弁護士法 第61条(訴えの提起)
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- 第五十六条の規定により弁護士会がした懲戒の処分についての審査請求を却下され若しくは棄却され、又は第六十条の規定により日本弁護士連合会から懲戒を受けた者は、東京高等裁判所にその取消しの訴えを提起することができる。
- 2.第五十六条の規定により弁護士会がした懲戒の処分に関しては、これについての日本弁護士連合会の裁決に対してのみ、取消しの訴えを提起することができる。
この条文の基本情報
訴えの提起とは何ですか?
定義訴えの提起とは、弁護士法第61条に定められた規定で、「第五十六条の規定により弁護士会がした懲戒の処分についての審査請求を却下され若しくは棄却され、又は第六十条の規定により日本弁護士連合会から懲戒を受けた者は、東京高…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第61条(訴えの提起)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第61条の条文原文は「第五十六条の規定により弁護士会がした懲戒の処分についての審査請求を却下され若しくは棄却され、又は第六十条の規定により日本弁護士連合会から懲戒を受けた者は、東京高…」で始まります。
- 弁護士法第61条は第一節 懲戒事由及び懲戒権者等に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第61条の前の条は弁護士法第60条です。
- 弁護士法第61条の次の条は弁護士法第62条です。
- 弁護士法第61条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第61条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第61条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/61
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法61条は、弁護士会・日弁連の懲戒処分の取消訴訟を東京高等裁判所の専属管轄と定め、2項では日弁連の裁決のみを訴訟対象とする裁決主義を採る。
Q · 弁護士の懲戒処分に納得できないとき、地元の裁判所で争えますか?
争えません。全国どこの処分でも東京高裁が唯一の管轄です。
弁護士法61条により、弁護士会・日弁連の懲戒処分の取消訴訟は、第一審から東京高等裁判所の専属管轄です。地元の地方裁判所には提起できません。さらに同条2項の裁決主義により、訴えの対象は弁護士会の原処分ではなく日弁連の裁決に限られます。原処分を被告にすると本案審理に入る前に却下されます。出訴期間は裁決を知った日から六か月です(行政事件訴訟法14条)。
解説
弁護士が懲戒処分を受けた。あるいは、あなたが「あの弁護士はおかしい」と懲戒請求を出したのに、弁護士会が動かなかった。最後に残る切り札が弁護士法61条だ。普通の行政処分なら、不服があればまず地元の地方裁判所に取消訴訟を起こす。だが弁護士懲戒は別世界だ。全国どこの弁護士会の処分でも、争う先は東京高等裁判所ただ一つ、第一審からいきなり高裁という異例の専属管轄になる。福岡の弁護士でも札幌の弁護士でも、東京まで出向くしかない。さらに罠が仕込まれている。2項は、弁護士会の原処分ではなく、日本弁護士連合会の裁決だけを訴えの対象にせよと命じる。これを「裁決主義」(原処分ではなく上級機関の判断のほうを訴える方式)と呼び、行政訴訟の大原則である原処分主義の数少ない例外だ。原処分を相手取った瞬間、中身に入る前に却下される。土俵の場所と相手を知らない者は、戦う前に負けている。
法的な位置づけ
弁護士法61条は、弁護士会または日本弁護士連合会の懲戒処分に対する取消訴訟について、東京高等裁判所を第一審の専属管轄裁判所と定める規定である。同条2項は弁護士会の原処分ではなく日弁連の裁決のみを訴訟対象とする裁決主義を採用し、行政事件訴訟法の原処分主義の例外を成す。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.受けた処分が「原処分」か「裁決」か確認する 手元の通知書が弁護士会の原処分なのか、日弁連の裁決なのかを確認する。取消訴訟で訴えられるのは日弁連の裁決のみ(61条2項、裁決主義)であり、ここを取り違えると却下される
- 2.出訴期間の起算点を即メモする 裁決を知った日から六か月、または裁決の日から一年が出訴期間(行政事件訴訟法14条)。裁決書の到達日を基準に起算点を記録し、残り日数を逆算する
- 3.被告を「日弁連の裁決」と特定して訴状を構成する 行政訴訟と弁護士懲戒に通じた代理人を早期に確保し、原処分ではなく日弁連の裁決を対象として、裁決の違法事由を具体的に主張する訴状を作成する
- 4.東京高等裁判所に取消訴訟を提起する 管轄は東京高等裁判所の専属。地元の地方裁判所には提起しない。出訴期間内に訴状を東京高裁へ提出する
よくある質問 AI による整理
Q1弁護士懲戒の取消訴訟とは何ですか?
