地方税法 第16条(担保の徴取)
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- 地方団体の長は、徴収の猶予、職権による換価の猶予又は申請による換価の猶予をする場合には、その猶予に係る金額に相当する担保で次に掲げるものを徴さなければならない。ただし、その猶予に係る金額、期間その他の事情を勘案して担保を徴する必要がない場合として当該地方団体の条例で定める場合は、この限りでない。
- 一国債及び地方債
- 二地方団体の長が確実と認める社債(特別の法律により設立された法人が発行する債券を含む。)その他の有価証券
- 三土地
- 四保険に付した建物、立木、船舶、航空機、自動車及び建設機械
- 五鉄道財団、工場財団、鉱業財団、軌道財団、運河財団、漁業財団、港湾運送事業財団、道路交通事業財団及び観光施設財団
- 六地方団体の長が確実と認める保証人の保証
- 2.前項の規定により担保を徴する場合において、その猶予に係る地方団体の徴収金につき差し押さえた財産があるときは、その担保の額は、その猶予をする金額からその財産の価額を控除した額を限度とする。
- 3.地方団体の長は、第一項の規定により担保を徴した場合において、担保財産の価額若しくは保証人の資力の減少その他の理由により猶予に係る金額の納付若しくは納入を担保することができないと認めるとき、又は第十五条の二の三第二項、第十五条の五の三第一項若しくは第十五条の六の三第一項の規定により差押えを解除したときは、納税者又は特別徴収義務者に対し、増担保の提供、保証人の変更その他担保を確保するため必要な行為を求めることができる。
- 4.前三項に定めるもののほか、担保の提供について必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
担保の徴取とは何ですか?
定義担保の徴取とは、地方税法第16条に定められた規定で、「地方団体の長は、徴収の猶予、職権による換価の猶予又は申請による換価の猶予をする場合には、その猶予に係る金額に相当する担保で次に掲げるものを徴さなければならない。…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第16条(担保の徴取)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第16条の条文原文は「地方団体の長は、徴収の猶予、職権による換価の猶予又は申請による換価の猶予をする場合には、その猶予に係る金額に相当する担保で次に掲げるものを徴さなければならない。…」で始まります。
- 地方税法第16条は第一章 総則に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第16条の前の条は地方税法第15条の9です。
- 地方税法第16条の次の条は地方税法第16条の2です。
- 地方税法第16条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第16条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第16条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法16条は、徴収の猶予や換価の猶予をする際、地方団体の長が猶予額相当の担保を徴すると定める。条例で定める少額・短期の場合などは担保不要となる。
Q · 住民税や固定資産税の猶予を申請するとき、担保は絶対に必要なの?
原則必要。ただし条例の基準内なら不要です
地方税法16条1項により、徴収の猶予や換価の猶予をする場合、地方団体の長は原則として猶予額に相当する担保を徴します。ただし同項ただし書により、猶予額や期間などから担保が不要な場合を条例で定めることができます。また、すでに差し押さえた財産があれば、その価額を控除した額が担保の上限となります(2項)。基準は自治体ごとに異なるため、条例の確認が必要です。
解説
住民税や固定資産税が払えず役所に「待ってほしい」と頼むと、多くの人は感情に訴える。だが役所の机の上で実際に検討されているのは、この16条の一覧表である。地方税法は、徴収の猶予(災害・病気・事業の休廃止などで納付を待つ制度)や換価の猶予(差し押さえた財産をすぐ売らずに分割納付を認める制度)を認める代わりに、原則として担保を出させる。担保になるのは国債、確実な有価証券、土地、保険付きの建物や自動車、そして確実と認められる保証人である。抜け道もある。ただし書のとおり、猶予額や期間が小さい場合は条例で担保不要と定めることができ、多くの自治体は「猶予額100万円以下」や「期間3か月以内」を基準にしている(各団体の条例をご確認ください)。さらに2項により、すでに差し押さえられている財産があれば、その価額分だけ担保は減る。何を出せば通るのかを知ったうえで窓口に行く人と、事情だけを訴える人とでは、交渉の結果がまったく違ってくる。
法的な位置づけ
地方税法16条は、地方税の徴収の猶予および換価の猶予に伴う担保の徴取を定める規定である。地方団体の長は猶予額相当の担保を原則として徴し、担保の種類は国債・地方債、有価証券、土地、保険付きの建物等、各種財団、確実な保証人の保証に限定される。条例による担保免除、差押財産価額の控除、増担保の請求についても定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.条例の担保不要基準を確認する 居住地または課税団体の税条例・規則で、担保を徴しない場合の猶予額・期間の基準を確認する。自治体のウェブサイトや納税課への電話で確認できる
- 2.猶予額を基準内に収められるか試算する 一部を先に納付するなどして、猶予を受ける金額や期間を条例の担保不要基準に収められるか試算する。収まれば担保の論点自体がなくなる場合がある
- 3.担保候補の財産を一覧化する 16条1項各号に照らし、土地、保険付きの建物・自動車、有価証券、保証人候補など担保になりうるものを整理する。建物等は保険加入の有無を必ず確認する
- 4.差押財産の価額控除を求める すでに差押えを受けている財産がある場合、その評価額を確認し、16条2項に基づき担保額から控除するよう求める
- 5.猶予申請書と担保提供書類を提出する 猶予申請書に財産収支状況書等を添え、担保提供に必要な書類(抵当権設定承諾書、保証書など)を提出する。申請による換価の猶予は納期限から原則6か月以内に申請する
よくある質問 AI による整理
Q1地方税の猶予に担保が必要な理由は?
