刑事訴訟法 第350条
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刑法第五十二条の規定により刑を定むべき場合には、検察官は、その犯罪事実について最終の判決をした裁判所にその請求をしなければならない。この場合には、前条第一項及び第五項の規定を準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第350条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第350条の条文原文は「刑法第五十二条の規定により刑を定むべき場合には、検察官は、その犯罪事実について最終の判決をした裁判所にその請求をしなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第350条は第五節 公判の裁判に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第350条の前の条は刑事訴訟法第349条の2です。
- 刑事訴訟法第350条の次の条は刑事訴訟法第350条の2です。
- 刑事訴訟法第350条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/350
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法350条は、大赦で併合罪の一部が失効し刑を定め直す場合、検察官が、その犯罪事実について最終の判決をした裁判所に請求しなければならないと定める。
Q · 恩赦で刑の一部が消えたら、自分で刑を計算し直してもらえる?
請求できるのは検察官だけで、本人はできません
刑事訴訟法350条により、大赦で併合罪の一部が失効し刑法52条で残りの罪の刑を定め直す場合、その請求をするのは検察官です。検察官が、その犯罪事実について最終の判決をした裁判所に請求します。本人が直接裁判所に「計算し直してくれ」と求めることはできません。できるのは、弁護人を通じて担当検察官に該当を指摘し、請求を促すことです。放置されると従前の重い刑のまま執行が続くため、政令施行後は早めに動くのが実務上の鍵となります。
解説
複数の罪をまとめて裁かれ、一つの刑を言い渡された。これが併合罪だ。数年後、皇室の慶事や国家的な節目で政令による大赦が出され、あなたの罪のうち一つが法律上「なかったこと」になる。すると問題が起きる。あなたの刑は複数の罪を合算して組み立てられていたので、その土台の一部が抜けると、残った罪に対する刑がいくらなのか宙に浮く。刑法52条は、この場合に裁判所が残りの罪について改めて刑を定めると規定する。だが、誰がその手続を動かすのか。刑訴法350条の答えは検察官だ。あなた自身が裁判所に「刑を計算し直してくれ」と言うのではなく、検察官が、その犯罪事実について最終の判決をした裁判所に請求する。大赦という恩恵が、確定したはずの刑をもう一度法廷のテーブルに戻す。その引き金を引くのは国(検察官)である。
法的な位置づけ
刑事訴訟法350条は、刑法52条により大赦後に残った罪の刑を定め直すべき場合の請求手続を定める規定である。請求の主体を検察官に限定し、請求先を当該犯罪事実について最終の判決をした裁判所に固定する。確定判決の刑を例外的に再構成する場面において、手続の起動権者と管轄を明確化する役割を担う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.恩赦政令の対象罪種を確認 政令恩赦が施行されたら、官報や法務省の公表資料で、自分または家族の罪が指定された罪の種類に含まれるかを確認する。指定外なら刑に変動はなく、指定対象なら次のステップに進む
- 2.最終の判決をした裁判所を特定 判決書で、その犯罪事実について最後に判決をした審級・裁判所を確認する。請求先は『最終の判決をした裁判所』に固定されるため、どこが請求先になるかを先に把握しておく
- 3.弁護人を通じて検察官に請求を促す 請求権者は検察官であり本人は直接請求できないため、弁護人を通じて担当検察官に、自分の罪種が大赦の指定対象に該当する旨を指摘し、刑法52条による刑の定めの請求を促す上申書を提出する
- 4.裁判所の刑の定めの決定を確認 検察官の請求を受け、裁判所が残りの罪について改めて刑を定める。決定後、新たな刑期で執行が更新されるか、残刑が当初より軽くなったかを確認する
よくある質問 AI による整理
Q1大赦とは何ですか?
大赦は政令で罪の種類を一律に指定して行う恩赦で、有罪の言渡しの効力を失わせます(恩赦法3条)。個別審査はなく、指定された罪に該当すれば自動的に及びます。
Q2併合罪の一部だけ大赦されたら残りの刑はどうなりますか?
残った罪の刑は自動では確定せず、刑法52条により裁判所が改めて刑を定め直します。その手続は刑訴350条で検察官が請求して初めて動きます。
Q3刑法52条とはどんな規定ですか?
併合罪について一個の刑が言い渡された後、その一部の罪に大赦があった場合に、裁判所が残りの罪について改めて刑を定めるという実体規定です。
Q4大赦と特赦の違いは何ですか?
大赦は政令で罪の種類を一律指定し個別審査がなく、特赦は特定の人に対して個別に行われます。本条が関わるのは主に大赦後の刑の再計算です。
Q5「最終の判決をした裁判所」とはどこですか?
その犯罪事実について最後に判決をした裁判所を指します。控訴・上告を経た場合は、確定した審級の裁判所が請求先になります。
Q6検察官の請求に期限はありますか?
刑訴350条に特定の出訴期間の定めはありません。ただし放置すると従前の重い刑のまま執行が続くため、対象者側から早期に促すのが実務上重要です。
Q7恩赦はいつ行われますか?
政令恩赦は皇室の即位や大喪など国家的節目に限られ、近年では令和の即位に伴うものがありました。ほかに常時運用される個別恩赦もあります。
Q8大赦の効力はいつ生じますか?
