弁護士法 第56条(懲戒事由及び懲戒権者)
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- 弁護士及び弁護士法人は、この法律(弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員又は使用人である弁護士及び外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士にあつては、この法律又は外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律)又は所属弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。
- 2.懲戒は、その弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会が、これを行う。
- 3.弁護士会がその地域内に従たる法律事務所のみを有する弁護士法人に対して行う懲戒の事由は、その地域内にある従たる法律事務所に係るものに限る。
この条文の基本情報
懲戒事由及び懲戒権者とは何ですか?
定義懲戒事由及び懲戒権者とは、弁護士法第56条に定められた規定で、「弁護士及び弁護士法人は、この法律(弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員又は使用人である弁護士及び外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士にあつては、この法律又…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第56条(懲戒事由及び懲戒権者)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第56条の条文原文は「弁護士及び弁護士法人は、この法律(弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員又は使用人である弁護士及び外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士にあつては、この法律又…」で始まります。
- 弁護士法第56条は第一節 懲戒事由及び懲戒権者等に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第56条の前の条は弁護士法第55条です。
- 弁護士法第56条の次の条は弁護士法第57条です。
- 弁護士法第56条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第56条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第56条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/56
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法56条は、弁護士に法律・会則違反や品位を失うべき非行があったとき懲戒を受けると定める。懲戒権者は国ではなく所属弁護士会であり、懲戒請求は何人もできる。
Q · 弁護士の対応がひどいとき、誰に訴えれば罰してもらえるの?
国ではなく所属弁護士会に懲戒請求します
弁護士法56条により、弁護士は法律・会則違反のほか、職務の内外を問わず品位を失うべき非行があれば懲戒を受けます。懲戒権者は国でも裁判所でもなく、所属する弁護士会です(同条2項)。そして懲戒請求は弁護士仲間に限らず「何人も」できます(58条)。請求先を役所と間違えると何か月も無駄にするため、まず所属弁護士会の市民窓口を確認するのが近道です。
解説
弁護士に依頼したのに連絡が取れない、着手金を払ったまま事件が放置されている、利益相反の疑いがある。そんなとき、多くの人は泣き寝入りするか、別の弁護士に相談するくらいしか思いつかない。だが本条は、まったく別の武器を差し出している。弁護士は、法律や所属弁護士会の会則に違反したとき、あるいは職務の内外を問わず品位を失うべき非行(弁護士として当然守るべき品格を損なう行い、例:依頼者の金の流用、暴言、私生活上の犯罪)があったとき、懲戒を受ける。そして懲戒を行うのは、役所でも裁判所でもなく、その弁護士が所属する弁護士会だ。これを弁護士自治と呼ぶ。国家権力から独立した弁護士が、自分たちの仲間を自分たちの手で裁く仕組みである。あなたが本当に知るべきは、この懲戒の引き金を引けるのが、実は誰でもよいという点だ(58条、何人も懲戒請求できる)。プロを相手に素人は無力だ、という思い込みが、ここで崩れる。
法的な位置づけ
弁護士法56条は弁護士の懲戒事由を定める規定である。弁護士及び弁護士法人が、法律・所属弁護士会・日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序や信用を害し、その他職務の内外を問わず品位を失うべき非行があったとき、懲戒の対象となる。懲戒権は所属弁護士会に属し、弁護士自治を支える中核的な制度として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証拠を時系列で整理する 委任契約書、報酬の領収書、預り金の記録、メールや LINE のやり取りを時系列で整理する。これが懲戒請求の生命線になる。証拠が散逸する前に着手する
- 2.所属弁護士会を確認し市民窓口・紛議調停を検討 日弁連サイトの弁護士検索で対象弁護士の所属弁護士会を確認する。悪質でない場合は、まず市民窓口や紛議調停を使うと、弁護士会が問題を認識した記録が残り後に有利に働く
- 3.懲戒請求書を所属弁護士会へ提出 悪質な場合は懲戒請求書を所属弁護士会へ提出する(58条、何人も可)。事実経過と、根拠となる弁護士法・弁護士職務基本規程を具体的に記載する。根拠の薄い請求は逆に損害賠償リスクがある
- 4.犯罪が疑われるなら刑事告訴・民事返還を並行 預り金横領など犯罪が疑われる場合は、懲戒請求と並行して刑事告訴と民事の返還請求を進める。預り金口座の取引履歴を早期に保全する
よくある質問 AI による整理
Q1弁護士の懲戒処分にはどんな種類がありますか?
