弁護士法 第30条の13(法人の代表)
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- 弁護士法人の業務を執行する社員は、各自弁護士法人を代表する。
- 2.前項の規定は、定款又は総社員の同意によつて、業務を執行する社員中特に弁護士法人を代表すべき社員を定めることを妨げない。
- 3.弁護士法人を代表する社員は、弁護士法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
- 4.前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
- 5.弁護士法人を代表する社員は、定款によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。
この条文の基本情報
法人の代表とは何ですか?
定義法人の代表とは、弁護士法第30条の13に定められた規定で、「弁護士法人の業務を執行する社員は、各自弁護士法人を代表する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第30条の13(法人の代表)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第30条の13の条文原文は「弁護士法人の業務を執行する社員は、各自弁護士法人を代表する。」で始まります。
- 弁護士法第30条の13は第四章の二 弁護士法人に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第30条の13の前の条は弁護士法第30条の12です。
- 弁護士法第30条の13の次の条は弁護士法第30条の14です。
- 弁護士法第30条の13には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第30条の13 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第30条の13(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/30_13
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法30条の13は、弁護士法人の業務執行社員が各自法人を代表すると定める。代表権の制限は善意の第三者に対抗できず、内部の取り決めで取引相手を害することはできない。
Q · 弁護士法人と契約するとき、目の前の弁護士は本当に事務所全体を縛れるの?
原則、社員は各自が法人を代表できる
弁護士法30条の13第1項により、業務を執行する社員は各自が弁護士法人を代表します。代表社員の権限は裁判上裁判外の一切の行為に及び(第3項)、和解も訴訟委任も顧問契約も一人の判断で効力を持ちます。法人が内部で代表権を制限していても、それを知らずに取引した善意の第三者には対抗できません(第4項)。定款または総社員の同意で代表を特定の社員に絞ることは可能です(第2項)。
解説
弁護士法人と委任契約を結ぶとき、目の前にいる弁護士が本当にその法人を縛れる人物なのか、あなたは確かめたことがあるだろうか。弁護士法30条の13は、業務を執行する社員が各自で弁護士法人を代表すると定める。つまり原則として、社員である弁護士は一人ひとりが法人全体を縛る契約を結べる。さらに効いてくるのが第4項だ。法人が内部で「この社員の代表権は制限している」と決めていても、それを知らずに取引したあなた(善意の第三者、つまり制限の存在を知らなかった外部の相手)には、その制限を主張できない。事務所内部の取り決めを理由に、後から「あの社員には権限がなかった」と契約を反故にされることはない。第3項により代表社員の権限は裁判上裁判外の一切に及ぶから、和解も訴訟委任も顧問契約も、代表社員一人の判断であなたとの間で効力を持つ。法律事務所を相手にするとき、誰が代表権を持つかは紙の上の建前ではなく、あなたのお金と権利に直結する。
法的な位置づけ
弁護士法30条の13は弁護士法人の代表に関する規定であり、業務を執行する社員が各自法人を代表することを原則とする。定款または総社員の同意により代表社員を特定でき、代表社員の権限は裁判上裁判外の一切の行為に及ぶ。代表権に加えた制限は善意の第三者に対抗することができない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相手が代表社員かを確認する 弁護士法人と契約する前に、目の前の弁護士が業務執行社員・代表社員かを確認する。名刺の肩書だけで判断せず、可能なら法人登記事項証明書で代表社員を照合する
- 2.代表権の制限の有無を調べる 定款や登記で代表権が特定の社員に限定されていないかを確認する。限定がある場合、担当者が代表社員でなければ委任状を求める。制限が公示されていれば、後から自分の善意が否定されるリスクを把握しておく
- 3.契約書に相手の肩書と委任の根拠を明記する 契約書の冒頭で相手方を「代表社員」と明記し、委任状や総社員の同意書の写しを一枚もらう。これで万一争われても、自分が善意で取引したことを示す証拠を先に固められる
- 4.後出しの権限否認に備えて記録を保全する 名刺、メール、委任状など、相手を代表者と信じた根拠を時系列で保全する。法人が後から「代表権の制限があった」と主張してきたら、制限が登記・定款で公示されていたかを真っ先に確認し、公示がなければ第4項で対抗できないと反論する
よくある質問 AI による整理
Q1代表社員とは何ですか?
