刑事訴訟法 第316条の34
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- 被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、公判期日に出席することができる。
- 2.公判期日は、これを被害者参加人に通知しなければならない。
- 3.裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士が多数である場合において、必要があると認めるときは、これらの者の全員又はその一部に対し、その中から、公判期日に出席する代表者を選定するよう求めることができる。
- 4.裁判所は、審理の状況、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士の数その他の事情を考慮して、相当でないと認めるときは、公判期日の全部又は一部への出席を許さないことができる。
- 5.前各項の規定は、公判準備において証人の尋問又は検証が行われる場合について準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第316条の34は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第316条の34の条文原文は「被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、公判期日に出席することができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第316条の34は第三節 被害者参加に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第316条の34の前の条は刑事訴訟法第316条の33です。
- 刑事訴訟法第316条の34の次の条は刑事訴訟法第316条の35です。
- 刑事訴訟法第316条の34には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の34 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の34(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/316_34
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法316条の34は、被害者参加人とその委託を受けた弁護士が公判期日に出席でき、裁判所が期日を通知する義務を負うと定める。ただし裁判所は相当でないと認めるとき出席を制限できる。
Q · 被害者や遺族は、刑事裁判の法廷に傍聴席ではなく中に入れるんですか?
参加許可を得れば出席でき、期日通知も届きます
刑事訴訟法316条の34により、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は公判期日に出席することができ、裁判所は公判期日を被害者参加人に通知しなければなりません。前提として同法316条の33による参加許可が必要で、許可のない被害者・遺族は一般の傍聴人と同じ扱いになります。裁判所は参加人が多数の場合に代表者の選定を求めることができ(3項)、審理の状況等から相当でないと認めるときは出席を制限できます(4項)。公判準備での証人尋問・検証にも準用されます(5項)。
解説
刑事裁判の傍聴席と法廷の中では、決定的な違いがある。傍聴席にいる限り、あなたはただの見物人だ。だが被害者参加人として法廷の柵の内側、検察官の隣に座った瞬間、あなたは手続の当事者に近い地位を得る。刑事訴訟法316条の33で参加許可を得た被害者や遺族は、この316条の34によって公判期日に出席する権利を持つ。しかも裁判所には期日をあなたに通知する義務がある。ここを知らない被害者遺族は多い。「裁判がいつあるか、こちらから問い合わせないと分からない」と思い込み、傍聴券の抽選に並ぶ。参加人になれば通知は向こうから来る。さらに5項により、公判前の証人尋問や検証の場面にも同じ扱いが及ぶ。ただし裁判所は4項で「相当でない」と判断すれば出席を制限できるし、3項では人数が多いときに代表者選定を求められる。無条件の権利ではないが、傍聴席と柵の内側の距離は、法的には天と地ほど違う。
法的な位置づけ
刑事訴訟法316条の34は、被害者参加人及びその委託を受けた弁護士の公判期日出席権と、裁判所の期日通知義務を定める規定である。同法316条の33による参加許可を前提とし、多数の場合の代表者選定(3項)と相当性を理由とする出席制限(4項)を裁判所の調整権限として置く。公判準備における証人の尋問又は検証にも準用される(5項)。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起訴の事実と対象犯罪の該当性を確認 検察官から起訴の連絡を受けたら、まず起訴罪名が316条の33の限定列挙に該当するかを確認する。故意の犯罪行為により人を死傷させた罪、業務上過失致死傷、性犯罪、逮捕監禁、略取誘拐等が中心。該当しなければ被害者参加はできず、292条の2の心情意見陳述など別ルートを検討する
- 2.被害者参加の申出を検察官経由で提出 被害者参加申出書を作成し、検察官を経由して裁判所へ提出する(316条の33)。法定の期限はないが、公判前整理手続で争点と証拠が固まる前に出すのが実務上最も効果的。第一回公判後の申出は、既に決まった土俵に後から乗る形になる
- 3.被害者参加弁護士の選任と国選制度の資力確認 申出と同時期に委託する弁護士の選任を検討する。資力が基準額未満なら国選被害者参加弁護士制度により国が費用を負担するため、資力申告書を準備して日本弁護士連合会または各地の弁護士会の犯罪被害者支援窓口へ相談する
- 4.許可後、期日通知を受けて出席する期日を選ぶ 参加許可が出れば2項により裁判所から公判期日が通知される。出席は権利であって義務ではないため、全期日に出るより論告求刑・意見陳述(316条の38)・被告人質問(316条の37)の期日に照準を絞る運用が実務では一般的。他の期日は委託弁護士のみ出席させて報告を受ける分業ができる
- 5.遺族が複数なら代表者と役割分担を先に決める 3項により裁判所から代表者選定を求められる前に、遺族間で誰が在席し誰が意見陳述を担うかを話し合っておく。期日ごとの交代や「主要期日は全員・その他は代表者」といった柔軟案を被害者参加弁護士経由で裁判所に打診する余地もある
- 6.在席方法への配慮を事前に申し入れる 座席位置は裁判所ごとに運用が異なるため、被告人から見えにくい位置や遮へい・付添いといった配慮を、検察官または被害者参加弁護士を通じて事前に伝える。法廷レイアウトが調整されることがある
よくある質問 AI による整理
Q1被害者参加制度とは何ですか?
