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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第207条

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  1. 前三条の規定による勾留の請求を受けた裁判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。但し、保釈については、この限りでない。
  2. 2.前項の裁判官は、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げる際に、被疑者に対し、弁護人を選任することができる旨及び貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することができる旨を告げなければならない。ただし、被疑者に弁護人があるときは、この限りでない。
  3. 3.前項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、勾留された被疑者は弁護士、弁護士法人又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる旨及びその申出先を教示しなければならない。
  4. 4.第二項の規定により弁護人の選任を請求することができる旨を告げるに当たつては、弁護人の選任を請求するには資力申告書を提出しなければならない旨及びその資力が基準額以上であるときは、あらかじめ、弁護士会(第三十七条の三第二項の規定により第三十一条の二第一項の申出をすべき弁護士会をいう。)に弁護人の選任の申出をしていなければならない旨を教示しなければならない。
  5. 5.裁判官は、第一項の勾留の請求を受けたときは、速やかに勾留状を発しなければならない。ただし、勾留の理由がないと認めるとき、及び前条第二項の規定により勾留状を発することができないときは、勾留状を発しないで、直ちに被疑者の釈放を命じなければならない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第207条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第207条の条文原文は「前三条の規定による勾留の請求を受けた裁判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。但し、保釈については、この限りでない。」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第207条は第一章 捜査に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第207条の前の条は刑事訴訟法第206条です。
  7. 刑事訴訟法第207条の次の条は刑事訴訟法第207条の2です。
  8. 刑事訴訟法第207条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第207条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第207条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/207
裁判例 12件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法207条は、勾留請求を受けた裁判官が裁判所と同一の権限を持つが、保釈の権限のみは持たないと定める。理由がなければ直ちに釈放を命じる。

Q · 家族が逮捕されて勾留請求の日。保釈金を用意すれば出してもらえますか?

起訴前は保釈金を積んでも出られない。動かすレバーは別にある

刑事訴訟法207条1項但書により、勾留請求を受けた裁判官は保釈の権限を持ちません。保釈は起訴後の被告人にしか使えない制度のため、起訴前の被疑者勾留では保釈金をいくら用意しても釈放は買えません。家族がまず動かすべきは、当番弁護士の即時要請と、勾留状が出た後の準抗告(429条)です。勾留請求の当日、勾留質問の前に弁護人が「勾留の必要なし」と裁判官へ伝えられれば、勾留状自体が出ないこともあります。

解説

家族が逮捕されて三日目、検察官が「勾留を請求した」と裁判所に書類を回す。そこに登場するのが刑事訴訟法207条の裁判官だ。この裁判官は、勾留状を出すかどうかについて裁判所と同じ権限を持つが、一つだけ持たない権限がある。保釈だ(1項但書)。つまり起訴される前の被疑者段階では、どれだけ保釈金を積んでも釈放は買えない。多くの家族がここで「お金を用意するから出してほしい」と弁護士に頼むが、それは制度上そもそも不可能なのだ。一方でこの条文は、裁判官に重い義務も課す。被疑者に弁護人を選任できること、貧しければ国が弁護人を付けること、弁護士会に申し出られること、その全てを告げなければならない(2項から4項)。そして勾留の理由がなければ、裁判官は勾留状を出さず、直ちに釈放を命じる(5項)。逮捕から最大20日の拘束に切り替わるか、その場で家に帰れるか。その分岐点に立つのが、この一人の裁判官だ。

法的な位置づけ

刑事訴訟法207条は、検察官の勾留請求を受けた裁判官の権限と義務を定める規定である。裁判官は勾留状の発付について裁判所と同一の権限を有するが、保釈については権限を持たない(1項但書)。あわせて弁護人選任権・国選弁護人・当番弁護士に関する告知義務を負い(2項から4項)、勾留の理由がなければ直ちに被疑者の釈放を命じなければならない(5項)。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.逮捕の連絡を受けたら、まず当番弁護士を呼ぶ 保釈金の準備に走る前に、地元の弁護士会へ電話して当番弁護士を要請する。当番は資力に関係なく誰でも一度無料で呼べる。起訴前国選には資力要件があるため、最初の一手は当番弁護士
  2. 2.勾留請求の日を確認し、勾留質問の前に弁護人を動かす 逮捕から原則72時間以内に勾留請求がある。勾留質問の前に弁護人が裁判官へ『勾留の必要なし』の意見書を届けられると、勾留状自体が出ないことがある。完全に時間との戦い
  3. 3.保釈金の準備に走らない 起訴前の被疑者勾留には保釈制度がない(1項但書、89条)。保釈金を用意しても起訴前は意味がない。資金は弁護費用と、起訴後に保釈が必要になった段階に備えて温存する
  4. 4.勾留状が出たら、すぐ準抗告を検討する 勾留決定への準抗告(429条)は決定から実質数日が勝負。早いほど取調べで供述が固まる前なので裁判官を翻意させやすい。あわせて接見・差し入れのルールを弁護人に確認する

よくある質問 AI による整理

Q1被疑者勾留とは何ですか?

