刑事訴訟法 第70条
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- 勾引状又は勾留状は、検察官の指揮によつて、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。但し、急速を要する場合には、裁判長、受命裁判官又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官は、その執行を指揮することができる。
- 2.刑事施設にいる被告人に対して発せられた勾留状は、検察官の指揮によつて、刑事施設職員がこれを執行する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第70条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第70条の条文原文は「勾引状又は勾留状は、検察官の指揮によつて、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。但し、急速を要する場合には、裁判長、受命裁判官又は地方裁判所、家庭裁判所若…」で始まります。
- 刑事訴訟法第70条は第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第70条の前の条は刑事訴訟法第69条です。
- 刑事訴訟法第70条の次の条は刑事訴訟法第71条です。
- 刑事訴訟法第70条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第70条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第70条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/70
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法70条は、勾引状・勾留状の執行を指揮するのは検察官、実際に執行するのは検察事務官または司法警察職員と定める。急速を要する場合は裁判官も執行を指揮できる。
Q · 勾留状って、結局だれが執行するんですか?
指揮は検察官、実際の執行は検察事務官か警察官です
刑事訴訟法70条により、勾引状・勾留状の執行を「指揮する」のは検察官で、実際に手錠をかけて連行するのは検察事務官または司法警察職員です。令状を出すのは裁判官(同62条)なので、発付・執行指揮・現場執行の三者が分かれています。急速を要する場合は裁判長や裁判官が直接執行を指揮でき(但書)、すでに刑事施設に収容中の被告人への勾留状は刑事施設職員が執行します(2項)。
解説
裁判官が勾留状を出した。その瞬間、あなたの身柄を実際に動かす号令をかけるのは誰か。多くの人は裁判官か警察だと思い込んでいる。違う。刑事訴訟法70条は、勾引状・勾留状の執行を「指揮する」のは検察官だと定める。手錠をかけて連行する手足は検察事務官または司法警察職員だが、いつ執行するかの引き金を握るのは検察官だ。つまり、令状を「出す者」(裁判所)と「執行を命じる者」(検察官)と「現場で動かす者」(警察・検察事務官)が、意図的に三つに分けられている。さらに2項は、すでに刑事施設に収容されている被告人への勾留状は、外から警察が来るのではなく刑事施設の職員が執行すると定める。この権限の分かれ方を知っているかどうかで、家族が連行されたとき、あなたが誰に接見の段取りを求め、誰の判断で身柄拘束の時計が回り始めるのかが見える。
法的な位置づけ
刑事訴訟法70条は勾引状・勾留状の執行に関する権限分配を定める規定であり、執行を指揮する主体を検察官とし、現実の執行を検察事務官または司法警察職員に担わせる。急速を要する場合の裁判官による執行指揮、および刑事施設に収容中の被告人に対する刑事施設職員による執行を、それぞれ例外的に規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.連行先と身柄の段階を確認する 家族が勾留状で連行されたら、まず連行先(警察署・拘置所)と、逮捕段階か勾留決定後かを確認する。勾引か勾留かで拘束時間の長さが全く異なるため、どちらの状態かを最初に押さえる
- 2.ただちに当番弁護士・弁護士に連絡し接見を依頼する 弁護士会の当番弁護士制度または知人の弁護士に連絡し、接見を依頼する。初回の当番弁護士は無料。連行直後から接見の段取りを動かすことが、後の勾留延長や保釈の攻防を左右する
- 3.執行を指揮した検察官と勾留の起算点を弁護人に押さえてもらう 執行を指揮するのは検察官(70条)であることを踏まえ、弁護人に「誰の判断でいつ執行されたか」と勾留期間の起算点を確認してもらう。最初の数時間の把握が後の延長阻止に直結する
- 4.不服があれば準抗告・勾留理由開示請求を検討する 勾留に納得できなければ、弁護人と勾留に対する準抗告(刑訴429条)や勾留理由開示請求(同82条)の可否を検討する。差し入れ・面会の手続も施設で確認する
よくある質問 AI による整理
Q1勾引と勾留はどう違うのですか?
