刑事訴訟法 第349条
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- 刑の執行猶予の言渡しを取り消すべき場合には、検察官は、刑の言渡しを受けた者の現在地又は最後の住所地を管轄する地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所に対しその請求をしなければならない。
- 2.刑法第二十六条の二第二号又は第二十七条の五第二号の規定により刑の執行猶予の言渡しを取り消すべき場合には、前項の請求は、保護観察所の長の申出に基づいてこれをしなければならない。
- 3.刑法第二十七条第四項若しくは第五項又は第二十七条の七第四項若しくは第五項の規定により刑の執行猶予の言渡しを取り消すべき場合には、第一項の請求は、同法第二十七条第二項前段に規定する刑の全部の執行猶予の期間内又は同法第二十七条の七第二項前段に規定する刑の一部の執行猶予の言渡し後その猶予の期間を経過するまでに更に犯した罪であつて当該請求の理由に係るものについて罰金以上の刑に処する裁判が確定した日から二箇月を経過した後は、これをすることができない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第349条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第349条の条文原文は「刑の執行猶予の言渡しを取り消すべき場合には、検察官は、刑の言渡しを受けた者の現在地又は最後の住所地を管轄する地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所に対しその請求を…」で始まります。
- 刑事訴訟法第349条は第二編 第一審に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第349条の前の条は刑事訴訟法第348条です。
- 刑事訴訟法第349条の次の条は刑事訴訟法第349条の2です。
- 刑事訴訟法第349条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第349条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第349条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/349
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法349条は、執行猶予の取消しは検察官が現在地または最後の住所地の裁判所に請求して行うと定める。一部の取消事由には確定から2か月の請求期限がある。
Q · 執行猶予中にトラブルを起こしたら、すぐに刑務所に入れられるの?
いいえ。検察官の請求と裁判所の判断を経る手続です
刑事訴訟法349条により、執行猶予の取消しは検察官が現在地または最後の住所地を管轄する裁判所に請求して初めて手続が始まります。保護観察付き猶予の裁量的取消しは保護観察所の長の申出が前提です。さらに一部執行猶予など刑法27条系の取消しには、罰金以上の刑が確定した日から2か月という請求期限があり(本条3項)、検察官がこれを過ぎると取消しを請求できません。自動で収監されるわけではなく、複数の関門があります。
解説
執行猶予の判決を受けたとき、多くの人は「これで刑務所には行かなくて済む」と胸をなで下ろす。だがその安心の裏で、検察官はいつでもあなたを塀の中に引き戻す引き金に手をかけている。刑訴法349条は、その引き金の仕組みを定めた条文だ。執行猶予の取消しは、裁判所が勝手に動くのではない。検察官があなたの現在地または最後の住所地を管轄する裁判所に「請求」して、初めて手続が始まる。さらに保護観察付きの猶予を裁量で取り消す場合は、保護観察所の長の申出が前提になる。つまり取消しには複数の関門があり、各段階にあなたが知っておくべき防御線がある。そして第3項には見落とされがちな時限装置がある。一定の確定判決から2か月を過ぎれば、検察官はもう取消しを請求できない。あなたの執行猶予が、書類一枚のタイミングで生き残るか消えるかが決まる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法349条は、刑の執行猶予の言渡しを取り消すための手続を定める規定である。取消しは検察官が刑の言渡しを受けた者の現在地または最後の住所地を管轄する裁判所に請求して開始され、保護観察関係の裁量的取消しは保護観察所の長の申出を要する。刑法27条系の一部取消事由については、罰金以上の刑が確定した日から2か月の請求期限が設けられている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取消請求の根拠条文を特定する 取消しが必要的(刑法26条)か裁量的(刑法26条の2)か、一部執行猶予の27条系かを確認する。必要的なら争点は事実の有無、裁量的なら情状で勝負できる
- 2.本条3項の2か月の時限を計算する 刑法27条系の取消しなら、請求理由に係る罪について罰金以上の刑が確定した日から2か月を計算する。期限を過ぎていれば請求自体の不適法を主張できる
- 3.意見陳述の機会を求め弁護人を立てる 刑訴法349条の2に基づき、意見を述べる機会と口頭弁論の開催を求める。裁量的取消しでは情状や事実関係の主張で結論が分かれるため、必ず弁護人を依頼する
- 4.取消決定が出たら即時抗告する 取消決定に不服があれば、決定書受領後の期限内に即時抗告を申し立てる。本条3項の時限経過など、取消し自体の違法を争点にできる
よくある質問 AI による整理
Q1執行猶予の必要的取消しと裁量的取消しの違いは?
