刑事訴訟法 第201条
クイックジャンプ
- 逮捕状により被疑者を逮捕するには、逮捕状を被疑者に示さなければならない。
- 2.第七十三条第三項の規定は、逮捕状により被疑者を逮捕する場合にこれを準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第201条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第201条の条文原文は「逮捕状により被疑者を逮捕するには、逮捕状を被疑者に示さなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第201条は第一章 捜査に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第201条の前の条は刑事訴訟法第200条です。
- 刑事訴訟法第201条の次の条は刑事訴訟法第201条の2です。
- 刑事訴訟法第201条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第201条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第201条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/201
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法201条は、逮捕状で逮捕するには令状を被疑者に示すのが原則と定める。ただし急速を要する場合は緊急執行として口頭告知で先に逮捕でき、令状は事後に速やかに示す。
Q · 逮捕されるとき、警察は必ず逮捕状を見せないといけないの?
原則は呈示が必要だが、緊急執行なら口頭告知で先に逮捕できる
刑事訴訟法201条は、逮捕状で逮捕するには逮捕状を被疑者に示すことを原則とします(1項)。ただし2項は73条3項を準用し、急速を要して令状が手元にない場合は、被疑事実の要旨と令状が発せられている旨を告げて先に逮捕する緊急執行を認めます。その場合も令状はできる限り速やかに示さなければなりません。「紙を見ていない=即違法」ではなく、緊急執行の要件充足と事後呈示の速やかさが適法性の分かれ目です。
解説
自宅のドアを開けると警察官が立っている。「逮捕状が出ています」と言われたその瞬間、あなたには確認できる権利がある。刑訴法201条1項は、逮捕状により逮捕するには逮捕状を被疑者に示さなければならないと定める。つまり警官は、あなたに令状という紙を物理的に「見せる」義務を負う。どんな罪名で、いつ、どの裁判官が発付したのか、その記載を読む時間がある。ところが2項に落とし穴がある。73条3項を準用し、急速を要して令状が手元にない場合は、被疑事実の要旨と令状が発せられている旨を告げるだけで先に身柄を押さえられる(これを緊急執行という)。それでも令状はできる限り速やかに示さなければならない。「令状を見せろ」と要求できる場面と、「後で見せる」が法的に許される場面、その境界線を知っているかどうかで、現場であなたが取れる態度はまるで変わる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法201条は逮捕状の呈示を定める規定であり、逮捕状により被疑者を逮捕する際には逮捕状を被疑者に示すことを原則とする。2項は73条3項を準用し、急速を要し令状が手元にない場合に被疑事実の要旨等を告げて逮捕する緊急執行を認め、事後の速やかな令状呈示を義務づける。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.「令状を確認させてください」と冷静に求める 玄関先や路上で「逮捕状が出ている」と告げられたら、抵抗ではなく権利の行使として令状の呈示を求める。罪名・被疑事実の要旨・発付裁判官・発付年月日を頭に刻む
- 2.緊急執行かどうかを確認する 令状が示されない場合は「緊急執行ですか、令状はいつ示されますか」と明確に質問する。被疑事実の要旨と令状発付の告知が実際にあったかどうかを記憶に残す
- 3.暴れず黙秘権を意識する 逃亡・抵抗は公務執行妨害の新たな罪を呼び込む。黙秘権を意識し、現場での不用意な発言や安易な署名押印を避ける
- 4.署到着後ただちに令状の速やかな呈示を求める 緊急執行で連行された場合、署到着直後に「令状をまだ見ていない、速やかに示してほしい」と明確に求める。73条3項の「できる限り速やかに」を著しく怠った事実は逮捕手続きの違法を基礎づけうる
- 5.ただちに弁護人を呼び現場状況を記録化する 当番弁護士制度は初回無料。逮捕直後の接見で令状呈示の有無・緊急執行の要件・告知の内容を正確に伝え、記録に残す。最初の取調べ前に動く
よくある質問 AI による整理
Q1逮捕状の呈示とは何ですか?
逮捕状で逮捕する際、警官が令状を被疑者に物理的に見せる手続きです。刑訴法201条1項が根拠で、被疑者は罪名や被疑事実の要旨を了知できます。
Q2逮捕状を確認できる時間はどのくらいですか?
