労働組合法 第19条の10(地方調整委員)
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- 中央労働委員会に、行政執行法人とその行政執行法人職員との間に発生した紛争その他の事件で地方において中央労働委員会が処理すべきものとして政令で定めるものに係るあつせん若しくは調停又は第二十四条の二第五項の規定による手続に参与させるため、使用者、労働者及び公益をそれぞれ代表する地方調整委員を置く。
- 2.地方調整委員は、中央労働委員会の同意を得て、政令で定める区域ごとに厚生労働大臣が任命する。
- 3.第十九条の五第一項本文及び第二項、第十九条の七第二項並びに第十九条の八の規定は、地方調整委員について準用する。この場合において、第十九条の七第二項中「内閣総理大臣」とあるのは「厚生労働大臣」と、「使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院」とあるのは「中央労働委員会」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
地方調整委員とは何ですか?
定義地方調整委員とは、労働組合法第19条の10に定められた規定で、「中央労働委員会に、行政執行法人とその行政執行法人職員との間に発生した紛争その他の事件で地方において中央労働委員会が処理すべきものとして政令で定めるものに係るあつ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働組合法第19条の10(地方調整委員)は、日本の労働組合法に含まれる条文です。
- 労働組合法第19条の10の条文原文は「中央労働委員会に、行政執行法人とその行政執行法人職員との間に発生した紛争その他の事件で地方において中央労働委員会が処理すべきものとして政令で定めるものに係るあつ…」で始まります。
- 労働組合法第19条の10は第一節 設置、任務及び所掌事務並びに組織等に置かれています。
- 労働組合法の公布日は昭和24年6月1日です。
- 労働組合法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 労働組合法第19条の10の前の条は労働組合法第19条の9です。
- 労働組合法第19条の10の次の条は労働組合法第19条の11です。
- 労働組合法第19条の10には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第19条の10 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174 - 本サイト収録
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第19条の10(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000174/19_10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働組合法19条の10は、行政執行法人と職員の紛争を地方で処理するため、使用者・労働者・公益を代表する地方調整委員を各地に置き、中央労働委員会のあっせん・調停を現場に届ける制度を定める。
Q · 造幣局や国立印刷局でもめたら、わざわざ東京の中央労働委員会まで行かないとダメ?
地方調整委員制度があるので、地元であっせんを受けられます
労働組合法19条の10により、中央労働委員会には地方調整委員が各地に置かれています。行政執行法人(造幣局・国立印刷局・統計センターなど)とその職員の紛争で、地方において処理すべきものとして政令で定められた事件のあっせん・調停は、この地方調整委員が参与して現地で処理します。委員は使用者・労働者・公益の三者を代表し、中央労働委員会の同意を得て厚生労働大臣が任命します。つまり東京の中央労働委員会の権威を持った紛争処理が、地方の働く現場まで届く仕組みです。
解説
造幣局や国立印刷局、統計センター。こうした「行政執行法人」(国が出資し、国家公務員の身分を持つ職員が働く特殊な法人)で働く人たちは、ふつうの会社員とも純粋な公務員とも違う立場にいる。労使がもめたとき、その紛争を扱うのは地元の裁判所でも労働基準監督署でもなく、東京にある中央労働委員会だ。だが、九州や北海道の職員が紛争のたびに東京へ呼び出されていたら、誰も救済にたどり着けない。19条の10は、その不合理を埋めるための条文である。中央労働委員会が地方で処理すべき事件のあっせんや調停をするために、使用者側、労働者側、公益側それぞれを代表する「地方調整委員」を各地に置く。つまり、中央の権威を持った紛争処理を、あなたの地元まで運んでくる仕組みだ。委員は厚生労働大臣が中央労働委員会の同意を得て任命する。地味な組織条文に見えて、特殊な労働者の救済へのアクセスを物理的に保障している。
法的な位置づけ
労働組合法19条の10は地方調整委員制度を定める規定である。中央労働委員会が地方で処理すべき行政執行法人と職員との紛争につき、あっせん・調停または24条の2第5項の手続に参与させるため、使用者・労働者・公益の三者を代表する地方調整委員を政令で定める区域ごとに置く。委員は中央労働委員会の同意を得て厚生労働大臣が任命する。
よくある質問 AI による整理
Q1地方調整委員とは何ですか?
中央労働委員会が地方で処理すべき行政執行法人の労使紛争のあっせん・調停に参与するため、各地に置かれる委員です。使用者・労働者・公益の三者を代表し、厚生労働大臣が任命します(労働組合法19条の10)。
Q2中央労働委員会と都道府県労働委員会の違いは?
行政執行法人と職員の労使紛争は国の機関である中央労働委員会の専管です。民間企業と組合の紛争は都道府県労働委員会が扱います。働く場所により救済の入口が丸ごと変わります。
Q3行政執行法人の職員はストライキできますか?
できません。行政執行法人の職員は団結権・団体交渉権を持ちますが、争議権(ストライキ権)は制限されています。そのぶん、あっせん・調停による紛争処理が重要な役割を果たします。
Q4労働争議のあっせんは無料ですか?
無料です。労働委員会のあっせんは費用がかからず、数週間で動き、労使双方が面子を保ったまま着地できます。訴訟に進めば年単位・百万円単位になる紛争を入口で解消できます。
Q5地方調整委員は誰が任命しますか?
中央労働委員会の同意を得て、厚生労働大臣が政令で定める区域ごとに任命します(労働組合法19条の10第2項)。使用者・労働者・公益をそれぞれ代表する三者構成です。
Q6造幣局や国立印刷局の労働紛争はどこが扱いますか?
