建築基準法 第80条(委員の欠格条項)
クイックジャンプ
- 次の各号のいずれかに該当する者は、委員となることができない。
- 一破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 二拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
この条文の基本情報
委員の欠格条項とは何ですか?
定義委員の欠格条項とは、建築基準法第80条に定められた規定で、「次の各号のいずれかに該当する者は、委員となることができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第80条(委員の欠格条項)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第80条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、委員となることができない。」で始まります。
- 建築基準法第80条は第五章 建築審査会に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第80条の前の条は建築基準法第79条です。
- 建築基準法第80条の次の条は建築基準法第80条の2です。
- 建築基準法第80条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第80条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第80条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/80
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法80条は、建築審査会の委員になれない者を定める。破産して復権を得ない者と、拘禁刑以上の刑の執行が終わっていない者の2類型に限られ、罰金刑は欠格事由に当たらない。
Q · 建築審査会の委員って、誰でもなれるんですか。なれない人はいますか。
破産して復権前の者と、拘禁刑以上の刑の執行中の者の2類型だけです
建築基準法80条は、建築審査会の委員となることができない者を2つだけ挙げます。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者と、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者です。裏を返せば、罰金刑を受けた人も、免責許可の決定が確定して復権した人も、条文上は委員でいられます。積極的な任命要件は79条にあり、任命するのは市町村長または都道府県知事です。就任後の職務上の義務違反や非行は、80条の2の解任で処理されます。
解説
建築審査会という組織の名を、家を建てる前に聞く人はほとんどいない。だが道路に2メートル接していない土地、いわゆる再建築不可の敷地に建物を建てられるかどうかを最後に左右するのは、この合議体である。特定行政庁(市長や知事)は、建築審査会の同意を得なければ43条2項2号の許可を出せない。用途地域に合わない用途の特例許可(48条各項ただし書)も、原則として同意が要る。そして建築確認などの処分に納得がいかないとき、裁判所より先に審査請求を受け、裁決を下すのもここだ。80条は、その席に座れない人をたった2種類だけ挙げる。破産して復権していない者と、拘禁刑以上の刑の執行が終わっていない者。裏を返せば、罰金刑を受けた人も、破産から復権した人も、条文上は委員でいられる。委員は常勤の役人ではなく、非常勤の建築士・弁護士・大学教授である。あなたの申請を判断するのが誰なのか、調べる手段は最初から公開されている。
法的な位置づけ
建築基準法80条は、建築審査会の委員の欠格条項を定める規定である。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、および拘禁刑以上の刑に処せられその執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者は、委員となることができない。79条の積極的な任命要件に対する消極要件として機能し、欠格事由が消滅すれば就任の可能性は回復する。
よくある質問 AI による整理
Q1建築審査会とは何ですか?
特定行政庁に置かれる合議制の機関です。43条2項2号の接道許可などへの同意を与え、建築確認等の処分に対する審査請求の裁決も行います。委員は常勤の職員ではなく非常勤です。
Q2建築審査会の同意が必要な許可にはどんなものがありますか?
代表は43条2項2号の接道義務の特例許可と、48条各項ただし書の用途地域に関する特例許可です。特定行政庁は審査会の同意を得なければ許可を出せません。
Q3建築審査会の委員名簿や議事録は見られますか?
委員名簿をサイトで公開している自治体は多く、議事録も各自治体の情報公開条例に基づく開示請求の対象になります。同種案件で同意が出た理由づけを先に読むことができます。
Q4建築審査会への審査請求はいつまでにすればいいですか?
行政不服審査法18条1項により、原則として処分があったことを知った日の翌日から3か月以内です。期間を過ぎると内容に入らず却下される可能性が高くなります。
Q5破産した人はいつから建築審査会の委員になれますか?
復権を得た時点からです。免責許可の決定が確定すれば破産法255条により当然に復権し、80条1号の欠格は解けます。破産したこと自体が永久の障害にはなりません。
Q6拘禁刑以上の刑とは何ですか?
2022年の刑法改正で懲役と禁錮が一本化された自由刑が拘禁刑で、それ以上の刑は死刑を含みます。改正の施行に伴い、80条2号の「禁錮以上」が「拘禁刑以上」に置き換えられました。
Q7建築審査会の口頭審査は公開ですか?
公開です。建築基準法94条3項により、審査会は裁決の前に審査請求人や特定行政庁等の出頭を求め、公開による口頭審査を行わなければならないとされています。
Q8建築審査会と建築主事はどう違いますか?
