刑事訴訟法 第73条
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- 勾引状を執行するには、これを被告人に示した上、できる限り速やかに且つ直接、指定された裁判所その他の場所に引致しなければならない。第六十六条第四項の勾引状については、これを発した裁判官に引致しなければならない。
- 2.勾留状を執行するには、これを被告人に示した上、できる限り速やかに、かつ、直接、指定された刑事施設に引致しなければならない。
- 3.勾引状又は勾留状を所持しないためこれを示すことができない場合において、急速を要するときは、前二項の規定にかかわらず、被告人に対し公訴事実の要旨及び令状が発せられている旨を告げて、その執行をすることができる。但し、令状は、できる限り速やかにこれを示さなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第73条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第73条の条文原文は「勾引状を執行するには、これを被告人に示した上、できる限り速やかに且つ直接、指定された裁判所その他の場所に引致しなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第73条は第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第73条の前の条は刑事訴訟法第72条です。
- 刑事訴訟法第73条の次の条は刑事訴訟法第74条です。
- 刑事訴訟法第73条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第73条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第73条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/73
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法73条は、勾引状・勾留状の執行に令状の呈示と速やかな引致を求める。令状を示せない緊急時は、公訴事実の要旨と令状発付を告げて執行でき、令状は事後速やかに示す。
Q · 令状を見せられないまま連れて行かれたら、それは違法な連行なの?
緊急執行なら適法だが、令状は事後に速やかに示す必要がある
刑事訴訟法73条1項2項は、勾引状・勾留状の執行に際し令状を被告人に示した上で、速やかかつ直接に指定場所へ引致することを求めます。ただし3項の緊急執行では、令状を所持せず示せない場合でも、急速を要するときは公訴事実の要旨と令状発付の事実を告げて執行できます。この場合でも令状は『できる限り速やかに』示さなければならず(3項但書)、事後にも示されなければ執行の適法性が崩れ、勾留取消や準抗告の材料になります。
解説
令状を執行する瞬間、警察官の手続には三段の縛りが同時に走る。まず令状をあなたに示し、次にできる限り速やかに、そして直接、指定された場所へ引致する。寄り道は許されない。だが本条で本当に効いてくるのは第3項だ。令状を所持しておらず示せない場合でも、急を要するときは、公訴事実の要旨(あなたがどの事件で連れて行かれるのかの中身)と『令状は出ている』旨を告げるだけで執行できる。つまり、目の前に令状の紙がなくても、あなたは適法に連行されうる。多くの人は『令状を見せろ、見せないなら違法だろう』と食ってかかるが、それは緊急執行という例外を知らないからだ。ただしこの場合でも、令状はできる限り速やかに示さなければならない(3項但書)。後から一切示されなければ、その執行の適法性は崩れる。見せる義務がいつ発生し、いつ破られるか。それを知っているかどうかが、現場でのあなたの立場を決める。
法的な位置づけ
刑事訴訟法73条は、勾引状および勾留状の執行手続を定める規定である。令状を被告人に示した上で、速やかかつ直接に指定場所へ引致することを原則としつつ、令状を所持せず示せない急速を要する場合には、公訴事実の要旨と令状発付の事実を告げて執行する緊急執行を認め、事後の速やかな令状呈示を義務づける。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.令状を示されたら記載事項をその場で記憶する 令状を示されたら、罪名・発付した裁判官・日付・引致先をその場で読み取って記憶する。抵抗するより正確に内容を把握することが、後の手続で効く
- 2.令状を示されないときは時刻と告知内容を記録する 令状を示されないまま連行されたら、緊急執行の可能性を踏まえ、抵抗より時刻の記録を優先する。公訴事実の要旨と『令状が出ている』旨を告げられたかを確認し、連行された時刻を覚えておく
- 3.引致先と経路が指定どおりかを確認する 告げられた引致先と実際に連れて行かれた場所が一致するか、寄り道や不当な遅延がなかったかを覚えておく。指定場所以外への引致は後で争える瑕疵になりうる
- 4.最優先で弁護士・当番弁護士に連絡する 連行されたら最優先で弁護士または当番弁護士に連絡する。勾引なら引致から24時間という時間の壁を伝え、令状を示された時刻・引致先などの時系列を共有する
- 5.執行に瑕疵があれば勾留理由開示・準抗告で争う 令状が事後にも示されないなど執行手続に瑕疵があれば、弁護人を通じて勾留理由開示請求や準抗告(刑訴429条)で違法を争う。執行時の状況を時系列でメモ化しておく
よくある質問 AI による整理
Q1勾引状とは何ですか?
