弁護士法 第60条(日本弁護士連合会の懲戒)
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- 日本弁護士連合会は、第五十六条第一項に規定する事案について自らその弁護士又は弁護士法人を懲戒することを適当と認めるときは、次項から第六項までに規定するところにより、これを懲戒することができる。
- 2.日本弁護士連合会は、弁護士又は弁護士法人について懲戒の事由があると思料するときは、懲戒の手続に付し、日本弁護士連合会の綱紀委員会に事案の調査をさせることができる。
- 3.日本弁護士連合会の綱紀委員会は、前項の調査により対象弁護士等につき日本弁護士連合会の懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認めるときは、その旨の議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、日本弁護士連合会の懲戒委員会に事案の審査を求めなければならない。
- 4.日本弁護士連合会の綱紀委員会は、第二項の調査により、対象弁護士等につき懲戒の手続を開始することができないものであると認めるとき、対象弁護士等につき懲戒の事由がないと認めるとき又は事案の軽重その他情状を考慮して懲戒すべきでないことが明らかであると認めるときは、日本弁護士連合会の懲戒委員会に事案の審査を求めないことを相当とする議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしなければならない。
- 5.日本弁護士連合会の懲戒委員会は、第三項の審査により対象弁護士等につき懲戒することを相当と認めるときは、懲戒の処分の内容を明示して、その旨の議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しなければならない。
- 6.日本弁護士連合会の懲戒委員会は、第三項の審査により対象弁護士等につき懲戒しないことを相当と認めるときは、その旨の議決をする。この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしなければならない。
この条文の基本情報
日本弁護士連合会の懲戒とは何ですか?
定義日本弁護士連合会の懲戒とは、弁護士法第60条に定められた規定で、「日本弁護士連合会は、第五十六条第一項に規定する事案について自らその弁護士又は弁護士法人を懲戒することを適当と認めるときは、次項から第六項までに規定するところによ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第60条(日本弁護士連合会の懲戒)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第60条の条文原文は「日本弁護士連合会は、第五十六条第一項に規定する事案について自らその弁護士又は弁護士法人を懲戒することを適当と認めるときは、次項から第六項までに規定するところによ…」で始まります。
- 弁護士法第60条は第一節 懲戒事由及び懲戒権者等に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第60条の前の条は弁護士法第59条です。
- 弁護士法第60条の次の条は弁護士法第61条です。
- 弁護士法第60条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第60条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第60条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/60
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法60条は、日本弁護士連合会が所属弁護士会を介さず自ら弁護士を懲戒できる権限を定める。綱紀委員会の調査と議決を経て懲戒委員会が審査する二段階の手続による。
Q · 弁護士に問題があるとき、日弁連は所属弁護士会を飛び越えて直接懲戒できるの?
はい。綱紀委員会の調査と議決を経て日弁連が直接懲戒できます。
弁護士法60条により、日本弁護士連合会(日弁連)は、懲戒事由があると思料する弁護士又は弁護士法人を、所属弁護士会を介さず自ら懲戒手続に付すことができます。まず日弁連の綱紀委員会が事案を調査し、懲戒委員会への審査を求めるのが相当か否かを議決します(ここがゲート)。審査に進んだ事案について懲戒委員会が懲戒相当と議決すれば、その議決に基づき日弁連が処分を決定します。弁護士を監督する行政官庁は存在せず、懲戒は弁護士自治の枠内で行われます。
解説
あなたが依頼した弁護士が着手金を持ち逃げした、あからさまに手を抜いた、相手方とこっそり通じていた。そんなとき監督官庁に通報しようと思っても、その窓口はどこにも存在しない。医師なら厚生労働省、税理士なら国税庁が監督するが、弁護士を監督する役所は日本に一つもない。弁護士を裁けるのは弁護士の組織だけ、これが弁護士自治である。60条は、その自治の頂点に立つ日本弁護士連合会(日弁連)が、地方の弁護士会を飛び越えて自ら直接ある弁護士を懲戒できる権限を定める。手続は二段構え。まず綱紀委員会が事案を調査し、懲戒委員会へ送るに値するかを選別する。ここがゲートで、多くの請求はここで止まる。通過したものだけが懲戒委員会の審査に進み、戒告から除名までの処分が決まる。役所が守ってくれない世界で、あなたが弁護士の非行を正す入口がここにある。
法的な位置づけ
弁護士法60条は、日本弁護士連合会による直接懲戒の権限を定める規定である。同連合会は、懲戒事由があると思料する弁護士又は弁護士法人を懲戒手続に付し、綱紀委員会に事案を調査させる。綱紀委員会が懲戒委員会への審査を相当と議決した場合に限り審査へ進み、その議決に基づいて連合会が処分を決定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.弁護士の非行を懲戒事由(56条)に当てはめる 不満を感情のまま書くのではなく、弁護士法56条の懲戒事由(品位を失うべき非行、職務上の義務違反等)のどれに該当するかを一対一で整理する。委員会は法律家の集団であり、事由と事実が対応した請求だけがゲートを通る
- 2.証拠を時系列で固める 委任契約書、着手金・報酬の領収書、メールやLINEの記録、裁判記録などを時系列で整理し、どの証拠がどの懲戒事由を裏づけるかを明示する。3年の除斥期間(63条)を意識し、起算点と残り時間を把握する
- 3.所属弁護士会に懲戒請求書を提出する 対象弁護士の所属弁護士会に懲戒請求書を提出する(58条、何人でも可)。請求書は懲戒事由と証拠を構造化した形で記載し、感情的・包括的な記載を避ける。事実的・法的根拠を欠く請求は逆に不法行為(民法709条)を問われ得る
- 4.却下されたら期限内に日弁連へ異議を申し出る 綱紀委員会が懲戒しないと決めても、期限内に日弁連へ異議を申し出れば日弁連綱紀委員会が再審査する(64条)。さらに市民構成の綱紀審査会への道も残る。最初の却下で諦めず、二段目・三段目のタイミングを逃さない
よくある質問 AI による整理
Q1弁護士懲戒の綱紀委員会とは何ですか?
