地方税法 第734条(都における普通税の特例)
クイックジャンプ
- 都は、その特別区の存する区域において、普通税として、第四条第二項に掲げるものを課するほか、第一条第二項の規定にかかわらず、第五条第二項第二号及び第六号に掲げるものを課するものとする。この場合においては、都を市とみなして第三章第二節及び第八節の規定を準用する。
- 2.都は、その特別区の存する区域内において、第一条第二項の規定にかかわらず、都民税として次に掲げるものを課するものとする。
- 一第四条第二項第一号に掲げる税のうち個人に対して課するもの
- 二第四条第二項第一号に掲げる税及び第五条第二項第一号に掲げる税のうち、それぞれ法人に対して課するもの
- 3.前項の場合において、同項第一号に掲げるものについては、第二章第一節第一款(法人の道府県民税に関する部分の規定を除く。)、第二款及び第四款から第六款まで並びに次節の規定を準用するものとし、同項第二号に掲げるものについては、同号に掲げる税を合わせて一の税とみなして、第三章第一節(個人の市町村民税に関する部分の規定を除く。)の規定を準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
- 4.都は、第一条第二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、都内の市町村に対し、都に納付された法人の行う事業に対する事業税の額に相当する額(第七十二条の二十四の七第九項の規定により同条第一項から第五項までに規定する標準税率(以下この項において「標準税率」という。)を超える税率で事業税を課する場合には、都に納付された法人の行う事業に対する事業税の額に相当する額から当該額に都が標準税率を超えて課する部分に相当する額の割合として政令で定めるところにより算定した率を乗じて得た額を控除した額)に第七十二条の七十六に規定する政令で定める率を乗じて得た額を統計法第二条第四項に規定する基幹統計である経済構造統計(総務省令で定めるものに限る。)の最近に公表された結果による各市町村及び特別区の従業者数で按分して得た額のうち各市町村に係る額を交付するものとする。
- 5.都が第一項の規定によりその特別区の存する区域において、固定資産税を課する場合には、第三百四十九条の四及び第三百四十九条の五の規定は、適用しない。
- 6.都は、その特別区の存する区域において、第一項に掲げるものを除くほか、別に税目を起こして、普通税を課することができる。この場合においては、都を市とみなして、第三章第九節の規定を準用する。
この条文の基本情報
都における普通税の特例とは何ですか?
定義都における普通税の特例とは、地方税法第734条に定められた規定で、「都は、その特別区の存する区域において、普通税として、第四条第二項に掲げるものを課するほか、第一条第二項の規定にかかわらず、第五条第二項第二号及び第六号に掲げるも…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第734条(都における普通税の特例)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第734条の条文原文は「都は、その特別区の存する区域において、普通税として、第四条第二項に掲げるものを課するほか、第一条第二項の規定にかかわらず、第五条第二項第二号及び第六号に掲げるも…」で始まります。
- 地方税法第734条は第一節に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第734条の前の条は地方税法第733条の27です。
- 地方税法第734条の次の条は地方税法第735条です。
- 地方税法第734条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第734条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第734条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/734
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法734条は、東京23区の区域では都を市とみなし、固定資産税・特別土地保有税と法人住民税の市町村分を都が課すと定める。区はこれらの税を課さない。
Q · 東京23区の固定資産税は、区と都のどちらが課税しているの?