建築主事は建築確認という処分を行う職であり、建築審査会はその処分への不服を裁き、特例許可に同意する合議体です。処分する側とチェックする側が分かれています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1建築審査会の委員って、どんな人がやってるんですか。役所の人ですか。
常勤の職員ではない。79条により、法律・経済・建築・都市計画・公衆衛生または行政にすぐれた経験と知識を持ち、公共の福祉に関し公正な判断ができる者のうちから、市町村長または都道府県知事が任命する非常勤の委員である。実際には大学教授、建築士、弁護士が多い。実務のポイント:委員名簿を公開している自治体は多く、議事録も情報公開条例で請求できる。同種案件でどの理由づけが同意を得たかを先に読むと、申請書の書き方が変わる。
Q2罰金刑を受けた委員は、辞めなくていいんですか。
80条2号が挙げるのは拘禁刑以上の刑なので、罰金刑は条文上の欠格事由にならない。ただし80条の2により、職務上の義務違反や委員たるに適しない非行があれば任命権者は解任できる。自動的に資格を失う仕組みと、解任する仕組みは別物である。実務のポイント:執行猶予中は「執行を受けることがなくなるまでの者」に当たり欠格だが、猶予期間が取り消されずに満了すれば刑の言渡しは効力を失い(刑法27条)、欠格は解ける。
間違えやすい点 AI による整理
- 「どうすれば建築審査会の委員になれるのか」という問いの立て方自体が的を外している。80条は排除される条件しか書いていない。積極的な資格要件は79条にあり、しかも任命するのは市町村長または知事であって、要件を満たせば就任できるという構造ではない。80条を読む価値は、就任の可否ではなく、自分の案件を裁く側の質がどこまで担保されているかを測れる点にある。
- 建築審査会が中立な有識者の集まりであることは多くの人が知っている。だが、その中立性を条文レベルで支えているのが、この2行の欠格条項と、82条の除斥規定だけだという薄さまでは知らない。利害関係の排除は事件ごとの除斥に委ねられており、あなたの案件に関わる委員が誰なのかを自分で確認しないかぎり、役所の側から教えてくれることはない。
- 拘禁刑以上の刑を受けた者は生涯にわたり委員になれない、と読まれがちだが条文はそう書いていない。欠格が続くのは「その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまで」。刑期を終えれば、あるいは執行猶予の期間が無事に満了すれば欠格は解ける。身分ではなく状態を基準にした条文である。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の内容 | 80条:委員になれない者を定める消極要件(欠格条項) | 79条:委員として任命される積極要件と組織 80条の2:就任後の解任事由 |
| 働く場面 | 就任資格の入口。該当すれば委員の地位に就けない | 任命の場面。経験・知識・公正な判断力を備えるかの評価 在任中の場面。義務違反や委員たるに適しない非行があったとき |
| 判断の主体 | 条文の要件に該当するか否かで決まり、裁量の余地がない | 市町村長または都道府県知事の任命裁量 任命権者の解任判断 |
| 状態が解消したとき | 復権または刑の執行の終了により欠格は解け、就任の可能性が戻る | 要件を満たしても就任が保障されるわけではない 解任された者の再任を条文上一律に禁じる規定はない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公職就任の消極資格を公務人員任用法に一般規定として置き、行政処分への不服は訴願審議委員会が審議する。建築分野の専用審査会に固有の欠格条項を置く日本とは立法の置き場所が異なる
韓国は国家公務員法の結格事由に破産後未復権者と禁錮以上の実刑者を掲げ、建築分野では建築法上の建築委員会が同意・審議機能を担う。欠格の基準の立て方は日本とほぼ同型
ドイツは一定以上の自由刑の言渡しに公職就任資格の喪失という刑法上の効果を結びつけ、期間も法定する。個別法ごとに欠格条項を書く日本と異なり、刑法側で一括処理する構造
米国は建築紛争の不服審査を州・自治体が採用するモデルコード上の Board of Appeals が担い、委員資格は経験と訓練という積極要件が中心。欠格は各州の公職倫理法に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続した実家の土地が再建築不可だと分かったら、次に何を調べる? 窓口の担当者の顔色ではなく、建築審査会の同意基準と過去の同意事例だ。委員名簿を公開している自治体は多く、議事録も情報公開条例による請求の対象になる。窓口の「無理です」は、審査会が下した判断そのものではない。
- 建築確認の処分を争う審査請求の期限は、処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条1項)。あと3週間しか残っていない。その裁決を書くのは裁判官ではなく、この条文で足切りされた非常勤の委員たちである。
学説
行政法学上の一般的な理解:欠格条項は、個別の適格性審査に代えて類型的に就任を排除する立法技術であり、必要最小限の範囲に限るべきものとされる。80条が身分ではなく状態を基準とし、復権や執行の終了で欠格が解ける設計は、この方向に沿うものと説明される
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部改正に伴い、2号の「禁錮以上の刑」が「拘禁刑以上の刑」に改められた。懲役と禁錮の拘禁刑への統合による形式的な改正であり、欠格となる範囲自体は実質的に変わっていない
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:建築基準法の制定により建築審査会制度が置かれ、あわせて委員の欠格条項が設けられた
- 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年6月1日)施行 改正:刑法等の一部改正に伴う関係法律の整理により、2号の「禁錮以上の刑」が「拘禁刑以上の刑」に改められた。懲役と禁錮の統合による形式的改正で、欠格の実質的範囲は変わっていない
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める