建築基準法 第82条(委員の除斥)
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委員は、自己又は三親等以内の親族の利害に関係のある事件については、この法律に規定する同意又は第九十四条第一項前段の審査請求に対する裁決に関する議事に加わることができない。
この条文の基本情報
委員の除斥とは何ですか?
定義委員の除斥とは、建築基準法第82条に定められた規定で、「委員は、自己又は三親等以内の親族の利害に関係のある事件については、この法律に規定する同意又は第九十四条第一項前段の審査請求に対する裁決に関する議事に加わることが…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第82条(委員の除斥)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第82条の条文原文は「委員は、自己又は三親等以内の親族の利害に関係のある事件については、この法律に規定する同意又は第九十四条第一項前段の審査請求に対する裁決に関する議事に加わることが…」で始まります。
- 建築基準法第82条は第五章 建築審査会に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第82条の前の条は建築基準法第81条です。
- 建築基準法第82条の次の条は建築基準法第83条です。
- 建築基準法第82条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第82条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第82条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/82
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法82条は、建築審査会の委員が自己または三親等以内の親族の利害に関係する事件について、同意および審査請求の裁決に関する議事に加われないと定める除斥規定である。
Q · 近所の建築許可に同意した建築審査会の委員が、施主の親戚だったら許可は争えますか?
手続違法として争えます。除斥違反は取消訴訟の違法事由になります。
建築基準法82条は、建築審査会の委員が自己または三親等以内の親族の利害に関係する事件について、同意および94条1項前段の審査請求に対する裁決の議事に加わることができないと定めます。該当する委員が議事に加わっていれば手続の違法事由となり、審査請求や取消訴訟で主張できます。ただし除斥違反があれば許可が当然に無効となるわけではなく、その参加が結論に影響したといえるかで評価が分かれるため、他の手続瑕疵と束ねて主張するのが実務的です。
解説
用途地域では本来建てられないはずの店が、隣の土地に建つ。特定行政庁が48条ただし書の特例許可を出したからだ。その許可には建築審査会という委員5人以上の合議体の同意が要り(79条1項)、あなたが確認処分を争うときの審査請求も、同じ合議体が裁決する(94条1項前段)。82条が定めるのは、その合議体に座ってはいけない人の線引きである。自己または三親等以内の親族が利害関係を持つ事件では、委員は議事に加われない。加われないとは、その事件の審議と議決から外れるという意味であり、席に残って意見だけ述べてよいという話ではない。地方の建築審査会の委員は、地元の建築士、不動産業者、大学教員、弁護士で構成されることが多い。申請者と同じ商工会、同じ設計事務所、親族が経営する会社。その距離の近さは珍しくない。議事録と委員名簿を突き合わせた瞬間、この一文は紙から使える道具に変わる。
法的な位置づけ
建築基準法82条は、建築審査会の委員の除斥を定める規定である。委員は、自己または三親等以内の親族の利害に関係のある事件について、同法に規定する同意、および94条1項前段の審査請求に対する裁決に関する議事に加わることができない。当事者の申立てを要件とせず、要件に該当すれば当然に当該事件の審議および議決から排除される点に特徴がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.許可・裁決の日付を確定して期限を逆算する 許可や裁決がいつ出たか、いつ知ったかを確定する。審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は処分または裁決を知った日から6か月・処分の日から1年(行政事件訴訟法14条)。建築基準法の処分は原則として審査請求の裁決を経てから取消訴訟という順序になる点も同時に確認する
- 2.議事録・出席委員名簿・同意文書を情報公開請求する 自治体の情報公開条例に基づき、当該事件の建築審査会議事録、出席委員名簿、同意に関する決裁文書を請求する。委員名簿は請求前にウェブ公開されていることも多いので、まず所管部局のサイトを確認する。開示まで数週間かかるため、期限が走り出す前に着手する
- 3.委員の氏名と申請者・施工者・設計者を突き合わせる 委員の氏名・肩書と、申請者・施工者・設計事務所の商号および役員名を並べて照合する。同姓、同一所在地、法人役員の重複、所属する建築士会・商工会の重なりから当たりを付ける。親族関係は戸籍では確かめられないため、まず肩書欄から取引関係・顧問関係を洗うほうが早いことが多い
- 4.公開口頭審査の場で除斥の疑いを先に主張する 審査請求の口頭審査が開かれる場合、裁決が出る前に除斥の疑いを明示的に述べる。裁決後に持ち出すより、審査会が自ら委員を外して議事をやり直す余地が残る。議事録に主張が残ること自体が、後の取消訴訟での立証資料になる
- 5.手続違法として書面に明記し、他の瑕疵と束ねる 82条違反が疑われるなら、審査請求書または訴状に手続違法として明記する。除斥違反だけで当然無効になるとは限らないため、理由提示の不足、48条の特例許可に必要な公開の意見聴取の不備など、他の手続瑕疵および実体面の主張と束ねて出す
よくある質問 AI による整理
Q1建築審査会とは何ですか?
