地方税法 第22条の6(通信履歴の電磁的記録の保全要請)
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- 当該徴税吏員は、差押え又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者又は自己の業務のために不特定若しくは多数の者の通信を媒介することのできる電気通信を行うための設備を設置している者に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、三十日を超えない期間を定めて、これを消去しないよう、書面で求めることができる。この場合において、当該電磁的記録について差押え又は記録命令付差押えをする必要がないと認めるに至つたときは、当該求めを取り消さなければならない。
- 2.当該徴税吏員は、前項の規定により消去しないよう求める期間については、特に必要があるときは、三十日を超えない範囲内で延長することができる。ただし、消去しないよう求める期間は、通じて六十日を超えることができない。
- 3.当該徴税吏員は、第一項の規定による求めを行う場合において、必要があるときは、みだりに当該求めに関する事項を漏らさないよう求めることができる。
この条文の基本情報
通信履歴の電磁的記録の保全要請とは何ですか?
定義通信履歴の電磁的記録の保全要請とは、地方税法第22条の6に定められた規定で、「当該徴税吏員は、差押え又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者又は自己の業務のために不特定若…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第22条の6(通信履歴の電磁的記録の保全要請)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第22条の6の条文原文は「当該徴税吏員は、差押え又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者又は自己の業務のために不特定若…」で始まります。
- 地方税法第22条の6は第一章 総則に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第22条の6の前の条は地方税法第22条の5です。
- 地方税法第22条の6の次の条は地方税法第22条の7です。
- 地方税法第22条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第22条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第22条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/22_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法22条の6は、徴税吏員が通信事業者等に通信履歴を最長30日、延長して通算60日まで消去しないよう書面で求められる規定。取得には別途差押えが必要。
Q · 県税事務所から「通信履歴を消さないで」と書面が来たら、ログを渡さないといけないの?
求められるのは「消さない」ことだけで、提出義務はない
地方税法22条の6にもとづく求めは、特定された通信履歴を30日以内(延長して通算60日まで)消去しないことを求めるものにとどまります。ログを役所に提出・開示する義務は本条からは生じず、実際に取得するには裁判官の許可状にもとづく差押え等の別の手続が必要です。差押えの必要がなくなれば、徴税吏員は求めを取り消さなければなりません。
解説
脱税の疑いを追う自治体の調査官が真っ先に欲しがるのは、帳簿よりもログである。帳簿は本人が書き換えられる。しかし通信会社のサーバーに残る送信元・送信先・通信日時の記録は、本人の手が届かない場所にある。ただしそのログは、事業者の保存方針しだいで数週間から数か月のうちに自動で消えていく。そこで本条は、徴税吏員(地方税の犯則事件、つまり脱税などの刑事責任を追及する調査を担う自治体職員)に権限を与えた。通信事業者や、多数の人の通信を中継する設備を持つ者に対して、必要なログを特定したうえで「30日以内、延長しても通算60日まで消さないでほしい」と書面で求められる。ここで押さえられるのは「消すな」までである。中身を持ち帰るには、裁判官の許可状にもとづく差押えなど別の手続が必要になる。さらに第3項により、「この求めを外に漏らさないでほしい」と求めることもできる。あなたがログを管理する側なら、ある日届く一枚の書面を、保全と取得は別物だという順序で読めるかどうかで、社内の動き方が変わる。
法的な位置づけ
地方税法第22条の6は、地方税の犯則事件の調査において、徴税吏員が電気通信事業者等に対し、差押え又は記録命令付差押えに備えて、業務上記録している通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、30日以内(延長により通算60日以内)消去しないよう書面で求める保全要請の制度を定める規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.書面の記載事項を確認する 受け取った書面で、要請者(徴税吏員・所属)、対象となる通信履歴の特定(アカウント・期間)、保全期間、秘密保持の求めの有無を確認し、社内の共有範囲を最小限に絞る
- 2.対象ログの自動削除を停止する 対象ログのローテーションや自動削除ジョブを即日止め、停止日時・作業者・対象範囲を作業記録に残す
- 3.範囲があいまいなら特定を求める 対象が広すぎる・不明確な場合は、担当吏員に期間やアカウントの絞り込みを確認し、他の利用者の通信を巻き込まないようにする
- 4.提出要求には正式手続を確認する ログの提出を求められた場合、本条だけでは提出義務がないため、許可状にもとづく差押え等の正式手続かどうかを確認してから対応する
- 5.期間満了・取消し後に通常運用へ戻す 保全期間(通算60日上限)の満了または取消しの連絡を受けたら、記録を残したうえで通常の保存方針に戻す
よくある質問 AI による整理
Q1通信履歴の保全要請とは何ですか?
