地方税法 第604条(特別土地保有税の脱税に関する罪)
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- 偽りその他不正の行為により特別土地保有税の全部又は一部を免れたときは、その違反行為をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 2.前項の免れた税額が百万円をこえる場合には、情状により、同項の罰金の額は、同項の規定にかかわらず、百万円をこえる額でその免れた税額に相当する額以下の額とすることができる。
- 3.第一項に規定するもののほか、第五百九十九条第一項の規定による申告書を同項各号に規定する申告書の提出期限までに提出しないことにより、特別土地保有税の全部又は一部を免れたときは、その違反行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 4.前項の免れた税額が五十万円を超える場合には、情状により、同項の罰金の額は、同項の規定にかかわらず、五十万円を超える額でその免れた税額に相当する額以下の額とすることができる。
- 5.法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第一項又は第三項の違反行為をした場合には、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
- 6.前項の規定により第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。
この条文の基本情報
特別土地保有税の脱税に関する罪とは何ですか?
定義特別土地保有税の脱税に関する罪とは、地方税法第604条に定められた規定で、「偽りその他不正の行為により特別土地保有税の全部又は一部を免れたときは、その違反行為をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第604条(特別土地保有税の脱税に関する罪)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第604条の条文原文は「偽りその他不正の行為により特別土地保有税の全部又は一部を免れたときは、その違反行為をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する…」で始まります。
- 地方税法第604条は第三款に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第604条の前の条は地方税法第603条の2の2です。
- 地方税法第604条の次の条は地方税法第605条です。
- 地方税法第604条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第604条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第604条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/604
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法604条は、偽りその他不正の行為で特別土地保有税を免れた者を5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処し、無申告による免脱も3年以下で罰する。
Q · 特別土地保有税って今は課税されていないのに、脱税の罰則はまだ生きているの?
課税は停止中だが、罰則規定は現行法として残っている
特別土地保有税は平成15年度(2003年度)以降、地方税法の附則により新たな課税が停止されていますが、税目自体は廃止されていません。そのため地方税法604条の罰則も現行法です。偽りその他不正の行為で免れれば5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(併科可)、申告書を期限内に出さずに免れれば3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。ただし公訴時効を考えると、新たな刑事事件となる余地は事実上ほとんどありません。
解説
条文は今も現行法として生きているのに、罰する対象の税は2003年度から止まっている。特別土地保有税は、昭和48年(1973年)の列島改造ブームで土地転がしが横行した時代に、市町村が土地の投機的な保有や取得に課す税として作られた。地価が下がった後、平成15年度(2003年度)以降は附則の規定で新たな課税が停止された(最新の改正状況をご確認ください)。そのため、本条で新しい刑事事件が生まれる余地はほとんどない。それでも読む価値はある。地方税の脱税罪の組み立て方が、ここにそのまま詰まっているからだ。偽りの申告で税を免れれば5年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金で、両方を同時に科すこともできる。申告書を出さなかっただけでも3年以下の拘禁刑になりうる。免れた税額が罰金の上限を超えれば、罰金はその税額まで引き上げられる。従業員が会社の業務で違反すれば、会社自身にも罰金が科される。他の地方税の罰則を見たとき、あなたは条文を開く前にこの構造を思い浮かべられる
法的な位置づけ
地方税法604条は、特別土地保有税の脱税犯を定める罰則規定である。偽りその他不正の行為による免脱(1項)と、申告書の不提出による免脱(3項)を区別して処罰し、免れた税額が罰金上限を超える場合の罰金額の引上げ(2項・4項)、法人等に対する両罰規定(5項)および法人に科す罰金の時効期間の特則(6項)を置く。
よくある質問 AI による整理
Q1特別土地保有税とは何ですか?
市町村が土地の保有や取得に課した税です。昭和48年(1973年)の土地投機対策として導入され、平成15年度(2003年度)以降は新たな課税が停止されています。
Q2特別土地保有税 いつから課税停止?
平成15年度(2003年度)以降、地方税法の附則により新たな課税が停止されています。廃止ではなく停止なので、条文と罰則は現行法に残っています。
Q3地方税の脱税 罰則はどれくらい重い?
