建築基準法 第97条(権限の委任)
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この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。
この条文の基本情報
権限の委任とは何ですか?
定義権限の委任とは、建築基準法第97条に定められた規定で、「この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第97条(権限の委任)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第97条の条文原文は「この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。」で始まります。
- 建築基準法第97条は第六章 雑則に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第97条の前の条は建築基準法第96条です。
- 建築基準法第97条の次の条は建築基準法第97条の2です。
- 建築基準法第97条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第97条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第97条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/97
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法97条は、同法上の国土交通大臣の権限の一部を、国土交通省令の定めにより地方整備局長又は北海道開発局長へ委任できると定める規定である。
Q · 地方整備局長から届いた処分、大臣の処分じゃないから軽いんですか?
委任に基づくなら大臣の処分と同じ効力です
建築基準法97条により、同法上の国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定める範囲で地方整備局長又は北海道開発局長に委任できます。委任された事項では権限そのものが受任者へ移るため、地方整備局長が自己の名で行う処分は、大臣が行ったのと同じ法効果を持ちます。したがって審査請求は処分庁の最上級行政庁である国土交通大臣へ、取消訴訟は処分庁の所属する国を被告として提起することになります。
解説
国土交通大臣の名前で届いた文書を見て、霞が関の誰かが自分の案件を審査したと思う人は多い。実際は違う。建築基準法97条は、大臣の権限の一部を国土交通省令の定めに従って地方整備局長(関東、近畿など全国8ブロックに置かれた国土交通省の出先機関の長)または北海道開発局長へ委任できると定める。委任とは、権限そのものが受任者へ移ることであり、代理(大臣の名で行う)とは法的性質が違う。つまり委任された事項については、地方整備局長が自分の名で処分を行い、その処分の名宛人はあなたになる。ここから実務上の分岐が生まれる。どこへ申請書を出すのか、誰の処分として争うのか、不服申立てはどの行政庁へ向けるのか。建築確認や指定確認検査機関がらみのトラブルで、書類の宛先を一つ間違えて期間を空費する事業者は珍しくない。宛先を決めているのが、この一文である。
法的な位置づけ
建築基準法97条は権限の委任を定める規定であり、同法上の国土交通大臣の権限の一部を、国土交通省令の定めるところにより地方整備局長又は北海道開発局長へ委任することを認める。委任により権限は受任者に移転し、受任者が自己の名で処分を行う点で、大臣名義のまま行われる代理や専決とは法的性質が区別される。
よくある質問 AI による整理
Q1権限の委任とは何ですか?
行政機関が法令の根拠に基づき、自己の権限の一部を他の機関へ移すことです。受任者は自己の名と責任で権限を行使し、その効果は本来の権限庁が行ったのと同じです。
Q2地方整備局長とはどんな役職ですか?
国土交通省の地方支分部局である地方整備局の長です。関東、近畿など全国のブロックごとに置かれ、建築・道路・河川・港湾など国土交通行政の現場実務を所管します。
Q3なぜ北海道だけ開発局長が出てくるのですか?
北海道には地方整備局ではなく北海道開発局が置かれ、同等の役割を担うためです。条文が両者を並記するのは、全国どの地域でも委任先が欠けないようにする趣旨です。
Q4建築基準法97条に違反すると罰則はありますか?
97条自体は行政内部の権限配分を定める組織規定であり、国民に義務を課す条文ではないため罰則はありません。罰則は委任された権限の根拠となる実体規定側にあります。
Q5建築確認の申請先は地方整備局ですか?
違います。建築確認は建築主事又は指定確認検査機関が行います。97条が扱うのは大臣権限の委任であり、日常的な確認申請の窓口とは系統が別です。
Q6委任されると大臣は権限を失うのですか?
委任された事項については権限が受任者へ移るため、大臣は自ら行使しないのが原則です。ただし委任は省令で範囲が特定され、範囲外の事項は大臣が引き続き所管します。
Q7指定確認検査機関への監督は誰が行いますか?
指定権者が大臣か都道府県知事かで分かれます。大臣指定の機関に対する報告徴収等の権限は、委任されていれば所管の地方整備局長が行使します。
Q8権限の委任は公示されますか?
委任の範囲は国土交通省令という公表された法形式で定められるため、官報および e-Gov 法令検索で誰でも確認できます。内部通達だけで決まるものではありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1地方整備局長から来た処分、文句を言うなら大臣に言えばいいんですか?
委任に基づく処分であれば、処分庁は地方整備局長であり、その最上級行政庁である国土交通大臣が審査請求先になる(行政不服審査法4条)。期間は処分を知った日の翌日から3か月である。実務のポイント:審査請求と取消訴訟は原則としてどちらからでも選べる。急いで是正させたい案件では、審査請求を経ずに直接訴える方が早いことがある。
Q2委任されてる事項かどうか、どこを見れば分かるんですか?