被告人や被疑者を指定の場所へ強制的に連れて行くための令状です。出頭の確保が目的で、勾留とは異なり、引致後24時間以内に勾留状が出なければ釈放されます(刑訴59条)。
Q2勾引と勾留はどう違いますか?
勾引は出頭させるための一時的な強制連行で、引致から24時間が上限です。勾留は引き続き身体を拘束する処分で、原則10日(延長で最大20日)まで続きます。両者は別の処分です。
Q3緊急執行とは何ですか?
刑訴73条3項に基づき、令状を所持せず示せない急速を要する場合に、公訴事実の要旨と令状発付の事実を告げて令状を執行する方法です。令状は事後できる限り速やかに示す必要があります。
Q4令状の引致先はどこになりますか?
勾引状なら指定された裁判所その他の場所、嘱託勾引状なら発した裁判官のもと、勾留状なら指定された刑事施設です。執行官が指定場所以外へ寄り道することは許されません。
Q5公訴事実の要旨とは何ですか?
どの事件で身体を拘束されるのかという事案の中身のことです。緊急執行では令状の紙を示せなくても、この要旨と『令状が出ている』旨を告げることで執行が適法になります。
Q6令状執行で寄り道されたら違法ですか?
刑訴73条は『直接』『できる限り速やかに』引致することを求めます。執行官が指定場所以外へ寄り道したり不当に引致を遅らせれば、その身体拘束は違法評価を受ける余地があります。
Q7勾留理由開示請求とは何ですか?
勾留されている理由を公開の法廷で裁判官に明らかにさせる手続です。執行に瑕疵がある場合、弁護人がこの請求や準抗告で違法を争う突破口になります。
Q8準抗告はどんなときに使えますか?
裁判官の勾留などの裁判に不服がある場合、刑訴429条に基づき取消・変更を求める手続です。緊急執行で令状が事後に示されないなど執行の瑕疵を争う材料になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1警察に令状を見せろと言ったのに見せてくれませんでした。これって違法逮捕ですよね?
必ずしも違法ではない。刑事訴訟法73条3項の緊急執行では、令状を所持せず示せない場合でも、急速を要するときは公訴事実の要旨と令状が出ている旨を告げれば執行できる。ただし令状は『できる限り速やかに』示す義務がある(同項但書)。実務のポイント:弁護士がまず確認するのは『令状を見せたか』ではなく『いつ示したか』だ。執行から不自然に時間が空いてから示された、あるいは結局示されなかった場合、緊急執行の適法性が崩れ、勾留取消や準抗告の材料になる。連行された時刻と令状を見せられた時刻、この二つを覚えておくことが後で効く
Q2勾引で連れて行かれたら、そのままずっと留め置かれるんですか?
