宗教法人法 第36条
クイックジャンプ
- 第二十六条第一項後段及び第二項から第四項までの規定は、合併しようとする宗教法人が当該合併に伴い被包括関係を設定し、又は廃止しようとする場合に準用する。この場合において、左の各号に掲げる同条各項中の字句は、当該各号に掲げる字句に読み替えるものとする。
- 一第一項後段中「当該関係の廃止に係る規則の変更」とあるのは「当該関係の廃止に係る規則の変更その他当該関係の廃止」
- 二第二項中「第二十七条」とあるのは「第三十八条第一項」、「当該規則の変更の案」とあるのは「被包括関係の設定又は廃止に関する事項」
- 三第三項中「第二十七条」とあるのは「第三十八条第一項」、「前項」とあるのは「第三十四条第一項」
- 四第四項中「被包括関係の廃止に係る規則の変更の手続」とあるのは「被包括関係の廃止を伴う合併の手続」、「前三項」とあるのは「第三十四条から第三十七条まで」
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宗教法人法第36条は、日本の宗教法人法に含まれる条文です。
- 宗教法人法第36条の条文原文は「第二十六条第一項後段及び第二項から第四項までの規定は、合併しようとする宗教法人が当該合併に伴い被包括関係を設定し、又は廃止しようとする場合に準用する。」で始まります。
- 宗教法人法第36条は第五章に置かれています。
- 宗教法人法の公布日は昭和26年4月3日です。
- 宗教法人法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 宗教法人法第36条の前の条は宗教法人法第35条です。
- 宗教法人法第36条の次の条は宗教法人法第37条です。
- 宗教法人法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000126 - 本サイト収録
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000126/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宗教法人法36条は、合併に伴い被包括関係を設定・廃止する場合に26条の手続を準用し、廃止では宗派の承認条項に従う必要がない一方、認証申請の2か月前までの公告を求める。
Q · 合併するついでに宗派を抜けたい。本山の承認がないとダメなの?
廃止なら本山の承認は不要。ただし公告と通知は必須
宗教法人法36条は、合併に伴って被包括関係(宗派への所属関係)を廃止する場合に26条1項後段を準用するため、寺の規則に「包括宗教団体の承認が必要」とあってもその定めに従う必要はありません。その代わり、38条1項の合併認証申請の少なくとも2か月前に所属関係の変更内容を公告し、34条1項の合併公告と同時に宗派へ通知しなければなりません。新たに所属関係を設定する場合は、相手方宗派の承認を認証申請前に得る必要があります。
解説
寺や教会が宗派を抜ける方法は「規則の変更」だけではない。合併という裏口もある。宗教法人法36条は、合併に伴って被包括関係(その寺がどの宗派・教団の傘下に入っているかという所属関係)を新たに結ぶ場合や断ち切る場合に、規則変更による離脱を定めた26条の保護をそのまま持ち込む。核心は二つ。一つは、たとえあなたの寺の規則に「宗派の承認がなければ離脱できない」と書いてあっても、廃止の手続ではその承認条項に縛られないこと。もう一つは、所轄庁(認証を出す都道府県知事または文部科学大臣)へ合併の認証を申請する少なくとも2か月前に、信者などに向けて所属関係の変更内容を公告しなければならないこと。宗派の側から見れば、合併を口実に勝手に抜けられるわけではない。抜けられる側から見れば、合併を理由に宗派が拒否権を振りかざすこともできない。どちらの立場に立っても、手続の順番を一つ間違えるだけで認証は下りない
法的な位置づけ
宗教法人法36条は、合併に伴う被包括関係の設定・廃止について規律する準用規定であり、規則変更による設定・廃止の手続を定める同法26条1項後段および2項から4項を、合併認証申請(38条1項)や合併公告(34条1項)に読み替えて適用する。これにより、合併を経由した所属関係の変更にも、規則変更の場合と同一の離脱保護と事前公告・通知の手続が及ぶ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.規則の承認条項と所属関係を棚卸しする 自法人の規則から包括宗教団体の承認・同意に関する条項と、規則に記載された被包括関係の事項(12条)を抜き出し、合併後に所属関係を設定するのか廃止するのかを確定する
- 2.認証申請日から逆算した工程表を作る 38条1項の合併認証申請の予定日を決め、その少なくとも2か月前に所属関係変更の公告日を置く。合併公告(34条1項)の日程も同じ表に落とし込む
- 3.新たに所属する宗派の承認を取る(設定の場合) 合併に伴い被包括関係を新たに設定する場合は、相手方の包括宗教団体の承認を認証申請前に書面で取得する
- 4.所属関係変更の公告と宗派への同時通知 信者その他の利害関係人に向けて被包括関係の設定・廃止に関する事項を公告する。廃止の場合は34条1項の合併公告と同じ日に包括宗教団体へ書面通知し、配達記録と控えを保存する
- 5.所轄庁へ合併認証を申請する 公告から2か月以上経過したことを確認したうえで、38条1項に基づき所轄庁へ合併の認証を申請する。公告・通知・承認を証する書類を添付する
よくある質問 AI による整理
Q1被包括関係とは何ですか?
