労働組合法 第15条(労働協約の期間)
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- 労働協約には、三年をこえる有効期間の定をすることができない。
- 2.三年をこえる有効期間の定をした労働協約は、三年の有効期間の定をした労働協約とみなす。
- 3.有効期間の定がない労働協約は、当事者の一方が、署名し、又は記名押印した文書によつて相手方に予告して、解約することができる。一定の期間を定める労働協約であつて、その期間の経過後も期限を定めず効力を存続する旨の定があるものについて、その期間の経過後も、同様とする。
- 4.前項の予告は、解約しようとする日の少くとも九十日前にしなければならない。
この条文の基本情報
労働協約の期間とは何ですか?
定義労働協約の期間とは、労働組合法第15条に定められた規定で、「労働協約には、三年をこえる有効期間の定をすることができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働組合法第15条(労働協約の期間)は、日本の労働組合法に含まれる条文です。
- 労働組合法第15条の条文原文は「労働協約には、三年をこえる有効期間の定をすることができない。」で始まります。
- 労働組合法第15条は第三章 労働協約に置かれています。
- 労働組合法の公布日は昭和24年6月1日です。
- 労働組合法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 労働組合法第15条の前の条は労働組合法第14条です。
- 労働組合法第15条の次の条は労働組合法第16条です。
- 労働組合法第15条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第15条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174 - 本サイト収録
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第15条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000174/15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働組合法15条は、労働協約の有効期間を最長3年とし、超える定めは3年とみなす。期間の定めのない協約は、署名等した文書で90日前に予告すれば解約できる。
Q · 会社と組合が結んだ労働協約って、ずっと有効なんですか?
いいえ。最長3年で切れ、期間の定めなしなら90日予告で解約されます
労働組合法15条により、労働協約の有効期間は最長3年です。3年を超える期間を定めても、法律上は3年の協約とみなされます(同条1項・2項)。期間の定めのない協約は、当事者の一方が署名または記名押印した文書で予告すれば解約でき、その予告は解約日の少なくとも90日前に行う必要があります(同条3項・4項)。自動更新条項付きの協約も、当初期間の経過後は同じく90日予告で解約できます。協約に基づく賞与上乗せなどの労働条件は、協約が切れると就業規則ベースまで下がりうる点に注意が必要です。
解説
あなたの給料、賞与、休日、退職金の上乗せ。これらが会社の就業規則ではなく、組合と会社が結んだ「労働協約」で決まっているケースは少なくない。問題は、その協約が永久ではないという事実だ。労働組合法15条は二つの時限装置を仕込んでいる。第一に、協約の有効期間は最長3年。それを超える定めをしても、自動的に3年とみなされる。あなたが「10年安泰の好条件を勝ち取った」と思っても、法律が3年で頭を打つ。第二に、期間の定めがない協約は、会社か組合のどちらか一方が、署名または記名押印した文書で予告すれば解約できる。しかも予告から実際の解約まで、たった90日。さらに「期間満了後も自動更新する」という条項がついた協約も、その期間が過ぎれば同じく90日予告で切れる。あなたを守っているはずの一枚の紙が、相手方の予告書一通で90日後に消えることを、当事者であるあなた自身が知らないことが一番危うい。
法的な位置づけ
労働組合法15条は労働協約の存続期間に関する規定であり、協約の有効期間を最長3年に制限し、これを超える定めは3年とみなす旨を定める。あわせて、期間の定めのない協約および当初期間経過後の自動更新型協約について、署名または記名押印した文書による90日前の予告解約権を規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.手元の労働協約の有効期間を確認する まず協約原本を入手し、有効期間の定めの有無と満了日を確認する。期間の定めがなければ、いつ解約予告が来てもおかしくない前提で動く。3年を超える定めは3年とみなされる点も押さえる
- 2.解約予告書の方式と日数を点検する 会社から解約予告書が届いたら、署名または記名押印の方式(15条3項)と、解約希望日の90日前要件(同条4項)を満たしているか即チェックする。不備があれば解約無効を主張できる
- 3.90日のカウントダウン中に団体交渉を申し入れる 予告期間中に次期協約案を準備し、団体交渉を申し入れる。1日でも動き出しが遅れるほど交渉のテーブルは小さくなるため、起算日を確定して逆算スケジュールを組む
- 4.不誠実な対応には救済申立てを視野に入れる 正当な理由のない団体交渉拒否などがあれば、労働委員会への不当労働行為救済申立て(労組法7条)を検討する。並行して弁護士・社労士に相談し方針を固める
よくある質問 AI による整理
Q1労働協約とは何ですか?
労働組合と使用者が労働条件などについて締結し、書面に署名または記名押印した取り決めです(労組法14条)。賃金・賞与・労働時間などを定め、就業規則より優先する効力を持ちます。
Q2労働協約と就業規則はどちらが優先しますか?
