建築基準法 第97条の2(市町村の建築主事等の特例)
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- 第四条第一項の市以外の市又は町村においては、同条第二項の規定によるほか、当該市町村の長の指揮監督の下に、この法律中建築主事の権限に属するものとされている事務で政令で定めるものをつかさどらせるために、建築主事を置くことができる。この場合においては、この法律中建築主事に関する規定は、当該市町村が置く建築主事に適用があるものとする。
- 2.前項の市町村においては、第四条第七項の規定によるほか、当該市町村の長の指揮監督の下に、この法律中建築副主事の権限に属するものとされている事務で政令で定めるものをつかさどらせるために、建築副主事を置くことができる。この場合においては、この法律中建築副主事に関する規定は、当該市町村が置く建築副主事に適用があるものとする。
- 3.第四条第三項及び第四項の規定は、前二項の市町村がこれらの規定により建築主事等を置く場合に準用する。
- 4.第一項又は第二項の規定により建築主事等を置く市町村は、これらの規定により建築主事等が行うこととなる事務に関する限り、この法律の規定の適用については、第四条第五項に規定する建築主事を置く市町村とみなす。この場合において、第七十八条第一項中「置く」とあるのは、「置くことができる」とする。
- 5.この法律中都道府県知事たる特定行政庁の権限に属する事務で政令で定めるものは、政令で定めるところにより、第一項又は第二項の規定により建築主事等を置く市町村の長が行うものとする。この場合においては、この法律中都道府県知事たる特定行政庁に関する規定は、当該市町村の長に関する規定として当該市町村の長に適用があるものとする。
- 6.第一項若しくは第二項の規定により建築主事等を置く市町村の長たる特定行政庁、当該建築主事等又は当該特定行政庁が命じた建築監視員の建築基準法令の規定による処分又はその不作為についての審査請求は、当該市町村に建築審査会が置かれていないときは、当該市町村を包括する都道府県の建築審査会に対してするものとする。この場合において、不作為についての審査請求は、建築審査会に代えて、当該不作為に係る市町村の長に対してすることもできる。
この条文の基本情報
市町村の建築主事等の特例とは何ですか?
定義市町村の建築主事等の特例とは、建築基準法第97条の2に定められた規定で、「第四条第一項の市以外の市又は町村においては、同条第二項の規定によるほか、当該市町村の長の指揮監督の下に、この法律中建築主事の権限に属するものとされている事務で政…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第97条の2(市町村の建築主事等の特例)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第97条の2の条文原文は「第四条第一項の市以外の市又は町村においては、同条第二項の規定によるほか、当該市町村の長の指揮監督の下に、この法律中建築主事の権限に属するものとされている事務で政…」で始まります。
- 建築基準法第97条の2は第六章 雑則に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第97条の2の前の条は建築基準法第97条です。
- 建築基準法第97条の2の次の条は建築基準法第97条の3です。
- 建築基準法第97条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第97条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第97条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/97_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法97条の2は、政令指定の市以外の市町村でも政令で定める事務に限り建築主事等を置けると定める。その範囲では市町村長が特定行政庁となる。
Q · 町に建築主事がいる場合、建築確認や是正命令は全部その町が担当してくれるんですか?
いいえ。建物の規模しだいで町役場か県庁かに分かれます
建築基準法97条の2により、政令指定を受けた市(同法4条1項)以外の市町村でも、政令で定める範囲の事務に限って建築主事および建築副主事を置くことができます。この特例で建築主事等を置いた市町村の長は、その範囲について特定行政庁として確認や是正命令を行い、範囲を超える規模の建物は都道府県知事が特定行政庁として処理します。また当該市町村に建築審査会が置かれていない場合、処分に対する審査請求は市町村を包括する都道府県の建築審査会に対して行います(同条6項)。
解説
町役場の窓口で「それは県の担当です」と突き返された経験があるなら、根拠はここにある。建築基準法は人口25万以上の政令指定市に建築主事の設置を義務づけ、それ以外の市町村は任意で全事務を担う建築主事を置ける(4条)。97条の2が作るのは第三の道だ。小さな市町村でも、政令で定めた範囲の事務だけを担う建築主事等を置ける仕組みで、実務では限定特定行政庁と呼ばれる。この町では小規模な建物の確認や是正命令を町長が特定行政庁として処理し、線を越える規模は都道府県知事が処理する。つまりあなたの申請先は、住所ではなく建物の規模で決まる。さらに第6項が効く。町に建築審査会がなければ、処分への審査請求は都道府県の建築審査会へ出す。宛先を探しているうちに期間が過ぎれば、審査請求を経なければ取消訴訟を起こせない構造の中で、救済の入口ごと閉じる。
法的な位置づけ
建築基準法97条の2は、市町村の建築主事等の設置に関する特例を定める規定である。同法4条1項の市以外の市又は町村は、政令で定める範囲の事務をつかさどらせるために建築主事および建築副主事を置くことができ、その事務に関する限り建築主事を置く市町村とみなされる。都道府県知事たる特定行政庁の権限のうち政令で定める事務も、当該市町村の長が行う。
よくある質問 AI による整理
Q1限定特定行政庁とは何ですか?
