法ではありません。ただし違反の程度に比べて重すぎる処分は比例原則違反として取り消される余地があります。
Q7営業停止の期間はどれくらい?
61条は期間を具体的に定めておらず、知事が違反内容に応じて決めます。改善の完了が確認できるまでの期間とされることが多いです。
Q8キッチンカーにも施設基準はある?
あります。自動車で調理を行う営業も許可業種であり、給水タンクや手洗い設備など条例上の施設基準を満たさなければ61条の処分対象になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保健所に言われた改善、期限までに間に合わなかったら即営業停止ですか?
即停止とは限らない。61条は「命じることができる」という裁量規定で、通常は指導、改善命令、停止の順に段階を踏む。停止や取消しの前には原則として弁明の機会や聴聞がある(行政手続法13条)。実務のポイント:間に合わないと分かった時点で、工事の発注書と完了予定日を持って自分から保健所へ行く。黙って期限を過ぎた店と、事前に連絡してきた店では、担当者の次の一手がまったく違う
Q2営業停止と許可取消し、結局どっちも店を閉めるんだから同じでしょ?
まったく違う。停止は期間が過ぎれば同じ許可で再開できるが、取消しは許可そのものが消え、再申請が必要になる。しかも取消しから2年を経過しない者には許可を与えないことができる(55条2項)。役員がその立場にある法人も同じ扱いになりうる(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:弁明や聴聞で最も粘るべきなのは、処分の有無より「取消しではなく停止に」という一点である
Q3居抜きで買った店、前の人は何年も営業してたのに、なんで自分だと設備がダメって言われるんですか?
許可は営業者ごと、施設ごとに出るため、新規申請では現行の条例基準(54条)で検査される。前の営業者が古い基準のもとで許可を得ていても、あなたの審査には関係しない。事業譲渡で営業者の地位を承継した場合(56条)は扱いが変わりうる。実務のポイント:居抜き契約を結ぶ前に、管轄の保健所へ図面を持って事前相談する。契約書にサインした後で追加工事が必要と分かっても、家賃はもう発生している
間違えやすい点 AI による整理
- 「食中毒を出さなければ営業停止にはならない」と考えるのは誤りである。食中毒などの食品そのものの問題は60条、施設基準違反は61条と、根拠条文が別に用意されている。被害者がゼロでも、設備が条例基準を下回っていれば処分の対象になる
- 保健所の指摘が怖いのは知っていても、段階の違いによる重さの差まで知っている営業者は少ない。指導票は行政指導で、取消訴訟の対象にならない代わりに記録上の不利益も小さい。命令になった瞬間、行政処分として公表の対象となり、違反すれば刑事罰へつながる。そして取消しまで行くと、許可の欠格事由として数年先の再出発にまで影響が及ぶ
- 「許可は店舗に付いているから、店ごと買えば許可も付いてくる」という問いの立て方そのものがずれている。営業許可は施設ごとに、営業者に対して出される。事業譲渡・相続・合併で地位を承継する仕組み(56条)はあるが、建物の賃貸借を引き継いだだけでは許可は移らない。新規申請になれば現行の条例基準で一から検査される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分の原因 | 61条:営業施設が54条の施設基準に違反 | 60条:食品・添加物等の安全規定違反や欠格事由該当 55条:許可付与段階の審査(施設基準適合と欠格事由) |
| とりうる措置 | 整備改善命令、許可取消し、営業の全部・一部禁止、期間を定めた停止 | 許可取消し、営業の全部・一部禁止、期間を定めた停止 許可の付与・不付与(取消後2年以内は不許可とすることができる) |
| 食中毒との関係 | 発生は不要。設備の状態そのものが理由 | 有害食品の販売等、食品そのものの問題が典型 直接の関係なし。過去の取消しが再出発を縛る |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は食品良好衛生規範(GHP)違反に対し、期限付き改善命令を前置し、改善しない場合に罰鍰、情状が重ければ歇業・停業・登録廃止まで進む段階構造をとる。