これらは行政執行法人にあたり、その労使紛争は中央労働委員会が扱います。地方で処理すべき事件は地方調整委員が参与するため、必ずしも東京まで行く必要はありません。
Q7あっせんを申請するにはどうすればいいですか?
労働委員会に対し当事者の一方または双方が申請でき、職権で開始される場合もあります。行政執行法人の地方事件では地方調整委員が参与して現地で手続が進みます。
Q8行政執行法人にはどんな組織がありますか?
造幣局、国立印刷局、統計センター、農林水産消費安全技術センターなどが該当します。国が出資し、職員が国家公務員の身分を持つ独立行政法人の一類型です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1そもそも行政執行法人って何ですか? 普通の役所とどう違うんですか?
行政執行法人は独立行政法人の一類型で、職員は国家公務員の身分を持ちながら、労働関係は労働組合法と『行政執行法人の労働関係に関する法律』で規律される特殊な存在です。造幣局、国立印刷局、統計センターなどが該当します。19条の10は、これらの法人と職員の紛争を中央労働委員会が地方で処理する体制を定めています。実務のポイント:同じ『公務員』でも労働基本権の制限の度合いは違い、行政執行法人の職員は団結権・団体交渉権を持つが争議権(ストライキ権)は制限される。この線引きを知らないと、使える手段を読み違える
Q2あっせんと調停と仲裁って何が違うんですか?
あっせんは委員が間に入って話し合いを促すだけで、合意を強制しません。調停は委員会が調停案を示しますが、受諾は任意。仲裁は仲裁裁定に拘束力があり、確定判決と同じ効力を持ちます(労働関係調整法)。19条の10の地方調整委員が担うのは、このうちあっせんと調停です。実務のポイント:実務でいきなり仲裁に行くことは稀で、まずあっせんで感触を見て、ダメなら調停、それでも決裂なら最終手段という順で温度を上げる。最初から仲裁を選ぶと、結果が拘束力を持つぶん後戻りできない
間違えやすい点 AI による整理
- 「労使でもめたら労働基準監督署に相談すればいい」と考える人が多いが、行政執行法人の集団的な労使紛争では、そもそも問いの立て方が違う。監督署は個別の労働基準法違反を扱う窓口であって、組合と法人の団体的な紛争は中央労働委員会のあっせん・調停の領分だ。入口を間違えると、救済そのものにたどり着けない
- 「あっせんなんて形だけで意味がない」と軽く見られがちだが、その実効性を知らないだけだ。あっせんは無料で、数週間で動き、労使双方が面子を保ったまま着地できる。訴訟に進めば年単位、百万円単位のコストがかかる紛争を、入口で解消できる装置である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 19条の10:地方での紛争のあっせん・調停への参与(地方調整委員) | 20条:労働委員会のあっせん・調停・仲裁・不当労働行為審査の権限 24条の2:公益委員会議による事務処理 |
| 対象 | 行政執行法人と職員の地方で処理すべき紛争 | 労使紛争全般・不当労働行為事件 中央労働委員会が処理する審査事件 |
| 委員構成 | 使用者・労働者・公益の三者を代表する地方調整委員 | 三者構成の労働委員会 公益委員のみの合議体 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は労資争議について調解・仲裁・裁決の三段階を設け、不当労働行為は労働部の裁決委員会が扱う。三者構成の合議で処理する点は日本の労働委員会と類似する
韓国は中央労働委員会と地方労働委員会の二層構造を持ち、地域ごとに紛争を処理する。地方での処理を保障する点で日本の地方調整委員制度と発想が近い
ドイツは行政委員会ではなく独立の労働裁判所(Arbeitsgericht)が労使紛争を裁定する。三審制の専門裁判所方式であり、委員会型の日本とは制度設計が異なる
米国NLRBは連邦の独立行政委員会で、全米に地方事務所(Regional Offices)を置いて現地で事件を処理する。地方調整委員はこの地方事務所機能に相当する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 造幣局や国立印刷局の現場で、配置転換や手当をめぐって組合と法人が対立したら、どこに駆け込む? 答えは東京の中央労働委員会。だが地方調整委員制度があるおかげで、あっせんの場は必ずしも東京ではなく、あなたの働く地域で開かれうる。距離が救済の壁になる事態を、この制度が防いでいる
- 労働組合の役員として団体交渉が決裂した。いきなり訴訟や仲裁に進む前に、無料で使えるあっせんを試したい。地方調整委員が動けば、弁護士費用ゼロで中立の第三者が間に入る。交渉再開までの数週間が勝負になる
学説
通説:行政執行法人の職員は、団結権・団体交渉権を有するが争議権(争議行為)は制限される。そのため労使紛争の自主解決手段が乏しく、労働委員会によるあっせん・調停が実効的救済の中核を担うと解されている。19条の10の地方調整委員はその救済アクセスを地理的に保障する制度的装置と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 改正:労働組合法全部改正により、独立行政委員会としての労働委員会制度が現行の形に整備された
- 2.平成26年(2014年) 改正:独立行政法人通則法等の改正に伴い、「特定独立行政法人」が「行政執行法人」に名称変更され、本条の対象法人の呼称も整理された(平成27年4月施行)
- 労働組合法 第20条労働委員会のあっせん・調停・仲裁の権限
- 労働組合法 第24条の2公益委員会議による事務処理、本条5項が参照
- 労働組合法 第19条の5委員の任命・地位、本条3項が準用
- 労働組合法 第19条の7委員の身分保障、本条3項が準用(読替え)
- 労働組合法 第19条の8委員の服務、本条3項が準用
- 行政執行法人の労働関係に関する法律 第1条行政執行法人と職員の労使関係を規律する特則
- 労働関係調整法 第10条あっせん・調停・仲裁の手続の根拠法
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