一定の重大犯罪の被害者や遺族が、参加許可を得て刑事裁判の当事者に近い地位で手続に関与できる制度です。出席(316条の34)を入口に、証人尋問・被告人質問・意見陳述へ権利が連鎖します。
Q2被害者参加の申出はどこに出しますか?
検察官を経由して裁判所へ申し出ます(316条の33)。検察官が意見を付して裁判所へ送り、裁判所が許可を決定します。起訴後できるだけ早い段階での申出が実務上有利です。
Q3被害者参加人は誰でもなれますか?
なれません。316条の33が対象犯罪を限定列挙しており、故意の犯罪行為により人を死傷させた罪、業務上過失致死傷、逮捕監禁、略取誘拐、性犯罪などに限られます。窃盗や詐欺は原則対象外です。
Q4公判期日はどうやって知らされますか?
316条の34第2項により、裁判所が被害者参加人に公判期日を通知しなければなりません。参加人になれば傍聴券の抽選に並ぶ必要はなく、情報が向こうから届く立場に変わります。
Q5被害者参加弁護士の費用はいくらですか?
私選なら弁護士との契約次第ですが、資力が基準額未満なら国選被害者参加弁護士制度により国が費用を負担します。費用を理由に諦める前に、各地の弁護士会の犯罪被害者支援窓口へ相談してください。
Q6被害者参加人の出席を裁判所が断ることはありますか?
あります。316条の34第4項は、審理の状況、参加人や委託弁護士の数その他の事情を考慮して相当でないと認めるとき、公判期日の全部又は一部への出席を許さないことができると定めています。
Q7公判前整理手続にも出席できますか?
5項が準用を定めるのは公判準備において証人の尋問又は検証が行われる場合です。争点整理のための打合せ期日そのものへの出席が当然に保障されるわけではない点に注意が必要です。
Q8被害者参加と傍聴は何が違いますか?
傍聴は一般人としての見物であり抽選もあります。被害者参加人は法廷の柵の内側に在席し、期日通知を受け、証人尋問・被告人質問・意見陳述へ進む資格を持つ点が決定的に異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1被害者参加人になったら、傍聴席じゃなくてどこに座るんですか?
法廷の柵(バー)の内側、通常は検察官の席の隣かその後ろに座ります。316条の34の出席とは、傍聴人としてではなく手続関与者としての在廷を意味します。実務のポイント:座席の位置は裁判所ごとに運用が違い、被告人から見えにくい位置や、遮へい措置(刑訴法157条の5に類する配慮)を求めることも可能です。事前に検察官または被害者参加弁護士を通じて希望を伝えておくと、法廷レイアウトが調整されることがある
Q2遺族が何人もいるのに、代表者を選べって言われました。断れますか?
