刑事訴訟法 第271条の7
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- 裁判所は、第二百七十一条の三第二項、第二百七十一条の四第三項、第二百七十一条の五第二項若しくは前条第一項から第四項までの規定により付した条件に弁護人が違反したとき、又は同条第一項から第四項までの規定による時期若しくは方法の指定に弁護人が従わなかつたときは、弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求することができる。
- 2.前項の規定による請求を受けた者は、そのとつた処置をその請求をした裁判所に通知しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第271条の7は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第271条の7の条文原文は「裁判所は、第二百七十一条の三第二項、第二百七十一条の四第三項、第二百七十一条の五第二項若しくは前条第一項から第四項までの規定により付した条件に弁護人が違反したと…」で始まります。
- 刑事訴訟法第271条の7は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第271条の7の前の条は刑事訴訟法第271条の6です。
- 刑事訴訟法第271条の7の次の条は刑事訴訟法第271条の8です。
- 刑事訴訟法第271条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第271条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第271条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/271_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法271条の7は、弁護人が被害者特定事項の秘匿条件に違反したとき、裁判所が所属弁護士会または日弁連へ通知し、適当な処置を請求できると定める規定である。
Q · 弁護士が被害者の住所を依頼人にバラしたら、裁判官がその場で罰せられるの?
罰せられない。裁判所は弁護士会に通知し処置を請求できるだけ
刑事訴訟法271条の7により、弁護人が被害者特定事項の秘匿条件や時期・方法の指定に違反したとき、裁判所はその弁護士の所属弁護士会または日本弁護士連合会へ通知し、適当な処置を請求できます。ただし裁判所が弁護士を直接処罰することはできません。処置をとるか、戒告から除名までどの懲戒を科すかは弁護士会が自治に基づいて判断します。通知を受けた弁護士会は、とった処置を請求した裁判所へ報告する義務を負います(同条2項)。
解説
ストーカー被害で加害者を起訴してもらった。あなたの本名と住所は、加害者本人には伏せられる。ところが加害者の弁護人には伝わる。誰を相手に争うのかを知らなければ防御ができないからだ。ここであなたの背筋が凍る。その弁護人が、依頼人である加害者にあなたの居場所を漏らしたら、どうなるのか。271条の7が、その問いへの答えだ。裁判所は弁護人に「依頼人に被害者の特定事項を明かすな」という条件を付けられる(271条の6)。そして弁護人がその条件を破ったとき、裁判所は弁護士会か日本弁護士連合会に通知し、適当な処置を請求できる。ここで日本の司法の隠れた構造が顔を出す。裁判官は、目の前で約束を破った弁護士を、自分の手で罰することができない。弁護士は裁判所の部下ではなく、弁護士会という自治組織の一員だからだ。裁判官にできるのは、いわばギルドに告げ口することだけ。それが弁護士自治である。
法的な位置づけ
刑事訴訟法271条の7は、被害者特定事項の秘匿のために弁護人へ付された条件や時期・方法の指定に弁護人が違反した場合に、裁判所が当該弁護士の所属弁護士会または日本弁護士連合会へ通知し、適当な処置をとるべきことを請求できる旨を定める規定である。処置の要否と内容の判断は弁護士会の自治に委ねられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の事件で秘匿措置がとられているか確認する 被害者として、被害者特定事項の秘匿措置(271条の2以下)が自分の事件でとられているか、担当検察官または被害者参加弁護士に確認する。弁護人に秘匿条件(271条の6)が付されているかも併せて把握しておく
- 2.情報漏えいの疑いを記録する 加害者があなたの非公開情報を把握していると疑われる場面が生じたら、いつ・どこで・誰が口にしたかを日時付きで記録する。出所が弁護人と疑われる具体的な事情をメモにまとめる
- 3.検察官・裁判所へ申告する 記録した疑いを担当検察官と裁判所に申告する。条件違反の事実が認められれば、裁判所による弁護士会または日弁連への通知・処置請求(271条の7)につながる
- 4.実害が出たら民事責任も検討する 情報漏えいで実害が生じた場合、刑事手続とは別に、弁護人個人に対する不法行為責任(民法709条)に基づく損害賠償を検討する。271条の7の処置請求と並行して進められる
よくある質問 AI による整理
Q1弁護士自治とは何ですか?