判例・実務上、罪名や被疑事実の要旨を了知できる程度に示せば足りるとされ、隅々まで熟読させる義務まではないと解されています。
Q3逮捕状にはどんな内容が書かれていますか?
被疑者の氏名、罪名、被疑事実の要旨、引致すべき場所、有効期間、発付年月日、発付裁判官の記名押印などが記載されます(刑訴法200条)。
Q4緊急執行で逮捕されたら令状はいつ見られますか?
201条2項が準用する73条3項により「できる限り速やかに」示されます。署到着後すぐ呈示を求めるのが実務上の鉄則です。
Q5逮捕状の呈示を拒まれたらどうすればいいですか?
「緊急執行ですか、令状はいつ示されますか」と明確に質問し、やり取りを記憶に残します。暴れず、連行後ただちに弁護人を呼びます。
Q6逮捕状の写真を撮ることはできますか?
明文の権利はなく、現場で撮影が認められないことが多いです。罪名・被疑事実の要旨・発付裁判官・年月日を頭に刻むことが重要です。
Q7現行犯逮捕でも逮捕状の呈示は必要ですか?
不要です。現行犯逮捕(213条)は令状自体が不要な例外類型で、201条の呈示義務は逮捕状による逮捕の場面に限られます。
Q8逮捕状の呈示がなかった場合、後から争えますか?
争えます。緊急執行の要件を欠く呈示なしの逮捕や、事後呈示を著しく怠った事実は、勾留段階や準抗告で逮捕の違法を主張する材料になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1逮捕されるとき、警察が逮捕状を見せてくれなかったら違法ですか?
原則は呈示が必要ですが、即「違法」とは限りません。刑訴法201条2項は73条3項を準用し、急速を要して令状が手元にない場合は、被疑事実の要旨と令状が発せられている旨を告げて先に逮捕できる緊急執行を認めています。ただしこの場合も、令状はできる限り速やかに示さなければなりません。実務のポイント:弁護人がまず確認するのは「緊急執行の要件が本当にあったか」と「事後の呈示が速やかだったか」。ここに穴があれば逮捕の違法を争う糸口になりますが、警察は記録上きれいに残すので、被疑者本人が現場でのやり取りを覚えているかが勝負を分ける
Q2緊急執行と緊急逮捕って何が違うんですか?同じに聞こえます。
全く別物です。緊急執行(201条2項)は、裁判官が既に逮捕状を出している前提で、警官の手元に紙がないだけの場面。令状そのものは存在します。一方、緊急逮捕(210条)は令状がまだ存在しない段階で、死刑・無期・長期3年以上の重い罪について、急速を要するときに理由を告げて先に逮捕し、直後に令状を請求する制度です。実務のポイント:報道や供述調書で「緊急」という言葉が出てきたとき、それが201条2項なのか210条なのかで、逮捕の適法性チェックの項目が全く変わる。令状が事前に存在したかどうかを最初に切り分けるのが鉄則
間違えやすい点 AI による整理
- 「逮捕状を見せてもらえなければ、その逮捕は違法だ」と思い込んでいる人が多い。だが201条2項の緊急執行があるため、急速を要する場面では令状が手元になくても、被疑事実の要旨と令状が出ている旨を告げれば適法に逮捕できる。「紙を見ていない=即違法」という単純な図式は成り立たない
- 逮捕状の呈示は知っていても、その「呈示」がどの程度のものを要求できるかを多くの人は知らない。判例・実務では、被疑者が罪名や被疑事実の要旨を了知できる程度に示せば足りるとされ、隅から隅まで熟読させる義務まではないと解されている。「ちゃんと読ませろ」と粘っても、了知できる程度に示されていれば手続きは進む(実務上、呈示の程度をめぐっては解釈が分かれる場面がある)
- 「緊急執行は緊急逮捕と同じようなもの」と混同されがちだが、両者は全く別物だ。緊急執行(201条2項)は既に令状が発付されている前提で、紙が手元にないだけの場面。緊急逮捕(210条)は令状そのものがまだ存在しない段階で重大犯罪について先に逮捕する別制度。この二つを取り違えると、適法性の争い方が根本から狂う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 令状の要否と段階 | 201条:逮捕状が既に発付されており、それを呈示して逮捕 | 210条(緊急逮捕):令状未発付の段階で先に逮捕し直後に請求 213条(現行犯逮捕):令状そのものが不要 |
| 呈示・告知の内容 | 原則:逮捕状を呈示。緊急執行時は被疑事実の要旨と令状発付の旨を告知 | 理由を告げて逮捕、急速を要する旨を要する 呈示・告知は不要(犯行の明白性が要件) |
