刑事訴訟法 第350条の28
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裁判所は、第三百五十条の二十二の決定があつた事件については、できる限り、即日判決の言渡しをしなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第350条の28は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第350条の28の条文原文は「裁判所は、第三百五十条の二十二の決定があつた事件については、できる限り、即日判決の言渡しをしなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第350条の28は第四節 公判の裁判の特例に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第350条の28の前の条は刑事訴訟法第350条の27です。
- 刑事訴訟法第350条の28の次の条は刑事訴訟法第350条の29です。
- 刑事訴訟法第350条の28には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条の28 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条の28(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/350_28
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法350条の28は、即決裁判手続の決定があった事件で、裁判所ができる限り即日判決を言い渡すべき義務を定める。速さの代わりに事実誤認による控訴が制限される。
Q · 即決裁判に同意すると、本当にその日のうちに判決が出るんですか?
出ます。ただし事実を争う権利を手放す代償付きです
刑事訴訟法350条の28により、即決裁判手続の決定があった事件では、裁判所はできる限りその日のうちに判決を言い渡します。証拠調べは大幅に簡略化され、拘禁刑には必ず執行猶予が付きます(350条の29)。その代わり、判決に不満でも事実誤認を理由とする控訴はできません(403条の2)。つまり即日判決は、速さと執行猶予の確実さを得る引き換えに、事実を争う最後の機会を放棄した上に成り立っています。同意の前に、争いたい点が残っていないか弁護人と確認することが重要です。
解説
万引きや無免許運転で警察に捕まり、検察官から「即決裁判手続なら一日で終わりますよ」と勧められる。多くの被疑者はほっとして同意する。その同意の先に待っているのが、この刑事訴訟法350条の28だ。350条の22で裁判所が即決裁判手続の決定を下した事件について、裁判所はできる限りその日のうちに判決を言い渡さなければならない。あなたが理解しておくべきは、即日判決の裏側で何が交換されたかである。あなたは「早く終わる」「拘禁刑なら必ず執行猶予が付く(350条の29)」という利益を得る代わりに、証拠調べは大幅に簡略化され、しかも判決に不満でも「事実誤認」を理由に控訴できなくなる(403条の2)。つまり、その日のうちに下りる判決は、あなたが事実を争う最後の機会を放棄した上に成り立っている。一日で終わる手軽さの値段は、決して安くない。
法的な位置づけ
即日判決の言渡しとは、即決裁判手続による審判の決定(刑事訴訟法350条の22)があった事件について、裁判所ができる限りその審理を行った日のうちに判決を言い渡すことをいう。被告人の同意を前提とする簡略化された刑事手続の迅速性を担保する規定であり、執行猶予の必要的付与および控訴制限と一体で機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.即答せず弁護人を選任して相談する 検察官から即決裁判を勧められても、その場で同意のサインをしない。まず弁護人を選任し、手続の意味と自分の事件への当否を相談する。資力がなくても当番弁護士の初回相談は無料で利用できる
- 2.争いたい点が残っていないか棚卸しする 自分が事実を全面的に認めているか、少しでも『そこは違う』という部分が残っていないかを弁護人と一つずつ確認する。争点が残るなら即日判決は事実誤認控訴を封じるため、同意は慎重に判断する
- 3.実刑リスクと執行猶予保証を天秤にかける 自分の事件で実刑になる可能性がどれだけあるかを弁護人と検討する。実刑リスクが高いほど350条の29の執行猶予保証の価値が上がり、もともと罰金や猶予が堅い事件なら争う権利を捨てる対価が割高になる
- 4.控訴制限を理解した上で同意の可否を決める 即日判決を受け入れると事実誤認を理由とする控訴ができなくなる(403条の2)ことを理解した上で、速さ・執行猶予の確実さと、事実を争う権利のどちらを取るかを最終決定する。同意は判決言渡し前なら撤回できる
よくある質問 AI による整理
Q1即決裁判手続とは何ですか?
争いのない軽微な事件を一日で処理する簡略化された刑事手続です。被告人の同意が前提で、刑事訴訟法350条の16以下が規律し、350条の28で即日判決を義務づけています。
Q2即決裁判の同意はいつまで撤回できますか?
判決の言渡し前であれば撤回でき、撤回されれば通常手続に移行します。一度言渡しを受けると後戻りできないため、同意の段階での判断が決定的です。
Q3即決裁判だと必ず執行猶予が付くって本当ですか?
