刑事訴訟法 第18条
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犯罪の性質、地方の民心その他の事情により管轄裁判所が審判をするときは公安を害する虞があると認める場合には、検事総長は、最高裁判所に管轄移転の請求をしなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第18条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第18条の条文原文は「犯罪の性質、地方の民心その他の事情により管轄裁判所が審判をするときは公安を害する虞があると認める場合には、検事総長は、最高裁判所に管轄移転の請求をしなければなら…」で始まります。
- 刑事訴訟法第18条は第一章 裁判所の管轄に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第18条の前の条は刑事訴訟法第17条です。
- 刑事訴訟法第18条の次の条は刑事訴訟法第19条です。
- 刑事訴訟法第18条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第18条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第18条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/18
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法18条は、地元で裁けば公安を害する虞がある場合に、検事総長が最高裁判所へ管轄移転を請求しなければならないと定める規定である。
Q · 事件の裁判が別の県の地裁に移されることがあるって本当?誰が決めるの?
検事総長だけが治安のため最高裁に裁判地移転を請求できます
刑事訴訟法18条により、犯罪の性質や地方の民心その他の事情から、その土地で審判すれば公安を害する虞があると認められる場合、検事総長が最高裁判所へ管轄移転を請求しなければなりません。注目点は二つあり、第一に「しなければならない」という義務形であること、第二に請求できるのが全国で検事総長ただ一人である点です。被告人に直接の拒否権はなく、最終判断は最高裁が行います。被告人の利益のために移転を求める17条とは目的が正反対の制度です。
解説
世間を震撼させた事件の被告人が、地元の地方裁判所ではなく、なぜか遠く離れた別の県の地裁で裁かれる。ニュースでそれを見たとき、あなたは「被告が逃げ場を求めたのか」と思うかもしれない。だが背後で動いているのは、検察組織の頂点に立つ検事総長その人だ。刑事訴訟法18条は、犯罪の性質や地方の民心その他の事情から、その土地の裁判所で審判すれば公安を害する虞がある、つまり地域の治安が乱れると検事総長が判断したとき、最高裁判所に裁判地の移転を請求しなければならないと定める。注目すべきは「しなければならない」という義務形である点、そして請求できるのが全国でただ一人、検事総長だけだという点だ。あなたが被告人なら、自分の裁判が開かれる場所すら、自分の関与しないところで国家の判断によって動かされうる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法18条は管轄移転の請求を定める規定であり、犯罪の性質・地方の民心その他の事情により管轄裁判所が審判をすれば公安を害する虞があると認められる場合に、検事総長が最高裁判所へ裁判地の移転を請求する義務を負う旨を規定する。被告人の公平な裁判のための17条とは、請求権者も目的も逆の制度として位置づけられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.報道された移転がどの条文によるかを見分ける 裁判地の移動が報じられたら、それが被告人側の17条請求か、検事総長の18条請求かを確認する。18条が動いた事件は国家が治安リスクを高く見ている証拠であり、警備体制や社会的注目度を読む手がかりになる
- 2.被害者は被害者参加手続の引継ぎを確認する 加害者の裁判が18条で別の裁判所に移った場合、被害者参加制度(刑訴法316条の33以下)の手続が移転先に引き継がれるかを担当検察官に確認し、出廷負担やビデオリンク・意見書面での参加可否を問い合わせる
- 3.被告人は逆方向に17条移転を検討する 地元世論が敵対的なとき、検事総長の18条発動を待つのではなく、自ら公平な裁判維持を理由に17条で有利な裁判所への移転を請求する。攻める方向が逆になる点を弁護人と確認する
- 4.移転が決まったら防御体制を再構築する 移転先が決まったら、勾留場所・接見体制・弁護人の継続・証拠調べへの影響を早急に確認し、移転による具体的な不利益を最高裁へ意見として提出する
よくある質問 AI による整理
Q1管轄移転とは何ですか?
事件を本来の管轄裁判所から別の裁判所へ移す制度です。刑訴法18条では、公安を害する虞がある場合に検事総長が最高裁へ請求します。
Q2刑事訴訟法18条と17条の違いは何ですか?
18条は検事総長が治安のために請求する移転、17条は検察官や被告人が公平な裁判のために請求する移転です。請求権者も目的も正反対です。
Q3管轄移転を請求できるのは誰ですか?
18条による移転の請求権者は全国で検事総長ただ一人です。決定権者は最高裁判所で、被告人や弁護人は直接請求できません。
Q4公安を害する虞とはどういう意味ですか?
その土地で裁判を開くと暴動や報復、騒擾など地域の治安が乱れる危険を指します。犯罪の性質や地方の民心など事情を総合して判断されます。
Q5管轄移転はいつまでに請求できますか?
特定の出訴期限はありません。公訴提起後、第一審判決が確定するまでの間に、公安を害する虞が認められた時点で請求されます。
Q6管轄移転は実際によく使われますか?
18条による移転は歴史的に極めて稀です。発動が検討されること自体、その事件の社会的注目度や治安リスクが桁外れに高いことを示します。
Q7管轄移転されると被告人にどんな影響がありますか?
出廷や接見、証人尋問が遠隔地前提になり防御活動に負担が生じます。被告人は不利益を最高裁に意見として述べることができます。
Q8管轄移転は被告人の希望で行われますか?
18条は違います。検事総長が治安のために請求する制度です。被告人が公平な裁判を求める場合は別途17条で移転を請求します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ニュースで裁判が別の県に移ることがありますよね、あれは被告が希望したんですか?
