労働組合法 第25条(中央労働委員会の管轄等)
クイックジャンプ
- 中央労働委員会は、行政執行法人職員の労働関係に係る事件のあつせん、調停、仲裁及び処分(行政執行法人職員が結成し、又は加入する労働組合に関する第五条第一項及び第十一条第一項の規定による処分については、政令で定めるものに限る。)について、専属的に管轄するほか、二以上の都道府県にわたり、又は全国的に重要な問題に係る事件のあつせん、調停、仲裁及び処分について、優先して管轄する。
- 2.中央労働委員会は、第五条第一項、第十一条第一項及び第二十七条の十二第一項の規定による都道府県労働委員会の処分を取り消し、承認し、若しくは変更する完全な権限をもつて再審査し、又はその処分に対する再審査の申立てを却下することができる。この再審査は、都道府県労働委員会の処分の当事者のいずれか一方の申立てに基づいて、又は職権で、行うものとする。
この条文の基本情報
中央労働委員会の管轄等とは何ですか?
定義中央労働委員会の管轄等とは、労働組合法第25条に定められた規定で、「中央労働委員会は、行政執行法人職員の労働関係に係る事件のあつせん、調停、仲裁及び処分(行政執行法人職員が結成し、又は加入する労働組合に関する第五条第一項及び第十…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働組合法第25条(中央労働委員会の管轄等)は、日本の労働組合法に含まれる条文です。
- 労働組合法第25条の条文原文は「中央労働委員会は、行政執行法人職員の労働関係に係る事件のあつせん、調停、仲裁及び処分(行政執行法人職員が結成し、又は加入する労働組合に関する第五条第一項及び第十…」で始まります。
- 労働組合法第25条は第一節 設置、任務及び所掌事務並びに組織等に置かれています。
- 労働組合法の公布日は昭和24年6月1日です。
- 労働組合法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 労働組合法第25条の前の条は労働組合法第24条の2です。
- 労働組合法第25条の次の条は労働組合法第26条です。
- 労働組合法第25条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第25条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174 - 本サイト収録
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第25条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000174/25
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働組合法25条は、中央労働委員会の管轄と再審査を定める。中労委は都道府県労委の処分を取り消し・承認・変更する完全な権限で再審査でき、行政執行法人職員の事件等を専属管轄する。
Q · 都道府県の労働委員会で負けたら、もう中央労働委員会では争えないの?
いいえ、中労委が完全な権限で再審査します
労働組合法25条2項により、都道府県労働委員会の処分に不服があれば、中央労働委員会が「取り消し・承認・変更する完全な権限」をもって再審査します。これは書面の形式チェックではなく、事実認定からやり直す覆審です。再審査は当事者の申立てだけでなく職権でも行えます。なお都道府県労委の処分には、中労委への再審査と裁判所への取消訴訟(同27条の19)という二つの不服申立てルートがあり、いずれも申立期間が短い点に注意が必要です。
解説
職場に労働組合を作った途端、中心メンバーのあなたが理由もなく閑職に飛ばされた、団体交渉を会社が無視し続けている。これは不当労働行為(労働組合法7条)で、あなたは都道府県労働委員会に救済を申し立てられる。だが、そこで棄却されても話は終わらない。25条2項は、中央労働委員会が都道府県労委の処分を取り消し、承認し、若しくは変更する完全な権限をもって再審査できると定めている。つまり地方で負けても、いきなり裁判所に飛び込むのではなく、もう一段上の専門機関にゼロからのやり直しを求める道がある。しかも国の行政執行法人で働く職員の労働紛争は、最初から中央労働委員会が専属で扱い、二つ以上の都道府県にまたがる大型事件も中労委が優先して引き取る。あなたが握っておくべきは、不服があるとき再審査と裁判という二本の道があり、どちらを選ぶかで時間も勝率も立証の組み立ても変わるという事実だ。