本当です。即決裁判手続で拘禁刑を言い渡す場合、刑事訴訟法350条の29により必ず執行猶予が付きます。実刑リスクが高い事件ほどこの保証の価値が上がります。
Q4即決裁判はどんな事件が対象ですか?
法定刑が比較的軽い事件で、事案が明白かつ軽微で、被告人が同意しているものが対象です。死刑や無期、短期1年以上の拘禁刑にあたる事件は対象外です。
Q5即決裁判に弁護人は必要ですか?
必要的弁護事件です。弁護人がいなければ手続を進められません。資力がなくても国選弁護人や当番弁護士制度を利用できるため、同意前に必ず相談すべきです。
Q6即決裁判の判決に控訴できますか?
法令違反や量刑不当を理由とする控訴は可能ですが、事実誤認を理由とする控訴は刑事訴訟法403条の2で制限されています。「やっていない」での巻き返しはほぼできません。
Q7即決裁判と略式命令はどう違いますか?
略式命令は100万円以下の罰金・科料を書面審理だけで科す手続(461条)で公開法廷を開きません。即決裁判は公開法廷で即日判決を言い渡し、拘禁刑も対象になります。
Q8即決裁判で前科は付きますか?
有罪判決である以上、前科として記録に残ります。執行猶予が付いても前科であることに変わりはなく、就職時の確認や在留資格更新に影響する場合があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1即決裁判って検察官にどんどん勧められるけど、サインして本当に大丈夫なんですか?
全面的に罪を認めていて、実刑を避けたい軽微な事件なら有力な選択肢です。拘禁刑には必ず執行猶予が付き(刑訴法350条の29)、その日のうちに身柄も解放されます。ただし証拠調べは簡略化され、事実を争う機会は実質的になくなります。実務のポイント:弁護士が本当に注意するのは「被疑者がまだ事実の一部を争いたいのに、早く出たい一心で同意してしまう」ケース。一度同意すれば後戻りが難しく、しかも控訴で事実認定をやり直せない。同意の前に、自分の中に少しでも『そこは違う』という部分が残っていないか、必ず弁護人と棚卸しすべき
Q2即決裁判で有罪になったあと、『やっぱり無実だった』と争えますか?
事実認定をやり直すための控訴は、原則できません。刑訴法403条の2が、即決裁判手続による判決については事実誤認を理由とする控訴を認めていないからです。法令違反や量刑不当を理由とする控訴の余地は残りますが、「やっていない」という主張で巻き返す道はほぼ閉ざされます。実務のポイント:これが即決裁判の最大の落とし穴。通常の裁判なら一審で不利でも控訴審で事実を争えるが、即決裁判はその安全網を外す代わりに速さと執行猶予を保証する仕組み。『後で争えばいい』は通用しない前提で、同意の段階に全神経を注ぐのが鉄則
間違えやすい点 AI による整理
- 「即決裁判は手続が簡単になるだけで、判決の中身は普通の裁判と同じ」と思われがちだが、本質はそこではない。即日判決を受け入れた時点で、あなたは事実認定の正確さを犠牲にしている。証拠調べが簡略化される分、見逃される反証もある。手続の簡略さは、認定の精度低下と引き換えになっているという深刻さに、同意する人の多くは気付いていない
- 「とりあえず一日で終わるなら同意して、不満なら後で控訴すればいい」という発想そのものが間違っている。即決裁判手続による判決には、事実誤認を理由とする控訴が法律で封じられている(403条の2)。「後で争える」という前提で同意すると、判決が確定してから取り返しがつかないことに気付く
- 「即決裁判は被告人に不利な制度」と単純に考える人もいるが、視点を変えれば見え方は逆転する。拘禁刑には必ず執行猶予が付く(350条の29)ため、実刑を確実に回避できる場面では強力な武器になる。あなたから見れば「権利を奪う制度」だが、量刑から見れば「実刑回避の保険」。この二面性を理解しないと、使うべき場面で使えず、避けるべき場面で飛びつく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 即決裁判の即日判決(350条の28):公開法廷で当日言渡し | 略式命令(461条):非公開の書面審理のみ 通常手続:複数期日で詳細な証拠調べ |
| 言い渡せる刑 | 拘禁刑も可(必ず執行猶予が付く・350条の29) | 100万円以下の罰金・科料に限る 法定刑の範囲すべて(実刑も可) |
| 事実誤認による控訴 | 制限される(403条の2) | 正式裁判の請求で通常手続に移行可 控訴審で事実を争える |
| 被告人の同意 | 必須(判決言渡し前なら撤回可) | 異議がないこと(正式裁判請求が可能) 不要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の簡易程序・協商程序も被告の認罪と同意を前提に手続を簡略化する点で類似。協商程序では量刑の合意があり、上訴が制限される構造も近い