二つの場合があります。被告人や検察官が「公平な裁判を維持できない」として求めるのが刑訴法17条、検事総長が「地元で裁けば公安を害する虞がある」として最高裁に求めるのが18条です。前者は被告人の利益、後者は社会の治安のためで、目的が正反対。実務のポイント:弁護士は報道で移転を見ると、まずどちらの条文かを確認します。18条が動いた事件は国家が治安リスクを高く見ている証拠で、警備体制の重さや社会的注目度を予測する手がかりになる。一般の解説記事は17条と18条の区別をほとんど説明しない
Q2被告人は「別の県には行きたくない」と移転を拒否できないんですか?
18条の移転については、被告人に直接の拒否権はありません。請求するのは検事総長、最終的に決めるのは最高裁判所だからです(刑訴法18条)。ただし被告人は防御に不利だという意見を最高裁に述べることはでき、逆に自分から17条で有利な裁判所への移転を求めることもできます。実務のポイント:18条による移転は歴史的に極めて稀で、実際に発動される事例はほとんどありません。だからこそ、もし自分の事件で検討されているなら、それは社会的注目度が桁外れに高いことを意味する。弁護人選びを含め、通常事件とは別の戦略が要る
間違えやすい点 AI による整理
- 裁判が別の土地に移るのは被告人や弁護人が公平な裁判のために求めた結果だと思われがちだが、18条の移転はその逆。被告人の利益ではなく公安、つまり社会の治安のために、検事総長が国家の側から動かす
- 「被告人なら移転に反対できるはず」と考える人が多いが、18条はそもそも被告人に拒否権を予定していない。請求の主体は検事総長、決めるのは最高裁判所。あなたが立てた「反対できるか」という問いそのものが、この条文の構造を見誤っている
- 管轄移転という制度の存在は知っていても、それが17条(公平な裁判のための移転)と18条(公安のための移転)に分かれ、請求権者も判断基準も全く異なることまで知る人は少ない。同じ言葉が指す中身は二つある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 請求権者 | 18条:検事総長ただ一人 | 17条:検察官または被告人 15条:検察官(管轄指定の請求) |
| 目的 | 公安の維持(社会の治安) | 公平な裁判の実現(被告人側の利益) 管轄が定まらない場合の確定 |
| 決定権者 | 最高裁判所 | 直近上級裁判所 上級裁判所 |
| 義務/裁量 | 「請求をしなければならない」義務形 | 「請求することができる」裁量 管轄不明時の請求 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も『恐影響公安』または公平を期し難い場合の移轉管轄を定める。日本18条と公安要件が近似するが、台湾は検察官・被告人も声請できる点で請求権者がより広い
ドイツは管轄裁判所が職務執行を妨げられる場合に加え、その裁判所での審理が公共の安全を害する虞がある場合に、直近上級裁判所が管轄裁判所を定める。日本18条の公安要件と構造が酷似する
フランスは公共の安全(sûreté publique)または司法の適正な運営を理由に、破毀院刑事部が事件を他の裁判所へ移送できる。検事総長(procureur général)が関与する点で日本18条と共通する
米国の change of venue は主に被告人側が偏見(prejudice)を理由に申し立てる被告人保護の制度で、国家が治安のために動かす日本18条とは主導権を握る側が正反対
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、ある凶悪事件であなたが被告人になり、地元では誰もがあなたを憎んでいるとしたら? 公平な裁判を求めて移転を願い出るのは17条であなた自身の権利。だが18条は向きが逆で、あなたの意思とは無関係に、治安維持の名目で検事総長が裁判地を動かす。同じ「移転」でも、誰のための移転かが正反対だ
- 全国的に報道された事件。あなたの弁護人が「公判が別の地裁に移された」と告げる。理由はあなたの利益ではなく、地元の騒擾を避けるため。出廷も、傍聴する家族の移動も、すべて遠隔地が前提になる
- あなたの家族が被害者となった事件で、加害者の裁判が突然別の県へ。被害者参加制度で意見を述べたいあなたは、毎回その地まで足を運ぶことになる。なぜ移ったのか、その根拠が18条だと知る人は少ない
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが被害者または遺族で、加害者の裁判が18条で別の裁判所に移った場合、まず被害者参加制度(刑事訴訟法316条の33以下)の手続が移転先に引き継がれるかを担当検察官に確認する2. 移転先での公判期日、出廷の交通費・宿泊の負担を把握し、ビデオリンクや意見書面での参加が可能かを問い合わせる3. なぜ移転されたのか、公安上の理由の説明を求め、報道対応の窓口を一本化する
訴えられた側:1. あなたの事件で検事総長が18条の移転を請求しても、被告人に直接の拒否権はない。決めるのは最高裁判所2. ただしあなた自身は、公平な裁判の維持を理由に17条で別途、自分に有利な裁判所への移転を請求できる。攻める方向が逆になる3. 弁護人を通じ、移転が防御活動(証人尋問、証拠調べ、接見)に与える具体的な不利益を最高裁に意見として提出する4. 移転先が決まったら、勾留場所・接見体制・弁護人の継続を早急に確認する
時効(請求できる期限):特定の出訴期限はない。管轄移転の請求は公訴提起後、第一審の判決が確定するまでの間に行われる。起算点は公安を害する虞があると認められた時で、状況の変化に応じて判断される
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