労働組合法 第27条の20(緊急命令)
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前条第一項の規定により使用者が裁判所に訴えを提起した場合において、受訴裁判所は、救済命令等を発した労働委員会の申立てにより、決定をもつて、使用者に対し判決の確定に至るまで救済命令等の全部又は一部に従うべき旨を命じ、又は当事者の申立てにより、若しくは職権でこの決定を取り消し、若しくは変更することができる。
この条文の基本情報
緊急命令とは何ですか?
定義緊急命令とは、労働組合法第27条の20に定められた規定で、「前条第一項の規定により使用者が裁判所に訴えを提起した場合において、受訴裁判所は、救済命令等を発した労働委員会の申立てにより、決定をもつて、使用者に対し判決の確定…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働組合法第27条の20(緊急命令)は、日本の労働組合法に含まれる条文です。
- 労働組合法第27条の20の条文原文は「前条第一項の規定により使用者が裁判所に訴えを提起した場合において、受訴裁判所は、救済命令等を発した労働委員会の申立てにより、決定をもつて、使用者に対し判決の確定…」で始まります。
- 労働組合法第27条の20は第三節 訴訟に置かれています。
- 労働組合法の公布日は昭和24年6月1日です。
- 労働組合法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 労働組合法第27条の20の前の条は労働組合法第27条の19です。
- 労働組合法第27条の20の次の条は労働組合法第27条の21です。
- 労働組合法第27条の20には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第27条の20 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174 - 本サイト収録
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第27条の20(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000174/27_20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働組合法27条の20の緊急命令は、使用者が救済命令の取消訴訟を起こした際、労働委員会の申立てにより裁判所が判決確定まで命令に従うよう命じる暫定措置である。
Q · 労働委員会で勝ったのに会社が裁判で争い始めたら、命令は数年間ただの紙切れになるの?
労働委員会の申立てで、裁判所が判決まで命令に従わせる仕組みがあります
労働組合法27条の20の緊急命令により、使用者が救済命令の取消訴訟を提起しても、命令を発した労働委員会が裁判所に申し立てれば、受訴裁判所は決定で『判決確定まで救済命令の全部または一部に従え』と使用者に命じられます。従わなければ過料の制裁が及びます。ただし申立権は労働委員会にあり、組合が直接は申し立てられません。本案で会社が勝てば命令は失効する暫定措置である点も重要です。
解説
労働委員会があなたの組合の訴えを認め、会社に『解雇した組合員を元に戻せ』『団体交渉に応じろ』と救済命令を出した。普通ならここで勝ちだ。ところが会社は命令を不服として裁判所に取消訴訟を起こせる(27条の19)。裁判は確定まで数年かかる。その間、解雇された活動家は職場に戻れず、組合は人を失い続け、判決を待つ頃には組合そのものが消えている。会社にとって訴訟は『時間稼ぎの道具』に化ける。この時間切れを防ぐのが緊急命令だ。会社が訴訟を起こしたら、救済命令を出した労働委員会の申立てにより、裁判所は決定で『判決が確定するまで救済命令に従え』と会社に命じられる。従わなければ過料という制裁が待つ(32条)。一行の条文だが、組合が訴訟の時間軸を会社の手から奪い返す、唯一のレバーである。
法的な位置づけ
緊急命令とは、使用者が労働委員会の救済命令に対し取消訴訟を提起した場合に、救済命令等を発した労働委員会の申立てに基づき、受訴裁判所が判決確定までその命令の全部または一部に従うよう使用者に命じる暫定的な裁判をいう。労働組合法第27条の20が根拠であり、決定の取消し・変更も認められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.会社の取消訴訟提起を確認したら委員会へ即連絡 会社が救済命令の取消訴訟を提起したことを確認したら、すぐ救済命令を発した労働委員会に連絡し、緊急命令の申立てを促す。27条の20の申立権は委員会にあり、組合が直接は申し立てられないため『委員会を動かす』ことが実務の核心
- 2.緊急性を裏づける資料を集めて提供 解雇組合員の生活困窮、組合員数の減少、団体交渉機会の喪失など、時間が経つほど回復困難になる事情を具体的に資料化して委員会へ提供する。緊急性の主張が弱いと裁判所は命令を出しにくい
- 3.緊急命令が出たら履行状況を記録 裁判所の緊急命令が出たら、会社の履行状況を継続的に記録する。不履行があれば32条の過料の端緒として労働委員会へ報告できるよう、日時・内容を証拠化しておく
- 4.本案と並行して和解の可能性も探る 緊急命令は会社の『時間稼ぎで現状維持』戦略を封じるため、和解交渉の力学が変わる。本案訴訟を見据えつつ、止まっていた交渉のテーブルを動かす材料として活用する
よくある質問 AI による整理
Q1緊急命令とは何ですか?(労働組合法)
使用者が救済命令の取消訴訟を起こした際、労働委員会の申立てにより裁判所が判決確定まで命令への服従を命じる暫定措置です。労働組合法27条の20が根拠です。
Q2緊急命令と救済命令の違いは?
