刑事訴訟法 第200条
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- 逮捕状には、被疑者の氏名及び住居、罪名、被疑事実の要旨、引致すべき官公署その他の場所、有効期間及びその期間経過後は逮捕をすることができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。
- 2.第六十四条第二項及び第三項の規定は、逮捕状についてこれを準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第200条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第200条の条文原文は「逮捕状には、被疑者の氏名及び住居、罪名、被疑事実の要旨、引致すべき官公署その他の場所、有効期間及びその期間経過後は逮捕をすることができず令状はこれを返還しなけれ…」で始まります。
- 刑事訴訟法第200条は第一章 捜査に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第200条の前の条は刑事訴訟法第199条です。
- 刑事訴訟法第200条の次の条は刑事訴訟法第201条です。
- 刑事訴訟法第200条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第200条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第200条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/200
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法200条は、逮捕状に被疑者の氏名・罪名・被疑事実の要旨・有効期間などの記載と、裁判官の記名押印を義務づける。記載を欠く逮捕状による逮捕は違法と評価され得る。
Q · 逮捕状には何が書いてあれば有効なの? 誰がサインするの?
7項目の記載と裁判官の記名押印が必要
刑事訴訟法200条により、逮捕状には被疑者の氏名及び住居、罪名、被疑事実の要旨、引致すべき場所、有効期間とその経過後は逮捕できず令状を返還する旨、発付年月日その他規則所定の事項を記載し、裁判官が記名押印しなければなりません。押印するのは警察官でも検察官でもなく中立の裁判官です。期限切れ、別人名義、被疑事実の特定不足など記載に瑕疵があれば、逮捕の適法性を争う入口になります。
解説
警察があなたの家のドアを叩き「逮捕状が出ている」と告げる。その瞬間、あなたに残された最大の武器は、その紙一枚を「読ませろ」と言う権利である。刑事訴訟法200条は、逮捕状に何を書かなければならないかを一字一句指定している。被疑者の氏名と住居、罪名、被疑事実の要旨、引致すべき場所、有効期間、期間経過後は逮捕できず令状を返還する旨、発付年月日、そして裁判官の記名押印。この中で見落とされがちなのが二つある。第一に、押印するのは「裁判官」だ。警察官でも検察官でもない、中立の第三者が事前に審査した証拠が、その押印一つに凝縮されている。第二に「有効期間」。この期間を過ぎた逮捕状での逮捕は違法であり、令状は裁判所に返さなければならない。罪名が空欄、別人の名前、期限切れ、こうした瑕疵はどれも逮捕の適法性を争う入口になる。逮捕状は国家権力の象徴ではない。むしろ国家権力を縛るために裁判官が握る鎖である。
法的な位置づけ
刑事訴訟法200条は逮捕状の方式(記載事項と作成者)を定める規定であり、逮捕状には被疑者の氏名及び住居、罪名、被疑事実の要旨、引致すべき場所、有効期間、発付年月日等を記載し、裁判官が記名押印すべき旨を規律する。令状主義(憲法33条)を様式面から具体化する手続規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.提示された逮捕状の7項目を落ち着いて読む 逮捕状を示されたら(201条)、被疑者の氏名・罪名・被疑事実の要旨・引致すべき場所・有効期間・発付年月日・裁判官の記名押印を順に確認する。一瞬しか見せられなければ「もう一度確認させてください」と求める
- 2.記載と自分の認識のズレを記憶する 罪名・被疑事実の要旨に書かれた日付・金額・行為が自分の認識と食い違う場合、その点を頭に刻む。後の勾留請求段階で「嫌疑不十分」を主張する手がかりになる
- 3.黙秘権を行使し当番弁護士を呼ぶ 発言する前に黙秘権を行使し、当番弁護士(初回無料)の派遣を求める。逮捕状の罪名・被疑事実・発付日・押印者を弁護人に正確に伝える
- 4.家族に勾留先と罪名を伝え弁護人選任を急がせる 家族に逮捕された警察署と罪名を伝え、弁護人選任を依頼する。逮捕から72時間が最初の分水嶺であることを共有する
- 5.令状の瑕疵を弁護人と検討し準抗告につなげる 期限切れ・別人名義・被疑事実の特定不足・押印欠如などの瑕疵があれば、弁護人を通じて逮捕の違法性を主張し、勾留請求の却下や準抗告(429条)につなげる
よくある質問 AI による整理
Q1逮捕状には誰がサインするのですか?
裁判官が記名押印します(刑訴200条)。警察官や検察官が押印した令状は無効で、これは捜査機関が自ら身柄拘束を決められないという令状主義の核心です。
Q2逮捕状に書かなければならない項目は何ですか?