弁護士法人を代表する権限を持つ社員のことです。弁護士法30条の13第1項により、業務を執行する社員は原則として各自が代表社員となり、法人を縛る契約を結べます。
Q2弁護士法人の代表権はどこまで及びますか?
代表社員は裁判上裁判外の一切の行為をする権限を有します(30条の13第3項)。和解、訴訟委任、顧問契約、覚書の締結まで広く含まれます。
Q3弁護士法人の代表を一人に限定するには?
定款で定めるか、総社員の同意で「代表すべき社員」を特定します(30条の13第2項)。何もしなければ全社員が各自代表者になります。
Q4善意の第三者とはどういう意味ですか?
ここでは代表権の制限が存在することを知らずに取引した相手方を指します。善意であれば、法人は内部の制限を後から主張できません(第4項)。
Q5弁護士法人と株式会社の代表は違いますか?
弁護士法人は持分会社型で各社員が原則代表できる点が特徴です。株式会社は代表取締役に集約されますが、制限が善意の第三者に対抗できない法理(会社法349条)は共通します。
Q6弁護士法人の登記で代表社員を確認できますか?
登記事項証明書で代表社員や代表権の制限の有無を確認できます。重要な契約の前に取得しておくと、後の権限争いを防げます。
Q7代表権の制限は登記すれば第三者に対抗できますか?
登記や定款で公示されていると相手が制限を「知り得た」と評価され、善意が否定されやすくなります。公示の有無が善意・悪意の分岐点になります。
Q8弁護士法人と契約する前に何を確認すべきですか?
相手が代表社員か、定款で代表が限定されていないか、必要なら委任状を確認します。記録を残せば、争いになった際の善意の証拠になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士法人の若手の社員弁護士と契約しても、ちゃんと事務所を縛れるんですか?
縛れます。第1項により、業務を執行する社員は年次や経験に関係なく各自が法人を代表します。定款や総社員の同意で代表を特定の社員に絞っていない限り(第2項)、若手社員でも法人全体を契約で縛れます。実務のポイント:実務では大規模法人が代表社員を限定し、その制限を登記していることが多い。重要な契約の前に法人の登記事項証明書で代表社員を確認しておくと後の争いを防げます。相手が代表社員でないと分かれば、委任状を求めればよい。
Q2事務所が『あの弁護士には権限がなかった』と言ってきたら、契約はなかったことになりますか?
原則なりません。第4項は、代表権に加えた制限を善意の第三者に対抗できないと定めます。あなたが制限を知らずに取引したなら、法人は後からその制限を盾に契約を否認できません。実務のポイント:ただし『善意』は、制限が登記や定款で公示されていれば崩れやすく、法人側はまずそこを突いてきます。だからこそ契約時に相手の権限を確認した記録があると、あなたの善意がより強固になる。
Q3委任した弁護士が、別の弁護士に勝手に仕事を回していました。これは問題ないんですか?
定款で禁止されていなければ問題ありません。第5項は、代表社員が定款で禁じられていない限り、特定の行為の代理を他人に委任できると定めます。専門的な鑑定や一部の手続を別の弁護士に任せるのは適法です。実務のポイント:気になるなら委任契約書に『再委任には事前の同意を要する』と一文入れておく。法人内部の定款は外から見えないので、契約書で縛るほうが確実に効きます。
間違えやすい点 AI による整理
- 代表権の制限が善意の第三者に対抗できないことは知っていても、その「善意」が崩れる怖さまでは見えていない。制限が登記や定款で公示されていれば「知り得た」と評価されかねず、善意が覆ることがある。保護されると安心していた射程を、多くの人は過大に見積もっている
- 「弁護士法人なら代表者は社長のように一人だけ」と思いがちだが、原則は逆である。業務を執行する社員は各自が法人を代表する(第1項)。代表を一人に絞るには、定款または総社員の同意という積極的な手続が要る(第2項)。何もしなければ全員が代表者だ
- 「担当弁護士に代表権があったか」を心配する人は多いが、その問いの立て方自体がずれていることがある。あなたが守られるかを決めるのは、相手に代表権があったかではなく、あなたが制限を知らなかったか(善意か)である。問うべき先は相手の権限ではなく、あなた自身の認識状態だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 代表のかたち | 弁護士法30条の13:業務執行社員が各自代表(原則) | 会社法599:持分会社の業務執行社員が各自代表 会社法349:株式会社は代表取締役に集約 |
| 権限の範囲 | 裁判上裁判外の一切の行為(第3項) | 持分会社の業務に関する一切の裁判上裁判外の行為 株式会社の業務に関する一切の裁判上裁判外の行為 |
