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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第207条の3

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  1. 裁判官は、前条第二項の規定による措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被疑者又は弁護人の請求により、当該措置に係る個人特定事項の全部又は一部を被疑者に通知する旨の裁判をしなければならない。
  2. 一イ又はロに掲げる個人特定事項の区分に応じ、当該イ又はロに定める場合であるとき。
  3. 一被害者の個人特定事項当該措置に係る事件に係る罪が第二百一条の二第一項第一号イ及びロに規定するものに該当せず、かつ、当該措置に係る事件が同号ハに掲げるものに該当しないとき。
  4. 二被害者以外の者の個人特定事項当該措置に係る者が第二百一条の二第一項第二号に掲げる者に該当しないとき。
  5. 二当該措置により被疑者の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるとき。
  6. 2.裁判官は、前項の請求について裁判をするときは、検察官の意見を聴かなければならない。
  7. 3.裁判官は、第一項の裁判(前条第二項の規定による措置に係る個人特定事項の一部を被疑者に通知する旨のものに限る。)をしたときは、速やかに、検察官に対し、被疑者に示すものとして、当該個人特定事項(当該裁判により通知することとされたものを除く。)を明らかにしない方法により被疑事実の要旨を記載した勾留状の抄本その他の勾留状に代わるものを交付するものとする。
  8. 4.第七十条第一項本文及び第二項の規定は、第一項の裁判の執行について準用する。
  9. 5.第一項の裁判を執行するには、前条第二項の規定による措置に係る個人特定事項の全部について当該裁判があつた場合にあつては勾留状を、当該個人特定事項の一部について当該裁判があつた場合にあつては第三項の勾留状に代わるものを、被疑者に示さなければならない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第207条の3は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第207条の3の条文原文は「裁判官は、前条第二項の規定による措置をとつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、被疑者又は弁護人の請求により、当該措置に係る個人特定事項の…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第207条の3は第一章 捜査に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第207条の3の前の条は刑事訴訟法第207条の2です。
  7. 刑事訴訟法第207条の3の次の条は刑事訴訟法第208条です。
  8. 刑事訴訟法第207条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第207条の3
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第207条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/207_3
裁判例 1件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法207条の3は、秘匿措置のある勾留で防御に実質的な不利益が生じる場合、被疑者・弁護人の請求により裁判官が個人特定事項の全部又は一部を通知しなければならないと定める。

Q · 勾留状の被害者欄が黒塗りで、誰に何をしたとされているのか分かりません。教えてもらえないんですか?

防御に実質的な不利益があれば、開示を請求できます

刑事訴訟法207条の3により、被害者・証人の個人特定事項を秘匿して勾留した場合でも、被疑者又は弁護人の請求があり、秘匿が本来の対象類型に当たらないとき、又は秘匿によって防御に実質的な不利益が生ずるおそれがあるときは、裁判官は当該事項の全部又は一部を被疑者に通知しなければなりません。これは裁判官の裁量ではなく義務です。全部開示が難しい場合でも、被疑事実の要旨を記載した勾留状に代わる書面の交付(3項)を求めることができます。

解説

勾留質問の場で、裁判官から「あなたを勾留する」と告げられる。だが手元の勾留状を見ると、被害者の名前も、被疑事実の核心部分も黒塗りになっている。これは令和5年改正で導入された個人特定事項(被害者や証人の氏名・住所など、その人を特定できる情報)の秘匿措置(前条207条の2)であり、報復や逆恨みから被害者・証人を守る仕組みだ。だが、誰が何を告発しているのか分からなければ、あなたは反論のしようがない。207条の3は、その黒塗りを押し返すための条文である。秘匿された情報が本来伏せるべき類型に当たらない場合、または秘匿によってあなたの防御に実質的な不利益(具体的なアリバイや反証を主張できなくなるなど)が生じる場合、被疑者または弁護人の請求により、裁判官は情報の全部または一部をあなたに通知しなければならない。秘匿は絶対の原則ではなく、あなたの防御権との綱引きで決まる。黙って黒塗りを受け入れる必要はない。

法的な位置づけ

刑事訴訟法207条の3は、個人特定事項の秘匿措置(207条の2)がとられた勾留において、被疑者側の通知請求権を定める規定である。秘匿が対象類型に当たらないとき、又は防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるとき、裁判官は当該事項の全部又は一部を被疑者に通知する義務を負い、一部通知の場合は勾留状に代わる書面が交付される。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.勾留状の黒塗り箇所を確認し防御に必要な情報か見極める 勾留状を受け取ったら、まず黒塗りされた個人特定事項を確認する。その情報がアリバイ・示談・正当防衛など具体的な反証に本当に必要か、弁護人と一緒に切り分ける
  2. 2.弁護人を通じて207条の3第1項の通知請求を行う 被疑者本人又は弁護人が、裁判官に対し個人特定事項の全部又は一部の通知を請求する。請求を受けた裁判官は検察官の意見を聴いた上で(2項)、裁判で通知の可否を判断する
  3. 3.「防御に実質的な不利益が生じる」ことを具体的に主張する 抽象的な不公平ではなく、『相手が特定できないとこの日時のアリバイを主張できない』『示談済みの事実を持ち出せない』など、具体的な防御の支障を言語化して請求書に明記する
  4. 4.全部開示が難しければ一部通知・代替書面の交付を求める 全部通知が認められなくても、秘匿情報を伏せたまま被疑事実の要旨を記載した勾留状に代わる書面(3項)の交付を求める。『いつ・どこで・何をしたとされるか』だけでも防御は組める

