建築基準法 第68条の18(型式適合義務等)
クイックジャンプ
- 認証型式部材等製造者は、その認証に係る型式部材等の製造をするときは、当該型式部材等がその認証に係る型式に適合するようにしなければならない。ただし、輸出のため当該型式部材等の製造をする場合、試験的に当該型式部材等の製造をする場合その他の国土交通省令で定める場合は、この限りでない。
- 2.認証型式部材等製造者は、国土交通省令で定めるところにより、製造をする当該認証に係る型式部材等について検査を行い、その検査記録を作成し、これを保存しなければならない。
この条文の基本情報
型式適合義務等とは何ですか?
定義型式適合義務等とは、建築基準法第68条の18に定められた規定で、「認証型式部材等製造者は、その認証に係る型式部材等の製造をするときは、当該型式部材等がその認証に係る型式に適合するようにしなければならない。ただし、輸出のため当該…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第68条の18(型式適合義務等)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第68条の18の条文原文は「認証型式部材等製造者は、その認証に係る型式部材等の製造をするときは、当該型式部材等がその認証に係る型式に適合するようにしなければならない。ただし、輸出のため当該…」で始まります。
- 建築基準法第68条の18は第三章の二 型式適合認定等に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第68条の18の前の条は建築基準法第68条の17です。
- 建築基準法第68条の18の次の条は建築基準法第68条の19です。
- 建築基準法第68条の18には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第68条の18 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第68条の18(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/68_18
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法68条の18は、認証型式部材等製造者に、型式どおりに製造する義務と、検査記録を作成・保存する義務を課す。輸出用と試験的製造は除外される。
Q · 型式適合認定を取ったら、あとは自由に作っていいんですか?
型式どおりに作り、検査記録を作って保存する義務が続きます
建築基準法68条の18により、認証型式部材等製造者は、製造する型式部材等を認証に係る型式に適合させなければならず(1項)、国土交通省令の定めるところにより検査を行い、その検査記録を作成・保存しなければなりません(2項)。認証の効果は建築確認・完了検査での審査の特例(68条の20)であり、行政が降りた審査の代わりを製造者の自主検査と記録が担います。輸出のための製造と試験的製造は但書で除外されますが、その製品が国内市場に流通すれば除外は及びません。
解説
建築確認という制度は、すべての部材を役所が見ていると誤解されている。実際は違う。型式適合認定を受けた部分、たとえばプレハブ住宅のユニット、防火設備、昇降機については、確認や完了検査で当該部分の審査が省略される仕組みがある(68条の20)。役所は現物を見ない。では誰が見ているのか。製造者本人である。68条の18は、その代償として二つの義務を課す。第一に、認証を受けた型式のとおりに作ること。第二に、国土交通省令の定めに従って自ら検査し、記録を作り、保存すること。輸出用と試験的製造は但書で外れるが、その除外品が国内市場に紛れ込めば話は別だ。つまりあなたの工場のファイルに綴じられた検査記録は、社内文書ではない。行政が降りた審査の代わりに、その建物の適法性を裏づける唯一の証拠である。記録が消えれば、適合を後から証明する手段は世の中のどこにも残らない。
法的な位置づけ
建築基準法68条の18は、型式部材等製造者の認証を受けた者に対する型式適合義務および検査記録義務を定める規定である。認証型式部材等製造者は、製造する型式部材等を認証に係る型式に適合させ、国土交通省令の定めるところにより検査を実施し、その記録を作成して保存しなければならない。輸出のための製造および試験的製造は適用除外とされる。
手順
- 1.認証された型式と現物の同一性を工程単位で固定する 認証申請時の図面・仕様書・製造指図書を工程ごとに突き合わせ、治具、材料ロット、工程順序のどこが認証型式に紐づくかを一覧化する。性能が上がる方向の変更も認証型式からの逸脱であり、仕様を動かすなら変更の手続を先に通す
- 2.国土交通省令に沿った検査方法と記録様式を確定する 建築基準法施行規則の現行規定を確認し、検査項目、検査頻度、判定基準、記録様式、保存期間、保存媒体を文書化する。記録にはロット番号と出荷先を必ず含め、後から追跡できる形にする
- 3.適用除外ロット(輸出用・試験的製造)を物理的に分離する 但書の除外は「輸出のための製造」等にしか働かない。除外ロットは保管場所を分け、識別表示を貼り、出荷伝票の系統も分ける。国内の欠品対応で除外ロットを転用しない運用ルールを明文化する
- 4.外注・応援生産の工場を事前に手続へ載せる 義務主体は認証を受けた者であり、製造を外注しても責任は移らない。認証申請で特定された工場以外での製造は認証の範囲外になり得るため、生産逼迫時の応援先を平時のうちに手続へ載せ、検査と記録の運用も同一に揃える
- 5.逸脱発見時は72時間以内に範囲特定と自主報告を行う 逸脱を型式単位ではなくロット単位で特定し、検査記録から出荷先を遡る。範囲を自力で示せるかが全数回収と限定回収の分岐点になる。行政が把握する前に指定認定機関および所管行政庁へ自主報告し、是正計画を日付入りで書面化する
よくある質問 AI による整理
Q1型式適合認定とは何ですか?
