弁護士法 第30条の20(弁護士法人の社員等の汚職行為の禁止)
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- 弁護士法人の社員等は、その弁護士法人が受任している事件に関し、相手方から利益の供与を受け、又はその供与の要求若しくは約束をしてはならない。
- 2.弁護士法人の社員等は、その弁護士法人が受任している事件に関し、相手方から当該弁護士法人に利益を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしてはならない。
この条文の基本情報
弁護士法人の社員等の汚職行為の禁止とは何ですか?
定義弁護士法人の社員等の汚職行為の禁止とは、弁護士法第30条の20に定められた規定で、「弁護士法人の社員等は、その弁護士法人が受任している事件に関し、相手方から利益の供与を受け、又はその供与の要求若しくは約束をしてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第30条の20(弁護士法人の社員等の汚職行為の禁止)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第30条の20の条文原文は「弁護士法人の社員等は、その弁護士法人が受任している事件に関し、相手方から利益の供与を受け、又はその供与の要求若しくは約束をしてはならない。」で始まります。
- 弁護士法第30条の20は第四章の二 弁護士法人に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第30条の20の前の条は弁護士法第30条の19です。
- 弁護士法第30条の20の次の条は弁護士法第30条の21です。
- 弁護士法第30条の20には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第30条の20 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第30条の20(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/30_20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法30条の20は、弁護士法人の社員等が受任事件に関し相手方から利益供与を受けること、その要求・約束、法人に供与させることを禁じる。違反は懲戒事由となる。
Q · 自分の弁護士が、相手方からお金や接待を受け取ってもいいの?
原則禁止。受任事件の相手方からの利益収受は懲戒対象です
弁護士法30条の20により、弁護士法人の社員等は、受任している事件に関し、相手方から利益の供与を受けることはもちろん、その供与を要求・約束することも禁じられます。第2項では、社員等が自分でなく弁護士法人に供与させる行為も禁止されます。受け取る前の「要求」「約束」の段階で既に違反が成立し、違反は懲戒事由(弁護士法56条)となります。社交儀礼を装っていても、進行中の事件と結びつけば違反と評価されえます。
解説
離婚調停を任せた弁護士法人の担当社員が、なぜか相手方と妙に打ち解けている。気づけば和解案は相手有利に傾いていく。その違和感には法律上の名前がある。弁護士法第30条の20は、弁護士法人の社員等が、受任中の事件について相手方から利益の供与を受けること、その要求や約束をすることを正面から禁じる。さらに自分が受け取るだけでなく、法人に供与させる迂回路も塞ぐ。ここで効いてくるのが「受任している事件に関し」という縛りだ。社交儀礼を装った接待でも、現在進行中の事件と結びつけば違反になる。あなたが知るべきは、これが単なる職業倫理の心得ではなく、懲戒処分や法的責任を伴う強制ルールだという点。あなたの代理人の忠誠心は、感情論ではなく条文で守られている。
法的な位置づけ
弁護士法30条の20は、弁護士法人の社員等による相手方からの利益収受を禁じる規定である。受任している事件に関し、相手方から利益の供与を受けること、その要求・約束をすること、及び自らに代えて弁護士法人に供与させることを一律に禁止し、依頼者に対する忠実義務と司法制度への信頼を制度的に担保する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.違和感を記録化する 担当弁護士と相手方の接触状況、会食や金品授受をうかがわせる言動を、日時・場所・同席者とともにメモ化する。和解条件が急に相手有利へ動いた経緯も時系列で残す
- 2.証跡を保全する 不自然に相手有利へ動いた証跡(メール、メッセージ、和解書ドラフト、録音など)を、改ざんできない形で保存する。原本性を保つため転送・編集を避けバックアップを取る
- 3.セカンドオピニオンを取る 別の弁護士に事件記録を見せ、和解条件や進め方の妥当性を客観的に検証してもらう。汚職の疑いが合理的かを第三者の目で確認する
- 4.弁護士会へ懲戒請求する 確度が高ければ所属弁護士会へ懲戒請求(弁護士法56条)を行う。具体的事実と時系列を添える。悪質なら刑事告発も検討する。除斥期間3年(同63条)に注意する
よくある質問 AI による整理
Q1弁護士法30条の20でいう「利益の供与」とは何ですか?