労働協約が優先します。就業規則は労働協約に反してはならず(労基法92条)、反する部分は適用されません(労働契約法13条)。協約は労使合意、就業規則は使用者が定める点が違います。
Q3労働協約の自動更新条項とは何ですか?
期間満了後も期限を定めず効力を存続させる旨の定めです。便利ですが、当初期間の経過後は期間の定めのない協約として扱われ、90日予告で解約できるようになります(労組法15条3項後段)。
Q4労働協約は組合員以外にも適用されますか?
原則は組合員のみですが、一つの工場事業場の同種労働者の4分の3以上が適用を受けると、残りの労働者にも拡張適用されます(一般的拘束力、労組法17条)。
Q5労働協約の解約予告は何日前に必要ですか?
解約しようとする日の少なくとも90日前です(労組法15条4項)。1日でも足りなければ予告として効力を生じません。起算は解約希望日からの逆算で計算します。
Q6労働協約の解約はメールでもできますか?
原則できません。労組法15条3項は署名または記名押印した文書を要求します。署名・押印を欠く通知は方式不備で解約が無効になりうるため、書面での予告が安全です。
Q7労働協約が失効すると労働条件はどうなりますか?
協約由来の労働条件は法的根拠を失い、就業規則や労働契約のベースまで下がりうる一方、既に労働契約の内容になった部分は当然には消えないとする議論もあり、争いになりやすい論点です。
Q8労働協約に有効期間を書かないとどうなりますか?
期間の定めのない協約として、当事者の一方が90日前予告でいつでも解約できます(労組法15条3項・4項)。安定を望むなら有効期間と満了前の再交渉手続を設計するのが実務的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの賞与って労働協約で決まってるんですけど、会社が勝手に切ったりできるんですか?
有効期間内の協約なら、原則として一方的には切れません。ただし期間の定めがない協約は、会社が署名入り文書で90日前に予告すれば解約できます(労働組合法15条3項・4項)。協約が切れると、その労働条件は就業規則ベースまで下がりうる。実務のポイント:多くの組合員は自分の協約に有効期間の定めがあるかすら把握していません。期間の定めの有無こそが、あなたの賞与が安泰か無防備かの分水嶺。まず協約原本の期間条項を一度確認しておくべきです
Q2労働協約に「有効期間10年」って書いてあったんですが、本当に10年もつんですか?
もちません。労働組合法15条1項は協約の有効期間を最長3年とし、2項でそれを超える定めは3年とみなすと定めています。つまり「10年」と書いても法律上は3年協約に切り詰められ、3年経過後は期間満了型になります。実務のポイント:自動更新条項がついていても、その更新後は期間の定めのない協約として扱われ、90日予告で解約可能になります。長期間を書き込んだから安心という発想自体が落とし穴で、安定は満了前の巻き直しの段取りで作るものです
Q3会社から協約の解約通知がメールで来たんですけど、これって有効ですか?
方式を満たしていない可能性が高いです。労働組合法15条3項は、署名し、または記名押印した文書による予告を要求しています。単なるメール本文では署名・記名押印の要件を欠くと判断される余地があり、解約が無効になりうる。実務のポイント:解約予告の方式不備は、組合側が反撃できる数少ない突破口です。相手が手続を雑に踏めば、その90日はまるごと無効になり、あなたは交渉の時間を取り戻せる。通知が来たら、感情的に反応する前に、方式と90日要件を冷静に点検することが先決です
間違えやすい点 AI による整理
- 「労働協約は一度結べば、解約しない限りずっと続く」と思われている。これは半分正しく半分危険だ。期間の定めがあれば期間内は安定するが、最長3年で必ず切れる。期間の定めがなければ、相手が90日予告するだけでいつでも解約できる。永久に安泰な協約は法律上存在しない
- 「有効期間を長く書くほど安定する」と考えて10年や無期限と書きたがる労使がいるが、これは前提から間違っている。15条1項・2項により3年を超える定めは3年に切り詰められる。長期固定を狙うほど、法律が自動的に上限で頭打ちにする。安定は期間の長さではなく、満了前の再交渉の段取りで作るものだ
- 解約予告は「言えば足りる」と軽く考えられがちだが、深刻度を見誤っている。15条3項は署名または記名押印した文書という方式を要求する。方式を欠いた解約は無効になり、解約したつもりが協約は生きたまま、という事態が起きる。逆に相手の予告書の方式不備を突けば、解約自体をひっくり返せることもある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する局面 | 15条:協約の有効期間と解約予告 | 14条:協約の成立要件(書面・署名/記名押印) 16条:協約の規範的効力 |
| 効果 | 最長3年、期間の定めなしは90日予告で解約可 | 方式を満たさなければ協約として成立しない 協約基準に反する労働契約部分が無効になる |