建築基準法97条は委任の範囲を国土交通省令に預けているため、省令の権限委任規定を読むしかない。条文本体をいくら読んでも答えは書かれていない。実務のポイント:判断に迷ったら、所管の地方整備局の建政部へ電話して根拠条項を尋ねるのが最短である。担当官は根拠を示す義務があり、その回答日時をメモしておけば、後に手続を争う際の経緯資料になる。
間違えやすい点 AI による整理
- 地方整備局長の名で来た文書を「格下の窓口からの連絡」と受け取る人がいるが、前提となる問いが誤っている。問うべきは差出人の官職の高さではなく、その権限が委任されたものか否かである。委任されていれば、地方整備局長の処分は大臣の処分と同じ法的効力を持ち、従わなければ罰則や指定取消しに直結する。
- 委任と代理を同じものだと考えている実務者は多い。委任では権限が受任者へ移るため、処分庁は地方整備局長になる。代理であれば処分庁は大臣のままである。この違いは、取消訴訟で誰を被告とするか、審査請求をどこへ出すかに直結する(行政不服審査法4条、行政事件訴訟法11条)。
- 「委任できる」と書いてあるから実際に委任されているかどうかは曖昧だ、と考えるのは早合点である。委任の範囲は国土交通省令で具体的に特定されており、条文の文言が「できる」であっても、省令で定められた事項については委任が現に効力を持っている。曖昧なのは条文ではなく、省令を読んでいない側の認識である。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 権限が移る先 | 国の出先機関(地方整備局長・北海道開発局長) | 建築主事を置く市町村(97条の2) 特別区(97条の3) |
| 移転の根拠形式 | 国土交通省令で委任範囲を特定 | 法律および政令で事務の分担を特定 法律および政令で都と区の分担を特定 |
| 移転の性質 | 同一行政主体(国)内部での権限委任 | 都道府県と市町村の間の事務配分 都と特別区の間の事務配分 |
| 実務上の分岐点 | 処分庁が地方整備局長等になり、審査請求先と被告が変わる | 申請・処分の窓口が市町村になる 申請・処分の窓口が区になる |
他国ではどう定めているか 4 か国
行政機関が法規に基づき権限の一部を下級機関に委任でき、委任事項と法規の根拠を公告・掲載しなければならないと定める。公示義務を条文上明記する点が日本より明確である
行政機関が所掌事務の一部を補助機関や下級機関へ委任・委託できると定め、具体的範囲は大統領令に委ねる構造。省令に委ねる日本と同型である
連邦は独自行政の組織権を有し、下級官庁への所掌事務の配分は法令または行政規則で行われる。個別法ごとに委任規定を置く日本と異なり、組織権の一般的枠組みが憲法レベルで与えられている
省庁の長は当該省庁の運営・事務分配に関する規則を定めることができる。個別授権法が明示的に禁じない限り、長官権限の下位官職への delegation は広く認められる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 建築材料の大臣認定を取ろうとして、資料を霞が関に送ったらどうなるか。委任事項であれば所管の地方整備局へ回送されるか、そもそも受理されない。手続開始日がずれるだけで、工期全体が後ろへ動く。
- 指定確認検査機関の立場で、業務停止をちらつかせる報告徴収を受けた。差出人は地方整備局長。あなたは「大臣の処分ではないから軽い話だ」と読んでしまうが、委任された権限の行使である以上、法効果は大臣が行ったのと同じ。弁明の機会に与えられる時間は通常2週間前後で、そこを過ぎれば処分は固まる。誰の名前かではなく、どの権限に基づく文書かを最初に見極めないと、反論の土俵に上がれないまま終わる。
学説
通説:権限の委任は法令の根拠を要し、根拠があれば権限は受任者へ移転する。したがって委任事項の処分庁は受任者であり、行政不服審査法4条による審査請求先、行政事件訴訟法11条による被告の特定も受任者を基準に判断される。
通説:委任は内部委任(専決・代決)と区別される。専決では権限が移転せず、対外的には本来の行政庁名で処分が行われるため処分庁は変わらない。建築基準法97条は法律上の明示的な委任規定であり、内部委任とは法的性質を異にする。
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)中央省庁等改革関係法施行法による整備 中央省庁再編に伴い、委任元が建設大臣から国土交通大臣へ、委任先が地方建設局長から地方整備局長へ改められ、北海道開発局長が受任者に加えられた。委任の枠組み自体は維持された改正である
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:建築基準法制定時に、建設大臣の権限の一部を地方建設局長へ委任できる旨の規定として置かれた。全国の建築行政を大臣が直接処理する負担を回避する趣旨である
- 2.平成11年(1999年) 改正:中央省庁等改革関係法施行法による整備に伴い、委任元が建設大臣から国土交通大臣へ、委任先が地方建設局長から地方整備局長へ改められ、北海道開発局長が受任者に加えられた。委任の枠組み自体は維持されている
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