弁護士会や日弁連が下した懲戒処分の取消しを求める行政訴訟です。弁護士法61条により第一審は東京高等裁判所の専属管轄となります。
Q2裁決主義とは何ですか?
原処分ではなく上級機関の裁決を訴訟対象とする方式です。弁護士懲戒では弁護士会の原処分ではなく日弁連の裁決のみを訴えます(61条2項)。
Q3弁護士の懲戒処分にはどんな種類がありますか?
戒告・業務停止・退会命令・除名の四種です。重いものほど職業活動への制約が大きく、61条の取消訴訟で争う対象となります。
Q4懲戒取消訴訟の出訴期間はいつまでですか?
裁決を知った日から六か月、または裁決の日から一年です(行政事件訴訟法14条)。期間経過で処分は確定します。
Q5東京高裁の判決に不服がある場合は?
最高裁判所への上告・上告受理申立てが可能です。第一審が高裁でも、争える審級が一つ減るわけではありません。
Q6弁護士への懲戒請求は誰でもできますか?
弁護士法58条により、何人も懲戒請求ができます。ただし根拠の薄い請求は逆に損害賠償責任を問われる例もあります。
Q7なぜ第一審が高等裁判所なのですか?
懲戒判断を全国で統一し専門性を担保するため、第一審から東京高裁に集約されています。地裁を経ない異例の構造です。
Q8原処分主義と裁決主義の違いは何ですか?
原処分主義は原処分を訴えるのが原則(行訴法10条2項)、裁決主義は裁決のみを訴える例外です。弁護士懲戒は後者です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1地元の弁護士に懲戒処分が出たんですが、わざわざ東京まで行かないと争えないんですか?
そうです。弁護士法61条1項により、全国どの弁護士会・日弁連の懲戒でも、取消訴訟の管轄は東京高等裁判所の専属です。第一審が地裁ではなく高裁という点も異例です。実務のポイント:これは懲戒判断を全国で統一し専門性を担保するための設計ですが、裏を返せば地方の当事者ほど移動・宿泊・出廷の負担が重く、争うこと自体のハードルが高い。代理人費用と合わせ、訴訟前にコストを冷静に試算する人ほど、無駄な戦いを避けられる
Q2納得いかないのは弁護士会の処分なのに、なぜ日弁連を相手に訴えるんですか?
弁護士法61条2項が「裁決主義」を採るからです。弁護士会の原処分そのものではなく、日弁連の裁決に対してのみ取消訴訟を提起できます。行政事件訴訟法10条2項の原処分主義の例外にあたります。実務のポイント:ここを取り違えて原処分を被告に訴えると、本案の中身に入る前に却下される。司法試験でも頻出の論点で、実務でも訴状の被告特定で真っ先に確認する一点。正しい相手を撃てるかどうかで、土俵に立てるかが決まる
間違えやすい点 AI による整理
- 「不当な懲戒なら、まず地元の地方裁判所に取消訴訟を出せばいい」と考える時点で、問いの立て方そのものが間違っている。弁護士懲戒に第一審の地裁は存在しない。全国の処分が、第一審からいきなり東京高等裁判所に集約される。出発点の地図が違う
- 「最後は日弁連に審査請求すれば中身を見てもらえる」ことは知っていても、その先で原処分ではなく裁決を訴えねばならないという落差の深刻さを、多くの人は軽く見ている。被告を一段取り違えるだけで、本案の判断を一切受けられないまま終わる。知っているつもりの知識が、最も危ない
- 「第一審が高裁なら、その上は最高裁だけ、一回勝負だ」と思われがちだが、東京高裁の判決にはさらに最高裁への上告の道が残る。第一審が高裁なだけで、争える審級が一つ減るわけではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 訴訟の対象 | 弁護士法61条:日弁連の裁決のみ(裁決主義) | 行訴法10条2項:原処分が原則(原処分主義) 弁護士法59条:日弁連への審査請求(不服申立て) |
| 管轄・手続段階 | 東京高等裁判所の専属(第一審が高裁) | 原則として各地の地方裁判所が第一審 弁護士会・日弁連の行政手続内 |
| 誤れば生じる結果 | 原処分を被告にすると本案前に却下 | 裁決固有の瑕疵のみ裁決取消で争える 前置手続を欠くと取消訴訟が不適法 |