3項は裁判所が代表者選定を「求めることができる」と定めており、法廷の物理的制約や審理の秩序を理由に選定を求められた場合、これに応じないと4項で出席自体が制限される可能性があります。実務のポイント:代表者を一人に絞る必要は必ずしもなく、「期日ごとに交代する」「主要な期日は全員、その他は代表者」といった運用を提案できる場合がある。最初から一人に絞る前に、被害者参加弁護士を通じて柔軟な案を裁判所に打診する価値がある
Q3仕事があって全部の期日に行けません。行ける日だけでも意味ありますか?
意味があります。出席は義務ではなく権利なので、欠席しても参加人の地位は失われません。4項は裁判所側の制限規定であり、参加人が自ら出席を選ばない期日があっても不利益はありません。実務のポイント:全期日に出るより、論告求刑と意見陳述(316条の38)の期日、そして被告人質問の期日に照準を絞る方が実質的な効果は大きい。委託を受けた弁護士だけを他の期日に出席させ、内容の報告を受けるという分業が実務では一般的
間違えやすい点 AI による整理
- 「被害者だから当然法廷に入れる」と考える人が多いが、順序が逆だ。まず316条の33の参加許可を得て初めて被害者参加人になり、そこから316条の34の出席権が生まれる。許可なしでは、たとえ遺族でも傍聴券の抽選に並ぶ一般人と同じ扱いになる
- 出席権があることは知っていても、その効果の大きさを見誤っている人がいる。出席は単なる「見学の格上げ」ではない。この条文で法廷に座った参加人は、そこから証人尋問(316条の36)、被告人質問(316条の37)、意見陳述(316条の38)へと権利が連鎖する。出席は入口であり、入口を通らなければ後続の権利はすべて発動しない
- 「弁護士に委託すると自分は行かなくていい」と理解されがちだが、条文は「被害者参加人又はその委託を受けた弁護士」と並列で書いている。委託しても本人の出席権は消えない。逆に、精神的に法廷に行けない遺族が弁護士だけを出席させる、という使い方も条文上可能である。この柔軟性を知らずに「全部自分で背負うか、諦めるか」の二択で悩む遺族は多い
- 被告人側から見ると、被害者参加人の出席は「気の毒だが仕方ないもの」に見える。だが法律から見れば、4項は裁判所に出席を許さない裁量を明示的に与えている。相当性の判断材料は「審理の状況、人数その他の事情」であり、弁論の公正さが損なわれる具体的事情を積み上げれば申立ての余地がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文が定める内容 | 316条の34:公判期日への出席権と裁判所の期日通知義務 | 316条の33:被害者参加の許可(参加人の地位そのもの) 316条の38:事実及び法律の適用についての意見陳述 |
| 前提条件 | 316条の33の参加許可があること | 限定列挙された対象犯罪で起訴されていること 参加許可 + 公判期日に在席していること |
| 裁判所の裁量 | 代表者選定の要求(3項)、相当性による出席不許可(4項) | 被告人・弁護人の意見を聴き、犯罪の性質等を考慮して許可を決定 陳述の時間・方法を制限できる |
| 実務上の位置づけ | 後続の全権利が発動するための入口 | 制度全体のゲートキーパー 参加制度の出口・到達点(量刑の情状資料) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2020年に被害人訴訟參與制度を新設。第455条之44が訴訟参与人及びその代理人の審判期日在場権を定め、日本の316条の34とほぼ同じ機能を担う。対象犯罪を限定列挙し、裁判所の裁定を経て参加人となる構造も日本型に近い
韓国は日本型の包括的な参加制度を採らず、被害者等の陳述権を中心に構成する。証人としての尋問という形式を経由する点で、在席そのものを権利として構成する日本と設計思想が異なる
ドイツの私訴参加は1877年の刑事訴訟法以来の伝統を持ち、私訴原告人は公判期日への在席権のほか質問権・忌避申立権等を持つ。日本の被害者参加制度の主要な比較法的モデルの一つ
米国連邦法は被害者に「公開の裁判手続から排除されない権利」を明文で保障する。当事者としての参加ではなく排除禁止という構成であり、日本の出席権とは法的性質が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 交通死亡事故で息子を失った。加害者の刑事裁判が始まるが、いつ開かれるのか誰も教えてくれない。検察官に電話しても「決まったらお知らせします」で終わる。被害者参加の申出(316条の33)をして許可が出れば、2項により裁判所から期日通知が来る。情報を待つ側から、通知を受ける側へ立場が変わる