よくある質問 AI による整理

Q1個人特定事項とは何ですか?

被害者や証人を特定できる氏名・住所・生年月日などの情報です。刑事訴訟法207条の2でこれを秘匿して勾留する措置が認められ、207条の3で被疑者側の通知請求が定められています。

Q2刑事訴訟法207条の3の通知請求は誰ができますか?

被疑者本人又は弁護人ができます。請求を受けた裁判官は検察官の意見を聴いた上で(2項)、通知の可否を裁判で判断します。

Q3秘匿措置はいつから始まった制度ですか?

令和5年(2023年)改正で新設され、令和6年(2024年)に施行されました。被害者・証人を報復から守るための比較的新しい制度です。

Q4勾留状の黒塗りは弁護人にも見せてもらえないのですか?

秘匿された個人特定事項は被疑者に示されませんが、弁護人は被疑者のために207条の3で通知請求でき、防御への支障を具体的に主張できます。

Q5一部通知の場合はどんな書面がもらえますか?

秘匿情報を伏せたまま被疑事実の要旨を記載した、勾留状に代わる書面(勾留状の抄本等)が交付されます(3項)。氏名は伏せても事実の骨格は分かります。

Q6通知請求はいつまでにすればいいですか?

明文の出訴期間はありませんが、勾留期間は最大約20日強と短いため、勾留質問直後の早期請求が防御準備の鍵になります。

Q7秘匿措置に被害者側はどう関われますか?

被疑者側が通知請求した場合、裁判官は検察官の意見を聴きます(2項)。被害者は報復・接触の現実的危険を検察官経由で具体的に伝えることができます。

Q8公判段階でも同じ秘匿の仕組みはありますか?

あります。起訴状については刑事訴訟法271条の2以下が同様の秘匿措置を定め、公判段階での開示の枠組みが用意されています。

この条文についての質問 AI による整理

Q1勾留状が黒塗りで、誰に何をしたとされているのか分かりません。これって違法じゃないんですか?

違法ではない。令和5年改正で導入された個人特定事項の秘匿措置(刑事訴訟法207条の2)に基づく適法な制度で、被害者・証人を報復から守るためのものだ。ただし黙って受け入れる必要はなく、207条の3で被疑者・弁護人は通知請求ができる。実務のポイント:この制度は2024年施行とまだ新しく運用の蓄積が浅い。防御への支障を具体的に書面化して請求すると、裁判官の通知義務(「しなければならない」)を引き出しやすい

Q2全部開示してもらえないなら、請求しても意味がないのでは?

そうとは限らない。207条の3は全部通知だけでなく一部通知も認め、一部の場合は秘匿情報を伏せたまま被疑事実の要旨を記載した勾留状に代わる書面が交付される(3項)。氏名は伏せても『いつ・どこで・何をしたとされるか』が分かれば防御は組める。実務のポイント:『全部か無か』で考えず、防御に最低限必要な日時・場所・行為態様だけでも開示を求める方が、裁判官も認めやすく実益が大きい

間違えやすい点 AI による整理

  • 「裁判官が秘匿を決めたら、被疑者側にはもう覆せない」と思われがちだが、逆である。被疑者・弁護人には通知請求権があり、防御に実質的な不利益が生じると認められれば、裁判官は通知「しなければならない」。これは裁判官の裁量ではなく義務だ
  • 秘匿措置があること自体は知っていても、それが「被疑者の防御権を犠牲にしうる」深刻さまで理解している人は少ない。誰が告発者か分からないまま勾留が続けば、何を否認すべきかすら特定できず、最大20日強という勾留期間が反証の準備もできないまま流れていく
  • 「黒塗りされたら全部の開示を求めればいい」という問いの立て方そのものがずれている。207条の3は全部通知と一部通知を区別し、一部通知の場合は秘匿情報を伏せたまま被疑事実の要旨を記載した別書面(勾留状に代わるもの)が交付される。求めるべきは『全部』ではなく『防御に最低限必要な範囲』だ
比較の観点この条文ほかの条文
役割207条の3:秘匿を押し返す被疑者側の通知請求207条の2:勾留段階の秘匿措置の本体規定
271条の2:起訴状段階の秘匿措置
手続段階勾留段階(秘匿後の開示請求)勾留段階(秘匿の決定)
公判(起訴)段階
主たる主体被疑者・弁護人(請求)→ 裁判官(通知義務)検察官の請求等 → 裁判官(秘匿)
検察官(起訴状の秘匿)→ 裁判所
効果全部又は一部通知(要件充足時は義務)・代替書面交付個人特定事項を被疑者に示さない
起訴状で個人特定事項を秘匿