救済命令は労働委員会が出す行政命令、緊急命令は取消訴訟中にその命令を暫定的に裁判所が履行させる裁判です。救済命令を実効化する装置が緊急命令です。
Q3緊急命令は組合が申し立てられますか?
できません。申立権は救済命令を発した労働委員会にあります(27条の20)。組合は委員会に申立てを促すことになります。
Q4緊急命令の過料はいくらですか?
緊急命令違反は労働組合法32条により過料の対象です(50万円以下、最新の改正状況をご確認ください)。刑罰ではなく行政上の制裁です。
Q5緊急命令はいつまでに申し立てられますか?
使用者が取消訴訟を提起した時から本案判決の確定までの間に可能です。提訴から時間が経つほど緊急性の主張が弱まるため、提訴確認後すみやかに動くのが実務の鍵です。
Q6不当労働行為の救済命令とは?
団交拒否や不利益取扱いなどの不当労働行為(7条)に対し、労働委員会が原職復帰や団交応諾などを命じる行政命令です。これを争われたときの装置が緊急命令です。
Q7緊急命令に従わない会社はどうなりますか?
過料の制裁に加え、裁判所命令への不服従という事実が残り、本案訴訟での裁判官の心証や対外的評判に影響します。
Q8緊急命令が出たら本案でも勝ちですか?
別物です。緊急命令は判決確定までの暫定措置で、本案で会社が勝てば失効します。事情変更で取消し・変更もありえます(27条の20後段)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1緊急命令って、組合が裁判所に直接お願いするんですか?
いいえ。申し立てられるのは救済命令を出した労働委員会で、組合が直接申し立てることはできません(27条の20)。だから組合の実務は『委員会を動かす』ことになります。実務のポイント:多くの組合は救済命令で勝った瞬間に気を緩めるが、会社の提訴を見たら即座に委員会へ緊急命令を促すべき。委員会は申立てがなければ自動では動かない。ここで動けるかどうかが、命令を生かすか眠らせるかを分ける
Q2緊急命令に従わなかったら、会社はどうなりますか?
緊急命令違反は50万円以下の過料の対象です(32条、最新の改正状況をご確認ください)。刑罰ではなく行政上の制裁ですが、裁判所の命令への不服従という事実が残ります。実務のポイント:過料の額は大企業の体力からすれば小さく、『払って無視』を選ぶ会社も現実にいる。だが緊急命令違反の事実は本案訴訟での裁判官の心証や、対外的な評判に効いてくる。金額の大小だけで効果を測るのは間違いだ
Q3緊急命令が出れば、もう勝ったと考えていいですか?
いいえ。緊急命令はあくまで判決確定までの暫定措置で、本案の勝敗とは別物です。事情が変われば取消し・変更もありえます(27条の20後段)。実務のポイント:緊急命令が出ても本案で会社が勝てば命令は失効する。逆に言えば、緊急命令が出ること自体が会社に『このまま争っても現状維持にはならない』と知らせる圧力になり、本案前の和解を引き出す材料になる。命令は終着点ではなく交渉の起点だ
間違えやすい点 AI による整理
- 救済命令が出れば会社はすぐ従わなければならない、と思っている人が多い。実際は会社が取消訴訟を起こすと命令は事実上宙づりになり、緊急命令の申立てがない限り、会社は判決確定まで何年も命令を放置できる
- 緊急命令という制度の存在は知っていても、それが『自動で出る』ものではない点を見落としている。救済命令を出した労働委員会が申し立てて初めて裁判所が動く。組合や委員会が動かなければ、制度があっても発動しない。知っているだけでは一円の価値もない
- あなたから見れば『命令が出たのだから会社は従って当然』だが、会社から見れば『判決が確定するまで争う権利がある』。この落差の中で、緊急命令を取らずに過ぎた数年が、組合の体力を回復不能なところまで削っていく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性質 | 27条の20:緊急命令(取消訴訟中の暫定的な従命命令) | 27条の12:救済命令(労働委員会の本体命令) 27条の19:取消訴訟の提起(使用者の不服申立て) |
| 主体 | 受訴裁判所が、労働委員会の申立てにより発令 | 労働委員会が職権で発令 使用者が裁判所に提起 |
| 効力の射程 | 判決確定までの暫定的効力(事情変更で取消し・変更可) | 確定すれば終局的、争われると宙づり 係属中は救済命令の実現を事実上停滞させる |
