弁護士法 第30条の7(登記)
クイックジャンプ
- 弁護士法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
- 2.前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
この条文の基本情報
登記とは何ですか?
定義登記とは、弁護士法第30条の7に定められた規定で、「弁護士法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第30条の7(登記)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第30条の7の条文原文は「弁護士法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。」で始まります。
- 弁護士法第30条の7は第四章の二 弁護士法人に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第30条の7の前の条は弁護士法第30条の6です。
- 弁護士法第30条の7の次の条は弁護士法第30条の8です。
- 弁護士法第30条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第30条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第30条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/30_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法30条の7は、弁護士法人に政令に従う登記を義務付け、登記すべき事項は登記の後でなければ第三者に対抗できないと定める。
Q · 弁護士法人の担当者が辞めたと言われたら、もう誰にも請求できないの?
登記されていなければ、その変更を第三者に対抗できません
弁護士法30条の7第1項により、弁護士法人は政令(組合等登記令)に従って登記をしなければなりません。第2項により、登記すべき事項は登記の後でなければ第三者に対抗できません。したがって社員の脱退や代表社員の変更が登記されていなければ、法人は「もう辞めた」「代表は替わった」と第三者に主張できず、依頼者は登記された状態を前提に責任を追える余地があります。委任前に登記事項証明書を取得し、社員と存続を確認しておくのが安全です。
解説
弁護士に依頼するとき、その相手が「個人の弁護士」なのか「弁護士法人」なのかを気にしたことはあるだろうか。弁護士法人は会社と同じく登記される法人であり、本条はその登記を政令(組合等登記令)に従って義務付ける。だが本当の急所は第2項にある。登記すべき事項は、登記して初めて第三者に対抗できる。つまり、ある社員が法人を抜けても、その脱退が登記されていなければ、あなたはその元社員にまだ責任を追及できる余地がある。逆に法人側は「もう代表者は替わった」「あの社員は抜けた」と、登記していない限りあなたに主張できない。弁護士法人は登記簿で誰でも調べられる。依頼する前、紛争になる前、登記を一度引けば、相手の正体と責任の所在が一枚の紙で見える。
法的な位置づけ
弁護士法第30条の7は、弁護士法人の登記義務と登記の対抗力を定める規定である。第1項は政令の定めにより登記をすべきことを、第2項は登記すべき事項が登記の後でなければ第三者に対抗できないことを規定する。商業登記の対抗力と同種の公示制度を弁護士法人に及ぼすものである。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.委任前に弁護士法人の登記事項証明書を取得 重要事件を弁護士法人に任せる前に、主たる事務所を管轄する法務局で登記事項証明書を取得し、代表社員・所属社員・法人の存続を確認する。委任契約にサインする前の一手間で後の交渉の足場が変わる
- 2.責任主体と存続を記録 取得した登記から代表社員・所属社員の氏名と就任日、法人の存続を控えておく。後で「担当者が辞めた」「法人が解散した」と言われても、責任を追う相手を即座に特定できる
- 3.未登記の脱退・変更を確認して追及 紛争になったら、相手の主張する脱退や代表変更が登記されているかを確認する。未登記なら、法人はそれを第三者に対抗できない(本条2項)ため、登記された状態を前提に責任を主張し、未登記の元社員も射程に入れる
- 4.法人側は期間内に変更登記を行う 弁護士法人を運営する側は、社員の脱退・代表社員の変更・解散が生じたら、組合等登記令の定める期間内に必ず変更登記を行う。怠れば、その事実を第三者に対抗できない状態が続く
よくある質問 AI による整理
Q1弁護士法人の登記事項証明書はどこで取れますか?
弁護士法人の主たる事務所を管轄する法務局・登記所で、登記事項証明書を取得できます。オンライン請求も可能で、代表社員や所属社員、存続の有無を確認できます。
Q2弁護士法人に登記義務はありますか?
あります。弁護士法30条の7第1項により、政令(組合等登記令)の定めるところに従って登記をしなければなりません。登記は任意ではなく法律上の義務です。
Q3弁護士法人の社員は連帯責任を負いますか?
弁護士法人の社員は、法人の債務について一定の連帯責任を負う仕組みがあります。法人の資力が不足しても社員個人に責任を追える道が残る場合があるため、最新条文の確認が必要です。
Q4登記の対抗力とはどういう意味ですか?
登記すべき事項を登記して初めて第三者に主張できる効力を指します。弁護士法30条の7第2項では、未登記の事項を法人が第三者に対抗できません。
Q5弁護士法人が解散したか確認するには?
登記事項証明書を取得すれば、解散の登記の有無を確認できます。解散が登記されていなければ、第三者に対しては存続を前提に扱われます。
Q6組合等登記令とは何ですか?
弁護士法人など各種法人の登記手続を定める政令です。設立・変更・解散の登記すべき事項や期間を規定し、弁護士法30条の7の「政令」がこれにあたります。
Q7弁護士法人の代表社員が変わったら登記は必要ですか?
必要です。代表社員の変更は登記すべき事項であり、変更登記をしなければその変更を第三者に対抗できません(弁護士法30条の7第2項)。
Q8税理士法人や司法書士法人も登記されますか?
されます。税理士法人・司法書士法人・監査法人も同系統の登記制度に服し、同じ対抗力の規律を受けます。士業法人と取引するときは登記簿で責任主体を確認できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士法人って、会社みたいに登記簿で調べられるんですか?