特定行政庁に置かれる合議体で、用途地域の特例許可などへの同意と、建築確認等に対する審査請求の裁決を行います(建築基準法78条、94条1項前段)。委員は5人以上で組織されます。
Q2除斥とは何ですか?
法律の定める事由に該当する者が、当事者の申立てを待たずに当然に議事や審理から外れる仕組みです。82条の除斥も同様で、当事者が発動させる忌避の申立てとは性質が異なります。
Q3三親等以内の親族とはどこまでですか?
子・父母が1親等、兄弟姉妹・祖父母・孫が2親等、おじ・おば・甥・姪・曽祖父母が3親等です。配偶者は親等で数えませんが親族に含まれます(民法725条)。姻族も三親等以内なら対象です。
Q4いとこは三親等以内の親族に入りますか?
入りません。いとこは4親等の血族なので、82条の親族要件では外れます。ただし委員自身の取引関係など「自己の利害」に当たる可能性は別途検討の余地があります。
Q5建築審査会の議事録は誰でも見られますか?
多くの自治体が情報公開条例に基づく請求の対象としています。委員名簿をウェブで公開している自治体も多く、出席委員の氏名は審議内容が非公開でも開示される例が少なくありません。
Q6建築審査会の委員は誰が任命しますか?
法律・経済・建築・都市計画・公衆衛生または行政にすぐれた経験と知識を有する者のうちから、市町村長または都道府県知事が任命します(建築基準法79条)。
Q7建築審査会の同意が必要な許可はどれですか?
代表例は用途地域内の用途制限の特例許可(48条ただし書)と、接道義務の例外許可(43条2項2号)です。いずれも特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可します。
Q8除斥で委員が抜けると会議は成立しますか?
定足数と議事の方法は同法および各自治体の建築審査会条例(83条の委任)で定められています。除斥により出席委員が不足する場合の扱いは条例で異なるため、事務局への確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1委員が申請者の親族だったって、素人がどうやって調べるんですか?
委員名簿をウェブで公開している自治体は多く、議事録も情報公開条例で請求できます。親族関係は戸籍では確かめられませんが、同姓・同一所在地・法人役員の重複から当たりを付けるのが実務です。実務のポイント:82条は「自己」の利害も除斥事由にしているので、親族が空振りでも、委員が申請者の顧問や取引先だという事実の方が争いやすい場合がある。名簿は続柄より先に肩書の欄から読む。
Q2除斥されるべき委員が議事に入っていたら、その許可は当然に無効ですか?
自動的に無効になるとは限りません。82条違反は手続の違法ですが、その委員が加わったことが結論に影響したといえるかで裁判所の評価が割れ、実務上、解釈が分かれている論点です。実務のポイント:単独で勝負に出ず、理由提示の不足や48条の特例許可に必要な公開の意見聴取の不備など、他の手続瑕疵と束ねて主張するのが定石。手続違法は積み上がるほど、行政側が再審議や和解に動く圧力になる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「利害関係のある委員がいるなら忌避を申し立てればいい」と考える人がいるが、問いの立て方そのものが違う。建築基準法には民事訴訟法のような忌避・回避の申立て制度がなく、82条は当事者が発動させる仕組みではなく、要件に当たれば委員側が当然に外れる仕組みである。あなたにできるのは、外れるべき人が外れたかを事後に検証し、処分の違法事由として持ち出すこと。ただし建築審査会の運営は条例に委ねられているため、独自の手続を置く自治体もある。地元の建築審査会条例は必ず確認する。
- 「三親等以内」という言葉は知っていても、その広さを正確に数えられる人は少ない。子・父母が1親等、兄弟姉妹・祖父母・孫が2親等、おじ・おば・甥・姪・曽祖父母が3親等。配偶者は親等で数えないが親族に含まれる(民法725条)。姻族も三親等以内なら対象で、配偶者の兄弟姉妹や配偶者のおじ・おばまで入る。逆に、いとこは4親等の血族なので親族要件では外れる。数え間違えると、存在していた違法事由を自分から見逃すことになる。
- あなたから見れば「地元で顔の広い先生が委員をしている」は安心材料かもしれない。法律から見れば、その顔の広さこそ同意の効力を揺らがせる火種である。もっとも82条が外すのは「自己または三親等以内の親族の利害」であり、顧問先や取引先の案件をどこまで「自己の利害」と見るかは実務上、解釈が分かれている。この落差の上で、日々の許可は下りている。
- 役所が動いてくれないことへの不服も建築審査会が裁いてくれると思われがちだが、違う。不作為についての審査請求は建築審査会ではなく市町村長・都道府県知事に対して行うもので(94条1項ただし書)、82条の除斥もそこには及ばない。宛先を間違えれば、争う中身に入る前に期間だけが過ぎていく。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 除斥の対象者と範囲 | 建築基準法82条:建築審査会の委員。自己または三親等以内の親族の利害に関係する事件 | 地方自治法117条:普通地方公共団体の議会の議員。自己または一定範囲の親族の一身上に関する事件等 民法725条:除斥規定ではなく、親族の範囲(六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族)を画す前提概念 |