弁護士の懲戒や監督を国家ではなく弁護士会自身が行う制度です。裁判所も弁護士を直接罰せず、271条の7のように弁護士会への通知・処置請求を経由します。国家権力から弁護の独立を守る仕組みです。
Q2被害者特定事項の秘匿はいつから始まった制度ですか?
令和5年(2023年)改正で271条の2以下が新設され、令和6年(2024年)2月15日に施行されました。271条の7はその実効性を担保する一環として同時に設けられた規定です。
Q3弁護士会への処置請求を受けたらどうなりますか?
弁護士会が弁護士法56条以下の懲戒手続で調査します。戒告・業務停止・退会命令・除名のいずれか、または処分なしを判断し、とった処置を請求した裁判所へ報告します(271条の7第2項)。
Q4271条の7の通知は懲戒処分と同じですか?
同じではありません。通知はあくまで「適当な処置をとるべきことの請求」にとどまり、懲戒するか否かは弁護士会の独立した判断です。通知されても処分ゼロという結末もありえます。
Q5被害者の情報はなぜ弁護人には伝わるのですか?
秘匿されるのは被告人本人に対してであって、弁護人に対してではありません。誰を相手に争うのかを弁護人が知らなければ防御が成り立たないため、弁護人には特定事項が伝わります。
Q6国選弁護人でも処置請求の対象になりますか?
対象になります。本条は「弁護士である弁護人」を対象とし、私選か国選かを区別していません。弁護士である限り、条件違反があれば所属弁護士会への通知・処置請求の対象です。
Q7271条の6と271条の7の違いは何ですか?
271条の6は裁判所が弁護人に「依頼人へ被害者特定事項を明かすな」という条件を付ける規定です。271条の7はその条件が破られたときに弁護士会へ通知・処置請求する救済規定です。
Q8被害者は弁護人の情報漏えいをどこに申告すればいいですか?
まず担当検察官や被害者参加弁護士に申告します。漏えいの出所が弁護人と疑われる場合、裁判所による弁護士会への処置請求(271条の7)につなげる道があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判官って、法廷で約束を破った弁護士をその場でクビにできないんですか?
できない。日本では弁護士は裁判所の指揮下になく、弁護士会という自治組織に属する(弁護士自治)。裁判所にできるのは271条の7に基づき弁護士会や日弁連へ通知し、処置を請求することだけだ。罰するかどうかは弁護士会が独自に判断する。実務のポイント:この『裁判官が弁護士を直接罰せない』構造は、不便に見えて国家権力に屈しない刑事弁護を支える根幹。だからこそ裁判所も、弁護士会が出した結論には口を出せない。
Q2被害者の住所を弁護士が依頼人に漏らしたら、その弁護士はどうなるんですか?
裁判所が弁護士会または日弁連に通知して処置を請求する(271条の7)。弁護士会は弁護士法56条以下の懲戒手続で調査し、戒告から最も重い除名まで処分を判断する。被害者は別途、民事の損害賠償(民法709条)も追える。実務のポイント:裁判所の通知は『懲戒せよ』ではなく『適当な処置を』という要請にとどまる。通知されても弁護士会の調査で処分ゼロもありうる。通知イコール処分ではない、ここを誤解する人が多い。
間違えやすい点 AI による整理
- 被害者の情報が伏せられるなら、弁護人もそれを知らないと思い込みやすい。だが前提が違う。秘匿されるのは被告人本人に対してであって、弁護人に対してではない。誰を相手に争うのか弁護人が知らなければ裁判が成り立たないため、弁護人には特定事項が伝わる。あなたが恐れるべきは「弁護人が知っていること」ではなく「弁護人が漏らさないか」の方だ。
- 裁判所が弁護士会に通知できる、ここまでは知っていても、その通知が即懲戒を意味しないことまでは知られていない。271条の7はあくまで「適当な処置をとるべきことを請求する」にとどまり、懲戒するか否かは弁護士会の独立した判断に委ねられる。通知されて処分ゼロ、という結末もありうる。
- あなたから見れば「規則を破った弁護士は罰せられて当然」だ。だが制度から見れば、裁判所が弁護士を直接罰せないこと自体が、国家権力から弁護の独立を守る砦になっている。この落差こそが、被害者保護の歯がゆさの正体だ。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 271条の7:条件違反時に弁護士会へ通知・処置請求(救済・担保) | 271条の6:弁護人に秘匿条件・時期方法の指定を付す(事前規制) 271条の2:起訴状抄本等による被害者特定事項秘匿の起点 |
| 向けられる相手 | 条件に違反した弁護士である弁護人(所属弁護士会・日弁連経由) | 弁護人(裁判所が条件を付す対象) 被告人本人(情報を秘匿される対象) |
