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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 7 分7 分7 分

弁護士法 第30条の19(他の弁護士法人等への加入の禁止等)

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  1. 弁護士法人の社員は、他の弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員となつてはならない。
  2. 2.弁護士法人の社員は、他の社員の承諾がなければ、自己又は第三者のために、その弁護士法人の業務の範囲に属する業務を行つてはならない。ただし、法令により官公署の委嘱した事項を行うときは、この限りでない。
  3. 3.弁護士法人の社員が前項の規定に違反して自己又は第三者のためにその弁護士法人の業務の範囲に属する業務を行つたときは、当該業務によつて当該社員又は第三者が得た利益の額は、弁護士法人に生じた損害の額と推定する。

この条文の基本情報

他の弁護士法人等への加入の禁止等とは何ですか?

定義他の弁護士法人等への加入の禁止等とは、弁護士法第30条の19に定められた規定で、「弁護士法人の社員は、他の弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員となつてはならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 弁護士法第30条の19(他の弁護士法人等への加入の禁止等)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
  2. 弁護士法第30条の19の条文原文は「弁護士法人の社員は、他の弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員となつてはならない。」で始まります。
  3. 弁護士法第30条の19は第四章の二 弁護士法人に置かれています。
  4. 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
  5. 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 弁護士法第30条の19の前の条は弁護士法第30条の18です。
  7. 弁護士法第30条の19の次の条は弁護士法第30条の20です。
  8. 弁護士法第30条の19には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第30条の19
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205
  • 本サイト収録弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第30条の19(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/30_19

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点弁護士法30条の19は弁護士法人の社員の競業避止義務を定め、他の社員の承諾なく法人の業務範囲の業務を行うと、得た利益の額が法人の損害額と推定される。

Q · 弁護士法人の社員が、こっそり個人で案件を受けたらどうなるの?

儲けた額がそのまま法人への損害額と推定されます

弁護士法30条の19第2項により、社員は他の社員の承諾がなければ法人の業務範囲に属する業務を行えません。官公署の委嘱事項だけが例外です。無断で競業した場合、第3項により、社員または第三者がその業務で得た利益の額が、そのまま法人に生じた損害額と推定されます。つまり法人側は損害額を一から立証する必要がなく、社員が儲けた額を示せば、それが損害として通ります。この立証責任の裏返しが本条最大の牙です。

解説

弁護士法人に社員として加わった日、あなたが署名した定款の裏では、三重の縛りが静かに効き始める。第一に、別の弁護士法人や弁護士・外国法事務弁護士共同法人へ二重に社員として加わることはできない。第二に、他の社員全員の承諾がなければ、自分のためでも第三者のためでも、その法人の業務範囲に属する仕事を勝手に受けてはならない。官公署からの委嘱事項だけが例外だ。そして第三項が本当の牙である。承諾なしに競業してしまえば、あなたや第三者がそれで得た利益の額が、そのまま法人に生じた損害額と推定される。つまり法人側は損害がいくらかを一から立証しなくていい。あなたが儲けた額を突きつければ、それが損害として通る。この立証責任の裏返しを知らずに個人案件を受ける社員は、後で儲け全額を持っていかれる。

法的な位置づけ

弁護士法30条の19は、弁護士法人の社員の競業避止義務を定める規定である。社員は他の弁護士法人または弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員となることが禁じられ、他の社員の承諾がなければ自己または第三者のために法人の業務範囲に属する業務を行えない。違反した場合、当該業務によって得た利益の額が法人に生じた損害の額と推定される。

手順

  1. 1.個人受任の話が来たら、受ける前に業務範囲を判定 依頼が法人の定款記載業務や現に行う法律事務と同じ範囲に属するかを確認する。弁護士業務は包括的で範囲内と判断されやすいため、迷ったら範囲内と仮定して次のステップに進む
  2. 2.受任の返事より先に、全社員の書面承諾を取る 第2項は他の社員の承諾を要求し、一人でも反対すれば競業できない。受任後では二項違反と三項の推定が同時に効くため、承諾は必ず事前に、書面で取得する
  3. 3.官公署の委嘱事項かを確認し、例外該当を記録 法令により官公署から委嘱された事項であれば第2項ただし書の例外に当たり承諾は不要。該当する場合は委嘱の根拠法令と通知書を保存し、後日の証拠とする
  4. 4.法人側として競業を問うなら、利益額の資料を先に押さえる 第3項により相手の得た利益額がそのまま損害額と推定される。損害額の議論に入る前に、委任契約書・請求書・入金記録を開示請求して利益額を確保し、内容証明で損害賠償を請求する

よくある質問 AI による整理

Q1競業避止義務とは何ですか?

従業員や役員・社員が、所属する組織と競合する業務を勝手に行わない義務です。弁護士法人では30条の19が社員に課し、他の社員の承諾が必要とされます。

Q2弁護士法人の社員は副業できますか?