単位宗教法人(寺院・教会など)が、宗派や教団といった包括宗教団体の傘下に属している所属関係のことです。規則に記載すべき事項とされています。
Q2宗教法人の合併に必要な手続は?
規則所定の手続を経て合併契約を定め、34条1項の合併公告を行い、38条1項により所轄庁の認証を申請します。所属関係が変わる場合は36条の手続も加わります。
Q3宗教法人の合併で宗派から離脱できる?
できます。36条が26条1項後段を準用するため、合併に伴う被包括関係の廃止では、規則中の宗派の承認・同意に関する定めに従う必要がありません。
Q4被包括関係廃止の公告はいつまでに出す?
38条1項による合併認証申請の少なくとも2か月前です。公告日から申請日までが2か月に満たなければ、申請日を後ろにずらす必要があります。
Q5宗派への通知はいつ必要?
被包括関係を廃止する場合、34条1項の合併公告と同時に包括宗教団体へ通知します。日付のずれは手続の瑕疵として争われる材料になります。
Q6合併で新しい宗派に入る場合の承認はいつまでに?
被包括関係を新たに設定する場合、相手方となる包括宗教団体の承認を、合併認証の申請前に得ておく必要があります。書面で取得するのが確実です。
Q7宗教法人の合併認証は誰に申請する?
所轄庁です。原則として主たる事務所の所在地の都道府県知事、他の都道府県にも境内建物を有する場合などは文部科学大臣が所轄庁となります。
Q8離脱を理由に住職を解任するのは違法?
宗教法人法78条は、被包括関係の廃止を防ぐ目的などで役員を解任するなどの不利益な取扱いを禁止しています。報復的な人事は同条違反となり得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1規則に『本山の承認が必要』って書いてあるのに、本当に無視して合併できるんですか?
所属関係の廃止を伴う合併では、宗教法人法36条が26条1項後段を準用するため、規則中の宗派の権限に関する定めに従う必要はありません。ただし合併自体は寺の規則と34条以下の手続に従って進める必要があります。実務のポイント:宗派の承認条項を正面から争うより、公告日と通知日を同じ日にそろえるほうが、後の紛争を確実に防げます
Q2宗派を抜けるなら、普通に規則変更すればいいのでは? わざわざ合併を使う意味は?
