宗教法人法 第78条(被包括関係の廃止に係る不利益処分の禁止等)
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- 宗教団体は、その包括する宗教法人と当該宗教団体との被包括関係の廃止を防ぐことを目的として、又はこれを企てたことを理由として、第二十六条第三項(第三十六条において準用する場合を含む。)の規定による通知前に又はその通知後二年間においては、当該宗教法人の代表役員、責任役員その他の役員又は規則で定めるその他の機関の地位にある者を解任し、これらの者の権限に制限を加え、その他これらの者に対し不利益の取扱をしてはならない。
- 2.前項の規定に違反してした行為は、無効とする。
- 3.宗教法人は、他の宗教団体との被包括関係を廃止した場合においても、その関係の廃止前に原因を生じた当該宗教団体に対する債務の履行を免かれることができない。
この条文の基本情報
被包括関係の廃止に係る不利益処分の禁止等とは何ですか?
定義被包括関係の廃止に係る不利益処分の禁止等とは、宗教法人法第78条に定められた規定で、「宗教団体は、その包括する宗教法人と当該宗教団体との被包括関係の廃止を防ぐことを目的として、又はこれを企てたことを理由として、第二十六条第三項(第三十六条において…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宗教法人法第78条(被包括関係の廃止に係る不利益処分の禁止等)は、日本の宗教法人法に含まれる条文です。
- 宗教法人法第78条の条文原文は「宗教団体は、その包括する宗教法人と当該宗教団体との被包括関係の廃止を防ぐことを目的として、又はこれを企てたことを理由として、第二十六条第三項(第三十六条において…」で始まります。
- 宗教法人法第78条は第九章に置かれています。
- 宗教法人法の公布日は昭和26年4月3日です。
- 宗教法人法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 宗教法人法第78条の前の条は宗教法人法第77条です。
- 宗教法人法第78条の次の条は宗教法人法第78条の2です。
- 宗教法人法第78条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第78条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000126 - 本サイト収録
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第78条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000126/78
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宗教法人法78条は、包括団体が被包括関係の廃止を防ぐ目的で、通知前及び通知後2年間に被包括法人の役員を解任等することを禁じ、違反行為を無効とする。
Q · 宗派から離脱しようとしたら、本山に住職や代表役員を解任されることはある?
離脱阻止目的の解任は禁止され、違反すれば無効になる
宗教法人法78条1項は、包括団体(宗派・教団)が被包括関係の廃止を防ぐ目的で、又はこれを企てたことを理由として、26条3項の通知前及び通知後2年間、被包括法人の代表役員・責任役員等を解任したり権限を制限したりすることを禁じています。違反した行為は無効です(2項)。ただし、離脱前に原因が生じた包括団体への債務は離脱後も支払う必要があります(3項)。
解説
宗派から抜けたい寺に対して、本山がまず打つ手はたいてい人事である。住職を罷免し、代表役員の座から外し、本山に従う後任を送り込む。離脱を決める人がいなくなれば、離脱の手続は止まる。宗教法人法78条はこのやり方を正面から封じている。包括団体(宗派・教団のように傘下の寺院や教会をまとめる上部団体)は、離脱を防ぐ目的で、または離脱を企てたことを理由に、被包括法人の代表役員・責任役員などを解任したり、権限を制限したり、その他の不利益な扱いをしたりしてはならない。禁止期間は、26条3項にもとづく通知の前、そして通知後2年間である。違反した解任は無効になる(2項)。ただし3項がある。離脱しても、離脱前に原因が生じた本山への債務はそのまま残る。人事で離脱を止めることは許されないが、離脱を借金逃れの手段にすることも許されない。あなたが寺院側なら、守られている範囲と守られない範囲の両方を知っておく必要がある。
法的な位置づけ
宗教法人法78条は、被包括関係の廃止(宗派離脱)に係る不利益処分の禁止を定める規定であり、包括団体が離脱の阻止を目的として、又は離脱を企てたことを理由として、所定の通知前及び通知後2年間に被包括法人の役員等を解任・権限制限その他不利益に取り扱うことを禁止し、違反行為を無効とする。あわせて離脱前に原因を生じた債務の存続を定める。
手順
- 1.寺院規則と役員任免権の確認 自らの宗教法人規則を読み、代表役員・責任役員の任免権者、住職との充て職の有無、被包括関係に関する規定を確認する。本山の承認条項があっても、離脱のための規則変更には従う必要がない点(26条1項後段)も押さえておく
- 2.離脱の経緯を日付つきで記録 責任役員会の議事録、檀家・信者総会の決議、本山とのやり取りを時系列で保存する。後に解任された場合、離脱の動きと処分時期の近さを示す証拠になる
- 3.公告・通知と保護期間の逆算 認証申請の少なくとも2か月前に公告し、包括団体へ通知する(26条3項)。通知日から2年間の保護期間内に所轄庁の認証まで終えられるよう、申請時期を逆算して決める
- 4.本山への債務の確定 賦課金・貸付金など、離脱前に原因が生じた債務を一覧化し、可能であれば本山と書面で残高を確定させる。78条3項で残る債務の支払い計画を立てる
- 5.解任通知を受けた場合の対応 解任や権限制限の通知が届いたら、理由と時期を離脱の動きと対照して整理し、代表役員地位確認の訴えや後任者の登記を止める保全手段を、宗教法人の紛争に詳しい弁護士と早期に検討する
よくある質問 AI による整理
Q1宗教法人法78条とは何ですか?
