地方税法 第321条の11(法人の市町村民税の更正及び決定)
クイックジャンプ
- 市町村長は、第三百二十一条の八の規定による申告書の提出があつた場合において、当該申告に係る法人税額若しくはこれを課税標準として算定した法人税割額がその調査によつて、法人税に関する法律の規定により申告し、修正申告し、更正され、若しくは決定された法人税額(「確定法人税額」という。以下この項から第三項までにおいて同じ。)若しくはこれを課税標準として算定すべき法人税割額と異なることを発見したとき、当該申告に係る予定申告に係る法人税割額若しくは法人税において予定申告義務がない法人の予定申告に係る法人税割額が同条第一項若しくは第二項に基づいて計算した額と異なることを発見したとき、第三百二十一条の十四の規定により確定法人税額の分割の基準となる従業者数が修正されたとき、当該申告に係る均等割額がその調査したところと異なることを発見したとき、又は当該申告に係る法人税割額から控除されるべき額がその調査したところと異なることを発見したときは、これを更正するものとする。
- 2.市町村長は、納税者が第三百二十一条の八第一項又は第三十一項の規定による申告書を提出しなかつた場合(同条第一項後段の規定の適用を受ける場合を除く。)においては、その調査によつて、申告すべき確定法人税額並びに法人税割額及び均等割額を決定するものとする。
- 3.市町村長は、第一項若しくはこの項の規定による更正又は前項の規定による決定をした場合において、当該更正若しくは決定をした法人税額若しくは法人税割額がその調査によつて、確定法人税額若しくはこれを課税標準として算定すべき法人税割額と異なることを発見したとき、当該更正若しくは決定をした均等割額がその調査したところと異なることを発見したとき、又は当該更正若しくは決定をした法人税割額から控除されるべき額がその調査したところと異なることを発見したときは、これを更正するものとする。
- 4.市町村長は、前三項の規定により更正し、又は決定した場合には、遅滞なく、これを納税者に通知しなければならない。
- 5.第三百二十一条の八第三十二項の規定は、第一項から第三項までの規定により更正し、又は決定した市町村民税額が、当該事業年度分に係る市町村民税の中間納付額に満たない場合について準用する。
この条文の基本情報
法人の市町村民税の更正及び決定とは何ですか?
定義法人の市町村民税の更正及び決定とは、地方税法第321条の11に定められた規定で、「市町村長は、第三百二十一条の八の規定による申告書の提出があつた場合において、当該申告に係る法人税額若しくはこれを課税標準として算定した法人税割額がその調査によつ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第321条の11(法人の市町村民税の更正及び決定)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第321条の11の条文原文は「市町村長は、第三百二十一条の八の規定による申告書の提出があつた場合において、当該申告に係る法人税額若しくはこれを課税標準として算定した法人税割額がその調査によつ…」で始まります。
- 地方税法第321条の11は第四款に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第321条の11の前の条は地方税法第321条の10です。
- 地方税法第321条の11の次の条は地方税法第321条の11の2です。
- 地方税法第321条の11には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第321条の11 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第321条の11(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/321_11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法321条の25は、法人市町村民税の申告額が確定法人税額や調査結果と異なるとき市町村長が更正し、申告書を提出しなければ決定すると定める。
Q · 税務署で法人税が更正されたら、法人市民税も変わるの?
