弁護士法 第62条(登録換等の請求の制限)
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- 懲戒の手続に付された弁護士は、その手続が結了するまで登録換又は登録取消の請求をすることができない。
- 2.懲戒の手続に付された弁護士法人は、その手続が結了するまで、法律事務所の移転又は廃止により、所属弁護士会の地域内に法律事務所を有しないこととなつても、これを退会しないものとする。
- 3.懲戒の手続に付された弁護士法人は、その手続が結了するまで、第三十六条の二第四項の規定により所属弁護士会を変更することができない。
- 4.懲戒の手続に付された弁護士法人が、主たる法律事務所を所属弁護士会の地域外に移転したときは、この章の規定の適用については、その手続が結了するまで、旧所在地にも主たる法律事務所があるものとみなす。
- 5.懲戒の手続に付された弁護士法人は、清算が結了した後においても、この章の規定の適用については、懲戒の手続が結了するまで、なお存続するものとみなす。
この条文の基本情報
登録換等の請求の制限とは何ですか?
定義登録換等の請求の制限とは、弁護士法第62条に定められた規定で、「懲戒の手続に付された弁護士は、その手続が結了するまで登録換又は登録取消の請求をすることができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第62条(登録換等の請求の制限)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第62条の条文原文は「懲戒の手続に付された弁護士は、その手続が結了するまで登録換又は登録取消の請求をすることができない。」で始まります。
- 弁護士法第62条は第一節 懲戒事由及び懲戒権者等に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第62条の前の条は弁護士法第61条です。
- 弁護士法第62条の次の条は弁護士法第63条です。
- 弁護士法第62条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第62条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第62条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/62
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法62条は、懲戒手続に付された弁護士は手続結了まで登録換も登録取消もできないと定める。弁護士法人も退会・移転・解散による懲戒逃れができず、手続結了までなお存続するものとみなされる。
Q · 懲戒請求された弁護士は、別の弁護士会に移ったり廃業したりして逃げられるの?
できません。手続が結了するまで移籍も廃業も請求できません。
弁護士法62条1項により、懲戒の手続に付された弁護士は手続が結了するまで登録換(別の弁護士会への移籍)も登録取消(廃業)も請求できません。弁護士法人の場合も、退会(2項)、所属弁護士会の変更(3項)、主たる事務所の管轄外移転(4項)、清算結了(5項)のいずれによっても懲戒手続を免れず、手続結了までなお存続するものとみなされます。除名や業務停止という重い処分が空文化しないよう、調査開始と同時に出口が施錠される設計です。
解説
あなたが依頼した弁護士が、着手金だけ受け取って案件を半年放置した。連絡しても折り返さない。我慢の限界で、あなたは弁護士会に懲戒請求を出した。ここで多くの人が見落とすのが、相手の弁護士が「逃げられるかどうか」だ。普通の感覚なら、調査されそうになったら別の弁護士会に移籍したり、いっそ廃業して登録を消せば、責任を回避できそうに思える。弁護士法62条は、その逃げ道を一本残らず塞ぐ。懲戒の手続に付された弁護士は、手続が終わるまで登録換(別の弁護士会への移籍)も登録取消(廃業)も請求できない。弁護士法人なら、事務所をたたんで地域からいなくなっても退会扱いにならず、所属弁護士会も変えられず、清算が終わっても懲戒のためだけになお存続しているとみなされる。つまり、調査の網にかかった瞬間、出口は施錠される。あなたが出した一通の懲戒請求は、相手が物理的に消えようとしても効力を失わない。
法的な位置づけ
弁護士法62条は、懲戒手続中の登録制限を定める規定である。懲戒の手続に付された弁護士は手続結了まで登録換および登録取消を請求できず、弁護士法人は退会・所属弁護士会の変更・主たる事務所の管轄外移転・清算結了によっても懲戒手続を免れず、手続結了までなお存続するものとみなされる。懲戒制度の実効性を確保するための制約規範である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.非違行為を時系列で証拠化する 着手金の不返還、事件放置、利益相反、預り金流用などの事実を時系列で整理し、委任契約書・メール・LINE・送金記録・督促履歴を確保する。事実と評価を分けて記録する
- 2.所属弁護士会に懲戒請求書を提出する 相手弁護士の所属弁護士会あてに懲戒請求書を提出する。弁護士法58条1項により何人も請求でき、相手の本人確認資格は不要。請求が手続に付されれば62条1項で相手の登録換・登録取消が凍結される
- 3.相手の移籍・廃業・解散の動きに動じない 相手が移籍や廃業をほのめかしても焦らない。弁護士法人が解散・清算を通知してきても、62条4項・5項により懲戒手続の文脈では存続・所在みなしが働く。逃げ切ったという相手の説明を鵜呑みにしない
- 4.民事の損害賠償を並行して進める 懲戒は制裁であり金銭回復をもたらさないため、被害回復は民法709条・415条に基づく損害賠償を別ルートで請求する。時効や証拠保全を踏まえ、必要なら別の弁護士に依頼する
よくある質問 AI による整理
Q1弁護士法62条とは何ですか?
