地方税法 第37条(調整控除)
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- 道府県は、前年の合計所得金額が二千五百万円以下である所得割の納税義務者については、その者の第三十五条の規定による所得割の額から、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める金額を控除するものとする。
- 一当該納税義務者の第三十五条第二項に規定する課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額(以下この条において「合計課税所得金額」という。)が二百万円以下である場合次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額の百分の二(当該納税義務者が指定都市の区域内に住所を有する場合には、百分の一)に相当する金額
- 一五万円に、当該納税義務者が次の表の上欄に掲げる者に該当する場合には、当該納税義務者に係る同表の下欄に掲げる金額を合算した金額を加算した金額
- 二当該納税義務者の合計課税所得金額
- 二当該納税義務者の合計課税所得金額が二百万円を超える場合イに掲げる金額からロに掲げる金額を控除した金額(当該金額が五万円を下回る場合には、五万円とする。)の百分の二(当該納税義務者が指定都市の区域内に住所を有する場合には、百分の一)に相当する金額
- 一五万円に、当該納税義務者が前号イの表の上欄に掲げる者に該当する場合には、当該納税義務者に係る同表の下欄に掲げる金額を合算した金額を加算した金額
- 二当該納税義務者の合計課税所得金額から二百万円を控除した金額
この条文の基本情報
調整控除とは何ですか?
定義調整控除とは、地方税法第37条に定められた規定で、「道府県は、前年の合計所得金額が二千五百万円以下である所得割の納税義務者については、その者の第三十五条の規定による所得割の額から、次の各号に掲げる場合の区分に応じ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第37条(調整控除)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第37条の条文原文は「道府県は、前年の合計所得金額が二千五百万円以下である所得割の納税義務者については、その者の第三十五条の規定による所得割の額から、次の各号に掲げる場合の区分に応じ…」で始まります。
- 地方税法第37条は第一目 課税標準及び税率に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第37条の前の条は地方税法第36条です。
- 地方税法第37条の次の条は地方税法第37条の2です。
- 地方税法第37条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第37条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第37条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/37
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法37条の調整控除は、所得税と住民税の人的控除差を埋めるため、道府県民税の所得割から2%(指定都市は1%)相当を差し引く制度。合計所得2,500万円超は対象外。
Q · 住民税は10%のはずなのに、通知書の所得割が少し安いのはなぜ?
人的控除の差を埋める調整控除が自動で引かれているから
地方税法37条(道府県民税)と314条の6(市町村民税)は、所得税と住民税の人的控除額の差による負担増を調整するため、所得割額から調整控除を差し引くと定めています。合計課税所得金額が200万円以下なら「人的控除差の合計額」と「合計課税所得金額」の少ない方の5%、200万円超なら人的控除差の合計額から200万円超過分を引いた額(最低5万円)の5%が控除されます。前年の合計所得金額が2,500万円を超える人は対象外です。
解説
住民税の所得割は「一律10%」と説明されることが多い。ところが、自分の税額決定通知書を電卓で検算すると、たいてい10%よりわずかに安い。その差額の正体が本条の調整控除である。2007年、国から地方への税源移譲で住民税の所得割は一律10%になった。だが所得税と住民税では基礎控除や扶養控除などの人的控除の額が違う(たとえば基礎控除の差は5万円)。そのため、この差の分だけ住民税の負担が増える人が出てしまう。その差を税額から直接埋め戻すのが本条だ。道府県民税で2%(指定都市に住む人は1%)を控除し、市町村民税側(314条の6)と合わせて計5%になる。申請は要らない。ただし前年の合計所得金額(各種所得を合計した金額で、所得控除を引く前のもの)が2,500万円を1円でも超えると、控除はゼロになる。さらに、扶養に入れた家族の人数や障害者控除の有無によって控除額は変わる。通知書の調整控除の欄は、あなたの扶養の申告が正しく反映されたかを映す鏡でもある。
法的な位置づけ
調整控除とは、地方税法第37条(道府県民税)および第314条の6(市町村民税)に基づき、所得税と個人住民税の人的控除額の差に起因する負担増を調整するため、所得割額から差し引かれる税額控除である。前年の合計所得金額が2,500万円以下の納税義務者に、申請を要せず適用される。
手順
- 1.税額決定通知書の課税標準と所得割額を確認 6月頃に届く住民税の税額決定通知書で、課税標準(課税所得金額)と所得割額を確認し、課税標準の10%から所得割額を引いて差額を出す
- 2.人的控除差の合計額を自分で計算 基礎控除・配偶者控除・扶養控除・障害者控除など、自分に適用される人的控除の差額を合計し、合計課税所得金額が200万円以下か超かに応じて調整控除額を試算する
- 3.所得税の申告内容と照合 源泉徴収票や確定申告書に記載された扶養親族・障害者控除が、住民税側の通知書にも同じく反映されているかを確認する
- 4.ずれがあれば市区町村の税務課に照会 試算と通知書が一致しない場合は、市区町村の住民税担当課に計算明細を請求する。課税処分に不服がある場合は、通知を受けた日の翌日から3か月以内に審査請求を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1調整控除の計算方法は?
