刑事訴訟法 第292条
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証拠調べは、第二百九十一条の手続が終つた後、これを行う。ただし、次節第一款に定める公判前整理手続において争点及び証拠の整理のために行う手続については、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第292条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第292条の条文原文は「証拠調べは、第二百九十一条の手続が終つた後、これを行う。ただし、次節第一款に定める公判前整理手続において争点及び証拠の整理のために行う手続については、この限りで…」で始まります。
- 刑事訴訟法第292条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第292条の前の条は刑事訴訟法第291条の3です。
- 刑事訴訟法第292条の次の条は刑事訴訟法第292条の2です。
- 刑事訴訟法第292条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第292条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第292条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/292
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法292条は、証拠調べを冒頭手続(291条)の終了後に行うと定める。ただし公判前整理手続で争点・証拠を整理する手続はこの順序の例外とされる。
Q · 刑事裁判って、まず証拠を調べるところから始まるんですか?
いいえ、冒頭手続が終わった後に証拠調べが始まります
刑事訴訟法292条により、証拠調べは第291条の冒頭手続(起訴状朗読・黙秘権の告知・罪状認否)が終わった後に行われます。被告人が何で訴えられ、どう応じるかを表明する前に証拠の山に埋もれることを防ぐための順序です。ただし2004年改正で加わった但書により、公判前整理手続で争点・証拠の整理を行う手続はこの順序の例外とされ、本番前に防御の全体像が確定します。
解説
法廷で被告人席に座ったあなたが最初に直面するのは、証拠でも証人でもない。検察官による起訴状の朗読、黙秘権の告知、そして「あなたはこの事実を認めますか」という問いだ。刑事訴訟法292条は、証拠調べを「291条の手続が終わった後」に固定する。つまり、あなたが罪を認めるか争うかを表明する冒頭手続が完了するまで、検察官は一片の証拠も法廷に出せない。順序が固定されているのは、あなたが何で訴えられているか分からないまま証拠の山に埋もれることを防ぐためだ。さらに2004年改正で加わった但書が、この原則に風穴を開けた。公判前整理手続(公判が始まる前に裁判所・検察官・弁護人で争点と証拠を絞り込む手続)を経た事件では、整理はあらかじめ済ませる。あなたの弁護人が「整理手続でどう主張を組むか」を決める段階で、実は裁判の勝敗の大半が決している。
法的な位置づけ
刑事訴訟法292条は証拠調べの時期を定める規定であり、証拠調べは第291条の冒頭手続(起訴状朗読・黙秘権告知・罪状認否)が終了した後に行うものとする。ただし公判前整理手続において争点および証拠の整理のために行う手続は、この順序の例外として位置づけられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.第一回公判の罪状認否を弁護人と事前に固める 罪状認否は292条の順序の出発点。認めるか争うかで、その後の証拠調べの長さと深さが分岐する。認めれば簡易公判手続(刑訴291条の2)に移り証拠調べが簡略化されるため、感情でなく戦略として方針を確定しておく
- 2.公判前整理手続に付すか弁護人と協議 整理手続を経ると検察官の証拠開示が広がる一方、後出し証拠は制限される(刑訴316条の32)。事件の筋を見て、証拠開示を引き出すべきか、切り札を温存すべきかを判断する
- 3.公判前整理手続で主張・証拠を出し切る 整理手続に付された事件では、この段階で防御の全体図を確定させる。取調べ請求しなかった証拠は、やむを得ない事由がない限り公判で請求できなくなるため、後出しを前提にしない
- 4.順序違反の不意打ち証拠には その場で異議 冒頭手続が終わる前に証拠が提出されるなど292条の順序が守られない場合、不意打ちの証拠攻撃として、その場で異議を述べて手続の是正を求める
よくある質問 AI による整理
Q1証拠調べとは何ですか?
証人尋問や証拠書類の取調べなど、有罪・無罪の判断材料を法廷で吟味する手続です。刑事訴訟法292条は、これを冒頭手続の後に行うと定めています。
Q2冒頭手続とは何ですか?
