地方税法 第176条(環境性能割に係る滞納処分に関する罪)
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- 環境性能割の納税者が滞納処分の執行を免れる目的でその財産を隠蔽し、損壊し、若しくは道府県の不利益に処分し、その財産に係る負担を偽つて増加する行為をし、又はその現状を改変して、その財産の価額を減損し、若しくはその滞納処分に係る滞納処分費を増大させる行為をしたときは、その者は、三年以下の拘禁刑若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 2.納税者の財産を占有する第三者が納税者に滞納処分の執行を免れさせる目的で前項の行為をしたときも、同項と同様とする。
- 3.情を知つて前二項の行為につき納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつたときは、その相手方としてその違反行為をした者は、二年以下の拘禁刑若しくは百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 4.法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合には、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
環境性能割に係る滞納処分に関する罪とは何ですか?
定義環境性能割に係る滞納処分に関する罪とは、地方税法第176条に定められた規定で、「環境性能割の納税者が滞納処分の執行を免れる目的でその財産を隠蔽し、損壊し、若しくは道府県の不利益に処分し、その財産に係る負担を偽つて増加する行為をし、又はその現…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第176条(環境性能割に係る滞納処分に関する罪)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第176条の条文原文は「環境性能割の納税者が滞納処分の執行を免れる目的でその財産を隠蔽し、損壊し、若しくは道府県の不利益に処分し、その財産に係る負担を偽つて増加する行為をし、又はその現…」で始まります。
- 地方税法第176条は第二章 道府県の普通税に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第176条の前の条は地方税法第175条です。
- 地方税法第176条の次の条は地方税法第177条です。
- 地方税法第176条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第176条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第176条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/176
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法176条は、環境性能割の滞納者が滞納処分を免れる目的で財産を隠す・壊す・不当に処分する行為を、三年以下の拘禁刑または二百五十万円以下の罰金で処罰する。
Q · 税金を滞納しているだけで、刑事罰を受けることはあるの?
滞納だけでは罪にならず、財産隠しをすると処罰される
地方税の滞納そのものに刑罰はなく、延滞金と滞納処分(差押え・公売)で対応されます。ただし地方税法176条により、環境性能割の滞納者が滞納処分を免れる目的で財産を隠す、壊す、不当に安く処分する、架空の負担を作るなどした場合は、三年以下の拘禁刑または二百五十万円以下の罰金(併科あり)の対象です。事情を知って取引相手になった人は二年以下の拘禁刑等、法人も罰金の対象になります。
解説
税金を払えないこと自体は犯罪ではない。滞納に刑罰を科す条文は地方税法にない。滞納した人を待っているのは延滞金と滞納処分(役所が裁判所を通さずに財産を差し押さえ、売って税金に充てる手続)だけだ。ところが、差押えを逃れようとして財産に手を付けた瞬間、話は行政の手続から刑事事件に切り替わる。本条が対象にするのは、自動車を取得したときにかかる環境性能割を滞納している人の次のような行為である。財産を隠す、壊す、相場よりずっと安く売る、架空の借金で担保が付いているように見せかける、パーツを外して車の価値を落とす。法定刑は三年以下の拘禁刑または二百五十万円以下の罰金で、両方を科されることもある。処罰されるのは滞納者本人だけではない。財産を預かっている第三者(2項)、事情を知りながら取引の相手になった人(3項、二年以下・百五十万円以下)、従業員が業務として行った場合の会社(4項)も対象になる。払えないときに動かすべきなのは財産ではない。役所に分納や猶予を相談することである。
法的な位置づけ
地方税法176条は、環境性能割に係る滞納処分免脱罪を定める規定である。納税者または財産を占有する第三者が、滞納処分の執行を免れる目的で財産の隠蔽・損壊・道府県に不利益な処分・負担の偽装増加・現状改変による価額減損等を行うことを処罰し、情を知った相手方および両罰規定による法人等にも刑事責任を及ぼす。
よくある質問 AI による整理
Q1滞納処分免脱罪とは何ですか?
税の滞納処分(差押え・公売)を逃れる目的で財産を隠したり壊したり不当に処分したりする行為を処罰する罪です。地方税の環境性能割については地方税法176条が定めています。
Q2滞納処分免脱罪の刑罰はどのくらい?
滞納者本人や財産を占有する第三者は三年以下の拘禁刑または二百五十万円以下の罰金で、併科もありえます。事情を知った相手方は二年以下の拘禁刑または百五十万円以下の罰金です。
Q3差押予告書が届いた後に車を売るのは違法?
相当な価格での通常の売却まで直ちに違法となるわけではありません。ただ、相場より著しく安い売却や身内への名義移転は、滞納処分を免れる目的を推認されやすくなります。
Q4自動車税を滞納すると車は差し押さえられる?