金銭の授受に限らず、接待・高額発注・コンサル契約など経済的価値のある便宜が広く含まれます。受任事件と結びつけば社交儀礼の体裁でも違反となりえます。
Q2「受任している事件に関し」とはどういう意味ですか?
現在進行中の受任事件と利益供与が結びつくことを指します。事件と無関係な純粋な社交なら直ちに違反とは限りませんが、線引きは時期・相手・金額で判断されます。
Q3弁護士本人が受け取らなければ違反になりませんか?
なります。第2項は社員等が弁護士法人に供与させる行為も禁じます。事務所への高額発注やコンサル契約という迂回路も射程に入ります。
Q4弁護士の汚職を疑ったとき懲戒請求はどうすればいいですか?
所属弁護士会に懲戒請求(弁護士法56条)を行います。具体的事実と時系列を添えると調査の端緒になりやすく、漠然とした不満では進みにくいです。
Q5弁護士への懲戒請求に期限はありますか?
懲戒の事由があった時から3年で手続を開始できなくなる除斥期間があります(弁護士法63条)。証拠が散逸する前に早く動く必要があります。
Q6「社員等」には誰が含まれますか?
弁護士法人の社員(出資する弁護士)のほか、使用人である弁護士など法人に属して職務を行う者が含まれます(弁護士法30条の4等の社員資格と関連)。
Q7相手方からの接待を断っただけなら問題ないですか?
断れば自分に違反は生じません。ただし供与の「要求・約束」自体が違反なので、打診してきた相手方代理人側に違反が成立する余地があります。
Q8弁護士法人の社員1人の違反で事務所全体が責任を負いますか?
態様によっては弁護士法人自体も懲戒(弁護士法56条は法人も対象)の対象となりえます。経営社員は「知らなかった」では済まされにくいです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士が相手方から食事をおごられたくらいで、本当に問題になるんですか?
純粋な社交儀礼の範囲なら直ちに違反とは限らないが、判断の鍵は「受任している事件に関し」という結びつきだ(第30条の20)。進行中の事件の相手方からの飲食や接待は、金額や頻度によって利益供与と評価され、懲戒対象になりうる。実務のポイント:弁護士会の懲戒実務では、現金そのものより『なぜそのタイミングで、その相手から』を重視する。受任事件と接触時期が重なるほど、社交の言い訳は通りにくくなる。
Q2自分の弁護士が相手方に買収されている気がします。どう確かめればいいですか?
まず担当弁護士と相手方の接触、和解条件が急に相手有利へ動いた経緯を記録化する。確証が持てなくても、所属弁護士会への照会や懲戒請求(第56条)で調査の端緒を作れる。実務のポイント:弁護士を替えたいだけなら委任契約の解除で足りるが、第30条の20違反を疑うなら『具体的事実+時系列』を添えるかどうかで、弁護士会が動く本気度が変わる。漠然とした不満では調査に進まない。
Q3弁護士法人の社員一人が違反したら、事務所全体が責任を負いますか?