建築基準法97条の2により、政令で定める範囲の事務に限って建築主事等を置いた市町村の長を指す実務上の呼称です。範囲外の建物は都道府県知事が特定行政庁のまま処理します。
Q2建築確認の申請先が町か県かを調べる方法は?
住所ではなく建物の規模・用途・構造で決まります。計画中の建物が施行令148条の限定範囲に入るかを、着工前に市町村の建築指導課へ照会するのが最短です。
Q3特定行政庁と建築主事は何が違うのですか?
建築主事等は確認済証の交付など適合判定を行う職、特定行政庁は許可や是正命令など行政処分を出す行政庁(市町村長または都道府県知事)です。処分の名宛人が違います。
Q4建築主事を置けるのはどんな市町村ですか?
4条1項の政令指定市は必置、その他の市町村は4条2項で全事務を担う主事を任意に置けます。97条の2はこれに加え、政令で定める範囲に限った設置を認めます。
Q5建築監視員とは何をする人ですか?
特定行政庁が命じる職員で、違反建築物の施工停止命令など現場での緊急的な措置を担います。97条の2の市町村長が命じた建築監視員の処分も同条6項の審査請求の対象です。
Q6不作為についての審査請求は市町村長にも出せますか?
出せます。97条の2第6項後段により、不作為の審査請求は都道府県の建築審査会に代えて、当該不作為に係る市町村の長に対してすることもできます。処分の審査請求にはこの選択肢はありません。
Q7建築基準法4条と97条の2はどう違いますか?
4条は建築主事等の設置原則で、置けば全事務を担います。97条の2は例外で、政令で定めた範囲の事務だけを市町村に担わせ、残りを都道府県知事に留める仕組みです。
Q8権限のない行政庁が出した処分は無効になりますか?
権限(事物管轄)を欠く処分は違法であり、取消訴訟で取り消されうる瑕疵です。重大明白な場合は無効と評価される余地もありますが、判断は事案によるため弁護士への確認が要ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1町に建築主事がいるのに、なんで県に行けって言われるんですか?
97条の2で置かれた建築主事等は、政令で定める範囲の事務しか担当しないためだ(同条1項、建築基準法施行令148条)。その範囲を超える規模の建物は、都道府県知事が特定行政庁のまま処理する。実務のポイント:この限定範囲は自治体サイトに明記されていないことが多い。設計事務所は着工前に建築指導課へ電話し、回答者名と日付をメモに残す。権限の帰属が争点になった日に、その一行が効く。
Q2役所の処分に不服があるとき、審査請求はどこに出せばいいんですか?
その市町村に建築審査会が置かれていなければ、市町村を包括する都道府県の建築審査会に出す(97条の2第6項)。建築基準法は審査請求の裁決を経なければ取消訴訟を提起できない前置構造をとる(同法95条、最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:審査請求期間は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条1項)。教示欄の撮影を先にしておけば、宛先を誤っても救済の主張ができる。
Q3建築副主事って何ですか、建築主事と何が違うんですか?