| 発動の仕方 | 要件該当で当然に排除。建築基準法には忌避・回避の申立て制度がない | 要件該当で当然に議事に参与できない(議会の同意で発言は認められる場合がある) 適用の問題ではなく、82条の「三親等以内の親族」を数える基準を与える |
| 対象となる議事 | 同法に規定する同意(48条ただし書、43条2項2号など)および94条1項前段の審査請求に対する裁決 | 議会の議事一般 — |
| 違反したときの効果 | 手続の違法事由。当然無効とは限らず、結論への影響の有無で評価が分かれる | 議決の効力を争う余地があるが、判断枠組みは事案による — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は行政手続の一般法で迴避を統一的に規律し、自行迴避に加えて当事者による申請迴避の制度を置く。建築基準法82条が当然除斥のみで申立て制度を持たないのと対照的
韓国は行政審判委員会の委員について、제척(除斥)・기피(忌避)・회피(回避)の三つを併置する。当事者が申し立てる기피があり、日本より当事者の関与余地が広い
ドイツは行政手続法で除斥事由を列挙したうえ、偏頗のおそれ(Besorgnis der Befangenheit)という一般条項を別に置く。日本の82条は「自己の利害」という評価的要件がその役割を部分的に担う
米国は連邦統一法ではなく、州法・地方条例による利益相反規定と、行政決定者の中立性に関する適正手続法理の組合せで処理する。開示義務と退席(recusal)の運用が中心
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが反対してきたマンションの43条2項2号許可(接道義務のただし書き許可)が下り、それに同意した建築審査会に、施工予定会社の役員の弟が座っていたとしたら? 取消訴訟の出訴期間は処分を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)。情報公開請求で議事録が出てくるまでの往復を数えれば、残り時間は思っているより短い。
- あなたが申請者側なら、同じ条文が逆向きに刺さる。同意をくれた委員のひとりが遠縁の親族だと着工後に判明すれば、手に入れた許可のほうが手続違法を理由に争われる側に回る。
- 建築確認への審査請求を建築審査会に出した。裁決は原則として審査請求から1か月以内に出され(94条2項、最新の改正状況をご確認ください)、その前に公開の口頭審査が開かれる(同3項)。その席に、処分を出した側と利害を共有する委員が混じっていないか。出席委員の氏名は、審議内容が非公開でも開示される例が多い。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 許可または裁決の日付を確定し、取消訴訟の6か月(行政事件訴訟法14条)を逆算する2. 自治体の情報公開制度で、当該事件の議事録・出席委員名簿・同意に関する文書を請求3. 委員の氏名と、申請者・施工者・設計者の商号や役員名を突き合わせ、親族関係と取引関係の両面を洗う4. 82条違反が疑われるなら、審査請求や取消訴訟で手続違法として明記し、実体面の主張と束ねて出す
訴えられた側:1. 申請前に委員名簿を確認し、三親等以内の親族や自社と取引のある委員がいれば、その委員を外しても議事が成立するか(定足数)を事務局に確かめておく2. 該当委員がいる場合は、除斥の事実と退席の経緯を議事録に明示的に残させる3. 記録が曖昧なまま許可を得ると、着工後に取消訴訟で手続違法を突かれ、工期と資金計画を何年も人質に取られる
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。動くのは周辺の期限で、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は処分または裁決を知った日から6か月、処分の日から1年(行政事件訴訟法14条)。さらに建築基準法の処分は原則として審査請求の裁決を経た後でなければ取消訴訟を提起できない(95条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
条文構造からの一般的理解:82条の除斥は、当事者の申立てを要件とせず要件該当により当然に働く。他方で「自己の利害」の外延、とりわけ顧問先や取引先の案件をどこまで含めるかは条文上明らかでなく、解釈に委ねられている。この評価的要件の幅の上で日々の同意が積み上がっている点が実務上の論点となる。
改正沿革 AI による整理
- 昭和37年(1962年)行政不服審査法の制定に伴う整理 訴願制度が審査請求制度に置き換えられ、本条が対象とする議事の呼称も訴願関係から審査請求に対する裁決へと改められたと解される。条文沿革の細部は人的検証を要する
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:建築基準法(昭和25年法律第201号)の制定に伴い、建築審査会の組織・手続規定の一環として委員の除斥が置かれた。条文沿革の細部は人的検証を要する
- 2.昭和37年(1962年) 改正:行政不服審査法の制定により訴願制度が審査請求制度に置き換えられ、本条が対象とする議事の呼称も訴願関係から審査請求に対する裁決へと改められたと解される。細部は要検証
- 3.平成26年(2014年) 改正:行政不服審査法の全部改正に伴う関係法律の整備により、建築基準法の不服申立て規定も整理されたと解される。本条が参照する94条1項前段の文言との対応は最新の条文で要確認
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