戒告・業務停止・退会命令・除名の4種類です(弁護士法57条)。業務停止以上は氏名と処分内容が日弁連の機関誌「自由と正義」に公告され、事実上の信用失墜になります。
Q2懲戒請求はどこに出せばいいですか?
その弁護士が所属する弁護士会に出します。役所や裁判所ではありません。所属会は日弁連サイトの弁護士検索で確認できます。
Q3弁護士の懲戒歴は調べられますか?
業務停止以上の処分は日弁連機関誌「自由と正義」に公告されます。過去の処分歴は日弁連の懲戒処分検索でも一定範囲確認できます。
Q4懲戒請求から処分までどれくらいかかりますか?
綱紀委員会の調査を経て懲戒委員会に付されるため、数か月から1年以上かかることもあります。多くは綱紀段階で「懲戒しない」と判断されます。
Q5懲戒請求に時効はありますか?
懲戒の事由があったときから3年を経過すると手続を開始できません(弁護士法63条)。継続的非行は最後の行為時が起算点です。
Q6弁護士会の市民窓口とは何ですか?
依頼者と弁護士のトラブルを扱う相談・紛議調停の窓口です。いきなり懲戒請求する前にここを使うと、後に懲戒へ進む際の記録の下地になります。
Q7懲戒処分に不服がある場合はどうすればいいですか?
懲戒を受けた弁護士は日本弁護士連合会に審査請求できます(弁護士法64条)。請求者側も「懲戒しない」決定に対し綱紀審査会への審査申出が可能です。
Q8懲戒請求が認められないとどうなりますか?
綱紀委員会が「懲戒しない」と判断すれば手続は終了します。根拠の薄い大量請求では、逆に対象弁護士から名誉毀損で損害賠償を請求された実例があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士に頼んだのに全然動いてくれません。これって懲戒の対象になりますか?
正当な理由のない事件放置は、弁護士職務基本規程の誠実処理義務に反し、品位を失うべき非行(弁護士法56条1項)と評価されうる。まず催促の記録を残し、所属弁護士会の市民窓口へ。実務のポイント:弁護士は懲戒歴が一生ついて回ることを極端に嫌う。業務停止以上は氏名と処分内容が日弁連の機関誌に公告され、事実上の信用失墜になる。だから懲戒請求の構えを見せるだけで、放置されていた事件が急に動き出すことは珍しくない
Q2懲戒請求って、お金がかかったり弁護士を雇わないとできないんですか?
費用はかからず、本人だけで請求できる(弁護士法58条、何人も可)。請求書に事実と根拠を書いて所属弁護士会に出すだけ。実務のポイント:ただし、ネットの扇動に乗って根拠の薄い大量請求をした人たちが、対象弁護士から逆に損害賠償を取られた実例がある。請求は無料でも、無責任に撃つと自分が被告になる。事実と証拠を固めてから引き金を引くこと
Q3弁護士の私生活上の問題でも懲戒できるんですか?仕事と関係ないのに?