変わる。市町村長が法人税割を更正する
地方税法321条の25第1項により、法人の市町村民税の申告に係る法人税割額が確定法人税額にもとづく額と異なることが判明すると、市町村長はこれを更正します。均等割額や控除額の誤り、分割基準となる従業者数の修正も更正の対象です。申告書を出していなければ第2項で決定され、結果は第4項により遅滞なく通知されます。更正後の税額が中間納付額に満たない場合は、第5項により差額が還付されます。
解説
法人の市町村民税は、国の法人税額をそのまま課税標準に使う「連動型」の税である。そのため、税務署があなたの会社の法人税を更正すれば、市役所はその数字を受け取って法人税割を自動的に引き直す。本条は、市町村長がこうした引き直し(更正:役所が申告の誤りを見つけて税額を正しく書き換える決定)を行う五つの場面を列挙している。法人税額のずれ、予定申告額のずれ、分割基準の従業者数の修正、均等割額の誤り、控除額の誤りの五つである。申告書を出さなかった場合は、市町村長が税額を一方的に確定させる「決定」となる。見落とされやすいのが第5項である。更正の結果、年税額が中間納付額を下回れば、差額は還付される。国税で減額更正を勝ち取ったのに、市役所への還付を確認しないまま放置している会社は少なくない
法的な位置づけ
地方税法第321条の25は、法人の市町村民税について、申告に係る法人税割額・均等割額・控除額等が確定法人税額又は市町村長の調査結果と異なる場合の更正、申告書不提出の場合の決定、更正・決定後の再更正、納税者への通知義務、並びに中間納付額を下回る場合の還付の準用を定める規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.国税側の確定額を確認する 法人税の修正申告・更正・決定があったら、確定した法人税額を把握し、法人市町村民税の課税標準となる額がいくら変わるかを確認する
- 2.市町村ごとに法人税割を再計算する 複数の市町村に事務所がある場合、分割基準(従業者数)にもとづき確定法人税額を按分し直し、各市町村の法人税割額と均等割額を再計算する
- 3.自主的に修正申告または更正の請求を行う 税額が増える市町村には修正申告を出し、減る市町村には更正の請求(地方税法20条の9の3)を行う。市町村長による更正を待たず先に動くことで延滞金の期間を短くできる
- 4.更正・決定通知を受けたら内容を照合する 市町村長から更正・決定通知が届いたら、法人税額・予定申告・従業者数・均等割・控除額のどの理由によるものかを特定し、国税の確定額や自社資料と突き合わせる
- 5.不服があれば期限内に審査請求する 算定に納得できない場合は、処分を知った日の翌日から原則3か月以内に市町村長へ審査請求する。還付となる場合は還付の時期と金額も確認する
よくある質問 AI による整理
Q1法人市民税の更正とは何ですか?
法人市民税の申告額が正しい額と異なるとき、市町村長が税額を書き換える処分です。地方税法321条の25第1項が根拠で、増額だけでなく減額の場合も含まれます。
Q2法人市民税の決定とはどういう場合ですか?
法人が申告書を提出しなかった場合に、市町村長が調査にもとづき確定法人税額・法人税割額・均等割額を一方的に確定させる処分です(同条第2項)。
Q3法人市民税の更正通知はいつ届く?
国税の更正情報が自治体に回った後に届くため、税務署の処理から時間差が生じます。法律上は原則として法定納期限の翌日から5年以内に行われます。
Q4法人市民税の更正で延滞金はかかる?
増額更正で追加納付が生じると、本来の納期限の翌日から納付日までの延滞金がかかります。早めに自主的に修正申告するほど負担を抑えやすくなります。
Q5均等割の申告を間違えたらどうなる?
資本金等の額や従業者数の区分を誤った均等割額は、市町村長の調査により更正の対象となります(同条第1項)。拠点ごとに市町村が判断します。
Q6分割基準の従業者数を間違えたら?
従業者数が修正されると、各市町村への法人税額の按分が変わり、それぞれの市町村が更正します。ある市では追徴、別の市では還付となることもあります。
Q7法人市民税の更正に不服がある場合は?
処分を知った日の翌日から原則3か月以内に市町村長へ審査請求できます。取消訴訟は原則として審査請求を経た後でなければ提起できません。
Q8法人市民税の更正は何年前までさかのぼる?
原則は法定納期限の翌日から5年、偽りその他不正の行為がある場合は7年です(地方税法17条の5)。この期間を過ぎると更正できません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1税務署で修正申告したんですけど、市役所にも何か出さなきゃダメですか?
出すべきである。法人の市町村民税の法人税割は法人税額を基準に計算されるため、国税の数字が変われば地方税も変わる。放置すれば、市町村長が本条1項にもとづいて更正し、延滞金も加わる。実務のポイント:国の更正情報は税務署から自治体へ回るため、黙っていてもいずれ判明する。都道府県民税と事業税も同じ構造なので、修正申告は三点セットで考えるのが実務の常識である
Q2中間で多めに払いすぎてたみたいなんですが、戻ってきますか?