他国ではどう定めているか 4 か国
2020年改正で律師懲戒を司法化し、律師懲戒法廷・懲戒覆審法廷を高等法院に設置。専門裁判機構に集約する点で日本と発想が近い
大韓弁護士協会・法務部の懲戒委員会の決定に対し、行政訴訟で争う構造。日本のような高裁専属・裁決主義の特則は採らない
ドイツは弁護士懲戒を Anwaltsgericht(弁護士裁判所)という専門裁判機構で審理する。専門性確保の発想は共通するが、審級構造が異なる
米国は州弁護士会の懲戒手続を経て、最終的に州最高裁が懲戒を審査・決定する。州ごとに手続が分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 日弁連から業務停止三か月の懲戒通知が届いた。納得できない。だが取消訴訟を起こせるのは裁決を知った日から六か月だけ。この間に東京高裁へ出す訴状、原処分ではなく裁決を狙う主張構成、代理人の確保、すべてを整えないと処分は確定する。もし起算点を一日でも見誤ったら、勝てたはずの訴訟が時間切れで消える
- 全国どこの弁護士会で受けた処分でも、争う場所は東京高裁ただ一つ。地元の地裁に駆け込んでも門前払いだ。専属管轄とは、選択肢が最初から存在しないという意味である
- 処分を取り消したい一心で、あなたは処分を出した弁護士会を被告に訴状を書こうとする。それは敗着だ。61条2項により、訴えるべきは日弁連の裁決のみ。原処分を狙った訴えは、適法か違法かを判断される前に却下される。弁護士本人ですら、ここで取り違える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受けた処分が日弁連の裁決か弁護士会の原処分か確認。争う対象は必ず日弁連の裁決(61条2項、裁決主義)2. 出訴期間は裁決を知った日から六か月(行政事件訴訟法14条)。起算点を即メモする3. 管轄は東京高等裁判所の専属、地元の地裁には出さない4. 行政訴訟と懲戒に通じた代理人を早期に確保し、訴状で裁決の違法事由を具体的に特定する
訴えられた側:1. 綱紀委員会・懲戒委員会の審査段階で、弁明書と証拠を全力で出し切る。ここで残した記録が後の取消訴訟の土台になる2. 不利な事実認定がされそうなら、その時点で代理人を立てる3. 懲戒が確定する前の手続で争点を尽くす。裁判所は新証拠より手続内で出た主張を重視する傾向がある4. 万一の取消訴訟を見据え、東京高裁・裁決主義・六か月の三点を頭に入れておく
時効(請求できる期限):取消訴訟は、裁決があったことを知った日から六か月、または裁決の日から一年(行政事件訴訟法14条)。期間経過で処分は確定し、二度と争えない。起算点は裁決書の到達日が基準(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:弁護士法61条2項は裁決主義を採り、行政事件訴訟法10条2項の原処分主義の例外を成す。弁護士会の原処分の違法事由も、日弁連の裁決を対象とする取消訴訟の中で主張できると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:弁護士法(昭和24年法律第205号)の制定により、弁護士自治を前提とした懲戒制度と、その取消訴訟を東京高等裁判所の専属管轄とする枠組みが整備された。
- 弁護士法 第56条本条が取消対象とする弁護士会の原処分の根拠
- 弁護士法 第58条何人も可能な懲戒請求、手続の端緒
- 弁護士法 第59条日弁連への審査請求、取消訴訟の前提となる不服申立て
- 弁護士法 第60条日弁連自身の懲戒、本条が取消対象とする処分の一類型
- 弁護士法 第64条懲戒請求者による異議の申出、請求者側の別ルート
- 行政事件訴訟法 第14条取消訴訟の出訴期間を定める一般規定
- 行政事件訴訟法 第10条原処分主義の一般原則、本条2項の裁決主義がその例外
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