差押えに備え、通信事業者等に特定の通信ログを一定期間消さないよう求める手続です。地方税では地方税法22条の6が根拠で、書面で行われます。
Q2保全要請の期間はいつまでですか?
書面で定める30日以内が原則です。特に必要があれば30日以内の範囲で延長できますが、通算60日を超えることはできません。
Q3保全要請の対象になる記録は?
業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時などの通信履歴のうち、徴税吏員が特定した必要なものに限られます。
Q4通信の内容(メール本文)も保全されますか?
条文が例示するのは送信元・送信先・通信日時などの通信履歴です。本文など通信内容の取得は、許可状による差押え等の別手続の問題になります。
Q5社内メールサーバーだけの会社も対象になりますか?
自己の業務のために不特定または多数の者の通信を媒介できる設備を設置している者も対象と定められており、該当しうると解されています。
Q6保全要請は口頭でもできますか?
できません。地方税法22条の6第1項は「書面で求める」ことを要件としています。口頭の依頼だけでは本条の求めにはあたりません。
Q7保全要請はいつ取り消されますか?
差押えや記録命令付差押えをする必要がないと認めるに至ったとき、徴税吏員は求めを取り消さなければなりません(本条1項後段)。
Q8保全要請を受けたことを利用者に伝えてもいい?
必要があるとき、徴税吏員は求めに関する事項をみだりに漏らさないよう求めることができます(本条3項)。その求めがあれば口外を控えるべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1この保全の求めって、断ることはできるんですか?
本条の求めに応じなかったときの罰則は、本条そのものには定められていない。ただ、法律に根拠のある求めなので、無視すれば後に許可状で差押えを受けたときの説明や、取引先からの信用の面で不利になる。実務のポイント:大手通信事業者は捜査機関や税務当局からの保全要請に対応する専用窓口と社内規程を持ち、受付から削除停止までを定型化している。中小事業者がまず真似するべきなのは、この定型化である
Q2プロバイダから「保全要請がありました」と連絡が来ないのはなぜですか?
本条3項により、徴税吏員は事業者に対して、求めに関する事項をみだりに漏らさないよう求めることができるからだ。利用者に知らせれば、調査対象者がほかの証拠を処分するおそれがある。実務のポイント:利用規約に「法令に基づく要請には通知なく対応することがある」と定めている事業者は多い。あなたが読み飛ばして同意したその一文が、連絡が来ない理由を裏付けている
間違えやすい点 AI による整理
- 保全の求めを受けたらログを役所に渡さなければならない、と身構える担当者は多いが、本条が求めているのは「消さないこと」だけで、提出や開示までは求めていない。法的な裏付けのないまま任意に渡してしまえば、電気通信事業法4条の通信の秘密との緊張を、会社が自分から抱え込むことになる
- 「新しくログを取っておけと言われたらどう対応するか」という問いの立て方がそもそもずれている。本条の対象は「業務上記録している」既存の記録に限られ、記録していないものを新たに取らせる根拠にはならない。保存していないログについて、本条から記録を作る義務は生まれない
- 利用者の目には、自分は脱税と無関係に見える。だが法律の目で見ると、ログは送信元と送信先を一体で記録したものである。調査対象者とやり取りしただけの第三者の通信日時も、同じ保全の網にかかる。無関係のつもりでいた人ほど、この落差に気付かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 地方税法22条の6:通信履歴を消去しないよう求める保全要請 | 地方税法22条の4:許可状による臨検・捜索・差押え 地方税法22条の5:通信事務取扱者に対する差押え |
| 裁判官の許可状 | 不要(書面による求め) | 必要 許可状にもとづく差押えの一類型 |
| 相手方の負担 | 既存記録を最長通算60日消去しないこと | 物件・記録の占有を移される 郵便物・通信関連物件を差し押さえられる |