特別土地保有税の場合、偽りの行為による脱税は5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金で、併科もあります。免れた税額が大きければ罰金は税額相当まで上がります。
Q4地方税の申告をしないと犯罪になる?
なりえます。地方税法604条3項は、期限内に申告書を出さずに税を免れた場合、嘘をついていなくても3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処すとしています。
Q5両罰規定とはどういう意味?
従業員などが業務に関して違反したとき、行為者本人に加えて法人や事業主にも罰金を科す規定です。地方税法604条5項がこの型をとっています。
Q6地方税の脱税 時効は何年?
604条1項の罪の公訴時効は5年、3項の罪は3年です(刑事訴訟法250条)。徴収権の消滅時効は別に法定納期限の翌日から5年です(地方税法18条)。
Q7罰金100万円を超えることはある?
あります。免れた税額が100万円を超えると、情状により罰金はその税額相当額まで引き上げられます(604条2項)。無申告の場合は50万円が基準です(4項)。
Q8昔の特別土地保有税の未払いで今から罰せられる?
課税停止から20年以上たっており、公訴時効を考えると刑事責任を問われる可能性は事実上ありません。ただし時効の判断は個別の事情で確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1特別土地保有税って、今も払わなきゃいけないんですか?
平成15年度(2003年度)以降、地方税法の附則によって新たな課税は止まっている(最新の改正状況をご確認ください)。ただし廃止ではないため、本条の罰則も形式上は現行法である。実務のポイント:課税の停止と税の廃止は別物。理屈の上では、停止が解除されれば規定はそのまま動き出す。古い契約書でこの税目の名前を見つけても、慌てる前にまず年度を確認すればよい
Q2従業員が勝手にやった脱税でも、会社まで罰金になるんですか?
本条5項の両罰規定により、従業者が法人の業務について違反すれば、行為者だけでなく法人にも罰金が科される。ただし判例は、法人が従業者の選任や監督に必要な注意を尽くしたと立証すれば、罰を免れうるとしている(最判昭和40.3.26)。実務のポイント:事件が起きてから集めた説明は、まず通らない。日頃の経理チェックの記録や研修の記録が、会社を守るほぼ唯一の証拠になる
Q3罰金が100万円までなら、脱税したほうが得じゃないですか?
得にはならない。免れた税額が100万円を超えると、2項により罰金はその税額まで引き上げられうる。拘禁刑と同時に科されることもある。さらに刑事罰とは別に、本来の税や延滞金などの負担もかかる。実務のポイント:国税の脱税罪(所得税法238条)では拘禁刑の上限が10年に引き上げられている。地方税の5年は一見軽く見えるが、罰金の引き上げと併科の仕組みにより、脱税が割に合わない設計になっている
間違えやすい点 AI による整理
- 課税が停止されたのなら条文も廃止されたと思われがちだが、本条は現行法に残っている。令和7年(2025年)の拘禁刑導入の際にも文言が書き換えられた。止まっているのは「新たな課税」であり、法律そのものではない
- 「罰金は100万円以下」という数字だけで軽い罰だと判断するのは早い。2項と4項により、免れた税額が上限を超えれば罰金は税額相当まで引き上げられ、拘禁刑と同時に科すこともできる。条文に書かれた金額は、罰金の天井というより出発点に近い
- 会社から見れば「担当者が勝手にやったこと」で済む話でも、5項はそれを会社自身の刑事責任として扱う。しかも6項は、法人に科す罰金の時効を行為者の罪と同じ5年に揃えている。罰金だけなら通常3年で時効になるはずだという見込みは、ここで外れる
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は税目ごとではなく稅捐稽徵法に脱税罪を一本化し、法人の責任者等への適用規定を置く。日本の地方税法は税目ごとに脱税罰則を並べる点で構造が異なる
韓国は地方税の脱税罪を地方税基本法にまとめて規定し、両罰規定も同法に置く。税目横断的な統合型である
ドイツは国税・地方税を問わず租税通則法 AO で脱税罪を一元的に規律。法人処罰は秩序違反法 OWiG § 30の過料による