宗派・教団などの包括団体が、傘下の寺院や教会の離脱を防ぐ目的で、その役員を解任したり権限を制限したりすることを禁じる規定です。違反行為は無効になります。
Q2被包括関係の廃止とはどういう意味ですか?
宗派・教団に属している宗教法人が、その包括団体との関係を解消することです。一般に「宗派離脱」「単立化」と呼ばれ、規則変更と所轄庁の認証によって行います。
Q3宗派離脱で不利益取扱いが禁止される期間はいつまで?
26条3項による通知の前、及び通知後2年間です。通知後2年を過ぎると条文上の禁止期間は終わるため、それまでに認証を得られるよう計画することが重要です。
Q4本山による代表役員の解任は無効にできる?
離脱を防ぐ目的、又は離脱を企てたことを理由とする解任であれば、78条2項により無効です。目的の立証が争点となるため、時系列の記録が重要になります。
Q5宗派を離脱したら本山への借金はどうなる?
離脱前に原因が生じた包括団体への債務は、78条3項により離脱後も履行を免れません。離脱後に新たに生じる賦課金とは区別して整理する必要があります。
Q6責任役員の権限を本山が制限するのは違法?
離脱阻止目的又は離脱を企てたことを理由とする権限の制限は、78条1項で禁止されています。解任だけでなく、権限制限やその他の不利益取扱いも対象です。
Q7単立宗教法人になるにはどんな手続が必要?
規則変更の決定、認証申請の少なくとも2か月前の公告と包括団体への通知(26条3項)、所轄庁への認証申請(27条)と認証(28条)が必要です。
Q8住職の罷免にも宗教法人法78条は適用される?
住職は宗教上の地位で、代表役員は法律上の地位です。充て職の規則がある場合に宗教上の罷免へ78条がどこまで及ぶかは解釈が分かれており、争う地位の切り分けが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1本山に黙って離脱の準備をしていたのがバレて、住職を辞めさせられそう。通知を出す前でも守られる?
守られる可能性がある。78条1項は「通知前に又はその通知後二年間」と明記しており、通知前の解任も離脱を防ぐ目的なら禁止対象である。実務のポイント:争点になるのは目的の立証である。本山側は必ず別の処分理由を用意してくるので、離脱の話が出た時期と処分が出た時期の近さを示す日付つきの記録が勝負を分ける
Q2本山の規則に「規則変更には本山の承認が必要」と書いてある。離脱にも承認がいるんじゃないの?
被包括関係を廃止するための規則変更については、規則に包括団体の権限が定められていても、その定めに従う必要はない(26条1項後段)。必要なのは公告と通知(26条3項)、そして所轄庁の認証(27条、28条)である。実務のポイント:本山側の書面には承認が必要だと読める表現がよく入っている。この一文を知らないまま交渉に臨み、承認を待っているうちに2年の保護期間を使い切る寺院は少なくない
Q3離脱したら、本山から借りていた修繕費はもう返さなくていい?