戻ってくる。本条5項は、更正・決定後の税額が中間納付額に届かない場合に、321条の8第32項を準用して差額を還付すると定めている。実務のポイント:減額の場面で役所が積極的に動いてくれるとは限らない。国税で減額を勝ち取ったら、各市町村に更正の請求を出すか、少なくとも還付の見込みを問い合わせておく。この一手間を惜しんで、数十万円を取り漏らしている中小企業は珍しくない
間違えやすい点 AI による整理
- 法人税の修正申告を済ませれば地方税も自動で片付くと思われがちだが、法人の市町村民税は会社自身が修正申告を出すのが筋である。放置すれば市町村長の更正を待つことになり、その間も延滞金は日々積み上がる
- 「均等割は数万円だから関係ない」という感覚は甘い。事務所や事業所を置く市町村ごとに課されるうえ、資本金等の額と従業者数で税率区分が上がる。複数拠点の会社では、従業者数の数え方の誤り一つが、すべての拠点の市に一斉に波及する
- 更正は「役所が追徴するための制度」と受け止められがちだが、条文は「異なることを発見したとき」としか書いていない。過大な申告も同じく更正の対象であり、第5項は還付の道まで用意している。問題は、役所が過大分を自分から見つけてくれる保証がないことだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰が動くか | 321条の25:市町村長が職権で更正・決定 | 20条の9の3:納税者が減額を請求 321条の8:法人が自ら申告納付 |
| 方向 | 増額・減額の両方 | 主に減額(過大申告の是正) 当初の税額確定 |
| 期間 | 原則5年、不正の場合7年(17条の5) | 原則として法定納期限から5年 事業年度終了後の法定申告期限 |
| 納税者の対応 | 通知を受けて照合、不服なら審査請求 | 請求書を提出し市町村の判断を待つ 申告書の作成・提出と納付 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には法人税連動型の地方法人住民税がなく、営利事業所得税は国税として稽徴機関が調査・核定する。地方への連動更正という二重構造は生じない
韓国は法人地方所得税を地方税として独立させ、地方自治体が決定・更正を行う。国税の法人税と連動する点で日本の構造と近い
ドイツの営業税は税務署の営業税額測定通知(Grundlagenbescheid)に市町村の賦課決定(Folgebescheid)が連動し、前者が変われば後者も改められる点で本条と類似する
米国では連邦税の調査修正を州に報告させ、州が州法人所得税を調整する仕組みが多くの州で採用されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 税務調査で法人税の追徴を受け、ようやく修正申告を終えた経理担当者。安心した二か月後、市役所から法人市民税の更正通知と延滞金の請求が届く。国税を片付けても、地方税は時間差で追いかけてくる
- 支店を三つの市に置く会社が、従業者数の按分を一年分誤っていたとしたら、どうなる? 分割基準が修正されれば、各市がそれぞれ更正をかけてくる。ある市では追徴、別の市では還付という結果が同時に起こる
- 赤字でほとんど休眠状態の合同会社。「法人税ゼロだから申告は不要」と思い込み、三年間申告を放置した。法人税割がゼロでも均等割は残る。市町村長はその分を決定し、延滞金を付けて請求してくる
- あなたの会社が国税不服審判所で法人税の減額を勝ち取った。だが市町村民税は自動では戻らないかもしれない。更正の期間制限に達する前に、市役所へ減額更正と還付を自分から確認する必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 更正通知書を受け取ったら、五つの更正理由(法人税額、予定申告、従業者数、均等割、控除額)のどれに当たるかを特定する2. 法人税額の連動による更正なら、国税側の確定額と突き合わせる3. 従業者数や事務所の認定に納得できなければ、算定根拠の資料を市に求める4. 不服があれば、通知を受けた日の翌日から3か月以内に市町村長へ審査請求する(行政不服審査法18条)。取消訴訟は原則として審査請求を経てからでなければ起こせない(地方税法19条の12)
訴えられた側:1. 国税の修正や更正があったら、ただちに各市町村分の法人税割を計算し直す2. 自分から修正申告を出し、延滞金の計算期間を短くする3. 申告しすぎていたことに気付いたら、更正の請求(地方税法20条の9の3)で減額を求める4. 複数の拠点がある会社は、従業者数の集計方法(期末日現在の人数、パート社員の扱い)を書面で社内ルール化し、調査に備える
時効(請求できる期限):更正・決定は、原則として法定納期限の翌日から5年以内に行われる。偽りその他不正の行為があった場合は7年である(地方税法17条の5)。納税者からの更正の請求は、原則として法定納期限から5年以内である(地方税法20条の9の3)。不服申立ての審査請求期間は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(最新の改正状況をご確認ください)
学説
吸収説(通説・実務):増額の再更正がされると、先行する申告や更正は再更正に吸収され、争訟の対象は再更正処分となるとする考え方。本条第3項の再更正を争う際の対象特定に関わる。
一部取消説(減額再更正):減額の再更正は当初処分の一部を取り消すものにすぎず、争訟の対象は減額後に残った当初処分であるとする考え方。審査請求や取消訴訟の対象選択で注意が必要。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める