法的な位置づけ
労働組合法25条は、中央労働委員会の管轄および再審査権限を定める規定である。1項は行政執行法人職員の労働関係事件等を中労委の専属管轄とし、広域・全国的に重要な事件を優先管轄とする。2項は都道府県労働委員会の処分を取り消し・承認・変更する完全な権限をもって再審査する覆審手続を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.不当労働行為の証拠を時系列で固める 配転辞令・解雇通知・団交申入れと回答の記録など、労働組合法7条に該当する事実の証拠を時系列で保全する。会社側の発言メモや組合への支配介入の経緯も記録する
- 2.正しい窓口に救済を申し立てる 通常は都道府県労働委員会に救済を申し立てる。ただし行政執行法人職員の事件、または二以上の都道府県にわたる広域事件は中央労働委員会が専属・優先管轄するため窓口を確認する
- 3.命令書の交付日から再審査か取消訴訟かを即決 棄却された場合、命令書の交付日を起点に、中央労働委員会への再審査(15日以内)と裁判所への取消訴訟(30日以内)のどちらで攻めるかをその日のうちに決める。再審査は労使実情に踏み込んだ専門審理で費用も比較的軽い
- 4.中労委へ再審査を申し立てる 再審査を選んだ場合、交付日から15日以内に中央労働委員会へ申し立てる。覆審なので、都道府県労委に出し切れなかった証拠や主張を改めて組み立て直し、事実認定の見直しを求める
よくある質問 AI による整理
Q1中央労働委員会とはどんな機関ですか?
不当労働行為の救済や労働争議の調整を担う国の行政委員会です。労働組合法25条で、都道府県労働委員会の処分を再審査する権限と一定事件の専属・優先管轄が与えられています。
Q2不当労働行為の救済申立ての流れは?
まず都道府県労働委員会に救済を申し立て、命令に不服があれば中央労働委員会への再審査か裁判所への取消訴訟を選びます。広域事件や行政執行法人職員は最初から中労委が扱います。
Q3中労委への再審査の申立期限はいつまで?
都道府県労委の救済命令等の交付日から15日以内が原則です(天災等の例外あり)。期限を過ぎると処分が確定し、再審査では争えなくなります。
Q4労働委員会の処分の取消訴訟は何日以内ですか?
命令書の交付日から30日以内です(労働組合法27条の19)。再審査の15日とは別の期限なので、どちらで争うかを早期に決める必要があります。
Q5労働委員会の優先管轄とは何ですか?
二以上の都道府県にわたる事件や全国的に重要な事件について、中央労働委員会が都道府県労委に優先して取り扱える仕組みです。広域の組合潰し等で判断を統一できます。
Q6中労委は職権でも再審査できるのですか?
できます。労働組合法25条2項は、当事者の申立てだけでなく職権による再審査も認めています。労使どちらが仕掛けたかに関わらず中労委の審理に乗る可能性があります。
Q7都道府県労働委員会と中央労働委員会はどう違う?
都道府県労委が原則として初審を担い、中央労委はその処分を完全な権限で再審査する上級機関です。専属・優先管轄事件は中労委が直接扱います。
Q8労働委員会の救済命令に従わないとどうなりますか?
命令が確定すると過料の制裁や違反事実の公表のリスクがあります。不服がある場合は再審査や取消訴訟で期限内に争う必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1都道府県の労働委員会で負けたら、すぐ裁判するしかないんですか?
いいえ、二つの道があります。中央労働委員会への再審査(労働組合法25条2項)と、裁判所への取消訴訟(同27条の19)です。再審査は労使紛争の専門委員会がやり直すので費用も比較的軽く、実情に踏み込んだ判断が期待できます。実務のポイント:再審査と取消訴訟は二者択一で考えがちですが、まず再審査で中労委の判断を得てから、なお不服ならその中労委の処分を相手に取消訴訟を起こす、という二段構えも組める。一審で諦めた人と、この審級構造を知る人とで、最終的な救済が大きく分かれる
Q2再審査って、地方の判断を形だけチェックするだけですよね?