第30条の20は「社員等」を名宛人とし、第2項では法人に利益を供与させる行為も禁じる。違反行為の態様によっては、弁護士法人自体も懲戒(第56条は弁護士法人も対象)の対象となりうる。実務のポイント:経営社員は『知らなかった』では済まされにくい。組織として利益供与の打診を拒否・記録する内部ルールがあるか否かが、後の責任追及で法人の明暗を分ける。
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁護士は依頼者の味方なのだから、相手方から金を受け取るはずがない」と性善説で構えがちだが、現実に禁止規定と懲戒が用意されているのは、過去に問題が起きたからだ。問題は受け取ったか否かより、受任事件と結びついた利益供与の「要求」や「約束」の段階で既に違反が成立する点。あなたが想定するより、違反のラインはずっと手前にある。
- 「弁護士本人が現金を握らなければセーフ」と考えるのは前提が誤っている。第30条の20第2項は、社員等が自分でなく弁護士法人に利益を供与させる行為も禁じる。事務所への高額発注やコンサル契約という迂回路も射程内だ。問うべきは『誰が受け取ったか』ではなく『受任事件と紐づいた利益が、相手方からどこかへ流れたか』である。
- 「これは弁護士業界の内輪ルールで、依頼者には関係ない」と多くの人が思っているが、視角を変えるべきだ。あなたから見れば事務所の倫理問題でも、法律から見ればあなたの裁判を受ける権利そのものを侵す行為。その落差を知らないまま不利な和解を飲むと、後から取り返せない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 30条の20:相手方からの利益供与の収受・要求・約束(法人への供与含む) | 25条:利益相反による職務の制限(職務を行い得ない事件) 56条:違反に対する懲戒(弁護士・弁護士法人) |
| 違反が成立する時点 | 受領前の「要求」「約束」の段階で成立 | 利益相反関係にある事件を受任した時点で問題化 懲戒事由に該当する行為があった時点 |
| 依頼者への影響 | 代理人の忠誠が相手方の利益で歪む危険を防ぐ | 双方代理・利益相反で公正な代理が損なわれる危険を防ぐ 事後的な制裁により制度の信頼を回復 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も律師の忠実義務・利益衝突回避を倫理規範で規律し、受任事件で対造から利益を受けることを制限する点で趣旨が共通する。
韓国の弁護士法も、受任事件に関し金品等を授受することを禁止し、懲戒の対象とする点で構造が近い。
ドイツは当事者背任を刑法で犯罪化し、弁護士基本義務を BRAO が定める。日本の専門職倫理規律に対応する。
米国は利益相反規律の一環として、相手方からの利益受領を制限する。各州が Model Rules を基に独自に採用する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの離婚事件を担当する弁護士法人の社員弁護士が、相手方の親族と頻繁に会食していたら、何を疑うべきか。和解案が一方的に相手有利へ動き出したとき、その違和感は気のせいではないかもしれない。供与の「約束」だけでも違反は成立する。
- あなたが弁護士法人の経営社員で、相手方の代理人から「円満解決のお礼に」と高級店での接待を持ちかけられた。受ければ第30条の20違反、対応を誤れば法人全体が懲戒と法的責任のリスクを負う。受任事件が続く限り、この誘いは形を変えて何度も来る。
- あなたの依頼した法律事務所が、受任中の事件の相手方の関連会社から、突然コンサル契約を受注した。これが利益供与に当たらないか。線引きは見た目より曖昧だ。
- 敗訴的な和解に押し切られて三日後、あなたは担当弁護士が相手方から金品を受け取っていた事実を知った。懲戒請求の除斥期間は事由から三年。だが証拠が散逸する前に、今すぐ記録を押さえる必要がある。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 担当弁護士と相手方の接触状況、会食や金品授受をうかがわせる言動を、日時とともに記録化する。2. 和解書や経過のメール・LINEなど、不自然に相手有利へ動いた証跡を保全する。3. 別の弁護士にセカンドオピニオンを取り、判断の妥当性を検証する。4. 確度が高ければ所属弁護士会へ懲戒請求(弁護士法第56条)を行い、悪質なら刑事告発も検討する。証拠保全を最優先に動く。
訴えられた側:1. 相手方からの利益供与の打診は、その場で明確に拒否し、受領済みなら速やかに返還する。2. やり取りの記録・経緯を正確に保存し、受任事件との関連性の有無を整理する。3. 所属弁護士会の倫理相談窓口に早期に相談し、対応方針を固める。4. 懲戒請求や捜査に発展した場合に備え、社交儀礼の範囲内であった事実関係を裏づける資料を準備する。法人内で情報を共有し、組織として弁明体制を整える。
時効(請求できる期限):懲戒手続は、懲戒の事由があった時から三年を経過すると開始できない除斥期間がある(弁護士法第63条)。刑事責任を問う場合の公訴時効は法定刑により異なる(最新の改正状況をご確認ください)。証拠の散逸を防ぐため、疑いを持った時点から速やかに動くこと。
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年)改正、平成14年(2002年)施行 弁護士法人制度の創設に伴い新設されたと解されるが、その後の改正有無・条番号の異動について確証がないため人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:弁護士法人制度の創設に伴い、弁護士法人の社員等による相手方からの利益供与を禁じる規定として新設された(弁護士法人制度は平成14年(2002年)施行)。条番号の異動・その後の改正の有無は人的検証を要する。
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