刑事訴訟法 第348条
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- 裁判所は、罰金、科料又は追徴を言い渡す場合において、判決の確定を待つてはその執行をすることができず、又はその執行をするのに著しい困難を生ずる虞があると認めるときは、検察官の請求により又は職権で、被告人に対し、仮に罰金、科料又は追徴に相当する金額を納付すべきことを命ずることができる。
- 2.仮納付の裁判は、刑の言渡と同時に、判決でその言渡をしなければならない。
- 3.仮納付の裁判は、直ちにこれを執行することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第348条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第348条の条文原文は「裁判所は、罰金、科料又は追徴を言い渡す場合において、判決の確定を待つてはその執行をすることができず、又はその執行をするのに著しい困難を生ずる虞があると認めるとき…」で始まります。
- 刑事訴訟法第348条は第五節 公判の裁判に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第348条の前の条は刑事訴訟法第347条です。
- 刑事訴訟法第348条の次の条は刑事訴訟法第349条です。
- 刑事訴訟法第348条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第348条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第348条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/348
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法348条は、確定を待てば執行できない又は著しく困難になる虞があるとき、裁判所が罰金・科料・追徴の仮納付を命じられると定める。仮納付は判決と同時に言い渡され、控訴中でも直ちに執行できる。
Q · 控訴したのに、罰金や追徴が先に取られることってあるの?
あります。仮納付が命じられれば控訴中でも直ちに執行されます
刑事訴訟法348条により、裁判所は罰金・科料・追徴を言い渡す際、確定を待てば執行できない又は著しく困難になる虞があると認めれば、検察官の請求又は職権で仮納付を命じられます。仮納付の裁判は刑の言渡しと同時に判決で言い渡され(2項)、直ちに執行できます(3項)。したがって控訴しても仮納付の執行自体は止まりません。脱税・贈収賄・薬物の追徴など、財産隠匿の恐れがある事件で使われ、上訴で無罪・減額となれば返還されます。
解説
脱税で起訴され、第一審で罰金五百万円。あなたは「控訴するのだから、確定するまで一円も払わなくていい」と高を括る。原則はその通りで、刑罰の執行は判決が確定してからだ(刑訴471条)。だが348条はこの大原則に穴を開ける。裁判所が「確定を待っていたら執行できない、または執行が著しく困難になる虞がある」と認めれば、検察官の請求または職権で、判決と同時に仮納付を命じることができる。しかもこの仮納付の裁判は、あなたが控訴しようが何をしようが、直ちに執行できる(3項)。つまり、あなたが財産を親族名義に移したり海外や暗号資産に逃がしたりする前に、国が罰金・科料・追徴に相当する金額を、今この場で取りに来る。経済犯・脱税・贈収賄・薬物の追徴事件で特に使われる手だ。上訴審で無罪や減額になれば返ってくるが、それまでの間、あなたの資金は凍結される。
法的な位置づけ
刑事訴訟法348条にいう仮納付とは、罰金・科料・追徴の判決確定前に、その執行を確保するため、裁判所が検察官の請求又は職権で被告人に相当額の暫定的納付を命じる裁判をいう。刑の言渡しと同時に判決で言い渡され、本案の確定を待たず直ちに執行できる点に特色がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決主文で仮納付の金額・執行対象を特定する 仮納付を命じられたら、まず判決主文を確認し、仮納付すべき金額と執行の対象(罰金・科料・追徴のいずれか)を特定する。本案の刑の内容と仮納付の内容を分けて把握する
- 2.本案の控訴とは別に仮納付の当否を検討する 有罪・量刑への控訴とは別に、仮納付の裁判そのものの当否(確定を待てない・著しく困難という要件が実際にあったか)を弁護人と検討する。本案だけ争って仮納付を放置すると執行が先に完了する
- 3.執行済みなら上訴での返還に備え記録を保全する すでに執行されたなら、上訴審で無罪・減額になった場合の返還を見据えて、領収書・差押調書・送金記録を保全する。返還請求の根拠資料を散逸させない
- 4.執行範囲が過大なら相当性を争う 生活費や事業資金まで凍結されるなら、執行範囲が過大でないか、相当性を争う余地を弁護人と探る。過大な追徴算定が前提なら、犯罪収益の範囲(追徴額の算定根拠)も精査する
よくある質問 AI による整理
Q1仮納付とは何ですか?
罰金・科料・追徴の確定前に、その執行を確保するため裁判所が被告人に暫定的な納付を命じる裁判です。刑事訴訟法348条が根拠で、判決と同時に言い渡されます。
Q2仮納付命令はいつ言い渡されますか?
刑の言渡しと同時に、判決で言い渡されます(348条2項)。後から別途出されるのではなく、有罪・量刑と一体で宣告される点が重要です。
Q3仮納付と追徴・没収はどう違いますか?
追徴・没収は実体的な処分そのもの、仮納付はその金額を確定前に暫定的に取り立てる執行確保措置です。仮納付分は上訴で結論が変われば返還されます。
Q4仮納付に従わないとどうなりますか?
仮納付の裁判は直ちに執行でき(3項)、預金や財産が差押えの対象になります。任意に納付しなくても国が強制執行で取り立てます。
Q5仮納付の対象になるのはどんな刑ですか?
罰金・科料・追徴という金銭刑に限られます。懲役や禁錮などの自由刑には仮納付の制度はありません。
Q6どんな事件で仮納付が使われますか?
脱税・贈収賄・薬物の犯罪収益追徴など、被告人が財産を隠匿・散逸させる恐れがある経済犯・財産犯で特に使われます。
Q7仮納付の裁判に不服があるときはどう争いますか?