被疑者の氏名及び住居、罪名、被疑事実の要旨、引致すべき場所、有効期間とその経過後の返還の旨、発付年月日その他規則所定事項の7系統です。
Q3逮捕状の記載に間違いがあったら逮捕は無効ですか?
別人名義、罪名や被疑事実の特定不足、押印欠如、期限切れなどの瑕疵は、逮捕の適法性を争う入口になります。瑕疵の程度により違法逮捕と評価され得ます。
Q4緊急逮捕では令状なしで逮捕されますが、200条は関係ありますか?
関係します。緊急逮捕(210条)でも事後に発付される逮捕状は200条の記載要件を満たす必要があり、要旨を書けない事案は逮捕自体の適法性が崩れます。
Q5逮捕状の有効期間は何日ですか?
原則7日です(刑事訴訟規則300条、事案により延長あり)。経過後の逮捕はできず、令状は裁判所に返還しなければなりません(200条)。
Q6逮捕状と勾留状は同じ様式ですか?
200条2項が勾留状等の方式を定める64条を準用しており、身柄拘束令状は共通の厳格な様式で縛られています。勾留段階でも同じ目で記載を確認できます。
Q7逮捕状に書かれていない別の事件で取り調べられたら違法ですか?
被疑事実の要旨は取調べ・勾留・起訴で検察が縛られる範囲を画します。要旨外の別件を本格追及する別件逮捕・余罪取調べは違法と評価される余地があります。
Q8逮捕状はコピーや写真を撮らせてもらえますか?
条文上の権利として明文化されていませんが、201条により記載を確認できる程度に提示される必要があります。記載内容を弁護人に正確に伝えることが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1逮捕状って、その場でちゃんと見せてもらえるんですか? 一瞬かざされただけだったんですけど。
逮捕状による逮捕では、被疑者に令状を示さなければなりません(201条1項)。一瞬かざすだけでは『示した』とは言えず、記載内容を確認できる程度に提示する必要があります。実務のポイント:実務では現場で令状を持っていない『緊急執行』(201条2項)も認められ、罪名と令状が出ている旨を告げて先に逮捕し、後で令状を示すことができます。だからこそ後日、いつどの令状で逮捕されたのかを弁護人に正確に伝えることが、手続の適法性チェックの起点になります
Q2逮捕状に書いてある罪名と、取調べで聞かれる内容が全然違うんですが、これって問題ないんですか?
問題になり得ます。逮捕状の被疑事実の要旨(200条1項)は、その逮捕が許される範囲を画する役割を持ちます。令状記載の事実と無関係な別件を本格的に追及するのは、いわゆる別件逮捕・余罪取調べの問題として違法と評価される余地があります。実務のポイント:弁護士は接見の最初に必ず逮捕状の被疑事実を確認し、取調べがその範囲を逸脱していないか監視します。被疑者本人が『令状に書かれていない件は答えません』と一言言えるだけで、捜査機関の追及の仕方は明らかに変わります
Q3逮捕状の有効期間って、過ぎたらどうなるんですか? 警察がしばらく動かなかったみたいで。
有効期間(原則7日、刑事訴訟規則300条)を過ぎた逮捕状での逮捕は許されず、令状は裁判所に返還しなければなりません(200条1項)。期限切れの令状で身柄を押さえれば、令状によらない違法な逮捕と評価され得ます。実務のポイント:期間が切れても、捜査機関は同じ被疑事実で逮捕状を取り直せます。ただし取り直しの過程で裁判官が再審査するため、最初に出た令状の前提が崩れていれば、二度目は発付されないこともある。発付日と有効期間は必ず確認すべき急所です(最新の規則改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「逮捕状が出ている=有罪がほぼ確定」と思い込んでいる人が多いが、逮捕状はあくまで身柄確保の許可にすぎない。裁判官が審査するのは『罪を犯したと疑うに足りる相当な理由』(199条)であって、有罪認定ではない。逮捕されても不起訴・釈放となる人は実際に大勢いる
- 逮捕状は警察が自分で発行できると誤解されがちだが、200条は記名押印を『裁判官』に限定している。これは捜査機関が自ら身柄拘束を決められないという令状主義の核心であり、押印が裁判官のものでなければその令状は無効。被疑者から見れば、この一点が捜査機関の暴走を止める唯一の事前ブレーキだ
- 「逮捕状には罪名さえあればいい」と軽く考える人がいるが、本当に重要なのは『被疑事実の要旨』の記載だ。これが書かれていることの深刻さを知る人は少ない。要旨に書かれた事実こそ、その後の取調べ・勾留・起訴で検察が縛られる範囲であり、ここに書かれていない別件で芋づる式に取り調べられたら、それは違法捜査を争う材料になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 200条:逮捕状の記載事項と裁判官の記名押印(方式) | 199条:逮捕状による逮捕の実体的要件(相当な理由) 210条:緊急逮捕(令状の事後発付) |