合計課税所得金額200万円以下なら、人的控除差の合計額と合計課税所得金額の少ない方の5%。200万円超なら、人的控除差の合計額から200万円超過分を引いた額(最低5万円)の5%です。
Q2調整控除の最低額はいくら?
合計課税所得金額が200万円を超える場合でも、控除の基礎額は最低5万円が保障されます。住民税全体で2,500円、道府県民税分は1,000円が下限です。
Q3人的控除差とは何ですか?
所得税と住民税で人的控除の額が異なることによる差額です。例えば基礎控除は5万円、特定扶養控除は18万円として地方税法が差額を定めています。
Q4指定都市に住むと調整控除の率は変わる?
道府県民税分が2%から1%に下がり、その分市民税分が3%から4%に上がります。合計5%は変わらないため、税額に損得はありません。
Q5扶養が増えると調整控除は増える?
扶養控除の人的控除差が加算されるため、通常は増えます。ただし合計課税所得金額が大きいと200万円超過分が差し引かれ、最低額に張り付く場合もあります。
Q6調整控除はいつから始まった制度?
三位一体改革の税源移譲に伴い、平成19年度(2007年度)分の個人住民税から導入されました。所得割の税率が一律10%になったのと同時です。
Q7調整控除は住民税の均等割にも適用される?
適用されません。地方税法37条は所得割の額から控除すると定めており、均等割は対象外です。所得割が非課税の人には影響がありません。
Q8合計課税所得金額とは何を合計したもの?
地方税法35条2項に規定する課税総所得金額、課税退職所得金額、課税山林所得金額の合計額です。所得控除を差し引いた後の金額である点が合計所得金額と異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1住民税って10%なのに、なんで通知書の金額がちょっと安いんですか?
主な理由は、地方税法37条(道府県民税分)と314条の6(市町村民税分)による調整控除です。所得税と住民税の人的控除の差を埋めるため、合計で5%相当が税額から自動的に引かれます。実務のポイント:調整控除の額は扶養の人数などで変わるため、この欄の数字が前年から理由なく減っていれば、扶養の反映漏れを疑う手がかりになります
Q2所得が2,500万円をちょっと超えたら、どのくらい損しますか?
合計所得金額が2,500万円を超えると、本条の調整控除がゼロになります。同時に住民税の基礎控除(43万円)もなくなるため、所得割は約4.3万円増え、さらに調整控除の分も失われます。実務のポイント:合計所得金額には申告した譲渡所得も含まれます。売却時期や株式の申告方法を調整すれば、この崖を避けられることがあります(最新の改正状況をご確認ください)
Q3調整控除って、自分で申請しないともらえないんですか?
申請は不要です。市区町村が、所得税の確定申告書や給与支払報告書のデータから自動で計算します(地方税法37条)。実務のポイント:自動計算だからといって安心はできません。計算の材料になる扶養や障害者の情報が勤務先から正しく届いていなければ、控除額もずれます。誤りは入力の段階で起きるので、まず源泉徴収票の記載を確認するのが近道です
間違えやすい点 AI による整理
- 「住民税は所得の10%だから、計算するまでもない」と思っている人が多い。実際の所得割は、10%を掛けたあとに本条の調整控除、住宅ローン控除、寄附金税額控除などを順番に差し引いた結果である。10%で検算して「だいたい合っている」と納得する習慣こそが、控除の反映漏れを見逃す原因になる
- 調整控除は低所得者向けの優遇措置だと誤解されやすい。実際の目的は、2007年の税源移譲のとき、所得税と住民税の人的控除の差によって負担が増えないようにする調整にある。年収1,000万円台の会社員にも普通に適用されており、所得の高低と救済とは本質的に関係がない
- 「2,500万円」を年収の基準だと思うと読み違える。基準は合計所得金額であり、給与なら給与所得控除を引いたあとの額だ。一方で、申告した株式の譲渡益や不動産の譲渡所得も合算される。給与だけを見て「自分は関係ない」と判断した年に、売却益で崖を越えてしまう人がいる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 地方税法37条:道府県民税所得割の調整控除 | 地方税法314条の6:市町村民税所得割の調整控除 地方税法37条の2:道府県民税の寄附金税額控除 |
| 控除率・控除額 | 人的控除差を基礎に2%(指定都市居住者は1%) | 人的控除差を基礎に3%(指定都市居住者は4%) 寄附金額に応じた基本控除と特例控除 |
| 適用要件 | 前年の合計所得金額2,500万円以下、申請不要 | 前年の合計所得金額2,500万円以下、申請不要 寄附の事実と申告(またはワンストップ特例)が必要 |
| 相互関係 | 所得割額から先に差し引かれる | 本条と対になり合計5%を構成 特例控除の上限は調整控除後の所得割額を基準に算定 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾には個人の地方所得税がなく、免税額・扣除額は国税の綜合所得税で一元的に処理されるため、日本のような国・地方間の控除差調整は生じない