猶予期間中に財産が散逸して税を回収できなくなる事態を防ぐためです。地方税法16条1項が担保の徴取を原則としています。
Q2地方税の猶予で担保にできるものは?
国債・地方債、確実と認められる有価証券、土地、保険付きの建物・自動車等、各種財団、確実と認められる保証人の保証です(16条1項各号)。
Q3預金は地方税の担保になる?
16条1項の列挙に預金そのものは含まれていません。担保の種類は法定されているため、該当するか自治体の窓口で確認が必要です。
Q4固定資産税 猶予 担保不要 いくらまで?
法律に一律の金額はなく、各自治体の条例で定めます。猶予額100万円以下や期間3か月以内を基準とする団体が多いとされますが、条例の確認が必要です。
Q5差し押さえられた財産があると担保は減る?
減ります。16条2項により、担保の額は猶予額から差し押さえた財産の価額を控除した額が上限となります。
Q6増担保を求められたら断れる?
応じなければ猶予が取り消されるおそれがあります。16条3項は担保価値や保証人の資力の減少時に増担保等を求められると定めています。
Q7保険を外した建物は担保にできる?
原則できません。16条1項4号は「保険に付した」建物等を担保として列挙しており、無保険の建物は該当しません。
Q8地方税の担保提供の手続はどこに書いてある?
16条4項により政令(地方税法施行令)で定められます。具体的な書類や手続は各自治体の案内もあわせて確認します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1担保になるような財産なんて何もないんですけど、猶予はもう無理ですか?
無理とは限りません。16条1項ただし書により、猶予額や期間などから担保が不要とされる場合を条例で定めることができ、多くの自治体は猶予額100万円以下などを基準にしています。実務のポイント:窓口では担保の話を先に出されがちだが、基準内に収まるよう一部を先に納める提案をすると、担保の論点そのものが消えることがある(各団体の条例をご確認ください)
Q2親に保証人になってもらえば、それで全部解決ですか?
