弁護士法 第63条(除斥期間)
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懲戒の事由があつたときから三年を経過したときは、懲戒の手続を開始することができない。
この条文の基本情報
除斥期間とは何ですか?
定義除斥期間とは、弁護士法第63条に定められた規定で、「懲戒の事由があつたときから三年を経過したときは、懲戒の手続を開始することができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第63条(除斥期間)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第63条の条文原文は「懲戒の事由があつたときから三年を経過したときは、懲戒の手続を開始することができない。」で始まります。
- 弁護士法第63条は第一節 懲戒事由及び懲戒権者等に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第63条の前の条は弁護士法第62条です。
- 弁護士法第63条の次の条は弁護士法第64条です。
- 弁護士法第63条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第63条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第63条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/63
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法63条は、懲戒の事由があったときから3年を過ぎると弁護士会が懲戒手続を開始できないと定める。この3年は中断しない除斥期間である。
Q · 弁護士に騙されたら、いつまでに懲戒請求すればいいの?
懲戒事由があった日から3年以内です
弁護士法63条により、懲戒の事由があったときから3年を経過すると、弁護士会は懲戒の手続を開始できません。この3年は消滅時効ではなく除斥期間のため、交渉や内容証明では止まらず延びません。起算点は不正に気づいた日ではなく、懲戒事由たる行為があった日です。3年が近い場合は、証拠集めより先に所属弁護士会へ懲戒請求を出して手続を起動させることが最優先となります。
解説
弁護士に着手金を払ったのに案件を放置された、預けた示談金を使い込まれた、利益相反の相手方に平然とついた。怒りが収まらないまま数年が過ぎたとき、あなたは致命的なものを失っている。弁護士法63条は、懲戒の事由があったときから3年を過ぎると、弁護士会は懲戒の手続を開始できないと定める。ここに、ほとんどの人が知らない落とし穴が二つある。第一に、この3年は「消滅時効」ではなく「除斥期間(権利が一定期間で確定的に消える仕組み、途中で止まらない)」だ。途中で交渉しても、内容証明を送っても、止まらないし延びない。期間が来れば自動的に、弁護士会の職権で門が閉じる。第二に、起算点は「あなたが不正に気づいた日」ではなく「不正があった日」だ。書類の裏で何が起きていたかを後から知っても、時計はとっくに回り始めている。気づいたときには、もう3年を過ぎていた、ということが現実に起こる。
法的な位置づけ
弁護士法63条は、弁護士に対する懲戒手続の除斥期間を定める規定である。懲戒の事由があったときから3年を経過したときは、弁護士会は懲戒の手続を開始することができない。ここでいう3年は消滅時効と異なり中断・停止がなく、起算点は懲戒事由たる行為があった時点とされ、被害者が事由を認識した時点ではない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.懲戒事由があった日を特定する 着手金詐取ならその受領日、利益相反なら受任日、案件放置なら不作為が確定した時点など、懲戒の事由たる行為があった日を特定する。ここが3年の除斥期間の起点になる
- 2.残り期間を計算し、近ければ先に手続を起動する 行為日から3年までの残り時間を計算する。期限が近い場合は、証拠を完璧にするより先に所属弁護士会へ懲戒請求を出して手続を起動させることを最優先にする
- 3.所属弁護士会へ懲戒請求書を提出する 対象弁護士が所属する弁護士会に対し、懲戒を求める事案として懲戒請求書を提出する。書式や記載事項は弁護士会の市民窓口や法テラスで確認できる
- 4.損害の回復は損害賠償で別途進める 預けた金銭の返還や損害の回復は、懲戒とは別の時計で動く民法上の損害賠償請求(民法709条・415条)で進める。懲戒が時間切れでも賠償は生きていることがある
よくある質問 AI による整理
Q1弁護士の懲戒請求とは何ですか?
何人も、弁護士に懲戒事由があると考えるとき、その所属弁護士会に対し懲戒を求めて事案の調査を申し立てられる制度です(弁護士法58条)。
Q2弁護士の懲戒請求に期限はありますか?
あります。弁護士法63条により、懲戒の事由があったときから3年を経過すると、弁護士会は懲戒手続を開始できません。
Q3除斥期間と消滅時効の違いは何ですか?
消滅時効は催告や交渉で完成猶予・更新ができますが、除斥期間は中断・停止がなく、期間満了で当然に権利が消えます。63条は除斥期間です。
Q4懲戒請求の起算点はいつですか?
被害を知った日ではなく、懲戒事由たる行為があった日が起算点です。気づく前から3年の時計は動いています。
Q5弁護士の懲戒請求はどこに出しますか?
対象弁護士が所属する弁護士会に出します。書式は弁護士会の市民窓口や法テラスで確認できます。
Q6弁護士の懲戒にはどんな種類がありますか?
戒告、2年以内の業務停止、退会命令、除名の4種類です(弁護士法57条)。除名は弁護士資格に直結します。
Q7懲戒請求と損害賠償請求は別ですか?
別です。懲戒は弁護士法63条の3年除斥期間、損害賠償は民法の消滅時効で動きます。懲戒が時間切れでも賠償は可能な場合があります。
Q8弁護士の懲戒歴はどこで確認できますか?