- 遺族が8人いる殺人事件。全員が法廷に入りたいと申し出たが、裁判所から「代表者を選んでください」と求められた。3項の代表者選定だ。ここで揉める遺族は少なくない。誰が代表になるかで、意見陳述(292条の2、316条の38)を誰が担うかまで実質的に決まってしまう
- 被告人側の立場ならどうか。傷害事件で起訴され、法廷に入ると被害者本人が検察官の横に座っている。証人尋問中もずっとこちらを見ている。心理的圧迫は相当なものだ。弁護人は4項を根拠に「審理の状況に照らして相当でない」と出席制限を求めることができる。使われる場面は限られるが、選択肢としては存在する
- 公判前整理手続の期日に証人尋問が入った。まだ本番の公判ではないから被害者は入れない、と思われがちだが、5項が準用を定めている。公判準備での証人尋問・検証にも出席できる
- 起訴の知らせを受けてから第一回公判まで、残された時間は数週間しかない。参加申出は検察官を経由して裁判所へ出す。弁護士に委託するなら、その選任も同時期に済ませる必要がある。動き出しが遅れると、最初の数回の期日は傍聴席から見るしかなくなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 起訴されたことを検察官から確認したら、まず被害者参加の申出(316条の33)を検察官経由で裁判所へ。この許可が全ての前提になる2. 同時に被害者参加弁護士の選任を検討、資力が基準額未満なら国選被害者参加弁護士制度で費用を国が負担する。日本弁護士連合会または各地の弁護士会の犯罪被害者支援窓口へ3. 許可が出たら2項により期日通知が届く。傍聴券の抽選に並ぶ必要はない4. 遺族が複数なら、3項の代表者選定を求められる前に内部で役割分担を決めておく5. 出席したら次は意見陳述(316条の38)と被告人質問(316条の37)の準備へ進む
訴えられた側:1. 被害者参加が申し出られたら、弁護人と4項の出席制限申立ての要否を検討。ただし濫用的な申立ては情状面で逆効果になりうる2. 参加人が在席する法廷では被告人質問の様相が変わる、供述の準備を弁護人と入念に3. 参加人が出席する前提で、示談・謝罪の努力を継続的に記録に残す4. 参加人の意見陳述は証拠ではなく量刑の情状資料であることを理解し、事実関係の反論と情状の対応を混同しない
時効(請求できる期限):被害者参加の申出自体に法定の期限はないが、実務上は起訴後、公判前整理手続に入る前が最も効果的。参加許可の効力は判決まで続く。なお、参加できる事件は316条の33が限定列挙する罪(故意の犯罪行為により人を死傷させた罪、不同意性交等・不同意わいせつ、業務上過失致死傷、逮捕監禁、略取誘拐等)に限られる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:316条の34の出席権は、被害者参加制度全体の入口として位置づけられる。4項の出席制限は例外規定であり、被告人の心理的負担一般ではなく、審理の秩序や弁論の公正が具体的に損なわれる事情を要すると解されている
被告人の防御権重視説:参加人の在席は被告人質問における供述の自由に事実上の影響を与えうるため、4項の相当性判断は形式的な人数調整に留めず、防御権への実質的影響を積極的に考慮すべきとする立場
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)成立、平成20年(2008年)12月施行 被害者参加制度の創設に伴い新設された条文群の一つ。被害者参加人およびその委託を受けた弁護士の公判期日出席権と、裁判所の期日通知義務を定めた。改正回数および対象犯罪の拡大等の後続改正については人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:犯罪被害者等基本法の理念を受けた刑事訴訟法改正により、被害者参加制度(316条の33以下)が創設され、その一環として被害者参加人及び委託弁護士の公判期日出席権と裁判所の期日通知義務が新設された
- 2.平成20年(2008年)12月 施行:被害者参加制度が施行され、被害者・遺族が法廷の柵の内側に在席する運用が開始された。後続の対象犯罪の拡大等の改正状況については人的検証が必要
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