保健師助産師看護師法 第44条の3
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 一第十四条第一項又は第二項の規定により業務の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、業務を行つたもの
- 二第三十五条から第三十七条まで及び第三十八条の規定に違反した者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保健師助産師看護師法第44条の3は、日本の保健師助産師看護師法に含まれる条文です。
- 保健師助産師看護師法第44条の3の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」で始まります。
- 保健師助産師看護師法第44条の3は第五章 罰則に置かれています。
- 保健師助産師看護師法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 保健師助産師看護師法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 保健師助産師看護師法第44条の3の前の条は保健師助産師看護師法第44条の2です。
- 保健師助産師看護師法第44条の3の次の条は保健師助産師看護師法第44条の4です。
- 保健師助産師看護師法第44条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第44条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000203 - 本サイト収録
保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第44条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000203/44_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保健師助産師看護師法44条の3は、業務停止中の業務や医師の指示なき投薬など35〜38条違反を、六月以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金(併科可)で罰する。
Q · 看護師が医師の指示なしで薬を使ったら、犯罪になるの?
なりうる。六月以下の拘禁刑か五十万円以下の罰金
保健師助産師看護師法37条は、医師の指示がない限り、医薬品の授与や薬についての指示など、医師が行わなければ衛生上の危害が生じるおそれのある行為を禁じています。違反すると44条の3により、六月以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金、又はその両方が科されます。患者に実害がなくても成立しうる一方、臨時応急の手当は例外とされています。
解説
看護師免許があれば医療現場で何でもできる、という感覚は危うい。本条は、看護職が刑事罰(六月以下の拘禁刑か五十万円以下の罰金、またはその両方)を受ける線を四本引いている。一本目は、業務停止処分の期間中に業務をすること。業務停止処分とは、厚生労働大臣や都道府県知事が、一定期間働くことを禁じる決定である。二本目は、保健師が主治医の指示なしに療養指導をすること、または保健所長の指示に従わないこと。三本目は、医師の指示がないのに医薬品を渡す、薬について指示する、診療機械を使うなど、医師が行わなければ危険な行為に踏み込むこと。四本目は、助産師が妊婦や新生児の異常に気付いたのに医師へ回さず、自分で処置を続けること。見落とされがちなのは、患者に実害がなくても、線を越えた時点で犯罪が成立しうる点だ。善意の「とりあえず私がやっておく」が、免許と前科を同時に危うくする。
法的な位置づけ
保健師助産師看護師法第44条の3は、保健師・助産師・看護師・准看護師の業務上の義務違反に対する罰則規定である。業務停止処分の期間中の業務、主治医や保健所長の指示への違反、医師の指示によらない特定の医行為、助産師による異常時の処置継続を対象とし、六月以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金又はその併科を科す。
よくある質問 AI による整理
Q1保健師助産師看護師法44条の3とは?
看護職の業務違反に対する罰則規定です。業務停止中の業務と35〜38条違反を、六月以下の拘禁刑か五十万円以下の罰金、又はその併科で罰します。
Q2業務停止中に勤務したら免許はどうなる?
刑事罰に加え、罰金以上の刑は免許の欠格事由となるため、厚生労働大臣による免許取消しを含むさらに重い行政処分を受けるおそれがあります。
Q3看護師が医師の指示なしで注射するのは違法?
医師の指示がなければ37条違反になりえます。同じ静脈注射でも、医師の指示があれば診療の補助として適法に行えるとされています。
Q4助産師が異常に気付いたら何をする義務がある?
38条により、妊婦・産婦・褥婦・胎児・新生児の異常を認めたときは医師の診療を求めさせる義務があり、自ら処置を続けることは原則できません。
Q5保健師の療養指導に主治医の指示は必要?
傷病者の療養上の指導を行う場合、主治医があればその指示を受ける必要があります(35条)。違反すると44条の3の罰則対象になります。
Q6看護師が罰金刑を受けたら前科はつく?