単に離脱するだけなら26条の規則変更が正面の道です。36条が働くのは、後継者不足などで合併すること自体が目的で、その結果として所属関係が変わる場面です。保護の中身は26条と同じに揃えられています。実務のポイント:離脱と合併を別々の手続で進めると、公告と認証が二重になります。最初に一本の手続にまとめられないか検討すると、時間と費用を大きく減らせます
間違えやすい点 AI による整理
- 「合併すれば所属関係は自動的に整理される」と考えがちだが、事実は逆である。合併に伴う所属関係の設定・廃止には、合併そのものの公告とは別に、所属関係の変更内容を示す公告が必要になる。合併手続を進めているだけでは足りない
- 宗派の承認権限を規則から外すことばかり気にする人が多い。だが本当に申請を止めるのは承認の問題ではなく時間の問題である。所轄庁への認証申請の少なくとも2か月前に公告するという要件は、一日足りないだけで手続をやり直させる
- 寺の側からは「宗派からの独立」という信仰と組織の物語に見える。法律の側から見ると、問題は公告・通知・認証申請という手続の順序だけである。法律の土俵にいない理念を何度訴えても、手続の瑕疵(手続上の欠陥)一つで負ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 所属関係が変わる場面 | 36条:合併に伴う被包括関係の設定・廃止 | 26条:規則の変更による被包括関係の設定・廃止 34条:合併そのものの手続(所属関係の変更を伴わない場合を含む) |
| 宗派の承認条項 | 廃止では規則中の宗派の承認・同意条項に従う必要なし | 廃止に係る規則変更でも同様に従う必要なし(1項後段) 規則所定の合併手続に従う |
| 公告の基準日 | 38条1項の合併認証申請の少なくとも2か月前 | 27条の規則変更認証申請の少なくとも2か月前 34条1項の合併公告(財産処分等に関する公告) |
| 宗派への通知時期 | 34条1項の合併公告と同時 | 規則変更の公告と同時 規定なし(所属関係の変更がない場合) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には宗教団体の合併と宗派所属の変更を一体で規律する特別法がなく、寺廟の登記と財団法人・社団法人の一般規定で処理される
ドイツは宗教団体の自己決定権を憲法で保障し、所属・組織の変更は原則として各宗教団体の内部法に委ねられる
フランスでは associations cultuelles が連合(union)を結成でき、加入・脱退は結社の自由の枠内で処理される
米国では地域教会が宗派を離脱した際の財産帰属を、教義に立ち入らない中立原則(neutral principles)で判断する手法が認められている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 後継者のいない檀家寺を、隣町の単立寺院(どの宗派にも属さない寺)と合併させたい。ところが本山から「うちの規則では本山の承認がなければ離脱できない」と通告された。合併に伴う廃止なら、36条が準用する26条1項後段により、その承認条項に従う必要はない
- あなたは包括宗教法人(宗派本部)の事務方である。傘下の寺が合併公告を出したのに、本部への通知が公告より後になっていた。もし通知が公告と同時でなかったら、どうなる? 手続違反として所轄庁に意見を述べる材料になり得る
- 合併の認証申請を来月に予定している。しかし所属関係を変更するという公告はまだ出していない。2か月前公告という要件を満たせないので、申請日を後ろへずらすしかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 寺の規則にある宗派の承認・同意条項を書き出し、合併に伴う廃止の手続では26条1項後段の準用によりその条項に従う必要がないことを確認する2. 認証申請予定日から2か月以上前に、信者その他の利害関係人に向けて所属関係の変更内容を公告する3. 34条1項の合併公告と同じ日に、宗派へ書面で通知し、配達記録を残す4. 所属関係を新たに結ぶ場合は、相手の宗派の承認を認証申請前に書面で取得する5. 行政書士や、宗教法人に詳しい弁護士に工程を確認してもらう
訴えられた側:1. 宗派の側として、合併に伴う離脱を規則上の承認権で止めることはできないと理解しておく2. 争えるのは、公告時期、通知時期、公告の記載内容など手続の瑕疵である。受け取った通知の日付と公告日を照合する3. 離脱を思いとどまらせる目的で、寺の役員の解任などの不利益な取扱いをすることは別の規定で禁止されている(宗教法人法78条)。報復と受け取られる人事は控える4. 意見は所轄庁の認証審査の過程で書面により伝える
時効(請求できる期限):所属関係の設定・廃止に関する事項の公告は、38条1項による合併認証の申請の少なくとも2か月前に行う。廃止の場合、宗派への通知は34条1項の合併公告と同時に行う。設定の場合、相手の宗派の承認は認証申請の前に得ておく(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:宗教法人法の制定により、合併に伴う被包括関係の設定・廃止について26条の手続を準用する規定として設けられた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める