地方税法 第614条(特別土地保有税に係る滞納処分に関する罪)
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- 特別土地保有税の納税者が滞納処分の執行を免れる目的でその財産を隠蔽し、損壊し、若しくは市町村の不利益に処分し、その財産に係る負担を偽つて増加する行為をし、又はその現状を改変して、その財産の価額を減損し、若しくはその滞納処分に係る滞納処分費を増大させる行為をしたときは、その者は、三年以下の拘禁刑若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 2.納税者の財産を占有する第三者が納税者に滞納処分の執行を免れさせる目的で前項の行為をしたときも、同項と同様とする。
- 3.情を知つて前二項の行為につき納税者又はその財産を占有する第三者の相手方となつたときは、その相手方としてその違反行為をした者は、二年以下の拘禁刑若しくは百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 4.法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前三項の違反行為をした場合には、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、当該各項の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
特別土地保有税に係る滞納処分に関する罪とは何ですか?
定義特別土地保有税に係る滞納処分に関する罪とは、地方税法第614条に定められた規定で、「特別土地保有税の納税者が滞納処分の執行を免れる目的でその財産を隠蔽し、損壊し、若しくは市町村の不利益に処分し、その財産に係る負担を偽つて増加する行為をし、又はそ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第614条(特別土地保有税に係る滞納処分に関する罪)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第614条の条文原文は「特別土地保有税の納税者が滞納処分の執行を免れる目的でその財産を隠蔽し、損壊し、若しくは市町村の不利益に処分し、その財産に係る負担を偽つて増加する行為をし、又はそ…」で始まります。
- 地方税法第614条は第四款に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第614条の前の条は地方税法第613条です。
- 地方税法第614条の次の条は地方税法第615条です。
- 地方税法第614条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第614条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第614条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/614
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法614条は、特別土地保有税の滞納処分を免れる目的で財産を隠す・壊す・不利に処分する行為を、3年以下の拘禁刑等で罰する。単なる滞納は処罰対象ではない。
Q · 税金の滞納中に財産を家族へ移したら、犯罪になるの?
滞納自体は罪でないが、免れる目的の財産移転は処罰対象
地方税法614条1項は、特別土地保有税の納税者が滞納処分の執行を免れる目的で財産を隠蔽・損壊・市町村の不利益に処分するなどした場合、3年以下の拘禁刑もしくは250万円以下の罰金(併科可)に処すと定めます。単なる滞納は刑事罰の対象ではありません。事情を知りながら財産を受け取った家族も、3項により2年以下の拘禁刑等の対象となりえます。
解説
特別土地保有税は、平成15年度(2003年度)以降、地方税法附則で新たな課税が停止されている。それでも、課税停止前に発生した滞納分を守るための刑事罰は、条文として今も残っている。本条が罰するのは、滞納していること自体ではない。滞納処分(税金を払わない人の財産を市町村が差し押さえて換金する強制手続)から逃れる目的で、財産を隠す、壊す、市町村に不利な形で処分する、借金を偽って増やす、価値を下げる、といった行為をした場合である。処罰の対象は本人だけではない。財産を預かる第三者(2項)、事情を知りながら取引の相手方になった者(3項)、さらにその人を雇う法人(4項)まで広がる。税金を払えないことは犯罪ではないが、払えない状況で財産を動かすと犯罪になりうる。この境界を知っているかどうかで、資金繰りに詰まったときの動き方が決まる。
法的な位置づけ
地方税法614条は、特別土地保有税に係る滞納処分免脱罪を定める規定である。納税者または財産を占有する第三者が、滞納処分の執行を免れる目的で財産の隠蔽、損壊、市町村の不利益となる処分、負担の偽装増加、価額の減損等を行う行為を処罰し、情を知る相手方および業務主たる法人等にも刑罰を及ぼす。
よくある質問 AI による整理
Q1滞納処分免脱罪とは何ですか?
税の滞納処分(差押え・換価)を免れる目的で財産を隠す、壊す、不利に処分するなどの行為を罰する犯罪です。特別土地保有税については地方税法614条が定めます。
Q2滞納処分免脱罪の刑罰はどのくらい?