一定の型式の建築材料や設備について、その型式が建築基準法の規定に適合することを予め認定する制度です。認定を受けた部分は建築確認や検査で審査が省略されます。
Q2認証型式部材等製造者とは誰のことですか?
型式適合認定を受けた型式部材等について、製造者としての認証を受けた者を指します。製造を外注しても義務主体は認証を受けた者のままで、検査と記録の責任は移りません。
Q3検査記録は何年保存すればいいですか?
保存期間は国土交通省令(建築基準法施行規則)で定められています。年数は改正で変わるため、現行の施行規則を必ず確認してください。認証の更新審査でも過去の記録が提出材料になります。
Q4輸出用の製品にも型式適合義務はかかりますか?
68条の18第1項但書により、輸出のための製造と試験的な製造は適用除外です。ただし除外されたロットが国内に流通した時点で、認証型式に適合しない部材として扱われます。
Q5型式適合認定を受けると建築確認はどう変わりますか?
認定を受けた部分について、建築確認および完了検査での審査が省略されます(68条の20)。役所は現物を見ないため、適法性の根拠は製造者の自主検査記録だけになります。
Q6プレハブ住宅は型式適合認定の対象ですか?
工業化住宅のユニット、防火設備、昇降機など、同一規格で量産される部材・設備が典型的な対象です。個別の設計で一棟ごとに作るものは対象になりません。
Q7検査記録を作っていないとどうなりますか?
記録の不存在それ自体が68条の18第2項違反です。製品が実際には型式に適合していたとしても違反は成立し、認証取消しなど行政上の不利益処分の対象になり得ます。
Q8建築主は検査記録を見ることができますか?
法律上の当然の閲覧請求権はありません。実務では売買・請負契約の段階で検査記録の写しの提出を納品条件に書き込むのが確実です。出荷後の請求は営業秘密を理由に断られがちです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1認証を取ったあとは、もう普通に作っていいんですよね?
逆である。認証の効果は建築確認と検査での審査省略(68条の20)であり、省略された審査の代わりを担うのが68条の18の型式適合義務と検査記録義務である。認証は到達点ではなく継続的な義務の開始点となる。実務のポイント:認証には更新制度があり(68条の14)、更新審査では過去の検査記録がそのまま提出材料になる。日々の記録の粗さは、更新のタイミングで一気に表面化する
Q2実際に作っているのは下請け工場です。義務を負うのは元請のうちですか?
義務主体は認証を受けた者、すなわち認証型式部材等製造者である。製造を外注しても義務は認証者に残り、検査と記録の責任も移らない。実務のポイント:認証申請では製造をする工場が特定されている。登録外の工場で作った時点で、その製品は認証の範囲外になりうる。生産逼迫時の応援生産が最も事故を起こしやすい場面であり、応援先を先に手続へ載せておくかどうかで結論が変わる
Q3型式と少し違うものを出してしまったら、何が起きますか?
まず認証の取消しという行政上の不利益処分の対象となり、取消し後は確認・検査の特例が使えず、以後の出荷はすべて通常の手続に戻る。さらに出荷済み部材を組み込んだ建物側に適合性の疑義が波及する。実務のポイント:経営上の打撃は罰金ではなく、特例が使えなくなることで生じる。確認手続の日数と費用が全案件で増え、納期を前提に組まれた取引が先に崩れる
間違えやすい点 AI による整理
- 「認証を取れば審査が楽になる」という理解は、問いの立て方が逆になっている。認証は手続を省く権利ではなく、行政が本来行う検査を自社が引き受ける約束である。楽になった審査の分量が、そのまま68条の18が課す自主検査と記録の負担に置き換わっている
- 検査記録を作る義務があることは現場も知っている。だが知られていないのは、記録の不存在それ自体が独立した義務違反であり、製品が実際には型式に適合していた場合でも違反が成立するという点である。品質が良かったことは、記録がなかったことの弁明にならない
- 製造者から見れば「一部ロットの寸法逸脱」にすぎない事象が、建築主から見れば「自分の建物は本来の審査を経ていない」という話になる。この視点の落差が回収範囲と紛争規模を決める。社内の不良品判定の物差しで外の世界を測ると、対応が必ず一手遅れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰に何を課すか | 68条の18:認証製造者に型式適合義務+検査記録の作成・保存義務 | 68条の19:認証型式部材等への表示義務 68条の20:建築確認・完了検査における審査の特例(義務の対価) |
| 制度上の位置づけ | 行政が降りた審査を製造者が引き受ける実体的義務 | 現場・検査機関が認証品であることを識別するための外形表示 認証の経済的メリットそのもの(手続日数と費用の圧縮) |
| 違反したときの効き方 | 認証取消し等の不利益処分の対象。記録の不存在だけでも違反が成立 | 表示の欠落・不正表示として是正の対象 認証が失われれば特例が使えず、以後は通常の確認・検査手続に戻る |