仮納付は本案と別個の裁判ですが、不服は本案の上訴手続の中で争うのが基本です。要件(確定を待てない事情)の有無を弁護人と検討します。
Q8仮納付は検察官の請求がないと出せませんか?
いいえ。検察官の請求のほか、裁判所の職権でも命じられます(348条1項)。請求がなくても裁判所の判断で発動できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴したら、罰金の支払いって止まるんじゃないんですか?
通常の刑の執行は判決が確定するまで待ちます(刑訴471条)。しかし仮納付(348条)はそれとは別枠で、判決と同時に命じられ、直ちに執行できます。控訴しても仮納付の執行自体は止まりません。実務のポイント:検察官が仮納付を請求するのは、被告人が財産を逃がす兆候を察知したときが典型。判決前に不自然な財産移動をすると、その動き自体が「執行を著しく困難にする虞」の根拠にされ、かえって仮納付を招き寄せる
Q2仮納付したお金、無罪になったら返ってきますか?
返還されます。仮納付はあくまで暫定的な措置で、上訴審で無罪や減額になれば、取られすぎた分は返ります(最新の運用は弁護人にご確認ください)。ただし執行から返還まで数か月から年単位で資金が凍結されます。実務のポイント:返ってくるとはいえ実質ほぼ無利息で、事業資金なら凍結期間そのものが致命的な機会損失になる。だからこそ、資力を誠実に開示してそもそも仮納付を発動させない方が、結果的に得をすることが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰金は確定するまで払わなくていい」と思い込んでいる人が多いが、仮納付が命じられれば控訴中でも取られる。通常の刑の執行は確定まで止まる、その常識が金銭刑には常に当てはまるわけではない
- 仮納付という制度の存在は知っていても、そのスピードの深刻さを知らない人がいる。「判決と同時に言渡し」「直ちに執行」だから、あなたが何か手を打とうとする前に、執行が完了している。考える時間は構造的に与えられていない
- 「控訴さえすれば執行は全部止まる」という前提そのものが誤っている。本案の刑の執行は確定まで止まるが、仮納付の裁判はそれとは独立した別の裁判で、即時執行される。あなたが争っている本案と、すでに取られた金は、別の軌道で動いている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 執行の時期 | 348条:確定前でも直ちに執行(暫定) | 471条:原則として確定後に執行 490条:罰金等の執行手続(民事執行法を準用) |
| 確定の要否 | 確定不要(本案の確定を待たない) | 確定が必要(裁判確定が執行の前提) 確定後の本執行を前提とする手続規定 |
| 対象 | 罰金・科料・追徴(金銭刑のみ) | 刑の執行一般 罰金・科料・没収・追徴等の財産刑 |
| 結論変更時の扱い | 上訴で本案が変われば返還される | 確定した裁判をそのまま執行 確定刑を強制執行で取り立て |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾には仮納付という独立の制度はなく、沒収・追徴の確定前確保は扣押(保全押収)で対応する。
韓国は日本法を継受し、ほぼ同趣旨の가납판결を有する。罰金等の確定前の執行確保措置である。
ドイツは仮納付という形式ではなく、追徴・没収の保全としての財産仮差押え(Vermögensarrest)で執行を確保する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 脱税で罰金判決、控訴を決めた翌日、検察官から仮納付の執行通知が届く。事業用の預金口座が差し押さえられ、仕入れの支払いが止まる。控訴審で勝てたとしても、その数か月から数年、運転資金が凍ったままだ
- もし、贈収賄事件で追徴二千万円の判決が出たら? あなたが財産を妻や親に移す時間は残っていない。仮納付は判決の言渡しと同時に命じられ、その場で執行できる。動ける時間はゼロ、隠す前に押さえられる
- 薬物事件で犯罪収益の追徴が問題になった。判決言渡しの瞬間、仮納付も同時に宣告される。控訴で争う気でいたのに、口座はもう凍結されていた
取るべき行動
被害を受けた側:1. 仮納付を命じられたら、まず判決主文を確認、金額と執行対象を特定する2. 本案(有罪・量刑)の控訴とは別に、仮納付の裁判そのものの当否(確定を待てない事情が本当にあったか)を弁護人と検討3. すでに執行されたなら、上訴審で無罪・減額になった場合の返還を見据えて領収・差押の記録を保全4. 生活費・事業資金まで凍結されるなら、執行範囲が過大でないか、相当性を争う余地を探る
訴えられた側:1. 罰金・追徴が見込まれる事件では、起訴段階から資産を不自然に動かさない、隠匿と見られる行動が仮納付の引き金になる2. 弁護人を通じて納付の意思と資力を誠実に開示、職権・請求の動機を下げる3. 公判で仮納付の請求が出たら、「確定を待ってはできない、または著しく困難」という要件が実際にあるのか正面から争う4. 追徴事件なら、追徴額の算定根拠(犯罪収益の範囲)を精査し、過大算定を崩す
時効(請求できる期限):仮納付の裁判は刑の言渡しと同時に判決で言い渡される(348条2項)。仮納付の裁判は直ちに執行できる(同3項)。本案確定までの暫定措置のため固有の消滅時効はなく、上訴で本案の結論が変われば返還される。不服は本案の上訴手続の中で争うのが基本
学説
通説:仮納付は本案の確定前にその執行確保を図る暫定的処分であり、本案の刑の執行(471条)とは別個独立の裁判である。上訴で本案の結論が変われば返還されるため、無罪推定との抵触は返還による事後調整で緩和されると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 制定:現行刑事訴訟法の制定により、罰金・科料・追徴の執行確保を目的とする仮納付の制度が設けられた。
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