起訴状朗読・黙秘権の告知・罪状認否からなる、公判の最初の段階です(刑訴291条)。292条はこの手続が終わるまで証拠調べを禁じています。
Q3証拠調べはいつ始まりますか?
第291条の冒頭手続が終わった後です(刑訴292条本文)。順序が固定されているため、冒頭手続前に検察官が証拠を出すことはできません。
Q4公判前整理手続とは何ですか?
公判が始まる前に裁判所・検察官・弁護人で争点と証拠を絞り込む手続です。292条但書の例外で、ここで証拠開示が広がる一方、後出し証拠は制限されます。
Q5刑事裁判の流れはどうなっていますか?
冒頭手続(起訴状朗読・罪状認否)→ 証拠調べ(検察官の冒頭陳述・証拠取調べ)→ 弁論 → 判決の順です。292条が冒頭手続と証拠調べの境界線を引いています。
Q6証拠調べの前に証拠は出せますか?
原則できません。292条本文が冒頭手続の終了を証拠調べの前提とするため、順序を飛ばした証拠提出は不意打ちとして異議の対象になります。
Q7公判前整理手続で出さなかった証拠は後で出せますか?
原則として制限されます。やむを得ない事由がない限り、整理手続終了後の証拠調べ請求は却下されうります(刑訴316条の32)。
Q8裁判員裁判は必ず公判前整理手続をしますか?
はい。裁判員の参加する刑事裁判に関する法律49条により、裁判員裁判は必ず公判前整理手続に付されます。審理が数日で終わるのはこの事前整理のためです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1初公判で「認めます」と言ったら、その場で判決が出るんですか?
いいえ。罪状認否で認めても、292条の順序に従い冒頭手続の後に証拠調べが行われます。ただし被告人が起訴事実を認めた比較的軽い事件では、簡易公判手続(刑訴法291条の2)に移り証拠調べが大幅に簡略化されます。実務のポイント:「認める」と言う前に、簡易手続に乗ると伝聞証拠の扱いが緩和される(刑訴法320条2項)ことまで弁護人は計算している。認否は感情でなく、その後の証拠調べの形まで見据えて決めるものだ
Q2公判前整理手続って、やったほうが得なんですか損なんですか?
一概には言えません。292条但書のこの手続を経ると検察官の手持ち証拠の開示が広がり防御に有利な面がある一方、整理手続で出さなかった証拠は後から原則請求できなくなります(刑訴法316条の32)。実務のポイント:証拠開示を引き出したい防御側には武器になるが、終盤で切り札を温存する戦法は封じられる。裁判員裁判は必ずこの手続を経るので選択の余地がないが、通常事件では弁護人が事件の筋を見て付すか否かを判断している
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判はまず証拠を調べるところから始まる」と思われているが、292条はそれを禁じる。冒頭手続が終わるまで証拠調べは一切できない。証拠より先に、あなたが何で訴えられ、どう応じるかの表明が来る
- 公判前整理手続を「事前の打ち合わせ」程度に考えている人が多いが、その深刻さを見落としている。ここで取調べ請求しなかった証拠は、やむを得ない事由がない限り公判で請求できなくなる(刑訴法316条の32)。準備の軽視が、本番での反撃手段を永久に奪う
- 「順序なんて形式で、結論には関係ない」と問いを立てがちだが、その問いそのものがずれている。あなたから見れば単なる進行手順でも、法から見れば、被告人が不意打ちの証拠攻撃を受けない保障の装置だ。この視点の差が、手続違反を見逃すかどうかを分ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続段階での位置 | 292条:証拠調べ(冒頭手続の後) | 291条:冒頭手続(起訴状朗読・罪状認否) 296条:証拠調べ冒頭の検察官の冒頭陳述 |
| 役割 | 証拠調べを行う時期を固定し順序を保障 | 被告人が起訴内容を理解し応答する機会の保障 証拠調べに入る際の立証構造の提示 |
| 罪状認否との関係 | 認否の後にしか証拠調べに進めない | ここで認めれば簡易公判手続(291条の2)へ 認否後・証拠取調べ前に検察官が陳述 |