違います。25条2項は中央労働委員会が処分を「取り消し、承認し、若しくは変更する完全な権限」をもって再審査すると定めています。書類の形式チェックではなく、事実認定からやり直せる full の再審理です。実務のポイント:だからこそ、再審査では地方労委に出し切れなかった証拠や主張を改めて組み立て直す価値がある。同じ事件でも、再審査で立証を補強して結論が覆る例は珍しくない。一審の負けを引きずらず、構成し直す姿勢が結果を変える
Q3行政執行法人って何ですか、自分に関係ありますか?
造幣局、国立印刷局など、国の事務を執行する特定の独立行政法人で、そこで働く職員の労働紛争は25条1項により最初から中央労働委員会が専属で扱います。地方労委は通りません。実務のポイント:この専属管轄を知らずに地元の都道府県労委へ駆け込むと、管轄違いで手続がやり直しになり、貴重な時間を失う。自分の勤め先がどの類型の法人かを先に確認しておくだけで、いざという時の初動が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 労働委員会の存在は知っていても、中央労働委員会の再審査が「完全な権限をもつ」やり直しだと知らない人が多い。書面審査で形式チェックするだけだと思われがちだが、25条2項は取消・承認・変更まで踏み込める full の再審理を認めている。一審の事実認定そのものをひっくり返せる場面がある
- 「労働委員会で負けたら、もう裁判しかない」と思い込んでいる人が圧倒的に多いが、これは選択肢を一つ見落とした誤解だ。都道府県労委の処分には、中労委への再審査と裁判所への取消訴訟という二つの不服申立ルートがあり、費用も時間も専門性も別物。最初からどちらかしかないと思って動くと、有利な道を自ら閉ざす
- 中央労働委員会は地方の上級審だから、自分が申し立てなければ動かないと思われている。だが25条2項は、当事者一方の申立てだけでなく職権でも再審査できると定める。労使どちらが仕掛けたかに関わらず、争いが中労委の土俵に乗る可能性がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 争う相手・審判台 | 労組法25条2項:中央労働委員会への再審査(覆審) | 労組法27条の19:裁判所への取消訴訟(司法審査) 労組法27条の12:初審の都道府県労働委員会の救済命令 |
| 申立期限 | 命令書の交付日から15日以内(天災等の例外あり) | 命令書の交付日から30日以内 不当労働行為の日から原則1年以内に申立て |
| 審理の性質 | 取消・承認・変更まで踏み込む完全な権限の再審理、職権でも可 | 処分の適法性を司法が審査、実質的証拠の有無を判断 事実認定と救済命令の発出 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は労働部の裁決委員会が不当労働行為を裁決する。日本の労働委員会+中労委再審査に近い専門機関型だが、二段階の覆審構造は採らない。
韓国も地方労働委員会の初審に対し中央労働委員会の再審があり、日本と最も構造が近い二段階制を採る。
ドイツは労働裁判所(Arbeitsgericht)が労使紛争を直接審理する司法型で、行政委員会による再審査制度を持たない。
米国は全国労働関係委員会(NLRB)が不当労働行為を審査する。日本の労働委員会制度の母体であり、機能的に最も近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 組合を立ち上げた途端、中心メンバーのあなたが遠方の倉庫番に飛ばされたら、どうする? これは典型的な不利益取扱いで不当労働行為。都道府県労委に救済を申し立て、たとえ棄却されても、中央労働委員会の再審査という二の矢が残っている。一審の結果を最終結論だと思い込むのが最大の損だ
- あなたが会社の人事担当で、都道府県労委から組合員を原職に復帰させよという救済命令を受け取った。納得できないなら、命令書の交付から15日以内に中央労働委員会へ再審査を申し立てられる。いきなり裁判より、まず労使紛争に精通した専門委員会で争う方が、争点も主張も組み立てやすい
