要点弁護士法 30 条の 13 は、弁護士法人の業務執行社員が各自法人を代表すると定める。代表権の制限は善意の第三者に対抗できず、内部の取り決めで取引相手を害することはできない。
Q · 弁護士法人と契約するとき、目の前の弁護士は本当に事務所全体を縛れるの?
原則、社員は各自が法人を代表できる
弁護士法 30 条の 13 第 1 項により、業務を執行する社員は各自が弁護士法人を代表します。代表社員の権限は裁判上裁判外の一切の行為に及び(第 3 項)、和解も訴訟委任も顧問契約も一人の判断で効力を持ちます。法人が内部で代表権を制限していても、それを知らずに取引した善意の第三者には対抗できません(第 4 項)。定款または総社員の同意で代表を特定の社員に絞ることは可能です(第 2 項)。
弁護士法人と委任契約を結ぶとき、目の前にいる弁護士が本当にその法人を縛れる人物なのか、あなたは確かめたことがあるだろうか。弁護士法 30条の13は、業務を執行する社員が各自で弁護士法人を代表すると定める。つまり原則として、社員である弁護士は一人ひとりが法人全体を縛る契約を結べる。さらに効いてくるのが第4項だ。法人が内部で「この社員の代表権は制限している」と決めていても、それを知らずに取引したあなた(善意の第三者、つまり制限の存在を知らなかった外部の相手)には、その制限を主張できない。事務所内部の取り決めを理由に、後から「あの社員には権限がなかった」と契約を反故にされることはない。第3項により代表社員の権限は裁判上裁判外の一切に及ぶから、和解も訴訟委任も顧問契約も、代表社員一人の判断であなたとの間で効力を持つ。法律事務所を相手にするとき、誰が代表権を持つかは紙の上の建前ではなく、あなたのお金と権利に直結する。
弁護士法 30 条の 13 は弁護士法人の代表に関する規定であり、業務を執行する社員が各自法人を代表することを原則とする。定款または総社員の同意により代表社員を特定でき、代表社員の権限は裁判上裁判外の一切の行為に及ぶ。代表権に加えた制限は善意の第三者に対抗することができない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
弁護士法人を代表する権限を持つ社員のことです。弁護士法 30 条の 13 第 1 項により、業務を執行する社員は原則として各自が代表社員となり、法人を縛る契約を結べます。
代表社員は裁判上裁判外の一切の行為をする権限を有します(30 条の 13 第 3 項)。和解、訴訟委任、顧問契約、覚書の締結まで広く含まれます。
定款で定めるか、総社員の同意で「代表すべき社員」を特定します(30 条の 13 第 2 項)。何もしなければ全社員が各自代表者になります。
ここでは代表権の制限が存在することを知らずに取引した相手方を指します。善意であれば、法人は内部の制限を後から主張できません(第 4 項)。
弁護士法人は持分会社型で各社員が原則代表できる点が特徴です。株式会社は代表取締役に集約されますが、制限が善意の第三者に対抗できない法理(会社法 349 条)は共通します。
登記事項証明書で代表社員や代表権の制限の有無を確認できます。重要な契約の前に取得しておくと、後の権限争いを防げます。
登記や定款で公示されていると相手が制限を「知り得た」と評価され、善意が否定されやすくなります。公示の有無が善意・悪意の分岐点になります。
相手が代表社員か、定款で代表が限定されていないか、必要なら委任状を確認します。記録を残せば、争いになった際の善意の証拠になります。
縛れます。第1項により、業務を執行する社員は年次や経験に関係なく各自が法人を代表します。定款や総社員の同意で代表を特定の社員に絞っていない限り(第2項)、若手社員でも法人全体を契約で縛れます。業界裏話ヒント:実務では大規模法人が代表社員を限定し、その制限を登記していることが多い。重要な契約の前に法人の登記事項証明書で代表社員を確認しておくと後の争いを防げます。相手が代表社員でないと分かれば、委任状を求めればよい。
原則なりません。第4項は、代表権に加えた制限を善意の第三者に対抗できないと定めます。あなたが制限を知らずに取引したなら、法人は後からその制限を盾に契約を否認できません。業界裏話ヒント:ただし『善意』は、制限が登記や定款で公示されていれば崩れやすく、法人側はまずそこを突いてきます。だからこそ契約時に相手の権限を確認した記録があると、あなたの善意がより強固になる。
定款で禁止されていなければ問題ありません。第5項は、代表社員が定款で禁じられていない限り、特定の行為の代理を他人に委任できると定めます。専門的な鑑定や一部の手続を別の弁護士に任せるのは適法です。業界裏話ヒント:気になるなら委任契約書に『再委任には事前の同意を要する』と一文入れておく。法人内部の定款は外から見えないので、契約書で縛るほうが確実に効きます。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 代表のかたち | 弁護士法 30 条の 13:業務執行社員が各自代表(原則) | — |
| 権限の範囲 | 裁判上裁判外の一切の行為(第 3 項) | — |
| 制限の対第三者効 | 制限は善意の第三者に対抗できない(第 4 項) | — |
| 代表の限定方法 | 定款または総社員の同意で代表社員を特定(第 2 項) | — |
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