| 制限の対第三者効 | 制限は善意の第三者に対抗できない(第4項) | 制限は善意の第三者に対抗できない(会社法599条5項) 制限は善意の第三者に対抗できない(会社法349条5項) |
| 代表の限定方法 | 定款または総社員の同意で代表社員を特定(第2項) | 定款または社員の互選等で代表社員を特定 定款・株主総会・取締役会で代表取締役を選定 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も無限公司の各股東が原則代表でき、代表権の制限は善意の第三者に対抗できないとする点で同趣旨。律師法人にも準用的に妥当する。
ドイツ OHG では各社員が代表権を有し、その範囲の制限は第三者に対して無効とされる。本条の母法的な構造に当たる。
米国の partnership では各 partner が agent として法人を拘束でき、権限制限は第三者が知らない限り対抗できない。日本の善意の第三者保護と機能的に類似する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 弁護士法人に債権回収を委任し、担当社員と相手方との和解がまとまった。後日、法人が「和解に応じた社員には代表権の制限があった」と言い出したら、その和解は無効になるのか。第4項により、あなたが制限を知らなかったなら法人はそれをあなたに対抗できず、和解はあなたとの間で有効に成立している
- あなたが弁護士法人の社員弁護士で、定款上は代表権が特定の社員に限定されている。それを忘れて外部の取引先と契約を結んでしまった。法人内部ではあなたの越権だが、相手が善意なら法人は契約を履行する義務を負い、あなたは法人内部で責任を問われる側に回る
- 弁護士法人が訴訟代理を受任した。担当の代表社員が、専門的な鑑定を別の弁護士に再委任した。定款で禁止されていなければ、第5項によりこの再委任は適法である
- 顧問契約を結んだ会社のあなた。担当社員が独断で結んだ高額の覚書を、法人が「権限外だ」と否認してきた。反論の準備期間はわずか数日。あなたが契約時に制限を知り得たか、つまり善意の要件を満たすかが、覚書の生死を分ける唯一の争点になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約や和解をした相手の社員が、契約時にどの肩書だったかを記録から確認する2. 法人が「代表権の制限があった」と主張してきたら、その制限が登記や定款で公示され、あなたが知り得たかを争点に据える3. 公示がなく、あなたが制限を知らなかったなら、第4項により法人はあなたに対抗できない。契約は有効だと主張する4. 名刺、メール、委任状など、相手を代表者と信じた根拠を時系列で保全する
訴えられた側:1. あなたが法人側なら、代表権の制限を主張する前に、その制限が定款・登記で公示されていたか、相手が悪意または有過失だったかを検証する2. どちらも示せないなら第4項により対抗は通らない。早期の履行や和解を検討する3. あなたが越権した社員側なら、対外的には法人が責任を負うが、内部では損害賠償や懲戒の対象になりうる。指示系統と経緯の記録を残す
時効(請求できる期限):代表権の制限を対抗できるかという論点そのものに固有の時効はない。ただし争いが契約の有効性や損害賠償に及ぶ場合、その債権は権利を行使できると知った時から5年、または権利を行使できる時から10年で消滅する(民法166条)。起算点は問題となる契約・債権ごとに判断する
学説
通説:30条の13は持分会社(会社法599条)と同趣旨の代表法理を弁護士法人に及ぼす規定であり、代表権の制限を善意の第三者に対抗できないとする第4項は、取引安全と外観保護のための強行的な安全装置と理解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年) 弁護士法人制度の創設に伴い新設された規定であると解されるが、その後の会社法制定(平成17年)等に伴う技術的改正の有無を含め、具体的な改正回数は要検証
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:弁護士法人制度の創設に伴い新設された規定であると解される。各社員の代表権、代表社員の限定、代表権の範囲、制限の対第三者効、再委任を一括して規定。具体的な改正経緯は要検証。
- 弁護士法 第30条の12社員の業務執行権限の定め(現行効力を要確認)
- 弁護士法 第30条の2弁護士法人の設立根拠規定
- 弁護士法 第30条の30会社法等の準用規定(現行効力を要確認)
- 会社法 第599条持分会社の代表に関する同趣旨の規定
- 会社法 第349条株式会社の代表権制限の対第三者効に関する対応規定
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