大赦は政令の施行によって効力を生じます(恩赦法)。その後に検察官が刑法52条による刑の定めを請求し、裁判所が残りの罪の刑を定め直します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1恩赦が出たら、自分から裁判所に刑を計算し直してと言えるんですか?
直接は言えません。刑訴法350条は、刑法52条による刑の定めの請求を検察官が行うと定めています。あなたにできるのは、弁護人を通じて検察官に該当を指摘し請求を促すこと。実務のポイント:大赦は政令で罪の種類を一律指定するため、対象者一人ひとりへ丁寧な個別通知が届くとは限らない。対象になりうるなら、自分から動いて検察官に気づかせた方が、再計算が早く進み残刑短縮を早く受けられる
Q2恩赦って、もう日本ではほとんどないんじゃないですか?
政令恩赦(一律のもの)は皇室の慶弔など国家的節目に限られ、近年では令和の即位に伴うものがありました。常時運用される個別恩赦(中央更生保護審査会の審査によるもの)もありますが、大赦自体は稀です。実務のポイント:大赦が稀でも、併合罪受刑者にとっては残刑が動く一大事。この条文が現役で残っているのは、いつ政令恩赦が出てもこの再計算手続が必要になるから。「もう使われない条文」と侮ると、いざ恩赦のとき手続を知らず損をする
間違えやすい点 AI による整理
- 「大赦が出れば、併合罪なら自動的に全部の刑が消える」と考えるのは、問いの立て方そのものが違う。大赦が及ぶのは政令で指定された罪だけ。指定外の罪の刑は残り、しかもその額は裁判所が定め直すまで宙に浮いたままだ
- 大赦と特赦の違いは知っていても、その手続上の差まで意識している人は少ない。大赦は政令で罪の種類を一律に定めて行われ個別審査がない。あなたの罪がその種類に該当すれば自動的に及ぶが、併合罪の刑の再計算という後始末は、別途、検察官の請求で動く
- あなたから見れば「恩赦は減刑のおまけ」だが、手続から見れば、確定判決を覆して刑を組み直す重い操作だ。この落差を知らないと、恩赦があったのに刑が変わらない期間を「何も起きていない」と誤解し、軽くなるはずの服役日数を取り戻せない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 刑訴350条:大赦後に刑法52条で残りの罪の刑を定め直す請求 | 刑訴349条:刑の執行猶予の言渡しの取消しの請求 刑訴472条:裁判の執行は検察官が指揮するという原則 |
| 起動・指揮の主体 | 検察官(本人は不可) | 検察官 検察官 |
| 請求先・管轄 | その犯罪事実について最終の判決をした裁判所 | 猶予の言渡しをした裁判所等 —(裁判の執行指揮) |
| 発動の契機 | 大赦の政令施行による併合罪の一部失効 | 猶予期間中の再犯等の取消事由 裁判の確定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も併合罪の一部が赦免された場合、残る罪について改めて処断する構造を持ち、赦免の効力は赦免法が規律する
韓国も大統領による一般赦免・特別赦免を赦免法が規律し、赦免後の刑の処理は別途の手続による
ドイツは複数の確定刑から事後的に併合刑を形成する手続を持ち、一部が脱落した場合の刑の組み直しという機能で本条に近い
フランスは刑の執行に関する争訟(刑の合算 confusion de peines を含む)を執行裁判所が扱う点で、刑の事後的調整の機能を担う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 皇室の即位や大喪に伴って政令恩赦が出されたとき、もしあなたが過去に詐欺と窃盗の併合罪で実刑を受けていて、詐欺だけが大赦の対象になったら、窃盗分の刑はどうなる? 答えは、裁判所が改めて刑を定め直すまで確定しない
- あなたが併合罪で服役中、その一部の罪に大赦が及んだ。検察官の請求がなければ手続は始まらない。残りの刑が当初より軽くなる可能性があるのに、請求されないまま放置されることもある。弁護人を通じて検察官に請求を促す動きが要る
- 前科の一部が大赦で消えた。だが残りの刑は自動では直らない。裁判所が定め直して初めて、新しい刑が確定する
取るべき行動
被害を受けた側:あなた、または服役中の家族が併合罪で刑を受けている場合。1. 恩赦の政令が出たら、対象となる罪の種類に自分の罪が含まれるか確認する2. 含まれるなら、弁護人を通じて担当検察官に刑法52条による刑の定めの請求を促す3. 請求は最終の判決をした裁判所に対して行われるので、どの裁判所が最終判決を出したかを把握しておく4. 再計算で残刑が軽くなる可能性があるため、政令施行後は早めに動く
訴えられた側:あなたが現在、複数の罪で併合罪として公判中の場合。1. 言い渡される刑は各罪を合算して組み立てられると理解しておく2. 将来一部の罪に大赦が及べば、残りの刑が定め直される構造を知っておく3. 量刑の内訳(どの罪にどれだけの評価がされたか)を弁護人と確認しておくと、後の再計算で有利な材料になる
時効(請求できる期限):請求に特定の出訴期間の定めはない。大赦は政令の施行によって効力を生じ(恩赦法)、その後に検察官が刑法52条による刑の定めを請求する。手続が放置されると従前の刑のまま執行が続くため、対象者側から早期に促すのが実務上の鍵となる(最新の恩赦政令の対象範囲をご確認ください)
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