督促後も納付がなければ、滞納処分として車や預金などが差し押さえられ、公売にかけられることがあります。裁判所の手続は不要で、役所が直接執行します。
Q5滞納処分免脱罪で会社も罰せられる?
罰せられます。従業員や代表者が業務として違反行為をした場合、行為者本人に加え、会社にも各項の罰金刑が科されます(4項の両罰規定)。
Q6滞納処分免脱罪の時効はいつまで?
公訴時効は行為が終わった時から3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。滞納税そのものの徴収権の時効(地方税法18条、5年)とは別に進行します。
Q7国税と地方税で滞納処分免脱罪は違う?
構造はほぼ同型です。国税は国税徴収法187条、地方税は税目ごとに地方税法の罰則規定が置かれ、176条は環境性能割を対象とします。
Q8パーツを外して車の価値を下げるのも罪になる?
滞納処分を免れる目的で現状を改変し財産の価額を減損させる行為は、1項が明文で処罰対象としています。高価なパーツやホイールの取り外しも該当しえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1税金を滞納してるだけで前科がつくことってありますか?
滞納しているだけでは前科はつきません。延滞金が加わり、最終的に滞納処分(差押え・公売)へ進むだけです。刑事罰が問題になるのは、滞納処分を逃れる目的で財産を隠す、壊す、不当に処分するなどした場合です(地方税法176条)。実務のポイント:告発にまで至る件数は多くないとされる。ただ、誠実に分納を続けている人と財産を動かした人とでは、徴収担当の見る目がまったく違う。財産隠しは捜索の対象になり、記録として残る
Q2差押えが来る前に車を家族名義にしたら、取り戻されちゃうんですか?
刑事罰とは別に、取り戻される可能性は十分あります。自治体は民法424条の詐害行為取消権を使って名義移転を取り消せますし、無償や著しく低い価格で受け取った家族に第二次納税義務(地方税法11条の8)を課すこともできます。実務のポイント:名義を移しても、車の使用者が同じで、保管場所も変わらず、代金のやり取りもないなら、徴収側から見れば移転の実態は明らかである。手間をかけた名義変更が、そのまま証拠を残すことになる
Q3相場よりかなり安く中古車を買ったけど、売り主が税金滞納してたら私も罪になる?
3項が処罰するのは、事情を知りながら相手方になった人だけです。差押え逃れだと知らずに買ったのなら、本条の罪にはなりません。ただし、異常な安値や売主の言動から事情を察していたと認定されるリスクはあります。実務のポイント:知っていたかどうかは、価格と相場の差、売主とのやり取り、取引を急いだ事情といった客観的な事実から推認される。値引きの理由を「差押え」と言われた時点で、その取引からは降りるべきだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「税金を滞納したら逮捕されるのか」という問いの立て方がそもそもずれている。滞納そのものに刑罰はない。処罰されるのは、滞納処分を逃れる目的で財産を隠す、減らす、不当に処分する行為である。恐れるべきは滞納ではなく、焦って財産を動かすことだ
- 家族への名義変更が危ないことは何となく知られている。しかし、事情を知って受け取った家族まで刑事罰の対象になること(3項)は知られていない。さらに刑事責任とは別に、無償や著しく低い価格で財産を譲り受けた人は、滞納税を代わりに払う第二次納税義務(地方税法11条の8)を負わされうる。家族を守るつもりの名義移転が、家族を二重に巻き込む
- 滞納者から見れば、自分の財産を誰に売ろうと自由に見える。法律から見れば、滞納処分を受けるおそれがある状態での不自然な売却は、徴収を逃れる目的を推認させる材料になる。実務上、差押えが実際に始まっている必要はないと解されている。差押予告書が届いた後に財産を動かすと、とくに目的を疑われやすい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の性質 | 地方税法176条:刑事罰(拘禁刑・罰金) | 地方税法11条の8:行政上の第二次納税義務 国税徴収法187条:国税版の刑事罰 |
| 対象となる人 | 滞納者、財産占有者、情を知った相手方、法人 | 無償または著しい低額で財産を譲り受けた者 国税の滞納者、財産占有者、情を知った相手方、法人 |
| 主観的要件 | 滞納処分を免れる目的(相手方は情を知っていること) | 目的・認識を問わず、譲受けの客観的態様で判断 滞納処分の執行を免れる目的 |
| 受け手の負担 | 刑事責任(二年以下の拘禁刑等) | 受けた利益の限度で滞納税を代わりに納付 刑事責任(国税の場合) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は租税専用ではなく、強制執行を免れる目的で財産を毀損・処分・隠匿する行為を一般的な損害債権罪として処罰する。告訴乃論である点が日本と異なる
韓国も滞納処分免脱を租税犯として独立に処罰し、情を知った相手方や財産保管者を処罰する構造は日本と類似