| 例外・特則 | 但書:公判前整理手続(316条の2以下) | 簡易公判手続(291条の2)で簡略化 整理手続を経た場合の冒頭陳述の扱い |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も審判期日において、人別訊問・起訴要旨の陳述を経てから証拠調べに入る順序を定める点で日本と同型
韓国も冒頭手続(모두절차)の後に証拠調べ(증거조사)を行う順序を採り、公判準備手続による争点整理も整備されている
ドイツは『被告人尋問の後に証拠調べが続く』と明文で順序を定める。職権主義が強く、裁判所が証拠調べを主導する点が日本と異なる
米国では罪状認否(arraignment)を経て公判に至り、証拠提示の順序は当事者主義のもと裁判所の裁量に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが起訴され、第一回公判の冒頭で罪状認否を求められたら? ここで「認める」と言えば簡易な手続に移り証拠調べが大幅に省略され、「争う」と言えばフルの証拠調べが始まる。292条が定める順序の最初の分岐点で、あなたの一言が裁判の長さと深さを決める
- あなたの事件が公判前整理手続に付された。手続の期日まであと一週間。弁護人は「この手続で出さなかった証拠は、やむを得ない事由がない限り後から請求できなくなる(刑訴法316条の32)」と説明する。292条但書が働くこの事件では、証拠調べが始まる前に防御の全体図を確定させなければ間に合わない
- 裁判を傍聴したあなたは、起訴状朗読のあとすぐに証拠調べへ入らず、いったん区切りが置かれたのを見た。あれは順序という防御の保障を守るための仕切りだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害者参加(刑訴法316条の33以下)や傍聴を希望するなら、冒頭手続から証拠調べへの流れを先に把握しておく2. 意見陳述や被告人質問の機会は証拠調べ以降に来るので、検察官や被害者支援を通じて発言のタイミングを確認3. 公判前整理手続に付された事件では争点が事前に絞られるため、自分の被害の主張が争点に含まれているかを検察官に確認しておく
訴えられた側:1. 第一回公判の罪状認否は最重要、認めるか争うかを弁護人と事前に固める、ここが292条の順序の出発点2. 公判前整理手続に付されたら主張と証拠をこの段階で出し切る、後出しは原則制限される(刑訴法316条の32) 3. 検察官の冒頭陳述(296条)で立証構造を把握し、証拠調べ請求への対応を組む4. 順序が守られず不意打ちの証拠提出があれば、その場で異議を述べる
時効(請求できる期限):292条自体に時効はない。ただし公判前整理手続に付された事件では、主張・証拠の提出は原則として手続終了までが期限で、終了後の取調べ請求は「やむを得ない事由」がない限り却下されうる(刑訴法316条の32)。罪状認否は第一回公判期日の冒頭手続で行うため、その場での判断が求められる
学説
通説:292条本文の順序固定は、当事者主義・公判中心主義のもとで被告人の防御権と適正手続(憲法31条)を保障する手続的装置と解される。冒頭手続を経ない証拠調べは不意打ちとして許されない。
実務:2004年改正の但書により、公判前整理手続を経た事件では争点・証拠の整理が公判前に完了する。裁判員裁判では同手続が必置とされ、争点を絞ることで連日的開廷と迅速な審理を可能にしている。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)公布、平成17年(2005年)施行 裁判の迅速化のための刑事訴訟法改正で公判前整理手続が新設され、これに伴い292条に但書が追加された。公判前整理手続で争点・証拠を整理する手続は、証拠調べを冒頭手続後に行うという本文原則の例外と位置づけられた
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、証拠調べを冒頭手続の後に行う旨が規定された。戦後の当事者主義・公判中心主義のもとで証拠調べの時期を明確化
- 2.平成16年(2004年) 改正:裁判の迅速化のための改正で公判前整理手続が新設され、これに伴い292条に但書が追加。整理手続で争点・証拠を整理する手続を本文原則の例外と位置づけた
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