建築基準法 第12条の2(建築物調査員資格者証)
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- 国土交通大臣は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、建築物調査員資格者証を交付する。
- 一前条第一項の調査及び同条第二項の点検(次項第四号及び第三項第三号において「調査等」という。)に関する講習で国土交通省令で定めるものの課程を修了した者
- 二前号に掲げる者と同等以上の専門的知識及び能力を有すると国土交通大臣が認定した者
- 2.国土交通大臣は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者に対しては、建築物調査員資格者証の交付を行わないことができる。
- 一未成年者
- 二建築基準法令の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
- 三次項(第二号を除く。)の規定により建築物調査員資格者証の返納を命ぜられ、その日から起算して一年を経過しない者
- 四心身の故障により調査等の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるもの
- 3.国土交通大臣は、建築物調査員が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その建築物調査員資格者証の返納を命ずることができる。
- 一この法律又はこれに基づく命令の規定に違反したとき。
- 二前項第三号又は第四号のいずれかに該当するに至つたとき。
- 三調査等に関して不誠実な行為をしたとき。
- 四偽りその他不正の手段により建築物調査員資格者証の交付を受けたとき。
- 4.建築物調査員資格者証の交付の手続その他建築物調査員資格者証に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
この条文の基本情報
建築物調査員資格者証とは何ですか?
定義建築物調査員資格者証とは、建築基準法第12条の2に定められた規定で、「国土交通大臣は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、建築物調査員資格者証を交付する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第12条の2(建築物調査員資格者証)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第12条の2の条文原文は「国土交通大臣は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、建築物調査員資格者証を交付する。」で始まります。
- 建築基準法第12条の2は第一章 総則に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第12条の2の前の条は建築基準法第12条です。
- 建築基準法第12条の2の次の条は建築基準法第12条の3です。
- 建築基準法第12条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第12条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第12条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/12_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法12条の2は、国土交通大臣が講習修了者等に建築物調査員資格者証を交付すると定める。不誠実な行為や法令違反があれば返納を命じられる。
Q · ビルの定期調査報告書にハンコを押している「建築物調査員」って、どういう資格なんですか?
講習修了か大臣認定で交付され、不誠実な行為で返納になります
建築基準法12条の2第1項により、国土交通省令で定める講習の課程を修了した者、又はこれと同等以上の専門的知識及び能力を有すると国土交通大臣が認定した者に、建築物調査員資格者証が交付されます。第2項は、未成年者、建築基準法令違反で刑の執行を終えた日から2年を経過しない者、返納命令から1年を経過しない者、心身の故障により業務を適正に行えない者について、交付を行わないことができると定めます。そして第3項により、法令違反、調査等に関する不誠実な行為、不正取得があれば、大臣は資格者証の返納を命ずることができます。一度取れば安泰の免許ではない点が本条の要です。
解説
ビルの管理会社に勤めているなら、あるいは雑居ビルのオーナーなら、毎年届く「特定建築物定期調査報告書」に押されたハンコの持ち主が誰なのか、考えたことがあるだろうか。あの調査をできるのは、国土交通大臣が資格者証を交付した「建築物調査員」だけである。本条はその資格者証の入口と出口を定めている。入口は講習修了か大臣認定の二本。だが本当に読むべきは出口のほうだ。第2項は未成年者、建築基準法令違反で刑を終えて2年未満の者、返納命令から1年未満の者、心身の故障で業務を適正に行えない者について、交付を「行わないことができる」と定める。そして第3項、法令違反・不誠実な行為・不正取得があれば、大臣は資格者証の返納を命じられる。つまりこの資格は、一度取れば安泰の免許ではない。調査報告に手心を加えた瞬間、飯の種そのものが消える構造になっている。あなたが調査を依頼する側なら、その事実こそが報告書の信頼性を支える担保である。
法的な位置づけ
建築基準法12条の2は、建築物調査員資格者証の交付要件を定める規定である。国土交通省令で定める講習の課程を修了した者、又は同等以上の専門的知識及び能力を有すると国土交通大臣が認定した者に交付される。未成年者や建築基準法令違反で刑の執行終了から2年を経過しない者等には交付を行わないことができ、法令違反や調査等に関する不誠実な行為があれば返納を命じられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.調査を依頼する前に資格者証の写しを取得する 定期調査を外注する前に、実際に現地を調査する担当者の建築物調査員資格者証(又は建築士免許証)の写しを提出させる。会社名義ではなく個人の資格者証であることを確認する
- 2.委託契約書に資格保持義務と誠実調査義務を明記する 契約書に「調査担当者は建築基準法12条の2の資格者証を保持すること」「調査等に関して不誠実な行為をしないこと」「資格喪失時は直ちに通知し代替者を手配すること」を入れる。契約前の一行が、報告不備時の責任の所在を受注者側に置く
- 3.調査当日の立会いと記録を残す 現地滞在時間、調査箇所、撮影データを発注者側でも記録する。図面だけで報告書を作る不誠実な調査(第3項第3号)を抑止し、後日の紛争時に客観資料となる
- 4.返納命令の通知が来たら期限内に弁明書を提出する 調査員側の手順。返納命令は不利益処分であり、行政手続法上の弁明の機会又は聴聞が与えられる。通知が来たら期限内に必ず意見を提出し、調査記録・撮影データ・滞在時間記録で「不誠実な行為」の認定に反論する。放置は自認と同じ扱いになる
よくある質問 AI による整理
Q1建築物調査員とは何ですか?