保証人は16条1項6号の担保ですが、「地方団体の長が確実と認める」ことが条件で、資力が確認されます。さらに保証人の資力が減れば、3項により保証人の変更を求められます。実務のポイント:年金生活の親は確実な保証人と見られにくい。保険付きの自動車や土地など物的担保と組み合わせたほうが、審査が早く通る場合がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「猶予は誠意を見せれば認めてもらえる」と考えがちだが、要件を満たしても担保が出せなければ、原則として猶予は認められない。誠意は判断材料の一つにすぎず、担保は条文上の原則である。ただし条例で担保不要とされる範囲なら、話は逆に一気に簡単になる
- 担保が必要と言われると「全額分の担保」を出さなければならないと思い込む人が多い。実際には、すでに差し押さえられている財産があれば、その価額を差し引いた額が上限になる(2項)。差押えは悪いことばかりではなく、担保の負担を減らす材料にもなる
- 保証人を「書類上の名前」としか見ていない人は多い。だが役所から見れば、保証人は滞納者と並ぶもう一つの財布である。滞納者本人の資力が減ったとき、あるいは保証人自身の資力が減ったとき、役所は保証人の変更や増担保を求めることができる(3項)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定内容 | 地方税法16条:猶予に伴う担保の徴取 | 地方税法15条:徴収の猶予の要件と期間 地方税法15条の6:申請による換価の猶予 |
| 対象となる場面 | 徴収の猶予・職権換価猶予・申請換価猶予の三つ全部 | 災害・病気・事業の休廃止等で納付が困難な場合 一時に納付すると事業継続・生活維持が困難となる場合 |
| 期間・期限 | 期間の定めなし(担保の種類・額・増担保を規律) | 原則1年以内、延長を含め最長2年 納期限から原則6か月以内に申請 |
| 納税者の負担を軽くする仕組み | 条例による担保免除、差押財産価額の控除(2項) | 猶予期間中の差押え・換価の制限 分割納付による換価の回避 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は延期・分期繳納を認め、「相當擔保」の種類(公債、銀行存單など)を法定する。地方税も稅捐稽徵法が共通に適用される点で、国税・地方税が別法の日本と異なる
韓国も地方税の徴収猶予と担保を地方税専用の法律で規律し、日本と構造が近い
ドイツは租税通則法で猶予(Stundung)を定め、通常は担保提供を条件とし、担保の種類を列挙する
米国連邦税は分割納付合意を認める。地方税(州・郡の財産税)は州法ごとに扱いが分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 店の売上が落ちて、固定資産税180万円の分割を市役所に相談した。担当者から「担保はありますか」と聞かれ、言葉に詰まる。自宅の土地を担保に出すか、猶予額を100万円以下に収まる形に組み直すか。どちらを選ぶかで、話の進み方が変わる
- 兄から「市税の猶予の保証人になってくれ、形式だけだから」と頼まれたら、どうなる? 兄が分割納付をやめれば、市はあなたに納付を求め、あなたの財産も差押えの対象になりうる。「形式だけ」の保証人など存在しない
- 換価の猶予を受けて半年、担保に入れていた株式の価格が半分になった。役所から増担保(担保の追加)を求める通知が届く(3項)。あと2週間で応じなければ、猶予そのものが取り消されるおそれがある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自治体の条例で担保不要とされる基準(猶予額・期間)を確認する2. 一部納付などで基準内に収められないか試算する3. 収まらない場合、土地、保険付き建物・自動車、有価証券など担保になりうる財産を一覧化する4. すでに差押えを受けている財産があれば、その価額を担保額から控除するよう求める(2項) 5. 申請は納期限を過ぎて差押えが進む前に行う
訴えられた側:増担保や保証人変更を求められた側の対応である。1. 求められた理由(担保価値の下落か、保証人の資力低下か)を書面で確認する2. 追加担保を用意できない場合、分割額の増額や一部一括納付で猶予の継続を交渉する3. 保証人を頼まれたら、滞納者が支払いをやめれば自分の財産が狙われうることを前提に判断する。断ることも正当な選択である
時効(請求できる期限):申請による換価の猶予は原則として納期限から6か月以内に申請(地方税法15条の6第1項)。徴収の猶予は原則1年以内、延長を含め最長2年(同15条)。地方税の徴収権は法定納期限の翌日から5年で時効消滅(同18条)。担保提供の期限や手続は政令・条例で定められる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)度改正、平成28年(2016年)4月1日施行 猶予制度の見直しにより、申請による換価の猶予が対象に加えられ、担保を徴する必要がない場合を条例で定めるただし書が整備されたとされる。改正の範囲と文言は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方税法の制定。地方税の猶予に伴う担保に関する規定が置かれる
- 2.平成27年(2015年) 改正:猶予制度の見直し(平成28年4月施行)。申請による換価の猶予の創設に伴い対象が拡大され、条例で担保不要の場合を定めるただし書が整備されたとされる。文言の範囲は要検証
- 地方税法 第15条徴収の猶予の要件と期間
- 地方税法 第15条の5職権による換価の猶予
- 地方税法 第15条の6申請による換価の猶予と申請期限
- 地方税法 第15条の2の3徴収猶予の効果、差押えの解除
- 地方税法 第15条の9猶予に伴う延滞金の免除(現行効力を要確認)
- 国税通則法 第50条国税における担保の種類の対応規定
- 国税徴収法 第152条国税の換価猶予と担保の対応規定
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