懲戒手続中の弁護士・弁護士法人が、移籍・廃業・解散などで懲戒を逃れることを禁じる規定です。手続が結了するまで登録換も登録取消もできません。
Q2弁護士への懲戒請求は誰でもできますか?
できます。弁護士法58条1項により、何人も弁護士の所属弁護士会に懲戒請求が可能です。請求が手続に付されれば、62条で相手の登録換・登録取消が凍結されます。
Q3懲戒手続の結了とはいつの時点ですか?
綱紀委員会・懲戒委員会の審査を経て処分の有無が確定し、日弁連への審査請求など不服申立ての道も尽きた時点を指します。それまで登録上の制限が続きます。
Q4弁護士法人が解散したら懲戒請求は無意味ですか?
無意味になりません。62条5項により、清算が結了した後でも懲戒手続が終わるまで法人はなお存続するものとみなされ、処分の対象として残ります。
Q5懲戒中に事務所を他県へ移したら管轄から外れますか?
外れません。62条4項により、主たる事務所を管轄外へ移転しても旧所在地にも事務所があるものとみなされ、元の弁護士会の懲戒手続が継続します。
Q6懲戒と損害賠償は別の手続ですか?
別です。懲戒は弁護士への制裁であって金銭回復をもたらしません。被害回復は民法709条・415条に基づく損害賠償請求で並行して進める必要があります。
Q7弁護士の懲戒の種類にはどんなものがありますか?
弁護士法57条が戒告・2年以内の業務停止・退会命令・除名の4種を定めます。62条はこれらの重い処分が逃げられて空文化しないよう支えています。
Q8懲戒請求された弁護士が無実なら制限は外れますか?
外れません。無実でも手続が結了するまで登録換・登録取消・事務所移転は止まります。早期に反証を固め手続を終わらせることが自由回復の近道です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士って、懲戒されそうになったら別の弁護士会に移って逃げられるんじゃないんですか?
できません。弁護士法62条1項が、懲戒の手続に付された弁護士は手続が結了するまで登録換(別会への移籍)も登録取消(廃業)も請求できないと定めています。だから懲戒請求が受理された時点で、相手は今の弁護士会の管轄に縛られます。実務のポイント:移籍そのものが封じられるので、相手が『もう関係ない会に移った』と言っても、その移籍の請求自体が受理されていません。逃げたという主張は成り立たないので、引かずに手続を進めてよい
Q2相手が弁護士法人で、調べたら『解散しました』と出てきました。もう請求しても意味がないですか?
意味はあります。弁護士法62条5項により、懲戒の手続に付された弁護士法人は清算が結了した後でも、懲戒手続が終わるまではなお存続するものとみなされます。さらに62条4項で、主たる事務所を管轄外へ移しても旧所在地に事務所があるものとみなされます。実務のポイント:通常の会社なら清算結了で法人格が消え、責任追及の相手がいなくなる。しかし士業法人は解散・移転による逃げ切りができない特殊設計です。『もう存在しない法人だから無理』という相手の説明を鵜呑みにせず、懲戒の文脈では別ルールが働くことを前提に動く
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁護士は調査が始まったら別会に移籍して逃げられる」と思われがちだが、逆である。62条1項で懲戒手続中の登録換請求は封じられ、登録取消(廃業)もできない。逃げ道を塞ぐことが、この条文の唯一にして最大の仕事だ
- 懲戒請求は弁護士本人を相手にするものだと思われているが、深刻なのは弁護士法人のケースだ。法人なら解散して消えれば終わり、と考える人は62条5項を知らない。清算が結了しても、懲戒のためだけに法人は生き続ける。「会社を畳めば逃げ切れる」という常識が、ここでは通用しない
- 「懲戒中でも事務所を別の県に移せば、元の弁護士会の管轄から外れる」という発想は、問いの立て方が間違っている。62条4項は移転後も旧所在地に主たる事務所があるものとみなす。問うべきは『どこに逃げられるか』ではなく『なぜ一切逃げられない設計になっているか』であり、答えは制度の実効性を守るためだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 62条:懲戒手続中の登録換・退会・解散による逃れを封じる制約規範 | 57条:懲戒の種類(戒告・業務停止・退会命令・除名) 58条:懲戒の請求と手続(誰でも請求可能) |
| 対象 | 懲戒手続に付された弁護士および弁護士法人 | 処分を受ける弁護士・弁護士法人 懲戒を請求する者と弁護士会 |
| 機能のタイミング | 手続開始から結了まで継続して出口を施錠 | 手続結了時に処分を下す 手続の入口を開く |
| 実効性への寄与 | 重い処分が移籍・廃業・解散で空文化するのを防ぐ | 制裁内容そのものを定める 市民が制度を起動できるようにする |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も律師懲戒委員会による懲戒制度を持ち、懲戒手続中の登録・身分変動に制約を及ぼす点で日本と共通の発想がある