起訴前の被疑者を身柄拘束する手続です。逮捕に続いて検察官が勾留を請求し、裁判官が刑事訴訟法207条に基づき勾留状を発します。原則10日、延長で最長20日拘束されます。

Q2勾留は何日間ですか?

原則10日間です(208条)。やむを得ない事由があれば1回延長され、合計で最長20日になります。この間ほぼ毎日取調べが続くため、入口で止められるかが重要です。

Q3準抗告とは何ですか?

勾留の裁判に不服があるときに、別の裁判官の合議体へ取消・変更を求める不服申立てです(429条)。決定後すぐ動けば釈放の可能性が残り、遅れるほど供述が固まり不利になります。

Q4勾留と逮捕の違いは何ですか?

逮捕は最大72時間の短い拘束、勾留はそれに続く原則10日・最長20日の長い拘束です。勾留請求の段階が「短い拘束で終わるか長期化するか」の分岐点になります。

Q5勾留質問では何を聞かれますか?

裁判官が被疑事実を告げ、認否や言い分を確認します。ここでの供述が後の裁判を縛るため、事前に弁護人と打ち合わせ、黙秘権の行使を検討すべき重要な場面です。

Q6勾留を止めるにはどうすればいいですか?

罪証隠滅と逃亡のおそれがないことを示すのが核心です。身元引受人・定職・家族関係などの資料を弁護人経由で裁判官へ届け、勾留の必要性を否定できれば釈放されます。

Q7勾留中に家族と面会できますか?

原則として接見(面会)や差し入れは可能ですが、接見禁止が付くと弁護人以外との面会が制限されます。弁護人は接見禁止の有無や一部解除の申立てを確認できます。

Q8勾留されたら必ず起訴されますか?

必ずではありません。勾留期間内に不起訴・処分保留で釈放される場合もあります。だからこそ勾留段階での弁護活動が、起訴・前科を避けるうえで決定的になります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1起訴される前でも、保釈金を払えば出してもらえますよね?

出せません。保釈は起訴後の被告人にしか使えない制度で、起訴前の被疑者勾留には保釈そのものが存在しません(207条1項但書、89条)。起訴前に釈放を狙うなら、勾留決定への準抗告(429条)や勾留取消請求(87条)が手段です。実務のポイント:多くの家族が「保釈金はいくらか」と聞きますが、経験ある刑事弁護人は起訴前なら準抗告に全力を注ぎます。金を用意する前に、勾留の必要性を崩せないか弁護人と詰めるのが正解です

Q2当番弁護士と国選弁護人って何が違うんですか?

当番弁護士は逮捕直後に弁護士会へ頼めば誰でも一度無料で来てくれる制度、国選弁護人は資力が基準額未満の被疑者に国が費用を持って付ける制度です(37条の2、37条の3)。207条4項の資力申告書は国選の手続です。実務のポイント:まず当番を呼んで相談し、そのまま私選または国選へ切り替えるのが定石。最初の72時間に弁護人が入るかどうかで、供述調書の中身が変わります

間違えやすい点 AI による整理

  • 「保釈金を払えば出られる」と思っている家族が多いが、保釈は起訴された後の被告人にしか使えない(207条1項但書、89条)。起訴前の被疑者勾留には、保釈という制度そのものが存在しない。家族がまず動かすべきは、保釈金の準備ではなく、勾留決定への準抗告と弁護人の選任だ
  • 「弁護士を雇う金がないから何もできない」と諦める前に、問いの立て方そのものが間違っている。207条は、貧困でも国選弁護人を付けられること、当番弁護士を呼べることを裁判官が告げる義務を定めている。金の有無は、弁護人がつくかどうかを決めない
  • 勾留を「たった10日」と軽く見ている人が多いが、その深刻さを誰も教えてくれない。延長で20日、その間ほぼ毎日取調べが続き、会社や学校には事情を説明できないまま社会生活が静かに崩れる。20日後に不起訴になっても、失った職や信用は戻らない
比較の観点この条文ほかの条文
保釈の可否207条1項但書:起訴前は裁判官に保釈権限なし(保釈不可)89条:起訴後は必要的保釈(原則として保釈可)
429条:準抗告で勾留決定そのものを争う
対象となる段階起訴前の被疑者勾留起訴後の被告人勾留
勾留決定の直後(起訴前後を問わない)
釈放を狙う手段勾留請求前の意見書・勾留取消請求(87条)保釈請求(保釈保証金の納付)
準抗告(別の裁判官の合議体へ)
時間的勝負どころ勾留質問の前、逮捕から72時間以内起訴された後いつでも
勾留決定から数日以内

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第101条・第93条

台湾も偵査中の羈押は法官が決定する(法官保留)。羈押審査と具保(保釈に近い制度)の枠組みがあり、日本が起訴前の保釈を認めない点と異なる。

韓国
대한민국 형사소송법 제201조

韓国も検事の請求に基づき判事が구속영장(拘束令状)を発する令状主義を採る。구속전 피의자심문(拘束前被疑者尋問、令状実質審査)が勾留質問に相当する。

ドイツ
StPO § 112 ff.

