地方税法 第17条の2(過誤納金の充当)
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- 地方団体の長は、前条の規定により還付すべき場合において、その還付を受けるべき者につき納付し、又は納入すべきこととなつた地方団体の徴収金(その納付し、又は納入する義務が信託財産責任負担債務である地方団体の徴収金に係る過誤納金である場合にはその納付し、又は納入する義務が当該信託財産責任負担債務である地方団体の徴収金に限るものとし、その納付し、又は納入する義務が信託財産責任負担債務である地方団体の徴収金に係る過誤納金でない場合にはその納付し、又は納入する義務が信託財産限定責任負担債務である地方団体の徴収金以外の地方団体の徴収金に限る。以下この条において同じ。)があるときは、前条の規定にかかわらず、過誤納金をその地方団体の徴収金に充当しなければならない。
- 2.道府県が第七百三十九条の五第一項若しくは第二項(これらの規定を同条第八項において準用する場合を含む。次条第一項第一号及び第三号において同じ。)の規定により当該道府県の個人の道府県民税(第二十四条第一項第二号に掲げる者に対して課する均等割及び第五十条の二の規定により課する所得割に限る。以下この項において同じ。)に係る地方団体の徴収金と併せて徴収した個人の市町村民税(第二百九十四条第一項第二号に掲げる者に対して課する均等割及び第三百二十八条の規定により課する所得割に限る。以下この項において同じ。)に係る地方団体の徴収金又は市町村が第四十一条第一項の規定により当該市町村の個人の市町村民税に係る地方団体の徴収金と併せて徴収した個人の道府県民税に係る地方団体の徴収金に係る納税者又は特別徴収義務者の過誤納金があるときは、道府県知事又は市町村長は、当該過誤納金をそれぞれ当該道府県又は市町村の地方団体の徴収金に係る過誤納金とみなして、それぞれ当該納税者又は特別徴収義務者の納付し、又は納入すべきこととなつた道府県又は市町村の地方団体の徴収金に充当しなければならない。
- 3.前二項の場合において、その地方団体の徴収金のうちに延滞金があるときは、その過誤納金は、まず延滞金の額の計算の基礎となる地方税に充当しなければならない。
- 4.前三項の規定による充当は、政令で定める充当をするに適することとなつた時にさかのぼつてその効力を生ずる。
- 5.地方団体の長は、第一項から第三項までの規定による充当をしたときは、その旨を納税者又は特別徴収義務者に通知しなければならない。
この条文の基本情報
過誤納金の充当とは何ですか?
定義過誤納金の充当とは、地方税法第17条の2に定められた規定で、「地方団体の長は、前条の規定により還付すべき場合において、その還付を受けるべき者につき納付し、又は納入すべきこととなつた地方団体の徴収金(その納付し、又は納入する…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第17条の2(過誤納金の充当)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第17条の2の条文原文は「地方団体の長は、前条の規定により還付すべき場合において、その還付を受けるべき者につき納付し、又は納入すべきこととなつた地方団体の徴収金(その納付し、又は納入する…」で始まります。
- 地方税法第17条の2は第一章 総則に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第17条の2の前の条は地方税法第17条です。
- 地方税法第17条の2の次の条は地方税法第17条の2の2です。
- 地方税法第17条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第17条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第17条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/17_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法17条の2は、同じ地方団体に未納の徴収金があれば、過誤納金を還付せずその未納分に充当しなければならないと定める。延滞金があれば本税から先に充てる。
Q · 住民税の還付金が勝手に滞納分に回されたけど、断れないの?