| 当事者が注意する点 | 満了日と90日起算、予告書の方式 | 口頭合意は不成立、必ず書面化 協約が切れると規範的効力も失われる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も団体協約の有効期間を法定し、定めがない場合の終了・更新のルールを置く点で日本と共通する
韓国は団体協約の有効期間の上限を法定し、2021年改正で上限が延長された。期間満了後の効力存続の規律を持つ点が日本と類似
ドイツは Tarifvertrag の余後効(Nachwirkung、§ 4 Abs. 5 TVG)を明文で認め、新協約締結まで旧協約の効力が存続する設計をとる点が特徴
米国は協約の終了・変更にあたり60日前の通知義務(§ 8(d))を課すなど、手続を中心に規律する。期間上限を一律に法定しない点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし会社が突然「来年度から賞与上乗せの労働協約を解約する」と組合に通知してきたら、何が起きるか。期間の定めのない協約なら、会社は90日前に署名入り文書で予告するだけで合法的に切れる。組合員のあなたの賞与は、90日後に就業規則ベースまで下がりうる。慌てて団体交渉を申し入れても、予告期間は止まらない
- あなたが中小企業の人事担当で、前任者が結んだ「期間の定めなし」の労働協約が会社の負担になっている。これを見直したい。15条3項の解約権を使えるが、90日前の文書予告が必須。口頭で組合に伝えただけ、メールで送っただけでは要件を満たさず、解約は無効になりうる
- 労使が「有効期間5年」と合意して握手した。だが15条2項により、その協約は3年の有効期間とみなされる。5年目だと思って油断していた組合は、4年目に会社から解約予告を受けて初めて、自分たちの協約がとっくに期間満了型に変わっていたことに気づく
- あなたに残された時間は90日。会社から労働協約の解約予告書が届いた。この90日のうちに次の協約を交渉し直すか、争うか、あるいは条件低下を受け入れる準備をするかを決めなければならない。1日でも動き出しが遅れれば、その分だけ交渉のテーブルが小さくなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず手元の労働協約を入手し、有効期間の定めの有無と満了日を確認する。期間の定めがなければ、いつ解約予告が来てもおかしくない前提で動く2. 会社から解約予告書が届いたら、署名または記名押印の方式(15条3項)と90日前要件(同条4項)を満たしているか即チェック、不備があれば解約無効を主張3. 90日のカウントダウン中に団体交渉を申し入れ、次の協約案を準備する4. 不誠実な交渉拒否があれば、労働委員会への不当労働行為救済申立て(労働組合法7条)も視野に入れる
訴えられた側:1. 使用者として協約を見直したいなら、まず有効期間の定めの有無を確認、期間の定めがない(または自動更新型で期間満了済み)なら15条3項の解約権が使える2. 解約は必ず署名または記名押印した文書で、解約希望日の90日以上前に相手方へ予告、口頭やメールのみは方式不備で無効リスク3. 3年を超える期間を新たに定めても3年に切り詰められる(15条2項)ので、長期固定ではなく満了前の再交渉設計で安定を作る4. 解約だけ先行させて代替策がないと労使関係が悪化、次の協約交渉を並行で進める
時効(請求できる期限):期間の定めのない労働協約の解約予告は、解約しようとする日の少なくとも90日前にしなければならない(労働組合法15条4項)。有効期間は最長3年、これを超える定めは3年とみなされる(同条1項・2項)。起算点は解約希望日からの逆算90日であり、予告が90日に1日でも足りなければ予告として効力を生じない
学説
通説:労働協約の労働条件基準は、組合員の労働契約を直接規律する規範的効力を持つ(労組法16条)。15条による存続期間の制限は、この規範的効力がいつまで及ぶかの時間的限界を画する規定と位置づけられる
学説(余後効をめぐる議論):協約が失効した後の労働条件の取扱い(いわゆる余後効)については見解が分かれる。協約由来の条件は当然に消えるとする立場と、既に労働契約の内容になった部分は存続するとする立場があり、実務上の争点となりやすい
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:現行労働組合法(昭和24年法律第174号)の制定により、労働協約の有効期間の上限(最長3年)と、期間の定めのない協約の90日予告解約の枠組みが定められた
- 労働組合法 第14条労働協約の成立要件(書面・署名または記名押印)
- 労働組合法 第16条労働協約の規範的効力、基準違反の労働契約部分の無効
- 労働組合法 第17条工場事業場単位の一般的拘束力
- 労働組合法 第18条地域的の一般的拘束力
- 労働組合法 第7条不誠実な団体交渉拒否を不当労働行為として規制
- 労働基準法 第92条就業規則は労働協約に反してはならないとする効力序列
- 労働契約法 第13条就業規則が法令・労働協約に反する場合の不適用
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