消防法 第11条の3
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- 市町村長等は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる事項を危険物保安技術協会(第十四条の三第三項において「協会」という。)に委託することができる。
- 一第十一条第二項の場合において、同条第一項の規定による許可の申請に係る貯蔵所が政令で定める屋外タンク貯蔵所(屋外にあるタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所をいう。以下同じ。)であるとき。 当該屋外タンク貯蔵所に係る構造及び設備に関する事項で政令で定めるものが第十条第四項の技術上の基準に適合するかどうかの審査
- 二前条第一項の場合において、同項の貯蔵所が政令で定める屋外タンク貯蔵所であるとき。 当該屋外タンク貯蔵所に係る特定事項のうち政令で定めるものが第十条第四項の技術上の基準に適合するかどうかの審査
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第11条の3は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第11条の3の条文原文は「市町村長等は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる事項を危険物保安技術協会(第十四条の三第三項において「協会」という。」で始まります。
- 消防法第11条の3は第三章 危険物に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第11条の3の前の条は消防法第11条の2です。
- 消防法第11条の3の次の条は消防法第11条の4です。
- 消防法第11条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第11条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第11条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/11_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法11条の3は、市町村長等が政令で定める大型屋外タンク貯蔵所の技術基準適合審査を危険物保安技術協会に委託できると定める。許可・検査の処分権限は市町村長等に残る。
Q · 大型の屋外タンクの設置許可、技術審査は誰がしているの?
協会が審査することがあるが、許可するのは市町村長等
消防法11条の3により、市町村長等は政令で定める屋外タンク貯蔵所について、設置・変更許可時の構造・設備の技術基準(10条4項)適合審査と、完成検査前検査(11条の2)の特定事項の審査を危険物保安技術協会に委託できます。委託は任意で、委託されるのは審査のみです。許可・不許可や検査合格の処分は市町村長等が行うため、不服申立ての対象も市町村長等の処分になります。
解説
巨大な石油タンクの設置許可は、消防署の窓口だけで審査されているわけではない。消防法11条の3によって、市町村長等(市町村長、都道府県知事または総務大臣)は、政令で定める大型の屋外タンク貯蔵所について、審査の一部を危険物保安技術協会(通称 KHK)に委託できる。委託できる審査は二つある。一つは設置・変更許可の段階で、構造と設備が技術基準(10条4項)に合っているかどうかの審査。もう一つは完成検査前検査(11条の2)の段階で、基礎・地盤や溶接部などの「特定事項」の審査である。ここで押さえておくべきは、委託されるのは「審査」だけだという点だ。許可を出すかどうか、検査に合格させるかどうかの最終判断は、市町村長等が行う。協会の審査結果は判断の材料になるが、処分をするのはあくまで市町村長等である。したがって、不服を申し立てる相手も協会ではなく市町村長等の処分になる。もう一点、条文が「できる」と書いているので、委託するかどうかは自治体の任意だ。大型タンクの案件を抱えた事業者は、自分の案件の審査ルートが自治体の消防本部の中で完結するのか、協会を経由するのかを最初に確かめる必要がある。それによって、スケジュールや提出書類、技術的な議論の相手が変わる。
法的な位置づけ
消防法11条の3は、危険物施設の審査事務の委託を定める規定であり、市町村長等が、政令で定める屋外タンク貯蔵所に係る構造・設備の技術基準適合審査および完成検査前検査の特定事項の審査を、危険物保安技術協会に委託できる旨を規定する。委託の対象は審査に限られ、許可等の処分権限は市町村長等に留保される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.審査ルートを所轄消防に確認 計画段階で、所轄消防に対し、当該タンクが政令で定める屋外タンク貯蔵所に該当するか、技術審査を協会に委託する予定かを確認し、書面で記録しておく
- 2.消防本部と協会に並行して事前相談 基礎・地盤、タンク本体の設計方針が固まる前に、消防本部と協会の双方へ事前相談を行い、技術的な指摘を図面段階で反映させる
- 3.設置許可申請と委託審査への対応 市町村長等へ設置(変更)許可を申請する。委託審査がある場合、協会からの指摘事項を一覧化し、設計変更か反証資料提出かを項目ごとに判断する
- 4.完成検査前検査を工程に組み込む 溶接完了後、塗装・保温工事・埋め戻しの前に完成検査前検査を受ける時期を工程表に明記し、検査後に次工程へ進む
- 5.処分に不服がある場合は審査請求を検討 許可・不許可などの処分に不服があれば、協会ではなく市町村長等の処分を対象に、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求を行う
よくある質問 AI による整理
Q1危険物保安技術協会とは?
大型の屋外タンク貯蔵所などの技術審査や保安検査を担う専門法人です。消防法11条の3等に基づき、市町村長等から審査の委託を受けます。
Q2屋外タンク貯蔵所の設置許可は誰が出す?
市町村長等(市町村長、都道府県知事または総務大臣)です。協会に技術審査が委託されても、許可を出す権限は市町村長等に残ります。
Q3協会への審査委託は義務ですか?
義務ではありません。条文は「委託することができる」と定めており、委託するかどうかは市町村長等の判断に委ねられています。
Q4完成検査前検査とは?
タンク完成前に基礎・地盤や溶接部などを確認する検査です(消防法11条の2)。塗装や埋め戻しの後では確認できないため、施工途中に受けます。
Q5協会に委託される審査の範囲は?
構造・設備のうち政令で定める事項と、特定事項のうち政令で定めるものの技術基準適合審査に限られます。位置や消火設備等は消防本部が審査します。
Q6屋外タンクの許可審査 期間はどれくらい?