韓国も弁護士法に基づく懲戒制度を有し、懲戒手続の実効性確保のための規律がある
ドイツは弁護士懲戒を弁護士裁判所(Anwaltsgericht)が扱い、手続中の身分変動に関する規律がある
米国は州ごとの弁護士会・州最高裁の懲戒手続で、係属中の resign/withdrawal を制限する仕組みを持つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが懲戒請求した弁護士が、その直後に「○○弁護士会に移籍しました」と通知してきたら、請求は無駄になるのか? ならない。62条1項により、懲戒手続中の登録換請求はそもそも受理されない。相手は調査が終わるまで、今の弁護士会の手元に縛り付けられている
- あなた自身が弁護士で、ある依頼者から逆恨みの懲戒請求を受けた。内容は言いがかりに近い。それでも、決着がつくまで法律事務所の移転計画も、別会への移籍も止まる。たとえ無実でも、手続が結了するまでは登録上の身動きが取れない。だからこそ、調査の初動で反論証拠を固め、早期に手続を終わらせることが自分の自由を取り戻す唯一の道になる
- 弁護士法人が業務停止級の重い懲戒を見込んで、主たる事務所をこっそり他県に移し、所属弁護士会の管轄外へ逃げようとした。62条4項は、旧所在地にも主たる事務所が「あるものとみなす」と定め、移転による管轄逃れを無効化する。物理的に引っ越しても、懲戒の世界では元の住所に居続けている扱いになる
- あなたが被害を受けた弁護士法人が、懲戒中にすばやく解散・清算を済ませてしまった。会社なら清算結了で法人格は消える。だが62条5項は、懲戒手続が終わるまでその法人は「なお存続するものとみなす」と宣言する。器を壊しても、処分を受ける主体は残る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 弁護士の非違行為(着手金の不返還、放置、利益相反、預り金流用など)を時系列で整理し、契約書・メール・LINE・送金記録を確保する。2. 相手の所属弁護士会に懲戒請求書を提出する(弁護士法58条1項、誰でも請求可能)。3. 相手が移籍・廃業をほのめかしても焦らない。手続に付されれば62条1項で登録換・登録取消は凍結される。4. 損害の回復は懲戒とは別に、民事の損害賠償(民法709条、415条)で並行して進める。懲戒は弁護士への制裁であって、あなたへの金銭回復を直接もたらすものではない点に注意(最新の改正状況をご確認ください)
訴えられた側:1. 懲戒請求を受けたら、まず請求書の事実主張を要件ごとに分解し、事実と評価を切り分ける。2. 言いがかり・逆恨み型なら、反証となる記録を初動で固め、綱紀委員会の調査段階で決着させることを目指す。手続が長引くほど62条による登録上の制約が続く。3. 事務所移転・移籍の予定があっても、手続結了までは止まる前提で段取りを組み直す。4. 重い処分が見込まれる場合は、弁護士会の懲戒手続に精通した弁護士を代理人に立て、弁明書と証拠の提出時期を戦略的に管理する
時効(請求できる期限):特定の時効期間が走る条文ではない。登録換・登録取消の制限は『懲戒の手続が結了するまで』継続する(62条1項)。手続の結了とは、綱紀委員会・懲戒委員会の議決を経て処分の有無が確定し、不服申立て(日弁連への審査請求等)の道も尽きた時点を指す。逆に言えば、調査が始まった日から結了の日まで、出口は閉じ続ける
学説
通説:弁護士法62条は、弁護士自治のもとでの懲戒制度の実効性を確保するための規定と理解される。懲戒対象者が手続中に登録換・廃業・法人解散等で登録上消滅することを封じ、除名・業務停止等の処分が空文化するのを防ぐ趣旨であり、制約は『懲戒手続中』『登録・退会・存続に関する事項』に限定される最小限の手段とされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年)改正、平成14年(2002年)施行 弁護士法人制度の創設に伴い、従来は弁護士個人のみを対象としていた本条に、弁護士法人の退会・所属会変更・事務所移転・清算結了に関する第2項から第5項を追加。法人形態による懲戒逃れを封じる規定を整備した(新設・改正の正確な区分は最新の改正経緯をご確認ください)
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:現行弁護士法(昭和24年法律第205号)の制定により、懲戒手続中の弁護士の登録換・登録取消の制限が設けられた(制定経緯の詳細は最新の改正資料をご確認ください)
- 2.平成13年(2001年) 改正:弁護士法人制度の創設に伴い、弁護士法人の退会・所属会変更・事務所移転・清算結了に関する第2項から第5項が整備され、法人形態による懲戒逃れを封じる規定が加えられた(新設・改正の正確な区分は最新の改正経緯をご確認ください)
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