要点弁護士法30条の14は、弁護士法人が特定の事件の担当社員(指定社員)を指定でき、指定事件では指定社員のみが業務執行・代表権を持つと定める。指定時は依頼者への書面通知を要する。
Q · 弁護士法人から届いた『指定社員のお知らせ』って、ただの担当者通知じゃないの?
違います。賠償時に追える相手を絞る通知です
弁護士法30条の14により、弁護士法人は特定の事件について業務を担当する指定社員を定められます。指定事件では指定社員のみが業務を執行・代表し(2項・3項)、責任もその社員に集約されます。法人は依頼者に書面で通知する義務があり(4項)、依頼者は相当の期間を定めて指定の有無を問い詰める催告権を持ちます(5項)。法人が期限内に通知しなければ以後は指定できず、全社員が責任を負う側に固定されます。
弁護士法人に事件を頼むと、ある日「業務を担当する社員を○○と指定しました」という書面が届く。多くの依頼者はファイルに綴じて忘れる。だがこの一枚が、後で事務所が賠償金を払えなくなったとき、あなたが誰の個人財産を差し押さえられるかを決めている。弁護士法人の社員は本来、事務所の資産で足りなければ全員が無限の連帯責任を負う(30条の15)。ところが特定の事件に「指定社員」が定められると、その事件で個人責任を負うのは指定された社員だけになり、他の社員は原則として外れる。つまり指定通知は、依頼者の側から見れば「追える相手を絞り込む宣言」でもある。逆に、事務所が期限内に指定しなければ全社員が責任を負う側に回る。あなたには、相当の期間を定めて「指定するのかしないのか」を問い詰める権利がある(5項)。その一通の催告が、いざというときの回収相手の数を左右する。
弁護士法30条の14は指定社員制度を定める規定であり、弁護士法人が特定の事件について業務を担当する社員を指定でき、指定事件では指定社員のみが業務執行権と代表権を有する旨を規定する。指定時には依頼者への書面通知を要し、社員の無限連帯責任(30条の15)が及ぶ範囲を画する機能を持つ。
AI 輔助整理,以條文原文為準
弁護士法人が特定の事件について業務を担当するよう指定した社員です(弁護士法30条の14第1項)。指定事件ではその指定社員だけが業務を執行し、法人を代表し、責任を負います。
原則として社員は事務所の資産で足りなければ無限連帯責任を負います(30条の15)。ただし指定社員制度が使われた事件では、個人責任を負うのは指定された社員だけに絞られます。
依頼者は相当の期間を定め、指定するかどうかを明らかにするよう催告できます(30条の14第5項)。法人が期限内に通知しなければ、以後は指定できず全社員が責任を負います。
その唯一の社員が自動的に指定社員とみなされます(30条の14第7項)。『指定していないから責任は限定される』という言い分は一人法人には通じません。
指定事件では指定社員のみが無限責任を負い、他の社員の私財には原則手が届きません。指定がない事件は全社員が無限連帯責任を負います。
委任事務の結了前に指定社員が欠けたときは法人が再指定する義務があり(6項)、再指定がなければ全社員が指定されたものとみなされます。
あります。司法書士法人・税理士法人・行政書士法人にもほぼ同じ指定社員の仕組みがあり、追える相手が指定者に絞られる構造は共通です。
回収できる相手が絞られる点では不利になり得ます。ただし書面通知(4項)と催告権(5項)により『誰を追えるか』の透明性が確保されています。
必ずしもそうとは限りません。弁護士法人の社員は、事務所の資産で足りなければ個人で無限連帯責任を負います(30条の15)。ただし指定社員制度(本条)が使われた事件では、個人責任を負うのは指定された社員だけに絞られます。業界裏話ヒント:規模の大きい事務所ほど指定社員を絞る運用が一般的で、依頼者から見れば「法人だから誰でも追える」わけではない。着手前に指定予定を聞いておくと、回収可能性が読める
事務連絡に見えますが、法的にはあなたが将来賠償を追える相手の範囲を画定する書面です(本条4項)。指定された社員だけが指定事件を代表し、責任もその社員に集約されます。業界裏話ヒント:通知が来ないまま事件が進んでいる場合、5項の催告を打てる。法人が期限内に指定しなければ、その後は指定できず全社員が責任側に回る。これを知っているかどうかで、いざという時に追える相手の数が変わる
委任事務が終わる前に指定社員が欠けたときは、法人が新たに指定し直す義務があります(本条6項)。再指定がされなければ、全社員が指定されたものとみなされ、結果的にあなたが追える相手は広がります。業界裏話ヒント:担当社員の退所や死亡は依頼者に不利になりがちだが、この「再指定しなければ全社員が責任を負う」ルールは依頼者側の隠れた安全弁。事務所が再指定を急ぐのは、責任拡大を避けたいからでもある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 30条の14:指定社員制度(特定事件の担当社員の指定) | — |
| 責任を負う者 | 指定事件は指定社員のみが業務執行・責任を負う | — |
| 依頼者から見た効果 | 追える相手を指定社員に絞る(書面通知 + 催告権) | — |
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