法律に一律の期間はなく、案件の規模や委託の有無で変わります。所轄消防と協会の双方に標準的な期間を事前に確認するのが確実です。
Q7屋外タンクの不許可に不服がある場合は?
市町村長等の処分を対象に、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求できます(行政不服審査法18条)。協会は処分庁ではありません。
Q8どの屋外タンクが協会審査の対象?
「政令で定める屋外タンク貯蔵所」で、危険物の規制に関する政令で指定される一定規模以上の大型タンクが対象です。現行の規模要件は政令で確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1協会に審査を回されたら、手数料は二重にかかるんですか?
本条は市町村長等が審査を協会に委託できることを定めた規定で、費用の負担方法までは定めていない。手数料の額や支払先は、自治体の手数料条例や協会の規程によって決まるため、案件ごとに確認が必要である。実務のポイント:見積りの段階で所轄消防と協会の両方に費用と標準的な審査期間を確認しておかないと、予算と工期の両方を見誤る(最新の改正状況をご確認ください)
Q2協会の審査結果に納得できない場合、協会を訴えればいいんですか?
基本的には、協会ではなく市町村長等の許可・不許可の処分を争う。協会は11条の3に基づいて審査を受託しているだけで、処分を行うのは市町村長等だからである。実務のポイント:争いになる前に、協会の技術担当者と根拠になるデータを突き合わせて協議する場を持つほうが、多くの場合早く解決する。審査請求は最終手段と考えておくほうがよい
間違えやすい点 AI による整理
- 協会が審査しているのだから、協会が許可を出しているのだと思われがちである。実際には、協会の役割は技術基準に適合するかどうかの審査に限られ、許可・不許可の処分を行うのは市町村長等だ。この区別は、不服申立ての相手方や期限の数え方に直接かかわる
- 委託された部分以外の審査も協会がまとめて見てくれると考えるのは危うい。委託の範囲は「政令で定める事項」に限られており、それ以外の位置、保安距離、消火設備などは引き続き消防本部が審査する。審査の窓口が二つに分かれる以上、両方のスケジュールを並行して管理する必要がある
- 「消防の審査を早く通すにはどうすればよいか」という問いの立て方そのものに問題がある。大型タンクの場合、問題になるのは消防か協会かではなく、基礎・地盤とタンク本体の設計がどの段階で確定するかである。設計を固める前に事前相談をしておけば、審査期間そのものが短くなる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 消防法11条の3:許可・完成検査前検査の技術審査の協会委託 | 消防法11条:製造所等の設置・変更許可そのもの 消防法14条の3:特定屋外タンク貯蔵所の保安検査 |
| 行われる段階 | 設置・変更許可時および完成検査前検査時 | 施設の設置・変更前 施設の使用開始後(定期・臨時) |
| 処分権者 | 市町村長等(協会は審査のみ) | 市町村長等 市町村長等(協会への委託規定あり) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も危険物施設の設置・安全管理を消防法体系で規律するが、日本の協会のような専門法人への技術審査委託を条文で明示する構造とは異なる
韓国も一定規模以上のタンクに安全性能検査を課し、専門機関が検査を担う点で日本と構造が近い
ドイツは水を汚染するおそれのある物質の施設について、公認専門家による検査を組み込む形で専門性を確保している
米国は連邦環境規制で油流出防止計画を義務付け、タンクの検査は業界規格や専門技術者の認証に依拠する部分が大きい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは化学メーカーの設備担当で、容量の大きい屋外タンクの新設を任された。所轄消防に許可申請を出したところ、「技術審査は協会に委託します」と告げられた。工期表には協会での審査期間が入っていない。着工予定日まで残り二か月で、ここから工程を組み直すことになる
- もし協会の審査で地盤の支持力が足りないと指摘されたら、許可が下りないことはその場で確定するのか? 確定しない。協会がしているのは審査であり、許可を出すかどうかを決めるのは市町村長等である。ただし、技術的な指摘を覆す資料を出せなければ、市町村長等が審査結果と異なる判断をすることは実際にはまずない
- タンクの溶接が終わり、塗装に進もうとしたところで、完成検査前検査が済んでいないことに気付いた。溶接部の検査は塗装の前でなければできない。
取るべき行動
被害を受けた側:審査が長引いて工期に影響が出ている事業者の場合の手順。1. 委託されている審査の範囲(設置許可の技術審査か、完成検査前検査か)を所轄消防に書面で確認する2. 協会からの指摘事項を一覧にし、設計変更で対応するか、反論資料を出すかを項目ごとに決める3. 消防本部側で並行して進められる審査項目を先に片付ける4. 市町村長等が不許可などの処分をした場合は、その処分を対象に審査請求を検討する
訴えられた側:協会の審査で技術基準に適合しないと指摘された場合の手順。1. 指摘の根拠となる条文(危険物の規制に関する政令・規則・告示の該当箇所)を特定させる2. 地盤調査や構造計算をやり直し、数値で反証できるかを検討する3. 基準を満たせない場合は、容量や構造の変更によって審査の対象区分そのものが変わるかどうかを設計者と検討する4. 安全に関わる指摘については、反論するより是正を優先するほうが結果的に早く進むことが多い
時効(請求できる期限):本条そのものには期限の定めがない。最終的な許可・不許可などの処分に不服がある場合は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求をする(行政不服審査法18条)。取消訴訟は処分または裁決があったことを知った日から6か月以内である(行政事件訴訟法14条)。審査期間の目安は案件ごとに異なるため、所轄消防と協会に確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和51年(1976年) 新設:昭和49年の水島製油所タンク破損事故を受けた消防法改正で危険物保安技術協会の制度が設けられ、大型屋外タンクの技術審査を協会に委託できる仕組みが整備された
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