罰金刑も刑罰なので前科になります。さらに罰金以上の刑は免許の取消しや業務停止といった行政処分の理由にもなります。
Q7保健師助産師看護師法違反の時効は何年?
44条の3の罪は法定刑が長期5年未満の拘禁刑又は罰金なので、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。
Q8准看護師も44条の3の対象になる?
対象になります。37条は保健師・助産師・看護師・准看護師を名宛人とし、業務停止処分も准看護師に及ぶため、同じ罰則が適用されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1医師に電話がつながらなくて、緊急で薬を使ったら違反になりますか?
37条ただし書は「臨時応急の手当」を例外としています。救命のための応急処置は許されうるものの、その範囲は狭く、日常的な投薬判断は含まれにくいとされています。実務のポイント:医師が事前に約束指示や包括的指示を文書で出しておけば、医師がいないときの対応も指示に基づく行為になります。看護師が自分を守るうえで最も効くのは、緊急対応マニュアルに医師の署名があるかどうかです
Q2業務停止中に、看護助手として働くのもダメなんですか?
本条1号が禁じているのは、看護職としての業務です。医療行為や診療の補助を伴わない介助や清掃が直ちに違反とは限りませんが、療養上の世話(5条)との境界ははっきりせず、実務上も解釈が分かれます。実務のポイント:名札だけ変えて、実際には看護業務をさせる職場は危険です。停止期間中は医療機関以外で働く方が安全です。再教育研修(15条の2)を命じられることもあります
Q3上司に言われて、医師の指示なしで点滴を替えました。悪いのは上司じゃないんですか?
37条が対象にしているのは、実際に行為をした看護職本人です。上司の命令があっても違法でなくなるわけではありません。上司が教唆や共犯に問われる余地はありますが、あなたの責任は残ります。実務のポイント:看護師長の指示は医師の指示ではありません。断るときは「医師の指示を確認してから」と一言添え、確認できなかった経緯を記録に残しておくことです
間違えやすい点 AI による整理
- 「患者に被害がなければ問題にならない」というのは誤りである。本条は、危険のある行為をしたこと自体を罰する作りになっている。実害が出れば、それとは別に刑法211条の業務上過失致死傷も重なる
- 「看護師はどこまで医療行為をしてよいのか」という問いの立て方が、そもそもずれている。法律の基準は、行為の種類を並べたリストではない。医師の指示があるかどうか、そして医師が行わなければ衛生上の危害が生じるおそれがあるかどうかである。同じ静脈注射でも、医師の指示があれば診療の補助になり、なければ違反になりうる(平成14年の厚生労働省通知で、静脈注射は診療の補助の範囲と整理された)
- 職場から見れば「人手不足だから現場の判断で」という話でも、法律から見れば、刑事責任を負うのは実際に手を動かした看護職本人である。上司の口頭の「やっといて」は、医師の指示にはならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる行為 | 44条の3:業務停止中の業務、35〜38条違反(指示違反・特定医行為・助産師の異常時処置) | 43条:無資格での業務、虚偽・不正による免許取得 刑法211条:業務上の過失による死傷 |
| 法定刑 | 六月以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金、又は併科 | 二年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金、又は併科 五年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金 |
| 実害の要否 | 不要。危険な行為・停止中の業務自体で成立しうる | 不要。無資格で業務をしたこと自体で成立 必要。人の死傷という結果が前提 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も看護・助産の業務範囲を法律で定め、医師の指示の下での業務と違反時の罰則を置く。行政罰(罰鍰)中心の設計である点が日本と異なる
韓国は看護師・助産師を医療法の医療人として一括規律し、資格停止と罰則を同法内に置く
ドイツは看護職の留保業務(vorbehaltene Tätigkeiten)を定めるが、医行為の委任は主に医師側の責任論で整理される