ドイツは強制執行を受けるおそれのある者による財産の譲渡・隠匿を一般的に処罰し、租税債権もその保護対象に含まれる
米国は内国歳入法典で、課税・差押えに関連して財産を隠匿・移転し税の徴収を詐害する行為を重罪として処罰する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 中古車店で買った車の環境性能割を払わないまま半年が過ぎ、県税事務所から差押予告書が届いた。慌てて車を実家の父の名義に移した。親を頼っただけのつもりでも、この名義変更は本条1項の「道府県の不利益に処分」にあたりうる。事情を知って名義を引き受けた父は、3項の相手方として処罰の対象になる
- もし知人に「税金の差押えが来そうだから、この車を10万円で買ってくれ」と頼まれたら、どうなる? 相場200万円の車を事情を知りながら買えば、あなたは3項の相手方として二年以下の拘禁刑または百五十万円以下の罰金の対象になる。安く手に入った分の得は、刑事責任と引き換えである
- 差押えの直前に、高価なカスタムパーツとアルミホイールを外して安い純正品に戻した。財産の現状を変えて価額を減らす行為で、1項がまさに想定している類型である。
- あなたは小さな会社の経理担当で、社長の指示により社用車を滞納処分の前に関連会社へ帳簿価額以下で移した。実際に手続をしたあなたが処罰され、会社にも罰金が科される(4項)。「指示されただけ」という言い分は、処罰を免れる理由にならない
- 差押予告書に書かれた期限まで、あと7日。この7日間にやるべきことは財産を動かすことではない。県税事務所の窓口へ行き、換価の猶予(地方税法15条の5・15条の6)や分納を相談することである。相談した記録は、財産を隠す意図がなかったことの証拠として後で効いてくる
取るべき行動
被害を受けた側:財産の受け手として巻き込まれそうな側の場合:1. 身内や知人から車・預金・不動産の名義移転や格安での買い取りを頼まれたら、相手に税金の滞納や差押予告がないかをまず確認する2. 差押え逃れだと分かったら引き受けず、断ったやり取り(LINE など)を保存する3. すでに受け取ってしまった場合は速やかに返還を申し出て、弁護士に相談する。第二次納税義務(地方税法11条の8)の告知が届く可能性も想定しておく
訴えられた側:1. 差押予告の後に財産を移した、パーツを外したなどの心当たりがあれば、それ以上は何も動かさない2. 移した財産を元に戻せるなら戻し、分納でもよいので滞納税の納付を始める。原状回復と納付は、起訴するかどうかの判断や量刑で考慮されうる3. 県税事務所から呼出しや告発の動きがあれば、刑事事件に強い弁護士に早めに相談する4. 売却の経緯、代金が相当だったこと、受け取った代金の使い道など、逃れる目的がなかったことを示す資料を整理する
時効(請求できる期限):本条の罪の公訴時効は3年で、行為が終わった時から数える(1項・3項とも長期5年未満の拘禁刑または罰金にあたるため、刑事訴訟法250条2項6号)。滞納税そのものを徴収する権利は、法定納期限の翌日から5年で時効により消滅する(地方税法18条)。ただし差押えなどによって時効の進行は止まり、やり直しになりうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本罪は滞納処分の実効性を保護する目的犯であり、現実の差押え着手は不要で、滞納処分を受けるおそれのある状態での免脱目的の行為で足りると解される。国税徴収法187条と同型の解釈が妥当する。
改正沿革 AI による整理
- 平成28年(2016年)改正、令和元年(2019年)10月1日施行 自動車取得税の廃止と自動車税環境性能割の創設にあわせて、環境性能割の滞納処分に関する罪として整備された(条文番号の変遷・施行経緯は要確認)
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)6月1日施行 刑法改正に伴い「懲役」を「拘禁刑」に改めた
- 今後の動向 環境性能割の存廃については税制改正の議論がある。廃止された場合の罰則の経過措置を含め、最新の改正状況を要確認
改正の年表
- 1.平成28年(2016年) 改正:自動車取得税の廃止と自動車税・軽自動車税の環境性能割創設に伴い、環境性能割の滞納処分に関する罪として整備(令和元年(2019年)10月1日施行。条文番号の変遷は要確認)
- 2.令和4年(2022年) 改正:刑法改正に伴う関係法律整理により「懲役」を「拘禁刑」に改正(令和7年(2025年)6月1日施行)
- 地方税法 第11条の8無償・低額譲受人の第二次納税義務
- 地方税法 第18条地方税の徴収権の5年消滅時効
- 地方税法 第15条の6申請による換価の猶予、合法的な救済路(現行効力を要確認)
- 国税徴収法 第187条国税版の滞納処分免脱罪、同型規定
- 刑法 第96条の2強制執行妨害目的財産損壊等の一般規定
- 刑事訴訟法 第250条本罪の公訴時効3年の根拠
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