韓国の地方所得税は国税の所得税額を基準とする仕組みで、国税と地方税の人的控除差を税額控除で埋める制度は設けられていない
中国には個人の地方所得税がなく、減除費用と専項附加扣除は国税で一元的に処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 6月、勤務先から渡された住民税の税額決定通知書を開く。課税所得300万円の10%で30万円のはずが、所得割の合計は29万7,500円。2,500円の差は、計算ミスではなく調整控除である。この仕組みを知らないと、もっと大きな計算ミスを見逃しても気付けない
- もし、副業の不動産を売って譲渡所得が出たせいで、前年の合計所得金額が2,500万円を少しだけ超えたらどうなる? 調整控除は消える。それだけでなく住民税の基礎控除(43万円)もゼロになる。たった1万円の超過が、数万円の住民税増加に化ける
- 年末調整で、所得が限度額を超えている母親を扶養に入れたまま申告してしまった。税務署の照合で扶養控除が否認されると、所得税の追徴だけでは済まない。住民税側でも人的控除の差が縮み、調整控除まで連動して減額された通知書が後から届く
- 退職して時間ができたので、住民税の通知書を見直した。指定都市から隣の市に引っ越した年は、県民税の調整控除が1%から2%に変わっている。合計は5%のままなので、損得はない。配分が変わっただけだ
- 住民税への不服申立ての期限は、通知を受け取ってから3か月である。気付いたのが8月末なら、残された時間はもう少ない。まず市区町村の税務課に計算内訳を問い合わせる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 税額決定通知書で、課税所得金額の10%から実際の所得割額を引き、差額の内訳を確認する2. 扶養親族や障害者控除などが所得税の申告どおりに反映されているかを照合する3. ずれがあれば、市区町村の税務課に計算明細を請求する。申告漏れが原因なら住民税の申告書、所得税の申告ミスが原因なら税務署への更正の請求で直す4. 賦課そのものに納得できない場合は、通知を受け取った日の翌日から3か月以内に審査請求を行う
訴えられた側:1. 扶養控除などの否認によって調整控除が減り、追加の通知が届いた場合は、まず所得税側の否認の根拠(扶養親族の所得額)が正しいかを確かめる2. 親族の所得の計算に誤りがあれば、税務署と市区町村の両方に資料を出して争う3. 否認が正しいなら、延滞金を増やさないよう早めに納付するか、市区町村と分納を相談する4. 翌年以降は、扶養に入れる親族の所得見込みを年末調整の前に確認しておく
時効(請求できる期限):審査請求:処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。所得税の更正の請求:法定申告期限から5年以内(国税通則法23条)。住民税の賦課は、原則として法定納期限の翌日から5年間は修正されうる(地方税法17条の5)。最新の改正状況をご確認ください
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)改正、平成19年度分から適用 三位一体改革の税源移譲で住民税の所得割が10%に一律化されたことに伴い、人的控除差による負担増を調整するため調整控除を新設
- 平成29年(2017年)改正、平成30年度分から適用 県費負担教職員の給与負担が指定都市へ移ったことに伴い、指定都市に住む人の道府県民税分の控除率を2%から1%に改正(市民税側を引き上げ、合計5%は維持)
- 平成30年(2018年)改正、令和3年度分から適用 前年の合計所得金額が2,500万円を超える者を調整控除の対象外とする所得制限を追加
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:三位一体改革の税源移譲で住民税の所得割が一律10%となったことに伴い、人的控除差による負担増を調整するため調整控除を新設(平成19年度分から適用)
- 2.平成29年(2017年) 改正:県費負担教職員の給与負担が指定都市へ移ったことに伴い、指定都市居住者の道府県民税分の控除率を2%から1%に改正(平成30年度分から適用、合計5%は維持)
- 3.平成30年(2018年) 改正:前年の合計所得金額が2,500万円を超える者を調整控除の対象外とする所得制限を追加(令和3年度分から適用)
- 地方税法 第35条所得割の税率、控除前の税額算定
- 地方税法 第34条住民税側の人的控除額の定め
- 地方税法 第314条の6市町村民税の調整控除、合計5%の対
- 地方税法 第37条の2寄附金税額控除、調整控除後の額が基準
- 所得税法 第86条所得税の基礎控除、人的控除差の基準
- 所得税法 第84条所得税の扶養控除、人的控除差の算定要素
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