| 効果 | 弁護士会への通知+適当な処置の請求、処置の報告義務(2項) | 依頼人への開示制限・時期方法の限定 起訴状抄本等から特定事項を秘匿 |
| 処分主体 | 弁護士会・日弁連(弁護士自治に基づく独立判断) | 裁判所(条件設定) 裁判所・検察官(秘匿運用) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も弁護士の懲戒は律師懲戒委員会が担い、裁判所は直接処罰せず移付懲戒する点で弁護士自治の発想を共有する
韓国も懲戒権限は大韓弁護士協会にあり、外部機関は通知・申立てにとどまる構造が日本と類似する
ドイツは弁護士の懲戒を専門の弁護士裁判所(Anwaltsgericht)が扱い、職業上の独立を制度的に保障する
米国は州ごとの弁護士会・州最高裁が懲戒を担い、職務違反は懲戒申立てを通じて処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの住所が、伏せたはずの加害者の口から出てきたらどうする? 性犯罪の被害者として法廷に立つあなたの本名と住所は、起訴状から秘匿されている。その情報の出所が加害者の弁護人だった場合、271条の7が弁護士会への処置請求という反撃路を開く。
- あなたが刑事弁護を引き受けた弁護士だとする。裁判所から「被害者の特定事項を依頼人に明かすな」という条件が付いた(271条の6)。だが依頼人は「相手が誰か知る権利がある」と強く迫る。ここで一線を越えれば、守ったはずの依頼人の利益と引き換えに、あなた自身が弁護士会の懲戒手続に立たされる。守るべきは依頼人か、自分の弁護士バッジか。
- 通知を受けた弁護士会に、沈黙という逃げ場はない。とった処置を、請求した裁判所へ報告する義務が課されている(271条の7第2項)。制度は、うやむやを許さない設計になっている。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の事件で被害者特定事項の秘匿措置(271条の2以下)がとられているか、検察官または被害者参加弁護士に確認する2. 加害者があなたの非公開情報を把握していると疑われる場面があれば、いつ誰が口にしたかを記録し、検察官と裁判所に申告する3. 出所が弁護人と疑われるなら、裁判所による弁護士会への処置請求(271条の7)につなぐ道がある4. 情報漏えいで実害が出たら、刑事とは別に民事の損害賠償(民法709条)を検討する
訴えられた側:1. あなたが弁護人なら、付された条件と時期・方法の指定の範囲を文言レベルで確認し、解釈に迷う点は受任段階で裁判所に確認する2. 依頼人が被害者情報の開示を強く求めても、条件に反する開示は絶対に避け、所属弁護士会の倫理相談を活用する3. 仮に処置請求の通知がなされても、それは懲戒の決定ではない。弁護士法上の手続で弁明する機会がある4. 被告人本人の立場なら、弁護人が情報を明かしてくれないのは条件によるものだと理解し、無理に開示を迫らない
時効(請求できる期限):本条の通知・処置請求そのものに特定の期限はない。ただし弁護士法上の懲戒は、懲戒の事由があった時から3年を経過すると手続に付すことができない(弁護士法63条、除斥期間)。条件違反から時間が経つほど、処置の道は狭まる(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:271条の7は、被害者特定事項の秘匿の実効性を担保する規定である一方、裁判所が弁護士を直接処罰せず弁護士会への通知・処置請求にとどめる点で、弁護士自治を尊重した間接的構造をとると解される。通知は懲戒の決定ではなく、処置の要否は弁護士会の独立判断に委ねられる。
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)新設、令和6年(2024年)2月15日施行 被害者特定事項を起訴状抄本等で秘匿する新制度(271条の2から271条の8)の一環として新設。弁護人が秘匿条件や時期・方法の指定に違反した場合に、裁判所が弁護士会・日弁連へ通知し処置を請求できる実効性担保の仕組みを創設した
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:被害者特定事項を起訴状抄本等で秘匿する新制度(271条の2〜271条の8)の一環として新設。弁護人が秘匿条件や時期・方法の指定に違反した場合に、裁判所が弁護士会・日弁連へ通知し処置を請求できる実効性担保の仕組みを創設。令和6年(2024年)2月15日施行
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