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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 8 分8 分8 分

弁護士法 第30条の14(指定社員)

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  1. 弁護士法人は、特定の事件について、業務を担当する社員を指定することができる。
  2. 2.前項の規定による指定がされた事件(以下「指定事件」という。)については、指定を受けた社員(以下「指定社員」という。)のみが業務を執行する権利を有し、義務を負う。
  3. 3.指定事件については、前条の規定にかかわらず、指定社員のみが弁護士法人を代表する。
  4. 4.弁護士法人は、第一項の規定による指定をしたときは、指定事件の依頼者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
  5. 5.依頼者は、その依頼に係る事件について、弁護士法人に対して、相当の期間を定め、その期間内に第一項の規定による指定をするかどうかを明らかにすることを求めることができる。この場合において、弁護士法人が、その期間内に前項の通知をしないときは、弁護士法人は、その後において、指定をすることができない。ただし、依頼者の同意を得て指定をすることを妨げない。
  6. 6.指定事件について、委任事務の結了前に指定社員が欠けたときは、弁護士法人は、新たな指定をしなければならない。その指定がされなかつたときは、全社員を指定したものとみなす。
  7. 7.社員が一人の弁護士法人が、事件の依頼を受けたときは、その社員を指定したものとみなす。

この条文の基本情報

指定社員とは何ですか?

定義指定社員とは、弁護士法第30条の14に定められた規定で、「弁護士法人は、特定の事件について、業務を担当する社員を指定することができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 弁護士法第30条の14(指定社員)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
  2. 弁護士法第30条の14の条文原文は「弁護士法人は、特定の事件について、業務を担当する社員を指定することができる。」で始まります。
  3. 弁護士法第30条の14は第四章の二 弁護士法人に置かれています。
  4. 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
  5. 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 弁護士法第30条の14の前の条は弁護士法第30条の13です。
  7. 弁護士法第30条の14の次の条は弁護士法第30条の15です。
  8. 弁護士法第30条の14には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第30条の14
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205
  • 本サイト収録弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第30条の14(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/30_14

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点弁護士法30条の14は、弁護士法人が特定の事件の担当社員(指定社員)を指定でき、指定事件では指定社員のみが業務執行・代表権を持つと定める。指定時は依頼者への書面通知を要する。

Q · 弁護士法人から届いた『指定社員のお知らせ』って、ただの担当者通知じゃないの?

違います。賠償時に追える相手を絞る通知です

弁護士法30条の14により、弁護士法人は特定の事件について業務を担当する指定社員を定められます。指定事件では指定社員のみが業務を執行・代表し(2項・3項)、責任もその社員に集約されます。法人は依頼者に書面で通知する義務があり(4項)、依頼者は相当の期間を定めて指定の有無を問い詰める催告権を持ちます(5項)。法人が期限内に通知しなければ以後は指定できず、全社員が責任を負う側に固定されます。

解説

弁護士法人に事件を頼むと、ある日「業務を担当する社員を○○と指定しました」という書面が届く。多くの依頼者はファイルに綴じて忘れる。だがこの一枚が、後で事務所が賠償金を払えなくなったとき、あなたが誰の個人財産を差し押さえられるかを決めている。弁護士法人の社員は本来、事務所の資産で足りなければ全員が無限の連帯責任を負う(30条の15)。ところが特定の事件に「指定社員」が定められると、その事件で個人責任を負うのは指定された社員だけになり、他の社員は原則として外れる。つまり指定通知は、依頼者の側から見れば「追える相手を絞り込む宣言」でもある。逆に、事務所が期限内に指定しなければ全社員が責任を負う側に回る。あなたには、相当の期間を定めて「指定するのかしないのか」を問い詰める権利がある(5項)。その一通の催告が、いざというときの回収相手の数を左右する。

法的な位置づけ

弁護士法30条の14は指定社員制度を定める規定であり、弁護士法人が特定の事件について業務を担当する社員を指定でき、指定事件では指定社員のみが業務執行権と代表権を有する旨を規定する。指定時には依頼者への書面通知を要し、社員の無限連帯責任(30条の15)が及ぶ範囲を画する機能を持つ。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.受け取った指定通知書を確認する 弁護士法人から届いた書面のうち『業務を担当する社員を指定しました』という通知を探し出し、指定社員が誰か、何人かを確認する。これがいざというとき個人責任を追える相手の範囲になる
  2. 2.通知が来ていなければ催告書を出す 事件が進んでいるのに指定通知が見当たらない場合、相当の期間を定めて『指定するかどうかを明らかにせよ』と書面で催告する(5項)。法人が期限内に通知しなければ、以後は指定できず全社員が責任を負う側に固定される
  3. 3.賠償が必要なら指定社員の私財を検討する 事務所の資産で賠償が足りない場合、指定社員個人への請求(30条の15の無限連帯責任)を検討する。指定通知が出ていない、または期限内になかった場合は全社員を相手にできる可能性を主張する
  4. 4.弁護士賠償責任保険の有無を確認する 回収の実効性を高めるため、当該弁護士法人・指定社員が弁護士賠償責任保険に加入しているかを確認する。保険の有無は最終的な回収可能性を大きく左右する

よくある質問 AI による整理

Q1指定社員とは何ですか?