建築基準法12条1項の特定建築物定期調査を行える有資格者です。12条の2に基づき、国土交通省令で定める講習を修了するか、大臣認定を受けた者に資格者証が交付されます。
Q2定期調査報告は誰が行えますか?
建築基準法12条1項により、一級・二級建築士または建築物調査員資格者証の交付を受けた者です。無資格者の調査では報告が法定要件を満たしません。
Q3建築物調査員資格者証はどうやって取得しますか?
国土交通省令で定める講習の課程を修了するのが基本ルートです(12条の2第1項第1号)。同等以上の専門的知識及び能力があると大臣が認定する第2号ルートもあります。
Q4資格者証が交付されないのはどんな場合ですか?
未成年者、建築基準法令違反で刑の執行終了から2年未満の者、返納命令から1年未満の者、心身の故障で業務を適正に行えない者として省令で定める者です(第2項)。
Q5資格者証の返納を命じられるのはどんなときですか?
建築基準法令違反、第2項第3号・第4号該当、調査等に関する不誠実な行為、偽りその他不正の手段による取得の四つです(第3項)。
Q6返納命令を受けたら何年で再取得できますか?
第2項第3号により、返納を命じられた日から1年を経過しない間は交付を行わないことができます。1年経過後も裁量規定である点は変わりません。
Q7建築物調査員と建築設備検査員の違いは何ですか?
建築物調査員は建築物本体の定期調査、建築設備等検査員は昇降機・建築設備等の定期検査を担当します。資格者証の根拠条文も12条の2と12条の3で分かれています。
Q8調査員の資格が失われたら報告義務はどうなりますか?
報告義務を負うのは建築基準法12条1項により所有者・管理者です。調査員が資格を失っても義務は消えず、期限までに有資格者を確保する必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちのビルの調査、いつも同じ人に頼んでるんですが、資格ってどこで確認できるんですか?
本人が携帯する建築物調査員資格者証の提示を求めるのが最も確実である。第4項により交付手続その他必要な事項は国土交通省令に委任されており、様式もそこで定まっている。実務のポイント:定期調査報告は建築士でも行えるため(建築基準法12条1項)、担当者が「一級建築士だから大丈夫」と答えることがある。それ自体は誤りではないが、資格者証保持者と建築士では前提となる講習内容が違う。どちらの資格で報告するのかを最初に確認しておくと、報告書の受理段階でのトラブルが減る
Q2違反で罰金を払ったんですが、2年って判決の日から数えるんですか?
第2項第2号は「その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から起算して二年」と定めており、判決確定日ではなく罰金を納付し終えた日が起算点である。実務のポイント:納付が分割や延納になった場合、最終納付日が起算点になる。判決から時間が経っているという感覚で申請すると、書類上の起算日で弾かれる。申請前に納付完了日を証する書類を手元に揃えておくと、疎明が早い
間違えやすい点 AI による整理
- 「資格者証は一度交付されれば取り上げられない」と考えられがちだが、第3項は四つの返納事由を並べている。しかも法令違反そのものだけでなく「調査等に関して不誠実な行為」という、幅の広い受け皿が置かれている。行政の裁量が働く余地が大きい規定である
- 第2項の欠格事由の深刻さは、条文を読んだ人でも見落としやすい。ここは「交付を行わないことができる」という裁量規定であって、必ず拒否されるとは書いていない。だが実務上、大臣が積極的に交付する理由はほとんどなく、事実上の絶対的障壁として機能する。裁量規定だから交渉の余地があると考えるのは誤読である
- 「調査員の資格の話だから、建物のオーナーには関係ない」と思うなら、問いの立て方が逆である。定期調査報告の義務を負うのは建築基準法12条1項により所有者・管理者、つまりオーナーの側であり、調査員はその義務履行のための手足にすぎない。調査員の資格が失われて困るのは、法的にはオーナーである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 建築基準法12条の2:建築物調査員資格者証(建築物本体の定期調査) | 建築基準法12条の3:建築設備等検査員資格者証(昇降機・建築設備等の定期検査) 建築基準法12条:定期調査・検査の報告義務そのもの |
| 資格の入口 | 省令で定める講習の修了、又は同等以上と認める大臣認定 | 検査等に関する省令講習の修了、又は大臣認定 資格要件を定める条文ではない(建築士又は各資格者証保持者に調査主体を限定) |
| 欠格・返納 | 第2項に四つの欠格事由、第3項に四つの返納事由(不誠実な行為を含む) | 12条の2と同型の欠格事由・返納事由を規定 資格の剥奪規定はなく、虚偽報告は101条以下の罰則が受け皿 |