断れません。同じ自治体の未納分には自動で充当されます
地方税法17条の2第1項は、過誤納金を還付すべき者に同じ地方団体の未納の徴収金があるとき、地方団体の長は過誤納金をその徴収金に「充当しなければならない」と定めています。納税者の同意は不要で、役所にも裁量はありません。ただし延滞金があれば延滞金の計算の基礎となる本税から先に充当され(3項)、効力は充当適状の時にさかのぼります(4項)。充当後は通知が義務付けられています(5項)。
解説
役所から「還付」の通知が来ると、口座にお金が振り込まれると思うだろう。だが地方税法17条の2により、その前に一つの手順が入る。同じ自治体に未納の税(延滞金を含む)が残っていれば、地方団体の長は過誤納金(払い過ぎた税や、払う必要のなかった税)をまずその未納分に充てなければならない。条文は「しなければならない」と書いており、役所に選ぶ余地はなく、あなたの同意も要らない。たとえば市民税の払い過ぎ分が、忘れていた同じ市の固定資産税や軽自動車税の未納分にそのまま回される。ただし、充てる順番はあなたに有利に決まっている。延滞金が付いていれば、延滞金より先に、延滞金を生んでいる本税に充てる(3項)。本税が減ればその日から延滞金の増え方も止まる。さらに充当は、充てることができる状態になった時点(充当適状)にさかのぼって効力を持つ(4項)。通知が遅れて届いても、延滞金は充当適状の日を基準に計算し直される。充当すれば役所は必ず通知しなければならない(5項)。その通知を読めるかどうかで、延滞金の計算が正しいかを自分で確かめられるかが決まる。
法的な位置づけ
地方税法17条の2は過誤納金の充当を定める規定であり、地方団体の長が過誤納金を還付すべき場合に、還付を受けるべき者に同一地方団体の未納の徴収金があるときは、還付に代えてその徴収金に充当することを義務付ける。延滞金がある場合の本税優先充当、充当適状時への遡及効、充当後の通知義務を併せて定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.充当通知書の記載内容を確認する 届いた充当通知書(5項)で、充当先の税目・年度・期別と、本税と延滞金それぞれへの充当額を確認する。還付予定額との差額がどこに使われたかを一覧にする
- 2.本税優先の順番を照合する 延滞金が付いている場合、延滞金より先に延滞金の計算の基礎となる本税へ充当されているか(3項)を確認する。延滞金から先に消されていれば計算誤りの可能性がある
- 3.延滞金の計算終期を照合する 充当された本税の延滞金が、通知日ではなく充当適状の日(4項)を基準に止まっているかを確認する。日数のずれがあれば差額を概算しておく
- 4.計算根拠を書面で求める 照合して疑問が残る場合、課税課または収納課に充当適状日と延滞金の計算明細を書面で請求する。誤りが疑われるときは、審査請求の期限も意識して税理士に早めに相談する
よくある質問 AI による整理
Q1過誤納金の充当とは?
払い過ぎた税や払う必要のなかった税(過誤納金)を、還付する代わりに同じ地方団体の未納の税に充てる処理です。地方税法17条の2が根拠です。
Q2充当通知書とは何ですか?
地方団体が過誤納金を未納の税に充てたことを知らせる書面です。17条の2第5項で通知が義務付けられ、充当先の税目・年度・金額が記載されます。
Q3住民税の還付金はいつ振り込まれる?
未納がなければ還付通知の後に振り込まれます。同じ自治体に未納があると先に充当され、振り込まれるのは充当後の残額だけです。
Q4国民健康保険税の滞納に住民税の還付金は充当される?
同じ市町村が課す国民健康保険税は地方税なので、住民税の過誤納金が充当の対象になります。国民健康保険料(料方式)の場合は扱いが異なります。
Q5充当適状とはいつのこと?
過誤納金と未納の税の双方が存在し、充当できる状態になった時点です。具体的な時期は地方税法施行令で定められ、充当の効力はこの時にさかのぼります。
Q6延滞金と本税、どちらから充当される?
17条の2第3項により、延滞金の額の計算の基礎となる本税から先に充当されます。本税が減ることで延滞金の増加も抑えられます。
Q7固定資産税の還付金を別の税に回されるのは違法?
同じ地方団体の未納の徴収金への充当であれば、17条の2第1項に基づく適法な処理です。別の地方団体の税に充てられた場合は根拠を確認すべきです。
Q8過誤納金の還付請求はいつまでできる?
還付金の請求権は、請求できる日から5年で時効により消滅します(地方税法18条の3)。通知が来ないまま放置しないことが大切です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1還付金が勝手に滞納分に回されたんですけど、断れないんですか?
断れません。地方税法17条の2第1項は「充当しなければならない」と定めており、役所にも納税者にも選ぶ余地はありません。ただし対象は原則として同じ地方団体の徴収金だけです。実務のポイント:充当そのものは止められなくても、延滞金の計算日が充当適状の日にさかのぼっているか(4項)は争えます。窓口で「充当適状日はいつで、延滞金はその日で止まっていますか」と一言聞くだけで、職員の再計算が始まることがあります
Q2県の自動車税を滞納中で、市の住民税が還付になりました。相殺されますか?
原則として充当されません。自動車税は県、市民税は市が課税しており、地方団体が違うからです。例外は2項の個人住民税の一体徴収で、市が県民税分を併せて徴収している場合は、その過誤納金を市の徴収金に充てることがあります。実務のポイント:住民税の通知書は市から届きますが、中身には県民税が含まれています。「住民税の還付」の通知を見たときは、県民税分がどこに充当されたかまで確認すると全体像が見えます
Q3通知が届いたのは三か月後でした。その間の延滞金も払わされるんですか?