東京都が市とみなされて課税しており、区ではない
地方税法734条1項により、23区の区域では都を市とみなして、本来は市町村税である固定資産税と特別土地保有税を都が課します。このため納税通知書は都税事務所から届き、評価額への審査申出先は東京都固定資産評価審査委員会になります(同法432条)。また2項・3項により、法人の道府県民税と市町村民税は一つの税とみなされ、法人都民税として都に一本で申告します。
解説
東京23区に家やマンションを持っていると、固定資産税の納税通知書は区役所ではなく「都税事務所」から届く。理由は地方税法734条にある。23区がある区域では、都が「市」の代わりになって、本来は市町村が課す固定資産税と特別土地保有税を自分で課している。法人も同じ扱いである。全国の会社は道府県と市町村の二か所に住民税を申告するが、23区にある会社は「法人都民税」として都に一本で申告する。市町村民税の法人分は都民税と合わせて一つの税とみなされるからだ。この仕組みを知らないと困るのは不服を申し立てるときである。評価額に納得できず区役所に行っても、課税しているのは区ではない。窓口も審査の申出先も都になる。誰が課税しているかを最初に確かめるだけで、期限内に正しい相手に正しい書類を出せる。
法的な位置づけ
地方税法734条は、都の特別区の区域における課税の特例を定める規定である。同区域では都を市とみなし、市町村税である固定資産税と特別土地保有税を都が課するほか、法人の道府県民税と市町村民税を合わせて一の都民税として都が課する。あわせて都内市町村への法人事業税交付金の交付、大規模償却資産の課税限度規定の不適用、法定外普通税の新設権限を規定する。
よくある質問 AI による整理
Q123区の固定資産税の納付書はなぜ都税事務所から届く?
地方税法734条1項により、23区では都が市とみなされて固定資産税を課しているからです。区役所は課税主体ではありません。
Q2法人都民税とは何ですか?
23区内の事業所について、法人の道府県民税と市町村民税を合わせて一つの税とみなし、都が課す住民税です(地方税法734条2項・3項)。
Q323区の固定資産税評価に不服がある場合の申出先は?
東京都固定資産評価審査委員会です(地方税法432条)。区役所ではないため、最初から都税事務所に相談すると期限を無駄にしません。
Q4固定資産税の審査申出はいつまでにできる?
価格を台帳に登録した旨の公示の日から、納税通知書の交付を受けた日後3か月を経過する日までです(地方税法432条)。
Q5多摩地域の市の固定資産税は誰が課税する?
多摩の市町村は通常どおり各市町村が課税します。都が市とみなされて課税するのは特別区の存する区域、つまり23区だけです。
Q6法人事業税交付金とは何ですか?
都に納付された法人事業税の一部を、従業者数で按分して都内の市町村に交付する仕組みです(地方税法734条4項)。23区分は交付対象外です。
Q723区に本店、横浜に支店がある会社の住民税申告先は?
23区分は法人都民税として都税事務所へ、横浜分は神奈川県と横浜市へそれぞれ申告します。法人税割は従業者数で按分します。
Q8東京都は23区で独自の税金を作れる?
できます。地方税法734条6項により、都を市とみなして法定外普通税を新設できます。ただし総務大臣の同意手続が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q123区の固定資産税って、区のお金になってるんですか?
課税するのは都です(地方税法734条1項)。集めた固定資産税、法人住民税の市町村分、特別土地保有税は「調整税」として扱われ、その約半分強が特別区財政調整交付金として各区に配分されます(地方自治法282条)。実務のポイント:区長が都と毎年交わす「都区財政調整協議」の配分割合こそが区の財源を左右します。区議会の予算審議より、この協議のニュースを見たほうが区の財政の本当の姿が分かります
Q223区と横浜に事務所がある会社、法人住民税はどこに出せばいいの?