調べられる。弁護士法人は本条1項により政令(組合等登記令)に従って登記が義務付けられた法人で、登記事項証明書を取得すれば代表社員や所属社員、存続の有無が分かる。実務のポイント:依頼者が事前に登記を引くことはほとんどない。だが報酬や賠償でもめたとき、誰が責任を負う社員かを示すのはこの登記簿だ。委任前に一度引いておくだけで、後の交渉の足場がまるで変わる
Q2担当弁護士が事務所を辞めたら、もう請求できないんですか?
そうとは限らない。本条2項により、社員の脱退などの登記事項は登記されて初めて第三者に対抗できる。脱退が登記されていなければ、あなたは登記された状態を前提に責任を追える余地がある。実務のポイント:法人側が変更登記を怠っているケースは実際にある。相手が「もう辞めた」と言っても、登記簿でその脱退が登記されているかを確認するまで諦めないこと。未登記なら、その元社員も射程に入る
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁護士法人に頼めば、法人だけが責任を負い、個々の弁護士には請求できない」と思い込んでいる人が多いが、弁護士法人の社員は法人の債務について連帯責任を負う仕組みがある(弁護士法の社員責任規定、最新の条文を要確認)。法人の資力が足りなくても、社員個人に追える道が残る場合がある
- 登記は単なる形式手続だと知っている人は多い。だがその「形式」の有無が、紛争になったとき誰に責任を追及できるかを直接変えることまでは知らない。脱退や代表変更が登記されているかどうか、その一点で攻める相手が変わる。形式だと侮ったぶんだけ、いざというとき手が止まる
- 「登記簿は会社のもので、士業の事務所には関係ない」と多くの人が思っているが、弁護士法人も税理士法人も司法書士法人も、すべて登記される法人だ。あなたがどんな士業法人と取引していても、登記簿を引けば責任の所在が見える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 30条の7:登記義務と登記の対抗力 | 30条の2:弁護士法人の設立 会社法908条:登記の一般的対抗力 |
| 規律する対象 | 弁護士法人の登記すべき事項全般と第三者対抗 | 法人の成立要件・組織の前提 会社の登記事項の第三者対抗 |
| 未登記の効果 | 登記すべき事項は登記後でなければ第三者に対抗不可 | 設立登記がなければ法人として成立しない 登記すべき事項は登記後でなければ善意の第三者に対抗不可 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も応登記事項を変更後に登記しなければ第三者に対抗できないとする点で日本と同じ構造。2020年改正で律師の法人事務所が認められ、登記による公示の発想を共有する
韓国も商法で登記の一般的効力を定め、法務法人の登記に及ぶ。未登記事項を善意の第三者に対抗できない規律は日本と類似
ドイツ商法15条の商業登記の公示力が淵源。弁護士会社も登記制度に服し、登記の積極的・消極的公示力の理論は日本の通説に強い影響を与えた
米国は州ごとに Secretary of State への登録で士業法人を設立。第三者対抗の扱いは州法と通知(notice)法理によるため、日独のような統一的な対抗力規律とは異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 弁護士法人に損害賠償を求めたいのに、担当だった弁護士は「もう辞めました」と言われたら、誰に請求すればいい? 登記簿で社員を確認すれば、脱退が登記されていない元社員にはまだ責任を追える可能性がある。泣き寝入りする前に、まず登記を引く。
- あなたが弁護士法人を運営していて、ある社員が脱退した。だが登記の変更を忘れたまま半年が過ぎた。その間に生じた取引上、法人は「あの社員はもう抜けている」と第三者に主張できない。登記の遅れが、抜けたはずの社員と法人を縛り続ける。
- 弁護士法人が代表社員を変更したのに登記していない。その隙に旧代表が契約を結んだ。あなたは旧代表を信じて取引した。法人は「あの者に権限はなかった」とは言えない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引・委任の相手である弁護士法人の登記事項を取得し、代表社員・所属社員・存続の有無を確認する2. 「担当者は辞めた」「代表が替わった」と言われても、その脱退や変更が登記されていなければ、登記された状態を前提に責任を主張できる(本条2項) 3. 脱退が未登記の社員がいれば、その社員個人への責任追及も検討する4. 損害賠償そのものの請求は別途、委任契約上の責任や民法709条等を根拠に組み立てる
訴えられた側:1. あなたが弁護士法人側で社員脱退・代表変更・解散などが生じたら、組合等登記令の定める期間内に必ず変更登記を行う2. 登記を怠っている間は、その事実を第三者に対抗できない(本条2項)ことを前提に、未登記の取引リスクを洗い出す3. すでに第三者から登記前の状態を前提に請求された場合、対抗不能を理由とした抗弁は立たないため、実体上の責任の有無で争う4. 過去の未登記事項を一括で点検し、登記を補完する
時効(請求できる期限):登記すべき事項に変更が生じたときは、政令(組合等登記令)の定める期間内(変更登記は原則として一定期間内、最新の規定を要確認)に登記する必要がある。対抗力そのものに時効はなく、登記しない限り第三者に対抗できない状態が継続する
学説
通説:弁護士法30条の7第2項の登記の対抗力は、会社法908条と同種の公示の原則の現れであり、登記すべき事項は登記前は善意の第三者に対抗できず、登記後に対抗力を生じると解される。士業法人の取引の安全を公示によって担保する趣旨とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:弁護士法人制度の導入に伴い、第四章の二(弁護士法人)の一連の規定とともに登記義務・登記の対抗力に関する本条が設けられた(施行は翌年)。詳細な施行日・改正経過は e-Gov 法令検索で要確認。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める