| 義務の起点 | 68条の11の製造者認証を受けた時点から継続 | 認証型式部材等を出荷する時点 68条の10の型式適合認定を受けた型式が使われる確認申請の時点 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は建築技術規則への委任を軸に、製品側は商品検験法の型式認可と工場検査を組み合わせる。日本のように「確認審査の省略」と「製造者の自主検査記録」を一本の条文で対価関係に結ぶ構造は取っていない
韓国は建築資材の品質認定と KS 認証を併用し、製造工場審査と事後の品質管理記録を求める点で日本と近い。制度の集中度は日本の型式部材等製造者認証より分散している
ドイツは製造者自身の Übereinstimmungserklärung(適合宣言)と工場生産管理(FPC)で担保する点が68条の18と同型。ただし上位に EU 建設製品規則があり、CE マーキングと性能宣言が枠組みを規律する
米国は第三者評価機関のレポートと工場内検査(in-plant inspection)で代替する方式。工業化住宅では連邦規則が製造者の品質保証計画と記録保存を直接義務づけており、日本の構造に最も近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ラインの治具をわずかに変えた。強度は上がったのだから問題ないはずだ、と現場は判断した。だが68条の18が要求しているのは性能の優劣ではなく、認証を受けた型式との同一性である。良くする方向の逸脱も逸脱であり、仕様を動かしたいのであれば、変更の届出(68条の16)や認証の手続を先に通す必要がある
- もし輸出用に作った仕様違いのロットが、国内の急な欠品対応で現場に回されたとしたら? 但書の除外は「輸出のための製造」にしか働かない。国内に出た瞬間、そのロットは認証型式に適合しない部材として建物に組み込まれたことになる。在庫の物理的分離と識別表示が、この条文の実務上の急所である
- 検査記録が保存期間の途中で廃棄されていた。行政から当該ロットについて説明を求められた。適合を証明する手段は、もうどこにも残っていない
- 出荷済みロットに型式との寸法差が見つかった。指定認定機関への報告、出荷停止、回収範囲の特定、この三つを何日で組めるかで結末が変わる。認証取消しに向けた聴聞の通知が届いてからでは、自主的な是正という材料はもう手札にならない
- 友人が中古の建売住宅を買う前に、確認申請図書と検査済証を見せてきた。型式適合認定の番号が並ぶ部分は、役所が現物を見ていない部分である。その安心の根拠がメーカーの検査記録にあることを、あなたは三分で説明できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 納入部材の型式適合認定番号と認証番号を控え、当該ロットの検査記録の写しをメーカーに請求する。契約前であれば提出を納品条件に組み込む2. 不適合が疑われるなら、確認検査機関と特定行政庁に早期に相談し、確認・検査の特例(68条の20)を前提とした審査が維持できるかを確かめる3. 是正費用と工期遅延は、売買・請負契約上の契約不適合責任と、事故が生じていれば製造物責任法3条で構成する4. 記録提出を拒まれた事実そのものを書面で残す
訴えられた側:1. 逸脱の範囲を型式単位ではなくロット単位で特定し、検査記録から出荷先を遡る。範囲を自分で示せるかどうかが、全数回収と限定回収の分岐点になる2. 行政が把握する前に指定認定機関および所管行政庁へ自主報告し、是正計画を日付入りで書面化する3. 認証取消しの手続に進んだ場合は聴聞で意見を述べる機会がある。弁明の材料は記憶ではなく是正の記録である4. 但書の除外(輸出・試験的製造)を主張するなら、製造指図書と在庫管理記録で国内流通していない事実を立証する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。検査記録の保存期間は国土交通省令で定められているため、建築基準法施行規則の現行規定を必ず確認すること(最新の改正状況をご確認ください)。認証取消しなどの不利益処分を受けた場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条)。民事の損害賠償は一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年)
改正沿革 AI による整理
- 平成10年(1998年)改正(要検証) 建築確認・検査の民間開放と性能規定化を柱とする大改正の一環として、型式適合認定および型式部材等製造者の認証に関する章が整備され、その中に型式適合義務と検査記録義務が置かれたと解される。ただし本条の新設時期、条番号の変遷、その後の改正回数については人的検証が必要
- 建築基準法 第68条の10型式適合認定、義務の対象となる型式の確定
- 建築基準法 第68条の11型式部材等製造者の認証、義務主体の発生根拠
- 建築基準法 第68条の19認証型式部材等への表示義務との一体運用
- 建築基準法 第68条の20確認及び検査の特例、本条の義務の対価
- 建築基準法 第68条の21義務違反に対する認証の取消し(現行効力を要確認)
- 製造物責任法 第3条欠陥部材による損害への無過失責任の特則
- 住宅の品質確保の促進等に関する法律 第94条新築住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵担保責任
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める