- 造幣局や国立印刷局のような行政執行法人で働くあなたが労働紛争に巻き込まれた。地方労委は飛ばして、最初から中央労働委員会が専属で扱う。窓口を間違えると手続が空回りする
- 全国チェーンの複数店舗で同時に組合潰しが起きた。二つ以上の都道府県にまたがるこの事件は、中央労働委員会が優先して引き取れる。だが救済命令が出て不服なら、再審査も取消訴訟も日数制限がついて回る。命令書の交付日から数えて、動ける時間は二週間ほどしかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不当労働行為(配転、解雇、団交拒否、組合への支配介入など、労働組合法7条)の証拠を時系列で固める。会社の発言メモ、配転辞令、団交申入れと回答の記録を保全2. まず都道府県労働委員会に救済を申し立てる(広域事件・行政執行法人職員は中労委へ) 3. 棄却された場合、命令書の交付日を起点に、中央労働委員会への再審査と裁判所への取消訴訟のどちらで攻めるかを即決。再審査は労使実情に強く、費用も比較的軽い4. いずれも申立期間が短いので、命令書を受け取ったその日に専門家へ相談する
訴えられた側:1. 都道府県労委から救済命令を受けたら、命令の内容と認定された事実を精査し、争う余地(事実誤認、不当労働行為意思の不存在など)を洗い出す2. 不服なら命令書交付から15日以内に中央労働委員会へ再審査を申し立てる。一審より広い専門的審理で巻き返せる場合がある3. 再審査か取消訴訟かは、立証戦略と確定の遅延コストを天秤にかけて選ぶ4. 命令に従わず確定すると過料や公表のリスクがあるため、争う場合は期限内の申立てを最優先する
時効(請求できる期限):都道府県労働委員会の救済命令等に不服がある場合、中央労働委員会への再審査の申立ては命令書の交付の日から15日以内(天災等の例外あり、最新の改正状況をご確認ください)。裁判所への取消訴訟は命令書の交付の日から30日以内(労働組合法27条の19)。いずれの期限も徒過すると処分が確定し、争えなくなる
学説
通説:労組法25条2項の再審査は、都道府県労委の処分を取消・承認・変更できる完全な権限を伴う覆審であり、事実認定を含めて全面的に見直せる。中労委は当事者の申立てのほか職権でも再審査を開始できる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)公布、平成17年(2005年)施行 不当労働行為審査制度の抜本改正に伴い、中央労働委員会の再審査権限と関連条文の参照(27条の12等)が整理された
- 平成26年(2014年)公布、平成27年(2015年)施行 独立行政法人通則法改正で「特定独立行政法人」が「行政執行法人」へ改称され、1項の専属管轄の対象たる職員の呼称が改められた
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 改正:不当労働行為審査制度の抜本改正に伴い、中央労働委員会の再審査権限と関連条文の参照(27条の12等)が整理された。
- 2.平成26年(2014年) 改正:独立行政法人通則法改正で「特定独立行政法人」が「行政執行法人」へ改称され、1項の専属管轄の対象たる職員の呼称が改められた(施行は平成27年)。
- 労働組合法 第7条不当労働行為、救済・再審査の対象となる実体規定
- 労働組合法 第5条労働組合の資格審査、専属・再審査対象の処分
- 労働組合法 第11条法人である労働組合の登記に関する処分
- 労働組合法 第27条の12救済命令等、再審査の対象となる処分
- 労働組合法 第27条の19救済命令等の取消しの訴え、司法救済への接続
- 行政事件訴訟法 第3条中央労働委員会の処分に対する取消訴訟の根拠
- 労働関係調整法 第10条あっせん・調停・仲裁手続の根拠法(現行条番号は要確認)
- 行政執行法人の労働関係に関する法律 第1条行政執行法人職員の労働関係に関する特則
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める