充当の効力は、政令で定める充当適状の時にさかのぼります(17条の2第4項)。また延滞金があるときは、延滞金を生む本税から先に充当されます(3項)。つまり充当適状の日以降、その本税に対する延滞金は増えないのが原則です。実務のポイント:自治体の滞納管理システムは通知日を基準に延滞金を自動計算していることがあり、手作業で修正されないまま請求されるケースもあります。計算明細の請求は無料で、正当な権利です
間違えやすい点 AI による整理
- 「還付金は申請すれば全額振り込まれる」と考えがちだが、同じ地方団体に未納があれば、17条の2第1項により先に充当が行われる。役所に裁量はなく、あなたが「今回は全額振り込んでほしい」と頼んでも、充当を止めることはできない
- 前提錯誤型:「国の所得税の還付金が住民税の滞納に回されるのでは」と心配する人がいるが、問いの立て方が誤っている。本条の充当は、原則として同じ地方団体の徴収金の間に限られる。国税の還付金は国税通則法の世界で処理され、市の住民税に充てられることはない。県と市の間も、2項の個人住民税の一体徴収の場面を除いて充当されない
- 深化型:充当されたことは分かっても、その効力が充当適状の時点にさかのぼる(4項)意味まで理解している人は少ない。延滞金は、通知が届いた日ではなく充当適状の日を基準に止まる。役所の延滞金の計算が通知日基準になっていれば、払い過ぎを取り戻す根拠になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 17条の2:未納の徴収金がある場合の過誤納金の充当 | 17条:過誤納金の還付義務(原則) 17条の4:還付加算金の計算 |
| 納税者の手元に届くもの | 充当通知(未納分に充てた後の残額のみ還付) | 過誤納金の全額還付 還付金に加算される利息相当額 |
| 役所の裁量 | なし(「充当しなければならない」) | なし(還付は義務) なし(法定の割合・期間で計算) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も応退税額をまず滞納税額に抵繳し、抵繳後に納税義務者へ通知する仕組みで、日本の充当と構造が近い
韓国も地方税還付金を滞納中の地方税等に充当してから還付する規定を置く
ドイツは租税債権と還付請求権の相殺(Aufrechnung)として民法の相殺規定を準用する構成をとる
米国連邦税では過納付額を納税者の他の税債務に充当(credit)できると定める。州税は州ごとに規律が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 年の途中で退職し、住民税を一括で天引きされたが、後で税額が下がって過納になった。還付を待っていたら「充当通知書」が届き、二年前に引っ越す前の住所で払い忘れていた同じ市の軽自動車税に充てられていた。手元に入ったのは残りの数千円だけだった
- 市から届いた充当通知を見ると、未納の固定資産税本税ではなく延滞金から消されているように読める。これは3項の順番と逆ではないか? 延滞金の額が通知どおりなら、本税への充当が後回しにされた分だけ延滞金が過大に計算されている可能性がある
- あなたは従業員の住民税を特別徴収している会社の経理担当だ。退職者の分を二重に納入してしまった。市はその過誤納金を、会社が納入すべき別の月の特別徴収税額に充当し、通知を送ってきた。経理の消込を通知に合わせて直さないと、帳簿上は未納のまま残る
- 不動産を売って住民税の予定納税的な支払いを多めにしていた。還付を見込んで引越し資金に組み込んでいたのに、同じ市の固定資産税の未納に充当された。家主への支払期限まであと五日、資金計画が狂った
- 県の自動車税の滞納と、市の住民税の過納。この二つは原則として相殺されない。課税しているのが別の地方団体だからだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 充当通知書(5項)で、充当先の税目・年度・本税と延滞金の内訳を確認する2. 延滞金より先に本税に充てられているか(3項)、延滞金が充当適状の日で止まっているか(4項)を照合する3. 納得できなければ、課税課や収納課に計算根拠を書面で求める4. 充当の誤りが疑われるなら審査請求を検討する。充当通知に処分性があるかは実務上解釈が分かれる部分があるため、税理士に早めに相談する
訴えられた側:滞納がある側、または特別徴収義務者として過誤納をした側の立場。1. 同じ自治体の未納を一覧化し、どれに充当されるかを予測する2. 特別徴収の過誤納なら、充当先の月を通知で確認し、会計の消込を修正する3. 延滞金が残る場合は、本税完納後の延滞金の減免や分納を相談する4. 県税と市税の間は原則として充当されないため、県税の滞納は別途対処が必要
時効(請求できる期限):過誤納金の還付請求権は、請求できる日から5年で時効消滅する(地方税法18条の3)。充当に不服がある場合の審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。充当そのものの処分性については実務上解釈が分かれるため、早めに確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
実務上の議論:17条の2の充当が抗告訴訟・審査請求の対象となる処分に当たるかについては、実務上解釈が分かれる部分がある。争う場合は、充当通知の性質と不服申立期間を早期に確認することが求められる
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