勾引は最大24時間の一時的な引致(刑訴59条)、勾留は被疑者で最大20日、被告人で2か月+更新と桁違いに長い拘束です。連行という見た目は同じでも、拘束時間の長さが全く違います。
Q2急速を要する場合は誰が勾留状の執行を指揮しますか?
70条1項但書により、裁判長・受命裁判官または地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所の裁判官が執行を指揮できます。通常は検察官の指揮ですが、緊急時の例外として裁判官に指揮権が認められています。
Q3刑事施設にいる被告人への勾留状は誰が執行しますか?
70条2項により、検察官の指揮で刑事施設職員が執行します。外から警察が来るのではなく、施設内で身柄が次の手続へ引き継がれる仕組みです。
Q4勾留状の執行に令状の提示は必要ですか?
必要です。刑訴73条が執行に際して令状を被告人に示すことを求めています。令状の提示なき強制連行は違法を主張できる余地があります。
Q5管轄区域の外でも勾留状は執行できますか?
できます。刑訴71条が管轄区域外での令状執行を認めています。執行する検察事務官・司法警察職員は区域外でも執行・移送が可能です。
Q6被疑者の勾留も70条で執行されるのですか?
はい。刑訴207条が起訴前の被疑者勾留に70条を準用します。逮捕後の勾留も、執行のルールはこの被告人向け条文を借りています。
Q7勾留状の執行を拒んだらどうなりますか?
勾留状は強制力を伴うため拒否はできず、抵抗すれば公務執行妨害罪に問われる可能性があります。不服は身柄拘束後に準抗告(429条)等で争うのが正攻法です。
Q8勾引状での身柄拘束は何時間までですか?
刑訴59条により、勾引による留置は引致から最大24時間です。この間に釈放するか勾留請求するかが決まるため、時間制限を知ると次の手を逆算できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1勾留状を執行するのって、警察ですか検察ですか?
実際に手錠をかけ連行するのは検察事務官か司法警察職員(警察官など)ですが、「執行せよ」と指揮するのは検察官です(刑訴法70条1項)。令状を出すのは裁判官(同62条)。三者が分かれています。実務のポイント:だから接見や身柄に関する実務上の働きかけは、現場の警察官だけでなく、事件を担当する検察官の判断が鍵になる場面が多い。弁護人が誰の指揮で動いているかを最初に押さえるのは、この役割分担を知っているからです
Q2もう拘置所に入っているのに、また勾留状が来ました。どういうことですか?
別の事件で新たに勾留状が発せられた場合、刑事施設にいる被告人へのその令状は、外から警察が来るのではなく刑事施設の職員が検察官の指揮で執行します(刑訴法70条2項)。身柄は施設内で切れ目なく次の手続に引き継がれます。実務のポイント:複数事件を抱えると、一つの事件で釈放されても別事件の勾留で身柄が続くことがある。「いつ出られるか」は最も重い一件ではなく、全事件の身柄状況を合算して見ないと読めません
間違えやすい点 AI による整理
- 「勾留状は警察が出して警察が執行する」と思っている人が多いが、令状を出すのは裁判官、執行を指揮するのは検察官、現場で動くのが検察事務官または司法警察職員。三者が分かれているのは権力集中を避けるための設計で、どこに苦情や交渉を向けるべきかもこれで変わる
- 勾引と勾留を同じものと混同しがちだが、深刻度が全く違う。勾引は最大24時間の一時的な引致、勾留は被疑者なら最大20日、被告人なら2か月+更新と桁違いに長い。同じ「連行」でも、時計の長さを知らないと初動の優先順位を誤る
- 「もう拘置所にいる人間に、わざわざ別の勾留状を執行する意味がない」と考えてしまうが、それは問いの立て方が誤っている。すでに収容中でも、別事件の勾留状はその施設の職員が執行する(2項)。身柄が施設内で切れ目なく次の手続へ引き継がれる仕組みが、ここにある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 本条が定める役割 | 70条:執行の指揮(検察官)と現場執行(検察事務官・司法警察職員) | 62条:令状(召喚状・勾引状・勾留状)の発付権限 73条:執行の現場手続(令状の提示など) |
| 主体 | 指揮=検察官(急速時は裁判官)、執行=検察事務官・司法警察職員 | 裁判所・裁判官 執行担当者(検察事務官・司法警察職員) |