必要的取消し(刑法26条)は要件を満たせば取消しが原則。裁量的取消し(刑法26条の2)は裁判所が情状を考慮して判断し、本人の意見陳述の機会があります。
Q2執行猶予が取り消されると元の刑はどうなりますか?
猶予されていた刑がそのまま現実に執行されます。懲役2年・執行猶予3年なら、取消しの瞬間に2年の実刑が丸ごと動き出します。
Q3取消しの決定に不服がある場合はどうすればいい?
刑訴法349条の2により即時抗告ができます。決定書を受け取ったら期限内に動く必要があり、放置すると争えなくなります。
Q4一部執行猶予の取消しに期限はありますか?
あります。刑法27条系の取消しは、罰金以上の刑が確定した日から2か月を過ぎると検察官は請求できません(刑訴法349条3項)。
Q5引っ越したら取消請求はどこの裁判所になりますか?
現在地または最後の住所地を管轄する裁判所です(刑訴法349条1項)。転居でどこの裁判所が審理するかが変わります。
Q6検察官の請求なしに裁判所が勝手に取り消せますか?
できません。取消しは検察官の請求が必須で、保護観察関係の裁量的取消しはさらに保護観察所の長の申出が前提です。
Q7取消請求されたら意見を述べる機会はありますか?
裁量的取消しでは刑訴法349条の2により意見陳述の機会があり、裁判所は口頭弁論を開くこともできます。弁護人を立てて主張すべき場面です。
Q8執行猶予の期間が満了した後でも取り消されますか?
原則として取り消せません。猶予期間を無事に経過すれば刑の言渡しは効力を失い、取消しの対象外になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1執行猶予中にスピード違反したら、執行猶予は取り消されますか?
多くのスピード違反は反則金(交通反則通告制度)で処理され刑罰ではないので、取消事由になりません。ただし悪質で罰金以上の刑が確定すれば、刑法26条の2第1号により裁量的取消しの対象になりえます。実務のポイント:反則金を払うか、不服を申し立てて正式裁判に進むかで結末が変わる。正式裁判で罰金刑が確定すると『罰金以上の刑』になり、執行猶予に波及するリスクが生じる。執行猶予中の人は軽微な違反でも安易に正式裁判を選ばない方が安全な場合がある
Q2取消しの手続って、自分の知らないところで勝手に決まるんですか?
いいえ。刑訴法349条で検察官が裁判所に請求し、349条の2であなたに陳述の機会が与えられます。裁判所は書面審理だけでなく口頭弁論を開くこともでき、決定に不服なら即時抗告できます。実務のポイント:意見を述べる機会の通知が来たら放置は最悪手。ここで弁護人を立てて情状や事実関係を主張するかどうかで、裁量的取消しのケースは結論が分かれる。『どうせ決まったこと』と無視した人と、ここで動いた人で運命が変わる
Q3保護観察の人に生活状況を報告するの、取消しと関係あるんですか?
大いにあります。保護観察付き執行猶予で遵守事項を守らないと、保護観察所の長が裁量的取消しの申出をでき(刑法26条の2第2号、刑訴法349条2項)、それが検察官の請求につながります。実務のポイント:保護観察官は取消しの『入口』を握っている。違反があっても改善の姿勢を示せば申出を見送る運用も実際にある。面談を軽視せず、転居や就労の変化は事前に相談しておくのが、申出を回避する地味だが効く一手
間違えやすい点 AI による整理
- 「執行猶予中に何か問題を起こせば即収監」と思われているが、取消しは検察官の請求と裁判所の判断を経る手続だ。特に裁量的取消し(刑法26条の2)では、あなたに意見を述べる機会が与えられる(刑訴法349条の2)。自動でシャッターが下りるわけではない。
- 取消しになれば元の刑に服すること自体は知られているが、その「元の刑」が丸ごと現実化する深刻さは理解されていない。執行猶予3年付きの懲役2年なら、取り消された瞬間に2年間の実刑がそのまま動き出す。猶予期間中ずっと、その2年が頭上に吊られている。
- 「取り消されたら終わり、争う余地はない」と問いを立てる人が多いが、その問いそのものが誤っている。取消しの決定には即時抗告(刑訴法349条の2)ができ、さらに第3項の時限を過ぎた請求なら、そもそも取消し自体が許されない。争点は「争えるか」ではなく「どの防御線で争うか」だ。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 取消しの性質 | 刑訴法349条:取消手続(検察官の請求が起点) | 刑訴法349条の2:請求後の審理・決定・即時抗告 刑訴法472条:裁判の執行を検察官が指揮する原則 |