弁護士法人が特定の事件について業務を担当するよう指定した社員です(弁護士法30条の14第1項)。指定事件ではその指定社員だけが業務を執行し、法人を代表し、責任を負います。

Q2弁護士法人の社員は責任を負いますか?

原則として社員は事務所の資産で足りなければ無限連帯責任を負います(30条の15)。ただし指定社員制度が使われた事件では、個人責任を負うのは指定された社員だけに絞られます。

Q3指定社員の通知が来ない場合どうすればいいですか?

依頼者は相当の期間を定め、指定するかどうかを明らかにするよう催告できます(30条の14第5項)。法人が期限内に通知しなければ、以後は指定できず全社員が責任を負います。

Q4社員が一人の弁護士法人でも指定社員はいますか?

その唯一の社員が自動的に指定社員とみなされます(30条の14第7項)。『指定していないから責任は限定される』という言い分は一人法人には通じません。

Q5指定社員と通常の社員の責任の違いは?

指定事件では指定社員のみが無限責任を負い、他の社員の私財には原則手が届きません。指定がない事件は全社員が無限連帯責任を負います。

Q6担当の指定社員が辞めたら事件はどうなりますか?

委任事務の結了前に指定社員が欠けたときは法人が再指定する義務があり(6項)、再指定がなければ全社員が指定されたものとみなされます。

Q7司法書士法人や税理士法人にも指定社員はありますか?

あります。司法書士法人・税理士法人・行政書士法人にもほぼ同じ指定社員の仕組みがあり、追える相手が指定者に絞られる構造は共通です。

Q8指定社員制度は依頼者に不利ですか?

回収できる相手が絞られる点では不利になり得ます。ただし書面通知(4項)と催告権(5項)により『誰を追えるか』の透明性が確保されています。

この条文についての質問 AI による整理

Q1弁護士法人に頼めば、個人の弁護士より安心なんですよね?

必ずしもそうとは限りません。弁護士法人の社員は、事務所の資産で足りなければ個人で無限連帯責任を負います(30条の15)。ただし指定社員制度(本条)が使われた事件では、個人責任を負うのは指定された社員だけに絞られます。実務のポイント:規模の大きい事務所ほど指定社員を絞る運用が一般的で、依頼者から見れば「法人だから誰でも追える」わけではない。着手前に指定予定を聞いておくと、回収可能性が読める

Q2指定通知書って、ただの担当者のお知らせじゃないんですか?

事務連絡に見えますが、法的にはあなたが将来賠償を追える相手の範囲を画定する書面です(本条4項)。指定された社員だけが指定事件を代表し、責任もその社員に集約されます。実務のポイント:通知が来ないまま事件が進んでいる場合、5項の催告を打てる。法人が期限内に指定しなければ、その後は指定できず全社員が責任側に回る。これを知っているかどうかで、いざという時に追える相手の数が変わる

Q3担当の先生が途中で辞めたら、私の事件はどうなりますか?

委任事務が終わる前に指定社員が欠けたときは、法人が新たに指定し直す義務があります(本条6項)。再指定がされなければ、全社員が指定されたものとみなされ、結果的にあなたが追える相手は広がります。実務のポイント:担当社員の退所や死亡は依頼者に不利になりがちだが、この「再指定しなければ全社員が責任を負う」ルールは依頼者側の隠れた安全弁。事務所が再指定を急ぐのは、責任拡大を避けたいからでもある

間違えやすい点 AI による整理

  • 「法人に頼んだのだから、事務所全体が責任を取ってくれる」と思いがちだが、指定社員制度が使われた事件では、個人として無限責任を負うのは指定された社員だけ。事務所の他の社員の私財には、原則として手が届かない
  • 指定通知が来ること自体は知っていても、それが「あなたが将来追える相手を絞る効果を持つ」ことまで意識している依頼者はほぼいない。受け取って棚に戻したその瞬間に、回収リスクの構造はもう変わっている
  • あなたから見れば「担当者を知らせる事務連絡」だが、法人から見れば「社員の私財をどこまで晒すかを画定する経営判断」である。この温度差に気づかないまま受領すると、いざ賠償の段階で追える相手が想定より少ないことに、後で気づくことになる
比較の観点この条文ほかの条文
規律する内容30条の14:指定社員制度(特定事件の担当社員の指定)30条の15:社員の無限連帯責任の範囲
30条の13:弁護士法人の代表(原則)
責任を負う者指定事件は指定社員のみが業務執行・責任を負う事務所資産で足りなければ社員が無限連帯責任
原則として各社員が法人を代表
依頼者から見た効果追える相手を指定社員に絞る(書面通知 + 催告権)指定がない事件では全社員の私財を追える
指定により代表権が指定社員に集約される