米国連邦の脱税罪は重罪で5年以下の拘禁。州税・地方税の脱税は各州法が規律し、連邦と州で二層構造となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続した土地の古い書類の中から、平成初期の特別土地保有税の申告控えが出てきたら、今になって刑事責任を問われるのか? 本条1項の罪の公訴時効は5年(刑事訴訟法250条)。課税停止から20年以上たった今、刑事責任を問われる可能性は事実上ない
- 市役所の税務課に異動して3日目。引き継ぎファイルに、特別土地保有税が未処理のまま残った古い案件が見つかった。地方税の徴収権は法定納期限の翌日から5年で時効により消える(地方税法18条)。まず確認すべきなのは時効の中断や更新があったかどうかで、それ次第でこの案件が今も徴収できるかが決まる
- 申告書を期限までに出さなかった。それだけで3年以下の拘禁刑になりうるのが3項の設計である。嘘をつかなくても罪は成り立つ。
- あなたは会社のコンプライアンス研修で「経理担当者の不正で会社も罰せられる」という教材を作る担当になった。本条5項は、行為者本人と法人の両方を罰する両罰規定の典型例として使える。さらに6項は、法人に科す罰金の時効を5年に引き延ばしている。この細部まで説明すれば、研修の説得力が一段上がる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自治体の担当者や、社内で不正に気付いた立場なら、まず問題の事実が課税停止前の年度のものか確認する2. 公訴時効(1項の罪は5年、3項の罪は3年)と徴収権の時効(5年)を計算する3. 疑いの対象がほかの地方税に移っている場合は、自治体の税務担当部署へ証拠を添えて情報を提供する4. 社内の不正であれば、内部通報窓口を通して記録を残す
訴えられた側:1. 指摘された事実がどの税目・どの年度のものかを特定し、課税停止前の事実か確認する2. 公訴時効がすでに過ぎていないか確認する3. 現在課税されているほかの地方税で疑いをかけられた場合は、税理士と刑事弁護に強い弁護士に早めに相談する。自主的に修正申告し納税することは、情状に影響しうる4. 法人であれば、経理の監督体制や研修の記録をそろえて免責の主張に備える
時効(請求できる期限):公訴時効は、1項の罪が5年、3項の罪が3年(刑事訴訟法250条2項)。1項の違反について法人などに罰金を科す場合も、時効は5年(本条6項)。起算点は犯罪行為が終わった時で、通常は法定納期限を過ぎた時。徴収権の消滅時効は法定納期限の翌日から5年(地方税法18条)
学説
判例・通説(過失推定説):両罰規定による事業主処罰は無過失責任ではなく、従業者の選任・監督上の過失を推定するもの。事業主が必要な注意を尽くしたことを立証すれば免責されうる
罰金額スライド制:免れた税額が法定上限を超える場合に罰金を税額相当まで引き上げる仕組みは、脱税の経済的利得を剥奪し抑止効果を確保するため、国税・地方税の脱税犯に共通して採用されている
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正に伴う関係法律の整理により、1項と3項の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 改正時期は要確認 無申告による脱税を罰する3項・4項は、後から追加された規定とみられる。2項の「こえる」と4項の「超える」で表記が違うことも、追加時期の違いを示している可能性がある。改正年と内容は人による確認が必要
改正の年表
- 1.昭和48年(1973年) 新設:土地の投機的取得・保有を抑制するため、地方税法改正により市町村税として特別土地保有税を創設。本条の罰則もこれに伴い設けられた
- 2.平成15年(2003年) 改正:地価の下落等を背景に、平成15年度以降の新たな課税を附則で停止。税目と罰則規定は存置された
- 3.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部改正に伴う関係法律の整理により、1項・3項の「懲役」を「拘禁刑」に改正(令和7年6月1日施行)
- 地方税法 第599条申告納付義務、3項無申告罪の前提
- 地方税法 第585条特別土地保有税の納税義務者
- 地方税法 第18条地方税の徴収権の消滅時効
- 地方税法 第17条の5更正・決定の期間制限(現行効力を要確認)
- 刑事訴訟法 第250条本罪の公訴時効の期間
- 刑法 第8条刑法総則を本条の罪にも適用
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