法人の業務範囲に属さない活動は可能ですが、範囲に属する業務は他の社員全員の承諾が必要です。弁護士業務は包括的なため、副業が範囲内と判断されやすい点に注意が必要です。

Q3弁護士法30条の19違反に罰則はありますか?

刑事罰の定めはありませんが、第3項により得た利益の額が損害額と推定され、損害賠償責任を負います。さらに脱退・除名など法人内の規律問題に発展し得ます。

Q4競業の承諾は何人の社員が必要ですか?

第2項は『他の社員の承諾』を要求し、一人でも反対すれば競業できません。実質的に社員全員の同意が必要で、書面で取るのが実務上の安全策です。

Q5官公署の委嘱事項は競業避止の例外ですか?

はい。第2項ただし書により、法令により官公署が委嘱した事項を行う場合は、他の社員の承諾なしに行うことができます。

Q6弁護士法人を脱退すれば自由に競業できますか?

脱退後は社員資格に基づく本条の競業避止義務は消滅します。ただし在籍中の無断競業による損害賠償責任は残り、別途の合意があればそれに従います。

Q7弁護士法人の社員が二重に他法人の社員になれますか?

なれません。第1項は他の弁護士法人または弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員となることを正面から禁じ、実際に活動したかを問わず資格の二重保有自体が違反です。

Q8損害額の推定はどう覆せますか?

第3項は推定にすぎないため、得た利益の額が実際の損害額と異なることを示す反証は可能です。ただし立証責任は社員側に裏返っており、覆すのは容易ではありません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1他の社員の承諾って、口頭でもいいんですか?

条文上、承諾の方式に書面の限定はないが、二項は『他の社員の承諾』を要求し、一人でも反対すれば競業はできない。口頭だと後で争いになり、承諾を得ていないと見られた側が不利になる。実務のポイント:実務では受任のたびに全員の書面承諾を取るのが安全策で、定款や社員間契約に承諾手続が定められていることが多い。入所時にそこを読むかどうかで、後のトラブルの帰趨が変わる。

Q2どこまでが『法人の業務の範囲』なんですか?線引きが曖昧では?

法人が定款に掲げる業務と、現に行っている法律事務が中心になる。同じ分野の訴訟・顧問・法律相談を個人で受ければ範囲内とみられやすく、範囲外と言い切れる仕事は実際には限られる。実務のポイント:弁護士業務は包括的なので、『これは法人の仕事と別だ』という線引きは思うほど立たない。迷ったら範囲内と仮定して承諾を取るのが、三項の推定に巻き込まれないコツだ。

Q3パートナーが裏で競業していた。損害額なんて証明できないのでは?

そこが本条三項の急所だ。社員や第三者が競業で得た利益の額が、そのまま法人の損害額と推定される。法人側は損害の発生や金額を一から立証しなくてよい。実務のポイント:だから争いの主戦場は『損害がいくらか』ではなく『相手がいくら儲けたか』に移る。相手の報酬額や入金記録の開示をどこまで取れるかが勝負で、ここを早く押さえた側が交渉を支配する。

間違えやすい点 AI による整理

  • 競業避止義務があることは知っていても、その本当の重さを知らない人が多い。怖いのは『禁止されている』ことではなく、違反したときに利益額イコール損害額と推定される三項だ。通常の損害賠償なら原告が損害額を立証して初めて取れるが、本条ではその関門が消える。同じ違反でも、立証ハードルが消えている分だけ社員の負け筋は重い
  • 『どこまでが競業か』を細かく問う前に、立て方そのものを見直したほうがいい。弁護士業務は包括的で、訴訟も顧問も法律相談も同じ業務範囲に収まりやすい。範囲を狭く解釈して逃げ切ろうとする発想自体が危うく、迷ったら範囲内と仮定して承諾を取りに行くのが正しい構えだ
  • 二重に名前を出さなければ大丈夫、と思っている人がいるが、一項は社員資格そのものの二重保有を禁じる。実際に両方で活動したかは関係なく、別の弁護士法人や弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員に名を連ねた時点でアウトだ
比較の観点この条文ほかの条文
規律対象弁護士法30条の19:弁護士法人の社員の競業弁護士法30条の20:会社法準用の根拠(持分会社規定の取り込み)
会社法594条:持分会社の業務執行社員の競業(本条のひな型)
違反の効果得た利益の額を法人の損害額と推定(三項)—(準用の枠組みを定める条文)
得た利益の額を会社の損害額と推定(会社法594条2項)
承諾の要否他の社員の承諾が必要(官公署委嘱は例外)—
他の社員全員の承諾が必要

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法第54條(無限公司股東の競業禁止)