ドイツの未決勾留(Untersuchungshaft)も裁判官の令状を要し、逃亡・罪証隠滅のおそれを要件とする。比例原則による厳格な必要性審査が特徴。

アメリカ
Gerstein v. Pugh, 420 U.S. 103 (1975)

米国は逮捕後速やかに中立的な司法官による相当理由審査を要求。保釈は第8修正の過大保釈禁止のもと広く認められ、起訴前から保釈が機能する点が日本と大きく異なる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 夫が痴漢の疑いで逮捕され、今日が勾留請求の日。あなたに残された時間は数時間。今、弁護士を動かせば勾留質問の前に裁判官へ意見書を届けられるかもしれない。動かなければ、明日から最大20日、夫は家に帰れず、会社にも連絡が取れない
  • もし、あなたの息子が「やってない」と言っているのに勾留状が出てしまったら、どうする? それでも終わりではない。勾留の裁判には準抗告(刑事訴訟法429条)という不服申立てがあり、決定後すぐに動けば釈放される可能性が残る。遅れるほど不利になる
  • あなたは初めて逮捕され、取調官に「認めれば早く出られる」と言われる。だが勾留段階で弁護人がついていれば、その言葉が本当か検証できる。
  • 会社員のあなたが逮捕され、勾留が長引けば職を失いかねない。だからこそ勝負どころは起訴後の保釈ではなく、勾留請求の段階で「罪証隠滅も逃亡のおそれもない」と示し、勾留そのものを止めることにある。入口で止めるほうが、人生へのダメージは小さい

取るべき行動

被害を受けた側:1. 逮捕の連絡を受けたら、まず当番弁護士を呼ぶ(地元の弁護士会へ電話、初回無料)。起訴前国選は資力要件があるが、当番は誰でも呼べる2. 勾留請求の日(逮捕から最大72時間以内)を確認し、勾留質問の前に弁護人が裁判官へ意見を出せるよう急ぐ3. 保釈金の準備に走らない、起訴前に保釈はない4. 勾留状が出たら準抗告(429条)をすぐ検討。差し入れ・面会のルールも弁護人に確認する

訴えられた側:1. 勾留質問で裁判官に話す前に、必ず弁護人と打ち合わせる。ここでの供述が後の裁判を縛る2. 黙秘権がある、不確かなことは話さない3. 裁判官から弁護人選任権・国選・当番弁護士の告知を受けたら(2項から4項)、迷わず選任を申し出る4. 身元引受人・定職・家族など、罪証隠滅や逃亡のおそれがないと示せる材料を弁護人経由で裁判官へ。勾留の必要性を否定できれば釈放される

時効(請求できる期限):勾留請求は逮捕後の制限時間内(逮捕から原則72時間以内)。裁判官は請求を受けたら速やかに勾留状を発する(5項)。勾留期間は原則10日、延長で最長20日(208条)。勾留決定への準抗告(429条)に法定の期間制限はないが、勾留期間が短いため実務上は決定後数日が勝負

学説

通説:207条1項本文は勾留に関する裁判官の権限を裁判所と同視しつつ、但書で保釈権限を除外する。これは保釈の判断を起訴後の慎重な手続に委ねる趣旨と理解され、起訴前の被疑者には保釈制度が及ばないと解されている。

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年) 被疑者国選弁護制度の導入に伴い、弁護人選任権・指定申出・資力申告書に関する裁判官の教示義務(2項から4項)を整備し、勾留段階での弁護人アクセスを制度化した
  • 平成28年(2016年)公布、平成30年(2018年)施行 被疑者国選弁護の対象を、一定の重大事件から勾留される全事件へと拡大。本条の告知義務が及ぶ範囲が実質的に広がった

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 改正:被疑者国選弁護制度の導入に伴い、弁護人選任権・指定申出・資力申告書に関する裁判官の教示義務(2項から4項)を整備し、勾留段階での弁護人アクセスを制度化した。
  2. 2.平成28年(2016年)公布・平成30年(2018年)施行 改正:被疑者国選弁護の対象を、一定の重大事件から勾留される全事件へと拡大。207条の告知義務が及ぶ範囲が実質的に広がった。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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