要点労働組合法19条の10は、行政執行法人と職員の紛争を地方で処理するため、使用者・労働者・公益を代表する地方調整委員を各地に置き、中央労働委員会のあっせん・調停を現場に届ける制度を定める。
Q · 造幣局や国立印刷局でもめたら、わざわざ東京の中央労働委員会まで行かないとダメ?
地方調整委員制度があるので、地元であっせんを受けられます
労働組合法19条の10により、中央労働委員会には地方調整委員が各地に置かれています。行政執行法人(造幣局・国立印刷局・統計センターなど)とその職員の紛争で、地方において処理すべきものとして政令で定められた事件のあっせん・調停は、この地方調整委員が参与して現地で処理します。委員は使用者・労働者・公益の三者を代表し、中央労働委員会の同意を得て厚生労働大臣が任命します。つまり東京の中央労働委員会の権威を持った紛争処理が、地方の働く現場まで届く仕組みです。
造幣局や国立印刷局、統計センター。こうした「行政執行法人」(国が出資し、国家公務員の身分を持つ職員が働く特殊な法人)で働く人たちは、ふつうの会社員とも純粋な公務員とも違う立場にいる。労使がもめたとき、その紛争を扱うのは地元の裁判所でも労働基準監督署でもなく、東京にある中央労働委員会だ。だが、九州や北海道の職員が紛争のたびに東京へ呼び出されていたら、誰も救済にたどり着けない。19条の10は、その不合理を埋めるための条文である。中央労働委員会が地方で処理すべき事件のあっせんや調停をするために、使用者側、労働者側、公益側それぞれを代表する「地方調整委員」を各地に置く。つまり、中央の権威を持った紛争処理を、あなたの地元まで運んでくる仕組みだ。委員は厚生労働大臣が中央労働委員会の同意を得て任命する。地味な組織条文に見えて、特殊な労働者の救済へのアクセスを物理的に保障している。
労働組合法19条の10は地方調整委員制度を定める規定である。中央労働委員会が地方で処理すべき行政執行法人と職員との紛争につき、あっせん・調停または24条の2第5項の手続に参与させるため、使用者・労働者・公益の三者を代表する地方調整委員を政令で定める区域ごとに置く。委員は中央労働委員会の同意を得て厚生労働大臣が任命する。
中央労働委員会が地方で処理すべき行政執行法人の労使紛争のあっせん・調停に参与するため、各地に置かれる委員です。使用者・労働者・公益の三者を代表し、厚生労働大臣が任命します(労働組合法19条の10)。
行政執行法人と職員の労使紛争は国の機関である中央労働委員会の専管です。民間企業と組合の紛争は都道府県労働委員会が扱います。働く場所により救済の入口が丸ごと変わります。
できません。行政執行法人の職員は団結権・団体交渉権を持ちますが、争議権(ストライキ権)は制限されています。そのぶん、あっせん・調停による紛争処理が重要な役割を果たします。
無料です。労働委員会のあっせんは費用がかからず、数週間で動き、労使双方が面子を保ったまま着地できます。訴訟に進めば年単位・百万円単位になる紛争を入口で解消できます。
中央労働委員会の同意を得て、厚生労働大臣が政令で定める区域ごとに任命します(労働組合法19条の10第2項)。使用者・労働者・公益をそれぞれ代表する三者構成です。
これらは行政執行法人にあたり、その労使紛争は中央労働委員会が扱います。地方で処理すべき事件は地方調整委員が参与するため、必ずしも東京まで行く必要はありません。
労働委員会に対し当事者の一方または双方が申請でき、職権で開始される場合もあります。行政執行法人の地方事件では地方調整委員が参与して現地で手続が進みます。
造幣局、国立印刷局、統計センター、農林水産消費安全技術センターなどが該当します。国が出資し、職員が国家公務員の身分を持つ独立行政法人の一類型です。
行政執行法人は独立行政法人の一類型で、職員は国家公務員の身分を持ちながら、労働関係は労働組合法と『行政執行法人の労働関係に関する法律』で規律される特殊な存在です。造幣局、国立印刷局、統計センターなどが該当します。19条の10は、これらの法人と職員の紛争を中央労働委員会が地方で処理する体制を定めています。業界裏話ヒント:同じ『公務員』でも労働基本権の制限の度合いは違い、行政執行法人の職員は団結権・団体交渉権を持つが争議権(ストライキ権)は制限される。この線引きを知らないと、使える手段を読み違える
あっせんは委員が間に入って話し合いを促すだけで、合意を強制しません。調停は委員会が調停案を示しますが、受諾は任意。仲裁は仲裁裁定に拘束力があり、確定判決と同じ効力を持ちます(労働関係調整法)。19条の10の地方調整委員が担うのは、このうちあっせんと調停です。業界裏話ヒント:実務でいきなり仲裁に行くことは稀で、まずあっせんで感触を見て、ダメなら調停、それでも決裂なら最終手段という順で温度を上げる。最初から仲裁を選ぶと、結果が拘束力を持つぶん後戻りできない
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| 役割 | 19条の10:地方での紛争のあっせん・調停への参与(地方調整委員) | — |
| 対象 | 行政執行法人と職員の地方で処理すべき紛争 | — |
| 委員構成 | 使用者・労働者・公益の三者を代表する地方調整委員 | — |
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