| 関連する逮捕状の方式 | 200条:逮捕状の記載事項(罪名・被疑事実の要旨等) | 199条:逮捕状による逮捕の実体的要件 73条3項:緊急執行の準用元(呈示なき執行) |
| 逮捕後の時間制限 | 203条:司法警察員は受け取った時から48時間以内に送致 | 210条でも48時間制限は同様に適用 213条でも48時間制限は同様に適用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も拘票(令状)の呈示を要件とする点で類似。執行に関する手続規定が別に置かれる構造をとる。
韓国も体逮捕状の呈示を要件とし、急速を要する場合に事後呈示を認める点で日本と近い構造を持つ。
ドイツは逮捕状の写しを交付し内容を告知する義務を課す。書面交付を明確に要求する点で日本の呈示より形式が厚い。
米国では逮捕時に令状を所持している必要はなく、要求があればできる限り速やかに示せば足りるとされ、日本の緊急執行に近い扱い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 早朝、私服警官が玄関先で「逮捕状が出ている」と告げてきたが、紙は見せない。あなたは「令状を確認させてください」と言える。原則として、罪名と発付裁判官を読み取れるだけ示されるべきだ。ただし相手が「急速を要する」と判断すれば、口頭告知だけで先に連行される。その場合でも、署に着いた後に必ず令状の呈示を求めること
- もし路上で突然腕をつかまれ「逮捕状が出てる、署で見せる」と言われたら、それは正規の手続きなのか不正なのか。実は刑訴法201条2項の緊急執行という制度上ありうる手続きで、被疑事実の要旨と令状が出ている旨を告げていれば違法ではない。問題は、その告知が実際にあったかどうか
- あなたが被疑事実に全く心当たりがない。逮捕状を示されたら、まず罪名と被疑事実の要旨を頭に刻む。これが後の弁護方針の出発点になる。3文で終わる現場の鉄則だ
- 逮捕されてから48時間。警察は被疑者を検察官に送致するまでこの時間しかない。令状の呈示や緊急執行の適否を争点にしたいなら、最初の取調べ前に弁護人と接見し、現場の状況を正確に記録に残す動きを今日中に始めなければ間に合わない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 「令状を確認させてください」と冷静に求め、罪名・被疑事実の要旨・発付裁判官・発付年月日を頭に刻む2. 令状が示されない場合は「緊急執行ですか、令状はいつ示されますか」と明確に質問し、やり取りを記憶に残す3. 暴れたり逃げたりしない(公務執行妨害の新たな罪を呼び込む)。黙秘権を意識し、現場での不用意な発言を避ける4. 連行後ただちに弁護人を呼ぶ。当番弁護士制度は初回無料、逮捕直後の接見で現場の状況を正確に伝え、令状呈示の有無を記録化する
訴えられた側:あなたが逮捕「される側」であることを前提とした手続きなので、被疑者として:1. 取調べでは黙秘権を行使し、署名押印を求められても即答せず弁護人と相談2. 逮捕の適法性(令状呈示の有無、緊急執行の要件充足)に疑問があれば弁護人に詳細を伝え、勾留請求段階や準抗告で争えるか検討3. 家族には弁護人を通じて連絡、差入れや今後の方針を整理4. 48時間・72時間の身柄手続きの流れを把握し、各段階で防御の機会を逃さない
時効(請求できる期限):逮捕後、司法警察員は被疑者を受け取った時から48時間以内に検察官へ送致、検察官は受け取った時から24時間以内かつ逮捕の時から72時間以内に勾留請求または釈放を判断する(刑訴法203条、205条)。逮捕手続きの違法を争うなら、この最初の72時間が決定的(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説・実務:201条1項の呈示は、被疑者が罪名や被疑事実の要旨を了知できる程度に示せば足り、令状全文を熟読させる義務まではないと解されている。呈示の程度をめぐっては解釈が分かれる場面があるが、了知可能性が基準となる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、戦後の令状主義・適正手続の理念のもとで逮捕状の呈示原則(1項)と73条3項を準用する緊急執行(2項)が定められた。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める