懲戒請求された事案を最初に調査し、懲戒委員会の審査に付すべきか否かを選別する委員会です。多くの請求はここで止まり、本審査には進みません。
Q2日弁連の懲戒と弁護士会の懲戒はどう違いますか?
通常は所属弁護士会が懲戒権者ですが、弁護士法60条により日弁連が自ら直接懲戒する回路もあります。地元処理が甘いと見られた重大事案で起動します。
Q3弁護士の懲戒請求はどこに出せばいいですか?
原則として対象弁護士の所属弁護士会に提出します(58条、何人でも可)。却下されても期限内に日弁連へ異議を申し出る道があります(64条)。
Q4弁護士の懲戒処分にはどんな種類がありますか?
戒告、2年以内の業務停止、退会命令、除名の4段階です(57条)。最も軽い戒告でも経歴に残り、業務停止以上は実務に直接の打撃となります。
Q5弁護士の懲戒請求に期限はありますか?
懲戒の事由があったときから3年で手続自体を開始できなくなります(63条の除斥期間)。証拠集めに手間取るうちに期間が過ぎる点に注意が必要です。
Q6綱紀委員会で却下されたら、もう終わりですか?
終わりではありません。期限内に日弁連へ異議を申し出れば日弁連綱紀委員会が再審査し、さらに市民で構成される綱紀審査会への道も残されています。
Q7弁護士を監督する役所はありますか?
ありません。医師は厚生労働省、税理士は国税庁が監督しますが、弁護士を監督する行政官庁は存在せず、調査も処分も弁護士会と日弁連が行う弁護士自治です。
Q8綱紀審査会とは何ですか?
日弁連の綱紀委員会でも懲戒しないとされた場合に、市民(学識経験者)で構成され再度審査する機関です。弁護士自治への外部チェック機能を担います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士に懲戒請求を出したら、その弁護士はすぐ仕事ができなくなるんですか?
いいえ、請求した時点では何も変わりません。懲戒の種類(57条)は戒告、2年以内の業務停止、退会命令、除名の4段階で、最も軽い戒告なら業務は続けられます。そもそも綱紀委員会の調査を通過し懲戒委員会の審査まで進む案件自体が少数です。実務のポイント:弁護士にとって最も実害が大きいのは「業務停止」で、1か月でも進行中の事件と顧客を失います。だから対象弁護士は戒告で収めようと必死に弁明する。請求側はここを理解し、業務停止に相当する重さを証拠で立証する構成にすると、議決の重みが変わる
Q2腹が立ったのでネットの呼びかけに乗って相手の弁護士を懲戒請求しました。問題ないですよね?
問題になり得ます。事実的・法的根拠を欠く懲戒請求は、対象弁護士から不法行為(民法709条)として損害賠償を請求された裁判例が複数あります。綱紀委員会(60条2項)は法律家の集団で、感情的な大量請求は選別段階でまとめて却下されます。実務のポイント:過去に特定の弁護士へ数千件規模の懲戒請求が組織的に行われ、請求者側が一人あたり数万円の賠償を命じられた事例があります。「みんなで出せば安全」はむしろ逆で、中身が同じ定型文の請求ほど不法行為と認定されやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁護士を訴えれば役所が調べてくれる」と思って監督官庁を探す人がいるが、その問いの立て方自体が誤っている。弁護士を監督する行政庁は日本に存在しない。弁護士自治の下では、調査も処分も弁護士会と日弁連が行う。役所を探して空回りする時間が、そのまま3年の除斥期間を削っていく
- 懲戒請求できることは知っていても、その大半が綱紀委員会という入口で止まる事実までは知られていない。懲戒委員会の本審査にたどり着く案件はごく一部で、感情的な大量請求はこの選別段階でまとめて却下される。「請求できる」と「処分される」の間には深い谷がある
- 「日弁連が直接懲戒するなんて、弁護士同士でかばい合って甘くなるだけ」と思われがちだが、実際は逆の側面もある。日弁連が地方弁護士会を飛び越えて自ら動くのは、地元の処理が甘いと見たときであり、むしろ厳格化の方向に働く場面がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 60条:日弁連による直接懲戒の権限と手続 | 56条:懲戒の実体要件(懲戒事由)と懲戒権者 58条:何人でも可能な懲戒請求の端緒 |
| 誰が動くか | 日本弁護士連合会が自ら起動 | 懲戒権者(弁護士会・日弁連)が判断 何人でも請求できる(外部の市民・依頼者) |
| 手続段階 | 綱紀委員会の調査・議決 → 懲戒委員会の審査 | 懲戒の種類(57条)と処分内容を画する基準 手続開始の入口(端緒)にあたる |