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国 律師法(法人律師事務所制度)

台湾も律師事務所の法人化を認めるが、日本のような事件単位の『指定社員』による責任集約をどこまで明文化しているかは人的検証が必要。

韓国
대한민국 변호사법(법무법인 담당변호사)

韓国の法務法人にも担当弁護士の指定制度があり、責任を担当者に集約する構造は日本と類似する。

ドイツ
PartGG § 8 Abs. 4(Partnerschaft mit beschränkter Berufshaftung)

ドイツの PartGmbB は、職業上の過誤責任を実際に事務処理を担当したパートナーに限定する点で、指定社員制度と機能的に近い。

アメリカ
Limited Liability Partnership(LLP)

米国の LLP は、各パートナーを他のパートナーの過誤責任から遮断する。州ごとに範囲は異なるが、責任の個別化という発想は共通する。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、あなたが頼んだ弁護士法人がミスをして数千万円の損害が出たのに、事務所にはほとんど資産が残っていなかったら、誰の個人財産を追える? 答えは届いた指定通知書次第だ。指定社員が一人なら、追えるのは原則その一人の私財だけになる
  • 事件を依頼したのに、半年経っても誰が担当社員か曖昧なまま放置されている。あなたは「相当の期間を定めて指定するかどうか明らかにせよ」と書面で迫れる(5項)。事務所が期限内に答えなければ、その後はもう指定できず、全社員が責任を負う側に固定される
  • あなたが弁護士法人の社員で、同僚が担当する案件で重大なミスが出た。指定社員に自分の名がなければ、その事件の賠償責任は原則あなたに及ばない。指定の有無が、あなたの私財を守る盾になる
  • 社員が一人だけの弁護士法人に依頼したら、指定通知が来なくても、その唯一の社員が自動的に指定社員とみなされる(7項)。「うちは指定していないから責任は限定されている」という言い訳は、一人法人には通じない

取るべき行動

被害を受けた側:1. まず受け取った指定通知書を探し出し、指定社員が誰か、何人かを確認する。これが追える相手の範囲だ2. 事務所の資産で賠償が足りるか見極め、足りなければ指定社員個人への請求(30条の15の無限連帯責任)を検討する3. 指定通知が見当たらない、または期限内に出ていなかった場合は、全社員を相手にできる可能性があるので主張する4. 並行して弁護士賠償責任保険の有無を確認し、回収の実効性を上げる

訴えられた側:1. 自分が指定社員に含まれているかをまず確認、含まれていなければ当該事件の個人責任は原則及ばない2. 依頼者への書面通知(4項)が適正に行われたかを点検する。通知漏れは指定の効力に響く3. 委任事務の途中で指定社員が欠けたら速やかに新たな指定を出す。怠ると全社員が指定されたとみなされ全員が責任を負う(6項) 4. 紛争化したら、指定の経緯と通知記録を時系列で保全する

時効(請求できる期限):本条固有の期限として、依頼者は「相当の期間」を定めて指定の有無の回答を求められ、法人がその期間内に通知しなければ以後の指定権を失う(5項)。委任事務の結了前に指定社員が欠けた場合は速やかな再指定が必要で、怠れば全社員が指定されたものとみなされる(6項)。賠償請求権自体の時効は、債務不履行構成なら権利を行使できると知った時から5年・行使可能時から10年(民法166条)、不法行為構成なら損害および加害者を知った時から3年(民法724条)(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:弁護士法30条の14の指定社員制度は、社員の無限連帯責任(30条の15)を前提としつつ、特定事件の責任を実際に担当する社員へ集約することで専門職法人の参画意欲を確保し、依頼者には書面通知(4項)と催告権(5項)により『追える相手』の透明性を保障する手続的設計であると理解されている。

改正沿革 AI による整理

  • 平成13年(2001年)改正 弁護士法人制度の創設に伴い新設された条文。それ以前は弁護士は個人としてのみ業務を行い、法人形態が存在しなかった。指定社員制度はこの法人化とセットで導入された。なお一人法人の取扱い等を含む後続改正の有無は人的検証が必要

改正の年表

  1. 1.平成13年(2001年) 新設:弁護士法人制度の創設に伴い新設された条文。それ以前は弁護士は個人としてのみ業務を行い、法人形態が存在しなかった。指定社員制度はこの法人化とセットで導入された。後続の改正・一人法人取扱い等の詳細は人的検証が必要。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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