官報や日本弁護士連合会の公告で確認できます。ただし3年の壁で懲戒請求されなかった非行は記録に残りません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士に騙されたのが4年前なんですが、もう懲戒請求はできないんですか?
弁護士法63条により、懲戒の事由があったときから3年を過ぎると、弁護士会は懲戒手続を開始できません。4年前の行為そのものを理由にするのは難しいです。ただし損害賠償請求は別の時計で動くので、そちらはまだ可能な場合があります(民法709条等)。実務のポイント:預り金を返さない状態が続いている等の継続的な不正は、最後の不作為の時点を起算点と構成できる余地があります。「もう3年過ぎた」と諦める前に、行為が一度きりか継続中かを整理してもらう価値がある
Q2懲戒請求って、時効みたいに途中で止められないんですか?
止められません。63条の3年は消滅時効ではなく除斥期間です。交渉中でも、相手が非を認めていても、内容証明を送っても、期間は止まらず延びません。満了で弁護士会が職権で門を閉じます。実務のポイント:この違いを知らない人は「話し合っている間は大丈夫」と油断して期限を逃します。逆に相手の弁護士はこの仕組みを熟知していて、時間を稼ぐ動機を持っている。交渉と並行して、懲戒請求は必ず早めに出しておくのが鉄則です
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁護士に騙されたら、いつでも懲戒請求できる」という前提で問いを立てているなら、その問いそのものが的を外している。本当の問いは「請求できるか」ではなく「いつまでに請求しなければ門が閉じるか」だ。3年という締め切りを外した瞬間、あなたの戦略全体が崩れる
- 「3年の期限がある」ことは耳にしたことがあるかもしれない。だがその深刻さを知る人は少ない。これは消滅時効ではなく除斥期間だから、交渉中でも、相手が非を認めていても、止まらない。時効なら催告で延ばせるという常識が、ここでは一切通用しない
- 「懲戒の時計は、自分が不正に気づいた日から動く」と思われがちだが、条文は「懲戒の事由があつたとき」、つまり不正があった日から数える。あなたが真実を知るより前に、時計はすでに回っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 弁護士法63条:懲戒手続の除斥期間(3年・中断なし) | 弁護士法56条:懲戒事由の定義(期間の対象を画定) 民法709条:不法行為による損害賠償(消滅時効で別途進行) |
| 起算点 | 懲戒事由たる行為があった日 | —(事由該当性の判断基準) 損害および加害者を知った時から3年・行為時から20年 |
| 中断・停止 | なし(除斥期間のため交渉等で延びない) | — あり(時効の完成猶予・更新が可能) |
| 効果 | 弁護士会が職権で懲戒手続を開始できない | 懲戒の対象となる非行を確定 賠償請求権が時効で消滅し得る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も律師懲戒委員会による懲戒制度を持ち、懲戒の請求と手続を律師法が定める点で機能的に対応する
韓国も弁護士会・大韓弁護士協会による징계制度を持ち、징계시효の定めがある点で類似する
ドイツは anwaltsgerichtliches Verfahren による懲戒を定め、§ 115が義務違反追及の時効を規定する
米国は州弁護士会ごとの懲戒手続で、伝統的に懲戒に一般的な出訴期限を設けない州が多い点で日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 弁護士に頼んだ訴訟が、相手の主張に何ひとつ反論しないまま負けた。あの委任から3年が経とうとしている今、懲戒請求はまだ間に合うのか。あと数か月で、その弁護士の責任を公的に問う道は永久に閉じる
- あなたが弁護士で、数年前の案件について元依頼者から突然「懲戒請求する」と告げられた。まず確認すべきは、問題とされる行為があった日から3年が過ぎているかどうか。過ぎていれば、綱紀委員会は手続を始められない。日付の特定が、あなたのバッジを守る最初の盾になる
- 友人が「3年前に頼んだ弁護士に裏切られた、今から懲戒にかけてやる」と息巻いている。あなたが言えるひと言。懲戒なら、もう手遅れかもしれない。損害賠償なら、まだ別の時計が動いている
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず「懲戒の事由があった日」を特定する。着手金詐取ならその受領日、利益相反ならその受任日、ここが時計の起点2. 3年まで余裕がなければ、内容証明や交渉に時間をかけず、先に所属弁護士会へ懲戒請求を出して手続を起動させる3. 同時に、損害の回復は別ルート(民法709条・415条の損害賠償)で進める、こちらは別の時効で動く4. 弁護士会の市民窓口や法テラスで懲戒請求書の書き方を確認する
訴えられた側:1. 問題とされる行為が「あった日」を正確に特定し、そこから3年が経過していないか真っ先に確認する2. 経過していれば、綱紀委員会に対し除斥期間の経過を主張、手続は開始できない3. 経過していなければ、感情的な反論より、事実関係と会則違反の有無を整理した記録の提出を優先4. 業務停止・退会命令・除名は弁護士生命に直結するため、会内の手続でも代理人を立てることを検討する
時効(請求できる期限):懲戒の事由があったときから3年(弁護士法63条)。これは消滅時効ではなく除斥期間のため、中断も停止もなく、弁護士会の職権で適用される。起算点は不正を知った日ではなく、懲戒事由たる行為があった日。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:弁護士法63条の3年は消滅時効ではなく除斥期間であり、中断・停止がなく当事者の援用も要せず、弁護士会の職権により当然に適用されると解されている。
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