23区内の事業所分は、道府県分と市町村分を合わせた法人都民税として都税事務所に申告します(734条2項・3項)。横浜の事業所分は、神奈川県と横浜市にそれぞれ申告します。課税標準となる法人税割は従業者数で按分します。実務のポイント:23区に本店がある会社の経理担当は、市への申告が別途必要だという感覚を持っていないことが多く、区域外の支店を新設した年に申告漏れが集中します
間違えやすい点 AI による整理
- 「区に住んでいるのだから区が固定資産税を課している」と思いがちだが、23区では都が市とみなされて課税している。評価への不服も、賦課(税額を決めて課すこと)への審査請求も、相手は都である。区は固定資産税を一円も課していない
- 23区は都の「下部組織」だから税金が都に吸い上げられている、という問いの立て方自体がずれている。23区は市町村なら持っているはずの財源の一部を都が一括して課税し、その約半分強を特別区財政調整交付金として区へ配り直す設計である(地方自治法282条)。人口が多く財源が偏りやすい区どうしの格差を均すための仕組みであり、吸い上げとは目的が違う
- 会社から見れば23区の法人住民税は「申告が一回で楽」なだけに見える。しかし法律上は道府県民税と市町村民税を合わせて一つの税とみなしている。このため23区とそれ以外の市に事業所がある会社は、按分の計算と申告先を誤りやすい。手間の差より、計算を誤ることのほうが損失は大きい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 地方税法734条:23区で都が市町村税の一部(固定資産税等)と法人住民税を課す特例 | 地方税法735条:特別区が課する市町村税の特例 地方税法5条:市町村税の税目の原則列挙 |
| 固定資産税の課税主体 | 23区の区域では都(市とみなす) | 特別区は課さない(都の課税に委ねる) 原則として市町村 |
| 法人住民税の扱い | 道府県分と市町村分を合わせ一の法人都民税として都が課す | 個人の市町村民税(特別区民税)は特別区が課す 市町村民税は市町村が単独で課す |
| 納税者が争う相手 | 東京都(都税事務所・都の固定資産評価審査委員会) | 各特別区(区役所) 各市町村 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の直轄市(台北市など)の区は自治体ではなく課税権を持たない。地価税や房屋税は市の稽徴機関が課税する。日本の23区より都市一体の度合いが強い。
ソウル特別市では税目を市と自治区で分けており、財産税は市と区の共同課税として一部を区間で均等配分する。日本の都区財政調整に近い発想。
市町村を置かない都市州(ベルリン・ハンブルク)では州が固定資産税の課税権を持つ。区(Bezirk)は課税主体ではない。
ニューヨーク市の5つの boroughs は独立した課税権を持たず、不動産税は市が一括して課す。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 世田谷区の中古戸建てを買った翌年、固定資産税が思ったより高い。評価がおかしいと区役所に電話したら「都税事務所へ」と案内された。審査申出の期限は、納税通知書を受け取った日から3か月である。電話の回し合いで1か月が消えれば、残りは2か月しかない
- もし本店を渋谷区から川崎市に移したら、法人住民税の申告先はどう変わるのか? 23区では都に一本で出していたものが、移転後は神奈川県と川崎市の二か所への申告になる。経理担当が23区の感覚のまま市への申告を忘れると、不申告加算金と延滞金がつく
- ひとり社長のあなたが港区で法人を設立した。法人都民税の均等割には、道府県分と市町村分がまとめて含まれている。赤字でも毎年払うことになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 23区の土地・家屋の評価額に不服があれば、東京都固定資産評価審査委員会に審査申出をする(地方税法432条)。区役所ではない2. 評価額ではなく税額の計算や減免の適用に不服がある場合は、都知事への審査請求になる3. 評価証明書、近隣の取引事例、建物の損傷写真を用意する4. 過去に過大な課税があったと気付いたら、還付を都税事務所に請求する
訴えられた側:1. 法人都民税の申告漏れを都税事務所から指摘されたら、23区とそれ以外の市町村の事業所ごとに、従業者数による按分が正しいかをまず確認する2. 23区内分は都への一本申告、区域外の市は各市への申告になる。漏れていた市への申告を速やかに済ませる3. 加算金の計算根拠の説明を求め、正当な理由がある場合は加算金の免除を主張できないか税理士と検討する
時効(請求できる期限):固定資産評価審査委員会への審査申出は、価格を固定資産課税台帳に登録した旨の公示の日から、納税通知書の交付を受けた日の3か月後まで(地方税法432条)。賦課処分への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。過誤納金の還付請求権は5年で時効により消滅する(地方税法18条の3)。最新の改正状況をご確認ください
学説
財政調整重視説(制度趣旨の一般的理解):23区は人口と企業が密集し区境と経済圏が一致しないため、固定資産税や法人住民税の市町村分を都が一括して課し、特別区財政調整交付金で再配分することが区の間の財源格差の是正に合理的だとする理解。
特別区自治権拡充論:2000年の改革で特別区が基礎的な地方公共団体とされた以上、市町村税の主要税目を区が自ら課す方向へ制度を見直すべきだとする議論。都区制度改革の論点として続いている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:現行地方税法の制定に伴い、都の特別区の区域における課税の特例として規定。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める