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
性侵害犯罪防治法第12条・證人保護法

台湾は性犯罪被害者の身分情報の非開示や証人保護を個別法で規律する。日本の207条の3のように勾留段階で被疑者の通知請求権を一般化した明文規定とは構造が異なる。

韓国
특정범죄신고자 등 보호법

韓国は特定犯罪の通報者・証人の身元情報秘匿を定める。被疑者の防御権との調整は運用に委ねられる部分が大きい。

ドイツ
StPO § 68 Abs. 2–3

ドイツは証人が住所・氏名の開示を拒める仕組みを持つが、被告人の対質権(EMRK 6条)との緊張が判例で問題化する。

アメリカ
Confrontation Clause(U.S. Const. amend. VI)/ 18 U.S.C. § 3771

米国は被告人の対質権が強く、証人の匿名化には憲法上の制約が大きい。被害者の権利は Crime Victims' Rights Act 等で別途保障される。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 身に覚えのない傷害で勾留された。勾留状の被害者欄は黒塗り。相手が誰か分からなければ、その日その時間に自分は別の場所にいたというアリバイすら主張できない。207条の3で「防御に実質的な不利益が生じる」と主張し、せめて防御に必要な範囲の開示を求める
  • もし黒塗りの相手が、実は示談済みの元交際相手だったとしたら? 名前が分からなければ「すでに解決済みだ」という事実すら持ち出せない。勾留期間は最大で20日強、開示請求は早ければ早いほど防御に使える時間が残る
  • ストーカー事件で被害者の住所が伏せられた。被疑者は「その住所には行っていない」と言いたい。だが住所が黒塗りでは不在の証明が組めない。
  • あなたが性犯罪の被害者として、勾留段階で氏名・住所を伏せてもらった。ところが加害者側が207条の3で開示請求してきた。裁判官は検察官の意見を聴いた上で開示の可否を判断する。あなたの保護は無条件ではなく、相手の防御権との均衡で揺れる

取るべき行動

被害を受けた側:1. あなたの氏名・住所等が秘匿対象になっているか、捜査段階で検察官に確認する2. 加害者側が開示請求した場合、裁判官は検察官の意見を聴く(2項)ので、開示によりあなたに生じる報復・接触の現実的危険を検察官経由で具体的に伝える3. 過去の接触履歴・脅迫メッセージなど危険を裏づける資料を整理して提出する4. ストーカー規制法・配偶者暴力防止法の保護命令と併せ、住所秘匿を多層的に固める

訴えられた側:1. 勾留状の黒塗り箇所を確認し、防御に本当に必要な情報か見極める2. 弁護人を通じて207条の3第1項で通知請求し、『防御に実質的な不利益が生じる』ことを具体的に主張する(相手が分からないとアリバイ・示談・正当防衛を主張できない等) 3. 全部開示が難しければ、一部開示や被疑事実の要旨を記載した代替書面の交付(3項)を求める4. 勾留期間は最大20日強、逮捕直後の勾留質問の段階からできるだけ早く動く

時効(請求できる期限):特定の出訴期間の定めはないが、請求の実益は勾留期間中(逮捕後72時間+勾留10日+延長10日、最大約20日強)に集中する。秘匿措置がとられている間はいつでも請求できるが、防御準備の時間を確保するため、勾留質問直後の早期請求が実務上の鍵となる(最新の改正状況をご確認ください)

学説

立法趣旨・通説的理解:207条の3は、被害者・証人保護(207条の2の秘匿)と被疑者の防御権(拘禁理由を知る権利、憲法34条)の調整弁と理解される。秘匿を出発点としつつ、防御に実質的な不利益が生じる場合に通知を義務付け、全部通知と一部通知を使い分けて衝突を最小化する構造を取る。令和6年施行と新しく、運用の蓄積は浅い。

改正沿革 AI による整理

  • 令和5年(2023年)法律第28号、令和6年(2024年)施行 刑事訴訟法等の一部改正により新設。個人特定事項の秘匿措置(207条の2等)に対応する被疑者側の救済として、防御に実質的な不利益が生じる場合等に裁判官へ通知を義務付ける通知請求制度を創設した

改正の年表

  1. 1.令和5年(2023年) 新設:刑事訴訟法等の一部改正(令和5年法律第28号、令和6年施行)により新設。個人特定事項の秘匿措置(207条の2等)に対応する被疑者側の救済として、防御に実質的な不利益が生じる場合等に裁判官へ通知を義務付ける通知請求制度を創設した。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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