返さなければならない。78条3項は、離脱前に原因が生じた包括団体への債務について、離脱後も履行を免れないと定める。実務のポイント:逆に言えば、離脱後に生じる賦課金などは原則として支払う必要がなくなる。どの債務が離脱前に原因のあるものかの線引きで揉めることが多いので、通知前に債務の一覧を本山と書面で確定しておくと後の紛争が小さくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「離脱の手続を正式に始めるまでは、本山に何をされても文句は言えない」と考えがちだが、条文は「通知前に又はその通知後二年間」と書いている。準備段階で目をつけられて解任された場合でも、離脱を防ぐ目的が認められれば無効を主張できる。保護は通知を出した日に始まるわけではない
- 住職の罷免と代表役員の解任を同じものだと思っていると、裁判で足をすくわれる。住職は宗教上の地位で、教義や信仰の内容に踏み込む判断は裁判所が審査しない(最判平成元年9月8日、蓮華寺事件など)。一方、代表役員は法律上の地位である。規則で住職が代表役員を兼ねる定め(充て職)になっている場合、宗教上の罷免に78条がどこまで及ぶかは実務上、解釈が分かれている。どちらの地位を争うかを最初に切り分けることが戦略の出発点になる
- 寺院側から見れば78条は自分を守る盾だが、法律から見れば、離脱の自由と債務の清算をひとつの条文で組にした取引である。離脱すれば本山との借金が帳消しになると期待して動くと、3項が効いて請求書だけが残る。離脱の損得は、債務残高を確認してから計算するものだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の対象 | 78条:離脱阻止目的の役員解任・権限制限等の禁止と債務存続 | 26条:被包括関係廃止のための規則変更手続と公告・通知 18条:代表役員・責任役員の地位と権限 |
| 主な名宛人 | 包括団体(宗派・教団) | 離脱しようとする被包括宗教法人 宗教法人とその役員 |
| 時間的な基準 | 26条3項の通知前及び通知後2年間 | 認証申請の少なくとも2か月前に公告 規則の定めによる任期 |
| 違反・不備の効果 | 違反行為は無効(2項) | 手続を欠けば規則変更の認証を受けられない 規則に反する選任・権限行使は効力が争われうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には宗教法人の包括・被包括関係を体系的に定める法律がなく、宗派離脱時の役員保護に相当する明文規定は見当たらない
中国では宗教団体・宗教活動場所は行政管理の下にあり、所属関係の離脱の自由を保障する規定構造は日本と大きく異なる
ドイツは宗教団体の自己決定権を憲法上保障し、団体内部の人事は原則として国家法の介入が限定される
米国では教会の離脱に伴う財産紛争について、裁判所が教義に立ち入らず中立的な法原則で判断する手法が認められている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 檀家総会で単立化(どの宗派にも属さない単立宗教法人になること)を決議した三週間後、宗派の宗務庁から住職罷免の通知が届いた。理由欄には「宗門の秩序を乱した」としか書かれていない。罷免のタイミングと離脱の動きが重なっていれば、78条違反として代表役員解任の無効を争う余地がある
- 宗務庁の法務担当として、離脱の動きを見せている末寺の住職を「教義違反」で処分するよう上から指示された。離脱を防ぐ目的が少しでも透けて見えれば、処分は無効になり、宗派側が敗訴する。処分理由と時期の記録をどう残すかで結果が変わる
- もし通知から2年が過ぎても所轄庁の認証が下りておらず、その翌日に本山が代表役員を解任してきたら、どうなる? 条文上の保護期間は過ぎている。2年以内に認証まで持ち込めるかどうかが、離脱計画の成否を分ける
- 離脱後、本山から「過去10年分の未納賦課金と、本堂改修の貸付金を返せ」という請求書が届いた。離脱前に原因が生じた債務である以上、3項により支払いは免れない
- 父の跡を継いで住職になった友人から相談を受けた。宗派を抜けたいが、本山に知られた瞬間に職を失うのではと怯えている。通知を出す前から保護が及ぶと伝えるだけで、友人の表情が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の寺院規則を確認し、代表役員の任免権が誰にあるか、住職との充て職になっているかを把握する2. 26条3項の通知の控え、離脱をめぐる議事録、本山との書面を時系列で保存する3. 解任通知が来たら、理由と時期が離脱の動きと連動している点を整理し、代表役員地位確認の訴えを検討する4. 後任者の変更登記が出されそうなら、宗教法人の紛争に通じた弁護士と早めに保全手段を相談する5. 本山への債務残高を確認し、3項で残る債務の支払い計画を立てておく
訴えられた側:1. 末寺役員への処分を検討する段階で、処分理由が離脱の動きと無関係であることを示す事実(具体的な規則違反、時期、手続)を記録に残す2. 離脱の通知を受けた後2年間の人事処分は、違反と判断されれば無効になるので原則として慎重にする3. 離脱前に原因が生じた賦課金・貸付金などの債権を一覧化し、3項にもとづいて請求する4. 26条1項後段により、離脱のための規則変更には包括団体の承認権限が及ばない点も踏まえて方針を立てる
時効(請求できる期限):不利益取扱いの禁止期間は、26条3項(36条で準用する場合を含む)の通知前と、通知後2年間。規則変更の公告は認証申請の少なくとも2か月前に行う必要がある(26条3項)。違反行為は無効(78条2項)で、無効主張そのものに特定の期限はない。3項で残る債務には一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される
学説
実務上の解釈論点:寺院規則で住職が代表役員を兼ねる充て職の場合、宗教上の地位である住職の罷免に78条がどこまで及ぶかについては見解が分かれている。宗教上の罷免は司法審査が及びにくいため、法律上の地位である代表役員の地位確認として争う構成が検討される
改正沿革 AI による整理
- 昭和26年(1951年) 宗教法人法の制定時に、被包括関係の廃止に係る不利益処分の禁止等として置かれた。その後の改正の有無・内容は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:宗教法人法の制定時に、被包括関係の廃止に係る不利益処分の禁止等として置かれた。その後の改正の有無・内容は要検証
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