| 場面 | 発付された令状を実際に動かす段階 | 令状を出すかどうかを判断する段階 被告人に令状を示して身柄を拘束する段階 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も拘提(拘票)と羈押(押票)を区別し、執行は司法警察が担う。検察官の指揮構造は日本と類似する
韓国も구속영장の執行は検事の指揮により司法警察官が行い、日本と近い権限分配を採る
ドイツは裁判所の決定の執行を原則として検察官(Staatsanwaltschaft)が担い、Haftbefehl の執行構造に共通点がある
米国では逮捕令状の執行を U.S. Marshal 等の law enforcement officer が担い、令状主義の枠組みは共通するが指揮主体の構造は異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 深夜、家族が勾留状で連行された。あと数時間で警察署の留置場に身柄が落ち着く。あなたは誰に接見を求めればいい? 執行を指揮しているのは検察官だと知っていれば、当番弁護士に何を確認させるべきか、勾留がどの段階で決まったのかが一気に整理できる
- 出頭要請を何度も無視していたら、ある朝、勾引状を持った司法警察職員が玄関に立っていた。これは逮捕と何が違うのか? 勾引は最大24時間の身柄拘束。執行するのは警察または検察事務官だが、号令をかけたのは検察官か、急ぎの場合は裁判官だ。無視し続けた代償は、突然やってくる
- 別件ですでに拘置所に収容中の被告人に、新たな勾留状が出た。この場合、外部から警察が乗り込むのではなく、施設の職員がその場で執行する。70条2項の場面で、身柄は施設の中で完結する
取るべき行動
被害を受けた側:家族が勾留状で連行された場合:1. 連行先(警察署・拘置所)と、逮捕段階か勾留決定後かを確認する2. ただちに弁護士会の当番弁護士制度または知人の弁護士に連絡し、接見を依頼。執行を指揮するのは検察官なので、弁護人に勾留の起算点と理由を押さえてもらう3. 勾留に納得できなければ、弁護人と勾留に対する準抗告(刑訴法429条)や勾留理由開示請求(同82条)の可否を検討する4. 差し入れ・面会の手続を施設で確認、最初の数日の対応が後の保釈交渉にも響く
訴えられた側:1. 連行の際は勾引状・勾留状の提示を求める(刑訴法73条)。令状の提示なき強制連行は違法を主張できる2. 黙秘権を行使し、取調べでの供述は弁護人と相談してから3. 最優先で弁護人を選任、当番弁護士なら初回は無料4. 勾留されたら勾留理由開示請求(82条)、勾留に不服なら準抗告(429条)。被疑者段階なら勾留延長阻止と早期の処分(不起訴・釈放)を弁護人と組み立てる
時効(請求できる期限):勾引による身柄拘束は最大24時間(刑訴法59条)。被疑者の勾留は原則10日、延長して最大20日(同208条、208条の2)。被告人の勾留は2か月、以後1か月ごとに更新(同60条2項)。執行から起算されるこれらの期間が、その後の手続全体のリズムを決める(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:70条は身柄拘束という最も強い強制処分について、令状の発付(裁判所)、執行の指揮(検察官)、現場での執行(検察事務官・司法警察職員)を分離し、権限の集中による濫用を防ぐ趣旨と解されている。但書の裁判官による執行指揮は急速を要する場合の例外として限定的に理解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成17〜18年(2005〜2006年)行刑改革(要人的検証) 監獄法の改正・廃止に伴う行刑関連法整備で、2項の身柄拘束施設の呼称が従来の「監獄」から「刑事施設」へ改められたと見られる。正確な改正回数・施行年は人的検証を要する
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定に伴い、勾引状・勾留状の執行指揮および執行主体を定める規定として設けられた
- 2.平成17〜18年(2005〜2006年) 改正:行刑関連法の整備に伴い、2項の身柄拘束施設の呼称が従来の表現から『刑事施設』へ改められたとみられる(正確な施行年・改正回数は人的検証を要する)
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