| 本人の関与 | 検察官の請求・保護観察所長の申出が前提 | 意見陳述の機会・口頭弁論・即時抗告で争える 執行段階、検察官の職務として進行 |
| 期限の有無 | 刑法27条系は確定日から2か月(3項) | 即時抗告は決定告知から法定期間内 条文上の明確な期限なし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も受刑者の所在地または最後の住所地を管轄する地方裁判所の検察官が声請して撤銷する点で、本条の管轄構造と酷似する。
韓国も検察官の請求により集行猶予を取り消す構造。実体的な取消事由は刑法に規定される。
ドイツは執行猶予(Strafaussetzung zur Bewährung)の取消し(Widerruf)を裁判所決定で行い、本人聴聞を保障する。
米国はprobation revocationを裁判所のヒアリングで判断し、デュープロセスの保障が及ぶ。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 執行猶予中に新たな事件で罰金以上の刑が確定したら、あなたの猶予はどうなる? 刑法26条の必要的取消しに当たれば、検察官の請求でほぼ確実に取り消され、頭上に吊られていた元の刑が現実に執行される。残された時間で弁護人と打てる手は限られるが、それでもゼロではない。
- 保護観察の遵守事項を破ったと保護観察所に報告された。所長が裁量取消しの申出をするかどうか、まだ決まっていない。ここが分かれ目だ。
- あと数週間で、執行猶予中に犯したとされる罪の有罪判決が確定する。その確定日から2か月が、刑法27条タイプの取消請求のタイムリミット。検察官がその窓を逃せば、あなたの一部執行猶予は守られる。
- 友人が執行猶予中に些細な交通違反をしてしまったと青ざめて相談してきた。あなたは「罰金以上の刑になるのか」「そもそも刑罰なのか反則金なのか」をまず確認すべきだと示せる。多くの軽微違反は反則金で処理され、取消事由にならない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取消請求の根拠条文を確認:刑法26条(必要的)か26条の2(裁量的)か、一部猶予なら27条系か。必要的なら争点は事実の有無、裁量的なら情状で勝負できる2. 刑訴法349条の2に基づき、意見を述べる機会と口頭弁論の開催を求め、弁護人を必ず立てる3. 本条3項の時限(確定日から2か月)を計算、期限経過なら請求自体の不適法を主張4. 取消決定が出ても即時抗告で争える、決定書を受け取ったら期限内に動く
訴えられた側:1. 執行猶予中に新たな事件で立件されたら、その処分が罰金以上になるか、再度執行猶予が付くかが分水嶺。略式の罰金でも取消しの引き金になりうると認識する2. 新事件の弁護方針を、執行猶予への波及まで見据えて組む。再度の執行猶予(刑法25条2項)が付けば必要的取消しを免れる余地がある3. 保護観察中なら遵守事項を厳守し、違反の疑いには早期に弁明4. 検察官や保護観察所と接触する前に弁護人と戦略を固める
時効(請求できる期限):刑法27条4項・5項、27条の7第4項・5項による取消しは、当該請求理由に係る罪について罰金以上の刑に処する裁判が確定した日から2か月を経過すると請求できない(本条3項)。それ以外の取消事由には条文上の明確な期限はないが、執行猶予期間が経過すれば原則として取消しできなくなる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)公布、平成28年(2016年)施行 刑の一部執行猶予制度の創設に伴い、刑法27条の5・27条の7等を引用する取消手続が本条に組み込まれた。第3項の2か月の時限規定もこの一部執行猶予の取消しに関わる。総改正回数と各改正の新設・改正の別は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成25年(2013年)公布・平成28年(2016年)施行 改正:刑の一部執行猶予制度の創設に伴い、刑法27条の5・27条の7等を引用する取消手続が本条に組み込まれた。第3項の確定日から2か月の請求期限もこの一部執行猶予の取消しに関わる。総改正回数および各改正の新設・改正の別は人的検証が必要。
- 刑事訴訟法 第349条の2取消請求後の審理、決定、即時抗告
- 刑事訴訟法 第472条裁判の執行を検察官が指揮する原則
- 刑法 第26条執行猶予の必要的取消事由(現行効力を要確認)
- 刑法 第26条の2執行猶予の裁量的取消事由
- 刑法 第27条の5一部執行猶予の裁量的取消事由
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