| 不履行の制裁 | 32条の過料(緊急命令違反) | 確定後の不履行も32条の過料 — |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は裁決委員会による不當勞動行為裁決制度を持つが、訴訟係属中の暫定的従命を裁判所に命じさせる装置は日韓ほど明文化されていない。
韓国は中央労働委員会の救済命令に対し訴訟が提起された場合、裁判所が判決確定まで命令の履行を命じる緊急履行命令を持ち、日本の緊急命令と機能的に対応する。
米国は NLRB が不当労働行為事件の最終裁定前に連邦地裁へ暫定的差止命令(injunction)を申し立てられる。緊急命令の母型に相当する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし会社が、団体交渉拒否で出た救済命令を不服として取消訴訟を起こしたら、あなたの組合はどうなる? 何もしなければ、判決が出るまでの数年間、会社は交渉のテーブルにつかなくていい。緊急命令を申し立てるかどうかで、その数年が変わる
- 不当労働行為で解雇され、労働委員会が原職復帰命令を出した。だが会社は即座に取消訴訟。あなたは復帰できないまま、来月の家賃も危うい。緊急命令が出れば、判決を待たずに職場へ戻れる道が開く。動けるのは今のうちだ
- 会社側に立ったあなたは、救済命令を取消訴訟で争うつもりだ。だが組合が緊急命令を申し立ててきた。ここで裁判所の従命命令が出れば、訴訟中でも履行義務が生じ、無視すれば過料が科される
- 団交命令が出た。会社が提訴した。組合が動かなければ、命令は数年眠る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 会社が取消訴訟を提起したことを確認したら、すぐ救済命令を出した労働委員会に連絡し緊急命令の申立てを促す(27条の20は委員会の申立権、組合が直接は申し立てられない)。2. 緊急性を裏づける資料を提供:解雇組合員の生活困窮、組合員数の減少、交渉機会の喪失など、時間が経つほど回復困難になる事情を具体的に。3. 緊急命令が出たら会社の履行状況を記録、不履行は32条の過料の端緒として委員会へ報告。4. 本案訴訟と並行して和解の可能性も探る
訴えられた側:1. 救済命令に取消訴訟を起こした後、組合が緊急命令を申し立ててくる前提で準備。2. 救済命令が支持される蓋然性と緊急性を争い、命令の必要性がないことを裁判所に主張。3. 緊急命令が出た場合はまず履行を検討、違反すれば50万円以下の過料(32条、最新の改正状況をご確認ください)に加え本案での心証悪化を招く。4. 事情が変われば緊急命令の取消し・変更を申し立てられる(27条の20後段)ので状況変化は記録しておく
時効(請求できる期限):緊急命令に固有の時効はない。申立ては使用者が取消訴訟を提起した時から本案判決の確定に至るまでの間に可能(27条の20)。起算点は会社の提訴時、終期は判決確定時。提訴から時間が経つほど緊急性の主張が弱まるため、実務上は提訴確認後すみやかに動くことが鍵
学説
通説:緊急命令は、救済命令の実効性確保と使用者の裁判を受ける権利との調整を、裁判所が蓋然性と緊急性を個別に判断して暫定的従命を命じる弾力的構造で図る制度と理解される。本案の勝敗とは別個の暫定措置であり、事情変更による取消し・変更が認められる点に特徴がある。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)公布、平成17年(2005年)施行 労働組合法改正により不当労働行為審査制度を全面的に整備、従来の緊急命令規定を現行の第27条の20に再編した。命令の取消し・変更を当事者の申立て又は職権で行える点を明確化
改正の年表
- 1.平成16年(2004年)公布・平成17年(2005年)施行 改正:労働組合法改正により不当労働行為審査制度を全面的に整備し、従来の緊急命令規定を現行の第27条の20に再編。命令の取消し・変更を当事者の申立て又は職権で行える点を明確化した。
- 労働組合法 第7条救済命令の根拠となる不当労働行為類型
- 労働組合法 第27条の12緊急命令の対象となる本体の救済命令
- 労働組合法 第27条の19緊急命令の前提となる使用者の取消訴訟提起(前条)
- 労働組合法 第32条緊急命令違反に対する過料の制裁
- 行政事件訴訟法 第25条取消訴訟一般の執行停止との対比、逆方向の暫定措置
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