韓国は施設改修命令と許可取消し・営業停止を別条で定め、行政処分基準を施行規則の別表で細かく定量化している点が日本より透明性が高い。
ドイツではEU公的管理規則が直接適用され、違反確認時に当局が営業所の全部または一部の閉鎖を含む措置を命じる。国内法LFGBがこれを補完する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保健所の定期立入で、厨房の手洗い器が一つしかなく、しかも蛇口がレバー式ではないと指摘された。その場で渡されたのは「改善指導票」。期限は1か月。忙しさを理由に放置すると、次に届く書面は61条に基づく改善命令になりうる
- 居抜きで借りたラーメン店の前オーナーは、古い基準のまま営業していた。あなたが自分名義で新しく許可を取ろうとすると、今の条例基準で検査される。前の店で通っていた設備が、あなたの申請では通らない。開業予定日まで残り2週間
- 営業停止処分の事前通知が届き、「弁明書の提出期限は7日後」と書いてある。何も出さなければ、あなたの言い分なしで処分が決まる
- もし改善命令を受けたのに、工事の見積もりが高すぎて手を付けないまま営業を続けたら、どうなる? 命令違反として刑事罰の対象になり、罰則の両罰規定によって会社にも罰金が科されうる。行政の話だったものが、刑事の話に変わる
- 友人が週末だけ間借りで弁当を作って売っている。借りている店の営業許可は、その店のオーナーの営業に対して出たもので、友人の営業には出ていない。施設基準違反どころか、無許可営業の問題になる
取るべき行動
被害を受けた側:(処分を受けそうな営業者の立場から)1. 渡された書面が行政指導の「指導票」か、61条に基づく「命令書」かを確認する2. 指摘項目を条例の施設基準と一つずつ照らし合わせ、工事業者から見積もりを取る3. 改善計画と日程を書面で保健所へ提出し、写しを保管する4. 停止・取消しの事前通知が来たら、期限内に弁明書を出すか聴聞に出て、一部処分で足りることを具体的に主張する5. 処分後に争うなら、審査請求または取消訴訟と執行停止の申立てを行政事件に詳しい弁護士と検討する
訴えられた側:(処分を受けた、または命令違反を疑われている営業者の立場から)1. 命令に従わずに営業を続けるのは最悪の手で、刑事罰と法人への両罰の危険がある。まず命令内容の履行に着手する2. 基準を満たしていると考えるなら、写真・図面・業者の施工証明で客観的に立証する3. 処分が重すぎると考えるなら、比例原則違反や手続の瑕疵(弁明の機会がなかった等)を理由に審査請求または取消訴訟を検討する4. 取消処分は再許可の欠格事由につながりうるため、停止処分との違いを必ず意識して争う
時効(請求できる期限):審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は処分を知った日から6か月以内、処分の日から1年を経過すると原則提起できない(行政事件訴訟法14条)。弁明書の提出期限は事前通知に記載され、1〜2週間程度のことが多い
学説
通説:61条の処分は「できる」規定による効果裁量であり、処分の要否と種類の選択は知事に委ねられる。ただし比例原則・平等原則による統制を受け、違反の程度に照らし過度な処分は裁量権の逸脱・濫用として取り消されうる。
改正沿革 AI による整理
- 平成30年(2018年)改正(令和3年(2021年)6月1日全面施行) 営業許可制度の見直しとともに条文番号が整理され、旧56条の規定が現行61条に移った。施設基準は厚生労働省令で定める基準を参酌して都道府県が条例で定める仕組みに改められた(改正回数全体は要人的検証)
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:食品衛生法制定(昭和22年法律第233号)。営業施設の基準と許可制度、違反時の行政処分の枠組みが設けられた。
- 2.平成30年(2018年) 改正:平成30年法律第46号による改正で営業許可制度が見直され、施設の整備改善命令等を定める旧56条相当の規定が現行61条に移った。令和3年(2021年)6月1日に全面施行。
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