要点弁護士法 61 条は、弁護士会・日弁連の懲戒処分の取消訴訟を東京高等裁判所の専属管轄と定め、2 項では日弁連の裁決のみを訴訟対象とする裁決主義を採る。
Q · 弁護士の懲戒処分に納得できないとき、地元の裁判所で争えますか?
争えません。全国どこの処分でも東京高裁が唯一の管轄です。
弁護士法 61 条により、弁護士会・日弁連の懲戒処分の取消訴訟は、第一審から東京高等裁判所の専属管轄です。地元の地方裁判所には提起できません。さらに同条 2 項の裁決主義により、訴えの対象は弁護士会の原処分ではなく日弁連の裁決に限られます。原処分を被告にすると本案審理に入る前に却下されます。出訴期間は裁決を知った日から六か月です(行政事件訴訟法 14 条)。
弁護士が懲戒処分を受けた。あるいは、あなたが「あの弁護士はおかしい」と懲戒請求を出したのに、弁護士会が動かなかった。最後に残る切り札が弁護士法61条だ。普通の行政処分なら、不服があればまず地元の地方裁判所に取消訴訟を起こす。だが弁護士懲戒は別世界だ。全国どこの弁護士会の処分でも、争う先は東京高等裁判所ただ一つ、第一審からいきなり高裁という異例の専属管轄になる。福岡の弁護士でも札幌の弁護士でも、東京まで出向くしかない。さらに罠が仕込まれている。2項は、弁護士会の原処分ではなく、日本弁護士連合会の裁決だけを訴えの対象にせよと命じる。これを「裁決主義」(原処分ではなく上級機関の判断のほうを訴える方式)と呼び、行政訴訟の大原則である原処分主義の数少ない例外だ。原処分を相手取った瞬間、中身に入る前に却下される。土俵の場所と相手を知らない者は、戦う前に負けている。
弁護士法 61 条は、弁護士会または日本弁護士連合会の懲戒処分に対する取消訴訟について、東京高等裁判所を第一審の専属管轄裁判所と定める規定である。同条 2 項は弁護士会の原処分ではなく日弁連の裁決のみを訴訟対象とする裁決主義を採用し、行政事件訴訟法の原処分主義の例外を成す。
AI 輔助整理,以條文原文為準
弁護士会や日弁連が下した懲戒処分の取消しを求める行政訴訟です。弁護士法 61 条により第一審は東京高等裁判所の専属管轄となります。
原処分ではなく上級機関の裁決を訴訟対象とする方式です。弁護士懲戒では弁護士会の原処分ではなく日弁連の裁決のみを訴えます(61 条 2 項)。
戒告・業務停止・退会命令・除名の四種です。重いものほど職業活動への制約が大きく、61 条の取消訴訟で争う対象となります。
裁決を知った日から六か月、または裁決の日から一年です(行政事件訴訟法 14 条)。期間経過で処分は確定します。
最高裁判所への上告・上告受理申立てが可能です。第一審が高裁でも、争える審級が一つ減るわけではありません。
弁護士法 58 条により、何人も懲戒請求ができます。ただし根拠の薄い請求は逆に損害賠償責任を問われる例もあります。
懲戒判断を全国で統一し専門性を担保するため、第一審から東京高裁に集約されています。地裁を経ない異例の構造です。
原処分主義は原処分を訴えるのが原則(行訴法 10 条 2 項)、裁決主義は裁決のみを訴える例外です。弁護士懲戒は後者です。
そうです。弁護士法61条1項により、全国どの弁護士会・日弁連の懲戒でも、取消訴訟の管轄は東京高等裁判所の専属です。第一審が地裁ではなく高裁という点も異例です。業界裏話ヒント:これは懲戒判断を全国で統一し専門性を担保するための設計ですが、裏を返せば地方の当事者ほど移動・宿泊・出廷の負担が重く、争うこと自体のハードルが高い。代理人費用と合わせ、訴訟前にコストを冷静に試算する人ほど、無駄な戦いを避けられる
弁護士法61条2項が「裁決主義」を採るからです。弁護士会の原処分そのものではなく、日弁連の裁決に対してのみ取消訴訟を提起できます。行政事件訴訟法10条2項の原処分主義の例外にあたります。業界裏話ヒント:ここを取り違えて原処分を被告に訴えると、本案の中身に入る前に却下される。司法試験でも頻出の論点で、実務でも訴状の被告特定で真っ先に確認する一点。正しい相手を撃てるかどうかで、土俵に立てるかが決まる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 訴訟の対象 | 弁護士法 61 条:日弁連の裁決のみ(裁決主義) | — |
| 管轄・手続段階 | 東京高等裁判所の専属(第一審が高裁) | — |
| 誤れば生じる結果 | 原処分を被告にすると本案前に却下 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。