納税者本人と財産を占有する第三者は3年以下の拘禁刑もしくは250万円以下の罰金、または併科。情を知る相手方は2年以下の拘禁刑もしくは150万円以下の罰金です。
Q3特別土地保有税は今も課税されていますか?
平成15年度(2003年度)以降、附則により新たな課税は停止されています。ただし本条の罰則規定は現行法として残っており、停止前の滞納分に関わる行為は対象になりえます。
Q4差押え前に抵当権を設定するのは違法?
実体のない債務で抵当権を設定し、滞納処分を免れようとする行為は、1項の「負担を偽って増加する行為」に当たりえます。真正な借入れに基づく担保設定とは区別されます。
Q5滞納中の会社の従業員も処罰される?
従業員が会社の業務・財産に関して財産隠し等をすれば、行為者本人が処罰されるうえ、4項の両罰規定により会社にも同じ罰金刑が科されます。
Q6滞納処分免脱罪の時効は何年?
法定刑の長期が5年未満のため、公訴時効は3年で、犯罪行為が終わった時から進行します(刑事訴訟法250条2項6号)。徴収権の時効とは別に数えます。
Q7財産を占有する第三者とは誰のこと?
納税者の財産を預かったり管理したりしている者です。倉庫業者、財産を預かる親族、賃借人などが該当しえます。2項により本人と同じ法定刑で処罰されます。
Q8滞納中に財産を売却するのは一切禁止?
禁止ではありません。処罰されるのは滞納処分を免れる目的での行為です。相場どおりの価格で売り、代金を納税に充てるような処分は通常は問題になりません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1税金を滞納してるだけで捕まることってあるんですか?
単なる滞納では刑事罰の対象になりません。本条が罰するのは、滞納処分を免れる目的で財産を隠す、壊す、不利に処分するなどの行為です(地方税法614条1項)。実務のポイント:徴収の現場が最も警戒するのは、督促から差押えまでのあいだの名義変更や抵当権設定です。この時期の不動産の動きは、登記簿の日付から後で簡単にたどられます
Q2親から事情を聞かずに土地をもらっただけでも罪になりますか?
3項の処罰は「情を知つて」相手方になった場合に限られるため、事情を本当に知らなければ刑事罰の対象外です。ただし民事・行政の面では別で、無償や著しく低い価格で譲り受けた場合、第二次納税義務を負うことがあります(地方税法11条の8)。実務のポイント:知らなかったことは刑事の盾にはなっても、財布の盾にはならない。この二つを分けて考える必要があります
間違えやすい点 AI による整理
- 「課税停止された税だから、関連する罰則も死文化している」と思われがちだが、条文は現行法として効力を保っている。停止前に生じた滞納分について滞納処分が続いている限り、財産隠しは今でも処罰対象になりうる(徴収権の時効の進行状況は個別に要確認)
- 財産隠しの罰則は滞納した本人だけの話だと思われている。だが本条が細かく作られているのは、本人の周りの方である。財産を預かる第三者、事情を知りながら買った相手方、従業員の行為について責任を負う法人まで、処罰の網は四方向に広がっている
- 「税金を払わないと逮捕される」という恐れから財産を逃がそうとする人がいるが、出発点からずれている。単なる滞納は刑事罰の対象ではない。刑事罰を招くのは、恐れにかられて財産を動かすという、その逃げ方の方である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性質 | 地方税法614条:刑事罰(拘禁刑・罰金) | 地方税法11条の8:行政上の第二次納税義務 地方税法20条の7:詐害行為取消権等の民法準用 |
| 対象となる者 | 納税者、占有第三者、情を知る相手方、法人等 | 無償・著しい低額で財産を譲り受けた者等 納税者の詐害的な行為の相手方(受益者・転得者) |
| 主観要件 | 滞納処分を免れる目的(相手方は情を知ること) | 譲受人の認識は原則として問わない 民法上の詐害意思・受益者の悪意等 |
| 効果 | 刑罰の科刑(3年以下の拘禁刑等) | 譲受人が受けた利益の限度で納税義務を負う 財産移転の取消し・財産の取戻し |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は強制執行を免れる財産処分を一般の損害債権罪で罰し、欠税については税捐稽徴法により財産処分禁止や仮差押えで行政的に確保する二本立て