米国は州ごとに看護業務の範囲と懲戒を定め、州看護委員会(Board of Nursing)が処分権限を持つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 夜勤中、施設入所者の血糖値が高い。医師に電話がつながらず、前回の指示量を参考に、自分の判断でインスリンを増やした。結果は無事でも、医師の指示がない医薬品の使用として37条違反に問われる余地がある。医師が事前に出した包括的指示や約束指示があったかどうかが分かれ目になる
- 業務停止三か月の処分を受けた看護師が、知人のクリニックに「名前は出さないから」と頼まれて採血を手伝ったら、どうなる? 業務停止中に業務を行ったとして、本条1号の対象になる。誘ったクリニック側も共犯として問われる可能性がある
- 助産院での分娩中、胎児心拍が落ち始めた。助産師は「あと少しで生まれる」と考えて搬送を遅らせ、自分で処置を続けた。38条は、異常を認めたら医師の診療を受けさせるよう命じている。臨時応急の手当の範囲を超えれば、本条の罰則が及ぶ
- 処分通知に、業務停止の開始日は来週と書いてあった。シフトはすでに一か月先まで組まれている。開始日以降に一日でも勤務すれば、刑事罰の対象になる。今週中に職場へ申告し、シフトから外してもらう必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 看護職が医師の指示なしに投薬や処置をした疑いがあれば、病院にカルテと看護記録の開示を請求する2. 指示記録があるか、指示の時刻と行為の時刻が合っているかを確認する3. 健康被害があれば、病院の使用者責任(民法715条)や債務不履行(同415条)による損害賠償を検討し、医療ADRや弁護士に相談する4. 行政処分を求める場合は、都道府県の医務担当課に情報を提供できる
訴えられた側:1. 争点は医師の指示の有無になる。包括的指示や約束指示を含め、指示があったことを示す記録と同僚の証言をすぐに確保する2. 記録を後から書き換えることは絶対にしない。証拠隠滅と見られれば、有利な事情まで信用されなくなる3. 緊急性や、医師に連絡がつかなかった経緯を時系列で整理し、臨時応急の手当に当たるかを検討する4. 刑事手続と並行して行政処分も進むため、医療に詳しい弁護士に早めに相談する5. 業務停止中なら、看護業務の依頼はすべて断る
時効(請求できる期限):本条の罪の公訴時効は3年である(法定刑が長期5年未満の拘禁刑または罰金に当たるため。刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時。患者側の民事請求は、生命・身体の侵害であれば損害と加害者を知った時から5年(民法724条の2)、行為の時から20年(同724条)
学説
通説(絶対的医行為・相対的医行為の区別):医師自らが行うべき絶対的医行為と、医師の指示があれば看護職が行える相対的医行為を区別する考え方。37条は後者について医師の指示を要件とし、指示を欠く実施を本条で処罰すると理解される。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)6月1日施行 刑法等の一部改正に伴い、「懲役」が「拘禁刑」に改められた。罰金額の改定経緯や条番号の移動については人による確認が必要である
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:保健婦助産婦看護婦法として制定。看護職の資格・業務と罰則の枠組みが定められた。
- 2.平成13年(2001年) 改正:法律名が保健師助産師看護師法に改められ、資格名称も男女共通の「師」に統一された(平成14年3月施行)。
- 3.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部改正に伴う関係法律整理により、「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年6月1日施行)。
- 保健師助産師看護師法 第14条業務停止処分の根拠、1号の前提
- 保健師助産師看護師法 第37条医師の指示なき特定医行為の禁止
- 保健師助産師看護師法 第38条助産師の異常時処置禁止
- 保健師助産師看護師法 第35条保健師の主治医指示受領義務
- 保健師助産師看護師法 第43条無資格業務などのより重い罰則
- 医師法 第17条医業独占、37条の背景規範
- 刑法 第211条実害発生時の業務上過失致死傷
- 医療法 第19条助産所の嘱託医確保義務
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