韓国の即決審判は20万ウォン以下の罰金等の軽微事件を対象とし、警察署長の請求で簡易に処理する。日本の即決裁判より対象が軽微で、検察官主導の日本とは入口が異なる
ドイツの加速手続は事案が明白で軽微な事件を迅速に処理する。1年を超える自由刑を科せない制限がある点で、日本の即決裁判の対象限定と発想が近い
米国の有罪答弁・司法取引は、被告人が争う権利を放棄する代わりに量刑上の利益を得る構造。即決裁判への同意は、この交換構造の日本的な縮図といえる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、留置場で検察官から「即決裁判にすれば今日中に出られて執行猶予も付く」と言われたら、あなたはどう答えるべきか。同意すれば確かに身柄は早く解放される。だが本当はやっていない部分があったとしても、その日に有罪判決が確定し、後から事実誤認を理由に控訴する道はほぼ閉ざされる
- あなたが軽微な事件の被告人になり、弁護人と相談して即決裁判に同意した。法廷は驚くほど短い。証人尋問も詳細な証拠調べもなく、検察官の朗読と簡単なやり取りだけで結審し、その日のうちに執行猶予付きの判決が言い渡される。「もう終わったのか」と拍子抜けするその速さこそが、この手続の本質だ
- 被害者として、加害者が即決裁判で一日で執行猶予になったと知る。「こんなに軽くていいのか」と感じる。だが即決裁判の対象は法定刑の軽い事件に限られ、しかも被害者の意見陳述の機会は通常手続より圧縮される。被害感情と手続の速さのギャップに、あなたは置き去りにされる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加害者が即決裁判手続になったと知ったら、まず担当検察官に被害者としての意見陳述の希望を伝える、手続が速くても意見聴取の機会自体は確保を求められる2. 量刑が軽すぎると感じる場合、示談や被害弁償の状況、加害者の反省の度合いを検察官に具体的に伝える3. 損害賠償は刑事手続とは別に民事(民法709条)で請求できる、即決裁判で刑事が早く終わっても賠償請求権は残る4. 刑事手続の進行が速いので、被害者参加や記録閲覧を希望するなら早めに弁護士へ相談する
訴えられた側:1. 検察官から即決裁判を勧められたら、即答せず必ず弁護人を選任して相談する、当番弁護士制度は初回無料2. 自分が事実を全面的に認めているか、争いたい部分が残っていないかを冷静に確認、少しでも争点があれば同意は慎重に3. 自分の事件で実刑の可能性がどれだけあるかを弁護人と検討、実刑リスクが高いほど350条の29の執行猶予保証の価値は上がる4. 同意すれば事実誤認を理由とする控訴が封じられる(403条の2)ことを理解した上で、速さと争う権利のどちらを取るか決める
時効(請求できる期限):即決裁判手続は被告人に異議がないことが前提で、同意は判決言渡し前であれば撤回できる(撤回されれば通常手続に移行)。判決に対する控訴の申立ては判決言渡しの日の翌日から14日以内(刑事訴訟法373条)だが、即決裁判による判決は事実誤認を理由とする控訴ができない(403条の2)。最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:即決裁判手続の即日判決義務は、被告人の同意を入口要件とし、拘禁刑への執行猶予の必要的付与(350条の29)と事実誤認控訴の制限(403条の2)を一体として組み込むことで、迅速性と被告人の権利保障の均衡を図った制度設計と理解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 裁判迅速化と被疑者の身柄拘束短縮を目的に即決裁判手続が新設され、即日判決の努力義務規定も同時に創設された
- 平成28年(2016年)刑事訴訟法改正 証拠開示制度の拡充等に伴う条文配置の見直しで、即決裁判手続の関連規定の条番号が現行の350条の16以下に整理された(新設ではなく番号の整理。現行効力を要確認)
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:裁判迅速化と被疑者の身柄拘束短縮を目的に即決裁判手続が創設され、即日判決に関する規定も同時に新設された
- 2.平成28年(2016年) 改正:刑事訴訟法等の一部改正に伴う条文配置の見直しで、即決裁判手続の関連規定が現行の350条の16以下に整理された(新設ではなく番号の整理。現行効力を要確認)
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