| 令状の要否 | 逮捕状という書面の存在を前提とする | 事前に裁判官が令状を発付 令状なしで先に逮捕、後から請求 |
| 押印・作成者 | 裁判官が記名押印(必須) | 裁判官が審査・発付 事後発付の令状も裁判官が審査 |
| 瑕疵を争う場面 | 記載欠落・期限切れ・押印欠如で適法性を争う | 嫌疑の有無・相当な理由を争う 緊急性・要旨の事後記載を争う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も拘票(身柄確保令状)に被告の氏名・案由・應到處所等の記載を要求する点で日本と類似。発付主体の様式厳格性も共通する
韓国は体逮捕영장について75条(영장의 방식)を準用し、피의자 氏名・罪名・被疑事実の要旨等の記載と판사の서명날인を要求する。日本と構造がほぼ並行する
ドイツの逮捕状(Haftbefehl)は被疑者・嫌疑事実・逮捕理由(逃亡・罪証隠滅のおそれ等)の記載を要求する。理由の明示を厳格に求める点が日本より踏み込んでいる
米国の arrest warrant は宣誓供述(probable cause)に基づき治安判事が発付し、被疑者の特定と罪名の記載を要求する。日本の令状主義はこの英米法的構造を戦後に継受したもの
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし明け方、私服の刑事が玄関先で「逮捕状です」と紙を一瞬だけかざして、すぐに引っ込めたとしたら? あなたには令状の記載をきちんと確認する権利がある(200条・201条)。罪名と被疑事実の要旨を読み取れないまま連行されかけたら、その瞬間に「もう一度ゆっくり見せてください」と言えるかどうかが、後の弁護活動の起点になる
- あなたが会社経営者で、半年前の取引が詐欺だと疑われ逮捕された。逮捕状の被疑事実の要旨を読むと、自分が記憶している取引とは日付も金額も食い違っている。この食い違いは、勾留請求の段階で「嫌疑不十分」を主張する最初の手がかりになる。記載されている被疑事実こそ、検察が立証しなければならない範囲の輪郭だ
- 深夜、留学生の友人が「逮捕された」と片言の日本語で電話してきた。あなたができる最も実務的な助言は、ひとつ。逮捕状の罪名と裁判官の押印を本人または当番弁護士に確認させること。外国籍の被疑者ほど令状の内容を理解できないまま手続が進む。あと48時間で検察官送致の壁が来る
- 逮捕状を取ったのに、警察が一週間動かず塩漬けにしていた。気づけば有効期間を過ぎている。期限切れの令状で逮捕すれば、それは無令状逮捕と同じ違法状態になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 逮捕状を示されたら(201条)、罪名・被疑事実の要旨・有効期間・発付年月日・裁判官の記名押印を落ち着いて読む。一瞬しか見せられなければ「もう一度確認させてください」と求める2. 記載と自分の認識のズレ(日付・金額・行為)を頭に刻む、後で弁護人に伝える3. 何より先に黙秘権を行使し、当番弁護士(初回無料)を呼ぶ4. 家族には罪名と勾留される警察署を伝え、弁護人選任を急がせる。逮捕から72時間が最初の分水嶺
訴えられた側:1. 逮捕状に瑕疵(期限切れ、別人名義、被疑事実の特定不足、押印欠如)があれば、弁護人を通じて逮捕の違法性を主張、勾留請求の却下や準抗告(429条)につなげる2. 令状に書かれた被疑事実の範囲を超える取調べ(別件逮捕・余罪追及)には応じる義務がないことを弁護人と確認3. 接見でのやり取りは記録に残し、取調べ状況を弁護人と共有4. 早期の身柄解放を目指すなら、被疑事実の要旨を起点に弁解の筋を組み立てる
時効(請求できる期限):逮捕状の有効期間は原則7日(刑事訴訟規則300条、事案により延長あり)。逮捕後の身柄拘束は、司法警察員から検察官への送致が48時間以内(203条)、検察官の勾留請求が24時間以内かつ逮捕から72時間以内(205条)。この時間制限を一つでも超えれば手続違反を争える
学説
通説:200条の記載事項と裁判官の記名押印は令状主義(憲法33条)を様式面から担保するものであり、被疑事実の要旨の特定や記名押印を欠く逮捕状は、その瑕疵の程度に応じて逮捕の適法性を左右するとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により規定。戦後憲法の令状主義を受けて、逮捕状の記載事項と裁判官による記名押印を明文化した。
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