台湾は無限公司の股東に対し、他の社員全員の同意がなければ同種業務を行えないとし、違反時は介入権(得た利益の引渡し請求)を認める。利益を取り込む構造が日本の損害額推定と機能的に近い

韓国
대한민국 상법 제198조

韓国商法は合名会社の社員に対し、他の社員全員の同意なき競業を禁じ、違反時は会社の介入権・損害賠償請求を認める。専門職法人にも同様の法理が及ぶ

ドイツ
HGB § 112

ドイツ商法は OHG(合名会社)社員の競業避止義務を定め、違反時は損害賠償または取引から生じた利益の引渡し(介入権)を会社に認める。本条の源流的構造

アメリカ
Revised Uniform Partnership Act (RUPA) § 404

米国はパートナーの忠実義務(duty of loyalty)の一環として競業避止を構成し、違反で得た利益はパートナーシップに帰属する(constructive trust)。条文単位ではなく信認義務として処理する点が大陸法系と異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 知人から『法人を通すと高いから個人で頼みたい』と言われ、あなたは軽い気持ちで引き受けた。これがその法人の業務範囲に属する仕事なら、社員全員の承諾がない限り二項違反だ。しかも得た報酬額が、そのまま法人への損害額と推定される。立証で守られるのは法人の側で、あなたではない
  • もし、あなたが今の弁護士法人に籍を置いたまま、誘われた別の法人の社員にも名を連ねたらどうなる? 一項は二重の社員資格を正面から禁じる。登記が通らないだけでなく、発覚すれば法人内の信頼問題に発展し、脱退や除名の引き金になりかねない。残された猶予は、登記を出す前のこの数日だけだ
  • 渉外の依頼が増えてきた。あなたは弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員にもなろうとする。一項がそれを止める。
  • 後輩の社員から『法人に内緒で受けた案件がばれそうだ』と相談された。あなたが真っ先に確かめるべきは、それが法人の業務範囲に属するか、全員の承諾があったか、そして相手がいくら儲けたかだ。三項の推定が後輩の首を絞める前に、損害の構造を一緒にほどく

取るべき行動

被害を受けた側:1. まず競業の事実を固める。問題の社員が法人の業務範囲に属する仕事を、社員全員の承諾なく受けた証拠(委任契約書、請求書、入金記録)を集める。2. 三項を使う。あなたは法人の損害額を一から立証する必要がない。社員または第三者が当該業務で得た利益の額を示せば、それが損害額と推定される。3. 利益額の資料を相手に開示請求し、内容証明で損害賠償を請求する。4. 信頼が崩れているなら、脱退・除名の手続もあわせて検討する。

訴えられた側:1. そもそも当該業務が法人の業務範囲に属するかを争う。範囲外の仕事なら二項違反は成立しない。2. 社員全員の承諾の有無を確認する。黙示の承諾や、過去に同種の個人受任を黙認してきた経緯があれば抗弁材料になる。3. 官公署からの委嘱事項(二項但書)に当たらないかを確認する。4. 三項は推定にすぎない。利益額イコール損害ではないと示す反証を組み立てる。立証責任は裏返っているが、覆せないわけではない。

時効(請求できる期限):本条に固有の時効はないが、競業による損害賠償請求権には一般の消滅時効(民法166条、債権は権利を行使できる時から5年または知った時を起算とする期間、または権利を行使できる時から10年)が適用される。起算点は法人が競業の事実と損害を知った時を中心に判断される(最新の改正状況をご確認ください)。

学説

通説:競業避止義務の実質的な核心は第2項の禁止文言ではなく、第3項の損害額推定にあると解される。違反した社員が得た利益の額が法人の損害額と推定されることで立証責任が裏返り、法人側の救済が大きく強化される。弁護士業務は包括的で『業務の範囲』が広く解されるため、範囲外と言い切れる業務は限られるとするのが一般的理解である。

改正沿革 AI による整理

  • 平成13年(2001年) 弁護士法人制度の創設に伴い新設。社員の競業避止義務、他の弁護士法人への二重加入の禁止、違反時の損害額推定を定めた
  • 令和2年(2020年)改正、令和4年(2022年)施行 弁護士・外国法事務弁護士共同法人制度の創設に伴い、第1項に同共同法人への社員としての加入禁止を追加した(改正内容の詳細は最新の改正状況をご確認ください)

改正の年表

  1. 1.平成13年(2001年) 新設:弁護士法人制度の創設に伴い新設。社員の競業避止義務、他の弁護士法人への二重加入の禁止、違反時の損害額推定を定めた
  2. 2.令和2年(2020年)改正・令和4年(2022年)施行 改正:弁護士・外国法事務弁護士共同法人制度の創設に伴い、第1項に同共同法人への社員としての加入禁止を追加した(改正内容の詳細は最新の改正状況をご確認ください)

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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