| データの取得 | 取得しない(保全のみ) | 取得する 取得する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は通信紀錄の調取を検察官・裁判所の手続で規律し、税務機関向けの独立した保全要請制度は見当たらない
韓国は通信事実確認資料の提供を法院の許可にかからせ、捜査目的での利用を規律する
ドイツは租税刑事手続に刑事訴訟法を準用し、通信トラフィックデータの取得に裁判所の関与を求める
米国は政府の求めで事業者に記録を90日保全させ、さらに90日延長できる。日本の保全要請と最も構造が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地方の中堅 ISP で法務を兼務するあなたの元に、県税事務所から通信履歴の保全を求める書面が届いた。指定期間は30日。ところが社内のログ自動削除ジョブは、あと5日で該当期間の記録を消しにかかる。今日中にジョブを止めなければ、求めに応えようがなくなる
- 取引先の軽油販売業者が不正軽油の疑いで調べられていて、その業者とあなたのメールのやり取りがプロバイダに保全されていたら、どうなる? あなた自身が調査対象でなくても、送信先としてログに名前が残る。保全そのものは記録を残すだけだが、その後に許可状による差押えがあれば調査資料になりうる
- 社内メールサーバーを管理する総務担当者が、保全の求めを受けた翌日、対象社員に「県から何か来てますよ」と口を滑らせた。第3項にもとづく秘密保持の求めが付いていれば、その一言で調査そのものが台無しになりかねない
取るべき行動
被害を受けた側:(保全を求められた事業者・設備管理者の場合)1. 書面に記載された対象ログの範囲、期間、要請者を確認し、社内で情報を共有する範囲を最小限に絞る2. 該当ログの自動削除を即日止め、止めた記録を残す3. 範囲があいまいなら担当吏員に特定を求める4. 提出を求められても、本条だけでは提出義務は生じない。許可状などの正式な手続を確認してから応じる5. 期間が満了したり取消しの連絡を受けたりしたら、通常の運用に戻す
訴えられた側:(調査対象となった納税者の場合)1. 保全は本人に知らされない前提で動くため、気付いた時点でログはすでに押さえられていると考える2. 自分の事件の証拠を自分で消しても刑法104条の証拠隠滅罪にはあたらないが、他人に消させれば教唆が問われうるうえ、情状は確実に悪くなる3. 税務と刑事の双方に通じた弁護士に早めに相談し、修正申告や納付を検討する4. 差押えを受けた際は許可状の記載範囲を確認し、範囲外の押収には異議を述べる
時効(請求できる期限):保全期間は書面で定める30日以内。特に必要があるときは30日以内の範囲で延長でき、通算60日が上限である(本条1項・2項)。差押えの必要がなくなれば、期間内でも求めは取り消される。地方税の脱税犯の公訴時効は、罪ごとの法定刑に応じて刑事訴訟法250条で決まる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:保全要請は通信の秘密への介入度が低い「消去しない」義務にとどめ、取得は令状主義のもとで差押えに委ねる二段階構造であり、刑事訴訟法197条3項の保全要請と同じ設計思想に立つとされる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成29年(2017年) 新設:国税犯則取締法の国税通則法への編入にあわせ、地方税の犯則調査規定が整備され、通信履歴の保全要請が設けられた(施行は2018年4月1日。詳細は要確認)
- 地方税法 第22条の4許可状による臨検・捜索・差押え(現行効力を要確認)
- 地方税法 第22条の5通信事務取扱者への差押え(現行効力を要確認)
- 地方税法 第22条地方税事務従事者の秘密漏えい罪
- 刑事訴訟法 第197条第3項から第5項、刑事捜査の保全要請の原型
- 国税通則法 第134条国税犯則調査の同種規定(現行効力を要確認)
- 電気通信事業法 第4条事業者が負う通信の秘密の保護義務
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