いいえ。勾引による引致には時間制限がある。裁判所に引致された時から24時間以内に勾留状が発せられなければ、釈放しなければならない(刑事訴訟法59条)。勾引は勾留とは別物で、出頭させるための一時的な強制だ。実務のポイント:この24時間は『紙が出るかどうか』の勝負だ。弁護人が引致直後に動けるかどうかで結果が変わることがある。連行された瞬間に弁護士へ連絡することが、この時間の壁を味方につける唯一の方法になる
間違えやすい点 AI による整理
- 『令状を見せられない執行は全部違法』と思い込んでいる人が多い。だが3項の緊急執行では、令状を所持せず示せない場合でも、公訴事実の要旨と令状発付の事実を告げれば適法に連行できる。『紙を見せろ』だけでは執行を止められない
- 令状を一度見せられればそれで手続は終わり、と軽く考えがちだ。だが『直接』『できる限り速やかに』引致するという要件の重みを見落としている。執行官が指定場所以外へ寄り道したり、不当に引致を遅らせたりすれば、その身体拘束は違法評価を受けうる。見せたか否かだけでなく、どこへどう連れて行ったかが争点になる
- 『令状さえ確認できれば安心だ』という問いの立て方そのものがずれている。本当に効いてくるのは、勾引なら引致から24時間以内に勾留状が出るか(刑事訴訟法59条)という時間の壁だ。令状の紙を確認するより、時計の針を見ているほうが、あなたの自由に直結する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 令状の呈示 | 73条3項(緊急執行):令状を所持・呈示できない場合でも告知で執行可 | 73条1項2項(通常執行):令状を被告人に示した上で執行 201条2項(逮捕状の緊急執行):73条3項を準用 |
| 適用前提 | 令状不所持で示せず、かつ急速を要すること | 令状を現に所持し呈示できること 逮捕状を所持しないため示せない急速な場合 |
| 告知すべき内容 | 公訴事実の要旨 + 令状が発せられている旨 | 令状そのものの呈示で足りる 被疑事実の要旨 + 令状が発せられている旨 |
| 事後義務 | 令状をできる限り速やかに示す(3項但書) | 引致先へ直接かつ速やかに引致 逮捕後できる限り速やかに令状を示す |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も拘票・押票の執行に際し被告人への呈示を求める。緊急性に基づく執行の特則は日本ほど明確に条文化されていない点で差がある
韓国は구속영장の執行に呈示を要求し、令状不所持時の긴급집행も明文で認める。日本73条3項と構造が極めて近い
ドイツは逮捕された者へ令状(Haftbefehl)の謄本を交付すべきとし、書面交付による告知を重視する。緊急時の事後交付の運用がある
米国は逮捕時に令状を携帯していなくても執行でき、罪名等を告げれば足りるが、請求があればできる限り速やかに令状を示すとする。日本の緊急執行と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 深夜、家族が令状を見せられないまま連行された。『これは違法では?』と思うかもしれないが、急速を要する場合の緊急執行なら適法だ。ただし令状は後から速やかに示されなければならない。引致から24時間、時計はもう動き始めている
- あなたが被告人として勾引状の執行を受ける。連行先は法律で指定された場所に限られ、執行官の寄り道は許されない。別の場所へ連れて行かれたなら、それは後で争える瑕疵だ
- 勾留状で刑事施設へ引致された家族に面会したい。だが『直接かつ速やかに』引致されたか、令状はいつ示されたか、そこを聞き出せるのは弁護人だけだ。接見の依頼を急ぐほど、執行の瑕疵を拾える可能性は上がる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 令状を示されたら、罪名・発付裁判官・日付をその場で読み取って記憶する2. 令状を示されないまま連行されたら、緊急執行の可能性を踏まえ、抵抗より時刻の記録を優先する(公訴事実の要旨を告げられたかも確認) 3. 引致先が告げられた場所と一致するか、寄り道がなかったかを覚えておく4. 連行されたら最優先で弁護士または当番弁護士に連絡し、勾引なら引致から24時間という時間の壁を伝える
訴えられた側:1. 接見で弁護人に、令状をいつ・どこで示されたか、引致先は指定どおりか、寄り道がなかったかを正確に伝える2. 緊急執行だった場合、令状が事後に速やかに示されたかが争点。示されていなければ3項但書違反を主張3. 執行手続に瑕疵があれば、勾留理由開示請求や準抗告(刑事訴訟法429条)で違法を争う4. 違法収集証拠排除の前提事実にもなりうるので、執行時の状況を時系列でメモ化しておく
時効(請求できる期限):勾引による引致は、引致時から24時間以内に勾留状が発せられなければ釈放しなければならない(刑事訴訟法59条)。緊急執行の場合、令状は『できる限り速やかに』示さなければならず(73条3項但書)、不当な遅延は執行の適法性を揺るがす(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:73条3項の緊急執行は令状主義の例外であり、令状不所持・急速を要するという要件を満たす場合に限り認められる。事後の速やかな令状呈示(3項但書)はこの例外を正当化する不可欠の要件であり、これを欠く執行は違法と評価されうると解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)前後 監獄法廃止・刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の制定に伴い、2項の引致先が『監獄』から『刑事施設』へ改められたとみられる。改正回数の全体像は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、令状の呈示・引致義務および緊急執行を定める規定として置かれた
- 2.平成18年(2006年)前後 改正:監獄法の廃止と刑事収容施設関連法の制定に伴い、2項の引致先の表記が『監獄』から『刑事施設』へ改められたとみられる(改正の全体像は人的検証が必要)
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