令和4年(2022年)の建築基準法改正で新設された職で、二級建築基準適合判定資格者から命じられ、政令で定める範囲の事務を担う(97条の2第2項、施行状況は最新の改正状況をご確認ください)。小規模建築物の審査体制を確保する仕組みだ。実務のポイント:副主事の配置の有無は小規模住宅の審査待ち時間に直結する。着工スケジュールを組む前に、その自治体が置いたかを確認しておく。
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分の町の建築行政の窓口はどこか」という問いの立て方そのものが誤っている。窓口は町か県かの二択ではなく、建物ごとに分かれる。隣り合う二棟で担当行政庁が別になることが現実に起きるので、探すべきは窓口ではなく、政令で定められた線の位置だ
- 町に建築主事がいることは知っていても、その町に建築審査会がないことの重みを知らない人が多い。審査会がなければ不服申立ては都道府県の建築審査会に行き、審理は県庁所在地側で進む。移動時間、代理人の交通費、期日調整の難易度が、そこで一段変わる
- 建築主事を置いた市町村の長は特定行政庁の権限を全部持つと思われがちだが、97条の2で置いた場合は政令で定める事務に限られる。それ以外は都道府県知事が特定行政庁のまま残る。町に建築主事がいるという事実は、町が全権を握っている証明にはならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 設置の根拠と性質 | 97条の2:政令で定める範囲の事務に限った建築主事等の任意設置 | 4条1項:政令で指定する市は建築主事を必置 4条2項:その他の市町村が全事務を担う建築主事を任意設置 |
| 特定行政庁となる範囲 | 政令で定める事務の限度で市町村長が特定行政庁(5項) | 市長が全面的に特定行政庁 市町村長が全面的に特定行政庁 |
| 範囲外の建物の担当 | 都道府県知事が特定行政庁として処理 | 当該市が処理(知事に残らない) 当該市町村が処理(知事に残らない) |
| 審査請求の宛先 | 建築審査会がなければ都道府県の建築審査会(6項)。不作為は市町村長も選択可 | 当該市の建築審査会(78条1項) 当該市町村の建築審査会(78条1項) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は中央=内政部、地方=直轄市・県(市)政府と法律で階層を固定し、日本のように政令で事務範囲を切り出して基礎自治体に配分する仕組みは採らない
韓国は建築許可権者を市長・郡守・区庁長に原則一元化し、規模による道知事への振替は限定的。日本ほど建物規模による窓口分岐は生じにくい
ドイツは建築監督が州の専属事項で、郡・独立市が下級建築監督官庁となる。全国法による政令委任ではなく州法自体が所管を定める点が根本的に異なる
米国は連邦法に建築確認制度がなく、モデルコードを州・自治体が採用して所管を決める。規模による上位政府への振替は原則存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、町役場に建築確認を申請したのに、法定の審査期間(6条4項)を大きく過ぎても何の連絡も来なかったとしたら? そのとき97条の2第6項の後段が働く。この町に建築審査会が置かれていなければ、不作為についての審査請求は原則として都道府県の建築審査会へ出すが、この場面だけは建築審査会に代えて市町村長に対して出すことも選べる。宛先が二択になる場面は、そう多くない。
- あなたが工務店を営んでいて、増築工事の途中で町役場から是正の指導が入った。相手が町長たる特定行政庁なら、その事務が政令で定めた範囲に入っているかを先に確認する価値がある。範囲を超える規模の建物なら、処分を出す権限は都道府県知事側に残っている。権限のない行政庁が出した処分は、中身の争いに入る前に、それ自体が取消しの理由になりうる。
- 隣地の工事が明らかに建ぺい率を超えて立ち上がってきた。通報先が町役場なのか県庁なのかを調べているうちに工事は完了し、完了後の是正は事実上難しくなる。窓口の特定は、初日に終わらせる作業だ。
学説
通説:97条の2は、建築主事の設置を全部か無かの二択にせず、政令による事務の切り出しで小規模自治体にも建築行政の一部を担わせる枠組みと理解される。担わせる範囲の外側では都道府県知事が特定行政庁として残るため、権限の帰属は建物ごとに個別判断を要する。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)改正 建築副主事制度の新設に伴い、政令で定める事務を担う建築副主事を市町村に置ける第2項が追加され、条文全体が「建築主事等」の表記に整理された。施行日および対象事務の範囲は最新の改正状況の確認を要する
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:建築基準法の制定(昭和25年法律第201号)。建築主事の設置と特定行政庁の枠組みが置かれ、市町村への事務の一部委譲の仕組みが整理された
- 2.令和4年(2022年) 改正:建築副主事制度の新設に伴い、政令で定める事務を担う建築副主事を市町村に置ける第2項が追加され、条文全体が「建築主事等」の表記に整理された。施行日および対象事務の範囲は最新の改正状況の確認を要する
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