| 関連する救済・制約 | 63条の除斥期間(3年)、64条の異議申出 | 57条:戒告・業務停止・退会命令・除名 根拠を欠く請求は不法行為(民法709条)の余地 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も律師の懲戒を律師懲戒委員会が担う点で自治色を持つが、懲戒委員会は法院(裁判所)に附設される構造で、日本の日弁連内部完結型とは組織のあり方が異なる。
韓国は大韓弁護士協会の징계위원회が懲戒を行い、自治の枠組みを採る。日本と同様に弁護士団体内部での懲戒を基本とする。
ドイツは弁護士裁判所(Anwaltsgericht)による司法的手続を採り、Rechtsanwaltskammer と裁判所が関与する。日本の純粋な団体内部完結型より司法手続色が濃い。
米国は州ごとの bar(多くは州最高裁の監督下)が懲戒を担い、自治と裁判所監督が併存する。州により制度は分かれる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 依頼した弁護士に懲戒請求を出したのに、所属弁護士会の綱紀委員会が「懲戒しない」と決めた。ここで終わりだと思うか? 違う。日弁連に異議を申し出れば(64条)、日弁連の綱紀委員会が再審査する。さらに市民で構成される綱紀審査会への道もある。一回の門前払いで諦める人と、二段目三段目を知っている人とで結末が変わる
- あなたが弁護士で、ある朝、日弁連から綱紀委員会の調査開始通知が届く。所属弁護士会ではなく日弁連が自ら動いたということは、事案が重大か、地元弁護士会の処理が甘いと見られたサインだ。ここでの陳述と弁明の出来が、戒告で済むか業務停止に至るかを分ける
- 相手方の弁護士が法廷で明らかに虚偽の主張をしている。腹は立つが、それが懲戒事由になるかは別問題だ。法廷での主張の当否は本来その訴訟で争うもので、懲戒が認められる範囲は思うより狭い
- あなたが弁護士費用を着服された。懲戒請求を考えているなら、急いだ方がいい。懲戒の事由があったときから3年で手続自体を開始できなくなる(63条の除斥期間)。証拠集めに手間取るうちに、その3年は静かに過ぎていく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 弁護士の非行を、感情ではなく56条の懲戒事由(品位を失うべき非行等)のどれに当たるかで整理する2. 委任契約書、着手金の領収書、メールやLINEの記録など証拠を時系列で固める3. まず所属弁護士会に懲戒請求書を提出する(58条、何人でも可) 4. 綱紀委員会が懲戒しないと決めても、期限内に日弁連へ異議を申し出る(64条)。さらに市民構成の綱紀審査会への道も残る。3年の除斥期間(63条)を意識して急ぐ
訴えられた側:1. 日弁連または弁護士会から調査通知が来たら軽視せず、弁明の機会を最大限に使う、ここでの陳述書の質が処分の軽重を分ける2. 事案が懲戒事由に当たらない、または法廷活動の正当な範囲内であることを、証拠と判例で具体的に反論する3. 落ち度がある場合は早期の謝罪と被害弁償が情状として効く4. 不利な処分(業務停止、退会命令、除名)には所定の不服申立て手続で争う。業務に直結するため、軽い戒告でも軽視しない
時効(請求できる期限):懲戒の事由があったときから3年を経過すると、懲戒の手続を開始できない(弁護士法63条の除斥期間)。起算点は非行があった時。継続的な非行は終了時から起算される場合がある(最新の運用状況をご確認ください)
学説
通説:弁護士法60条の直接懲戒は、綱紀委員会の調査・議決を経て懲戒委員会の審査に付すという二段階構造を本質とする。綱紀委員会は懲戒委員会への審査要求の当否を選別するゲートであり、ここで多くの請求が止まる。日弁連が地方弁護士会を介さず自ら動くのは、事案が重大か地元処理が不十分と見られる場合であり、自治を維持しつつ厳格化の方向にも働き得ると解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)司法制度改革 弁護士法改正により懲戒手続を整備。綱紀委員会の議決を経て懲戒委員会の審査に付すという二段階の枠組みと、手続の透明化、市民が関与する綱紀審査会制度が導入され、現行60条の構造が形成された
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:現行弁護士法の制定により、弁護士自治を前提とする懲戒制度が確立。国家による監督を排し、懲戒権を弁護士会及び日弁連に帰属させる枠組みが定められた。
- 2.平成15年(2003年) 改正:司法制度改革に伴う弁護士法改正により懲戒手続を整備。綱紀委員会の議決を経て懲戒委員会の審査に付す二段階の枠組みと手続の透明化、市民が関与する綱紀審査会制度が導入され、現行60条の構造が形成された。
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