できる。本条は「職務の内外を問わず」品位を失うべき非行を対象とする(弁護士法56条1項)。私生活上の犯罪や重大な不祥事も射程に入りうる。実務のポイント:品位は職務外にも及ぶというのが建前だが、実際にどこまでが「非行」かは弁護士会の判断に幅がある。だからこそ単なる「気に入らない」では動かない。職務との関連性や社会的影響を示せると、請求が通りやすくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 弁護士を罰するのは国や裁判所だと思っている人が多いが、懲戒権者は所属弁護士会だ(本条2項)。役所に苦情を持ち込んでも動かない。窓口を間違えると、何か月も無駄にする
- 「懲戒請求は弁護士同士のことで、一般人にはできない」と思われているが、実は誰でもできる(58条)。ただし知られていないのは、その重み。根拠の薄い大量請求をすると、逆に対象弁護士から名誉毀損で損害賠償を請求された実例がある。請求は権利だが、撃ち返される銃でもある
- あなたから見れば「たかが態度の悪い弁護士」でも、法律から見れば「職務の内外を問わず品位を失うべき非行」という広い網にかかりうる。私生活上の不祥事、暴言、問題のある投稿まで射程に入る。この網の広さを知らないと、何が請求理由になるのかを過小評価する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 56条:懲戒事由(何をしたら懲戒か)を定める | 57条:懲戒の種類(戒告〜除名)を定める 58条:懲戒請求の手続(何人も請求可)を定める |
| 登場する場面 | 品位を失うべき非行があったかを判断する場面 | どの処分にするかを決める場面 市民が懲戒の引き金を引く場面 |
| 市民との関わり | 請求理由(非行の有無)の組み立てに直結 | 求める処分の重さの見立てに関係 請求できる主体・提出先に直結 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は律師懲戒委員会・律師懲戒覆審委員会による二審制の懲戒手続を採り、弁護士会自治よりやや司法寄りの構造をとる
韓国は大韓弁護士協会の懲戒委員会が懲戒を行い、法務部に変호사징계위원회も置かれる点で日本より行政関与が残る
ドイツは独立の弁護士裁判所(Anwaltsgericht)が義務違反を裁く司法型懲戒で、自治会内部処理の日本とは構造が異なる
米国は州ごとに最高裁判所監督下の弁護士会が懲戒を担い、最終的な懲戒権が裁判所に帰属する点で日本の弁護士自治と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 依頼した弁護士が一年以上事件を放置し、催促しても「今やっている」を繰り返すだけ。これは懲戒事由になるのか? 正当な理由のない受任事件の放置は、弁護士職務基本規程の誠実処理義務に反し、品位を失うべき非行と評価されうる。あなたは所属弁護士会に懲戒請求できる
- あなたが弁護士で、依頼者とのトラブルの末に懲戒請求を出された側になった。請求は綱紀委員会に回り、調査が始まる。ここで初動を誤ると、戒告どころか業務停止に発展しかねない。弁明書の作り込みと被害回復の姿勢が分水嶺になる
- 弁護士が SNS で依頼者の秘密を漏らした。守秘義務違反は職務の核心を破る非行。重い懲戒に直結する。
- 弁護士に渡した預り金が返ってこないまま音信不通になった。横領の疑いがあるなら、刑事告訴と並行して懲戒請求を急ぐべきだ。預り金口座の取引履歴、委任契約書、やり取りのメール、これらが散逸する前に、残された時間は思うより短い
取るべき行動
被害を受けた側:1. 委任契約書、報酬の領収書、預り金の記録、メールや LINE のやり取りを時系列で整理する。これが懲戒請求の生命線2. まず所属弁護士会(日弁連サイトで所属会を確認できる)の市民窓口・紛議調停を検討3. 悪質なら懲戒請求書を所属弁護士会へ提出(58条、何人も可)。事実と根拠となる条文・規程を具体的に記載する4. 預り金横領など犯罪が疑われるなら、刑事告訴と民事の返還請求を並行させる
訴えられた側:1. 懲戒請求を受けても、まず冷静に。多くは綱紀委員会の調査段階で「懲戒しない」に終わる2. 弁明書は感情的反論を避け、事実経過と職務基本規程に照らした正当性を淡々と立証する3. 依頼者とのトラブルが原因なら、紛議調停や和解で被害回復を図る姿勢が情状に効く4. 業務停止以上の重い処分が見込まれる場合、懲戒事件に詳しい弁護士に代理を依頼。日弁連への審査請求(64条)も視野に入れる
時効(請求できる期限):懲戒の手続は、懲戒の事由があったときから3年を経過すると開始できない(弁護士法63条)。起算点は非行があった時、継続的な非行は最後の行為時。証拠の散逸を考えると、気付いた時点で早期に動くのが現実的(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:弁護士法56条の「品位を失うべき非行」は、職務上の義務違反に限らず職務外の行為にも及ぶ包括的概念であり、具体的該当性は所属弁護士会の合理的裁量に委ねられる。弁護士自治の趣旨から、国家機関の介入を排し弁護士会の自律的判断を尊重するのが通説的理解である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:弁護士法(昭和24年法律第205号)制定。戦後改革のもと、弁護士自治を確立し、懲戒権を行政庁から弁護士会へ移して自律的懲戒制度を整備した
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