韓国も滞納処分の執行を免れる目的での財産隠匿等を処罰する専用規定を置き、情を知る相手方も処罰対象とする点で日本と類似
中国は財産の移転・隠匿により税務機関の欠税追徴を妨げる行為を逃避追缴欠税罪として処罰し、金額基準を設けている
ドイツは税に限らず強制執行一般を妨げる財産処分を処罰する。差し迫った強制執行と債権者を害する意図が要件
米国は課税・差押えの対象財産を詐欺的意図で移転・隠匿する行為を連邦税法上の重罪としている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 督促状が届いた翌週、父親が所有地の名義を息子のあなたに移そうとしている。あなたは事情を知っている。この場合、受け取ったあなたは3項の「相手方」として2年以下の拘禁刑の射程に入る。名義変更の登記申請書に判を押す前に手を止めるべきである
- 差押えの予告から差押えまで、市町村が動き出すまでの時間は短い。その間に土地へ架空の抵当権を設定して「担保が先に付いているので換金しても税金に回らない」状態を作るのは、1項の「負担を偽って増加する行為」に当たりうる
- 滞納中の土地を親族の会社へ相場の半値で売ったら、どうなる? 市町村に不利な処分として刑事罰の対象になりうるうえ、刑事とは別に、買い受けた会社が第二次納税義務を負わされる可能性がある
- 経理担当者が、社長の指示で滞納中の会社の土地の売却代金を別口座へ移した。担当者本人が処罰され、4項により会社にも罰金が科される
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが滞納者の債権者や、別の徴収担当の立場で財産隠しを疑った場合:1. 登記簿で直近の名義移転と抵当権設定の日付を確認し、督促や差押え予告の時期と照らし合わせる2. 低額・無償の譲渡が見つかれば、第二次納税義務(地方税法11条の8)や詐害行為取消の準用(同法20条の7)の検討材料にする3. 悪質な場合は刑事告発を検討する。行政上の回収手段と刑事手続は別の軌道で並行できる
訴えられた側:1. 行為の時点で「滞納処分を免れる目的」があったかが核心になる。資金繰りや事業上の必要など、正当な理由を示す資料(契約交渉の経緯、相場どおりの価格を示す資料)を確保する2. 相手方として疑われた場合は、取引時に滞納の事情を知らなかったことを示す資料(登記確認の記録、やり取りの文面)を残す3. 弁護士と相談のうえ、売却代金を納税に充てるなど被害を回復しておくことが処分の判断に影響しうる
時効(請求できる期限):公訴時効は1項・2項(3年以下の拘禁刑)、3項(2年以下の拘禁刑)ともに3年で、犯罪行為が終わった時から進行する(刑事訴訟法250条2項6号)。前提となる地方税の徴収権は、法定納期限の翌日から5年で時効により消滅する(地方税法18条)。ただし差押えなどにより時効の進行が止まる場合がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的な理解:本罪は目的犯であり、財産の処分行為があっても「滞納処分の執行を免れる目的」が認められなければ成立しない。構造は国税徴収法187条の滞納処分免脱罪と同型であり、解釈も同条に準じて理解されることが多い
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴い、「懲役」が「拘禁刑」に改められた
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年(2025年)6月1日施行)
- 地方税法 第613条特別土地保有税の滞納処分本体(現行効力を要確認)
- 地方税法 第18条地方税の徴収権の消滅時効
- 地方税法 第11条の8低額譲受人等の第二次納税義務
- 地方税法 第20条の7詐害行為取消権等の民法準用
- 国税徴収法 第187条国税の滞納処分免脱罪、同型規定
- 刑法 第96条の2強制執行妨害目的財産損壊等との交錯
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