| 義務を負う主体 | 調査員本人(資格の維持義務) | 検査員本人(資格の維持義務) 特定建築物の所有者・管理者(報告義務の名宛人) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も所有者・使用者に定期申報義務を課し、検査は専業機構又は専業検査人に限定する。資格の登録取消し事由が別途定められる点で構造が近い
韓国は2020年施行の建築物管理法で定期点検制度を整理し、点検実施者の資格を建築士・技術士等に限定している
ドイツは州ごとの建築法制で技術設備の検査を Prüfsachverständige に委ね、認定の取消しも州の建築監督官庁が行う
米国は統一の全国資格ではなく、ICC 認証を土台に州・自治体が独自に検査員を認定し、認定の停止・取消しも各自治体が判断する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- テナントビルのオーナーであるあなたに、管理会社から「定期調査で防火設備に指摘が出ましたが、報告書は穏便に書いておきます」と持ちかけられた。その調査員が応じれば第3項第3号の不誠実な行為に当たり、返納命令の対象になる。持ちかけたあなた自身も、虚偽報告として建築基準法の罰則側に立つ可能性がある
- 講習を修了して資格者証を申請したところ、交付されなかった。過去に建築基準法令違反で罰金刑を受け、納付から1年半しか経っていなかったからだ。第2項第2号の2年経過要件である。この2年は判決日ではなく執行終了日から起算する。半年待てば道は開ける
- もし、あなたが管理する建物の調査員が突然「資格者証を返納した」と言ってきたらどうなる? 進行中の調査は無資格者による調査となり、報告そのものが法定要件を満たさない。次の報告期限まであと2か月、代わりの調査員を確保しないと、報告義務違反(建築基準法12条1項)を問われるのは調査員ではなくあなた、つまり所有者・管理者の側である
- 建築士としてこの資格を持ち、副業で調査を請け負っている。ある案件で図面を見ただけで現場を歩かず報告書を作った。これは第3項第3号の不誠実な行為に直結する。返納を命じられれば、その日から1年間は再交付の道も閉じる(第2項第3号)
取るべき行動
被害を受けた側:調査が明らかにずさんだった、または報告書に事実と異なる記載があると気付いた場合。1. 報告書の作成者名と資格者証番号を控え、現地写真・当時のやりとりの記録を保全する2. 契約上の債務不履行として調査のやり直しと費用返還を求める書面を出す3. 並行して、特定行政庁(報告先の自治体建築指導課)に事実関係を情報提供する。第3項の返納事由に当たると判断されれば国土交通大臣の処分につながる4. 損害が生じているなら民法415条または709条での賠償請求を検討
訴えられた側:返納命令を検討されている、または弁明の機会を通知された場合。1. 返納命令は不利益処分であり、行政手続法上の弁明の機会または聴聞が与えられる。通知が来たら期限内に必ず意見を出す、放置は自認と同じ扱いになる2. 「不誠実な行為」の認定は評価を伴うため、調査記録・撮影データ・現地滞在時間の記録など客観資料で反論する3. 処分が出た場合、審査請求(行政不服審査法、原則3か月以内)または取消訴訟(行政事件訴訟法、原則6か月以内)が可能4. 返納命令が確定すると第2項第3号により1年間は再交付の道が閉じるため、争うかどうかの判断は早期に
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。関連する期間制限として、交付拒否事由の刑執行終了から2年(第2項第2号)、返納命令から再交付までの1年(同項第3号)。返納命令という行政処分を争う場合は、審査請求が処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟が処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:定期調査・検査報告制度の見直しに伴い、建築物調査員資格者証の制度が新設された。調査の担い手を講習修了者に広げる一方、欠格事由と返納命令で報告の信頼性を担保する設計が採られた
- 2.令和元年(2019年) 改正:成年被後見人等を一律に排除する欠格条項が見直され、第2項第4号は「心身の故障により調査等の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるもの」という個別判断型の規定に改められた
- 建築基準法 第12条特定建築物の定期調査報告義務と調査主体の限定
- 建築基準法 第12条の3建築設備等検査員資格者証、並行する資格制度
- 建築基準法 第8条所有者・管理者の維持保全義務、調査報告制度の根拠
- 建築基準法 第101条虚偽報告等に対する罰則
- 行政手続法 第13条返納命令に先立つ聴聞・弁明の機会付与
- 行政不服審査法 第18条返納命令に対する審査請求期間
- 建築士法 第2条建築士による調査との資格上の並列関係
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